税理士の難易度・合格率は?合格に必要な年数や科目別の勉強時間まで解説!

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税理士

脇田弥輝

「税理士試験はどれくらい難しいのだろう?」

「税理士試験の難易度や合格率を知りたい!」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

税理士は士業系資格の中でも抜群の知名度と人気を誇るので、何か資格を取得したいと考えたときに思い浮かべる人は多いと思います。

しかし税理士は最難関資格の1つであり決して簡単ではありません。

そこでこの記事では税理士の難易度について詳しく解説します!

効率良く勉強して最短で合格するためにも、合格に必要な年数や科目別の勉強時間など、税理士試験の特徴をしっかりと理解しておきましょう。

税理士の難易度をざっくり説明すると

  • 全11科目のうち5科目に合格することで、税理士試験合格となる
  • 科目ごとに難易度に差があり、それぞれ合格に必要な勉強時間は異なる
  • 税理士は社労士や中小企業診断士よりも更に難しく、独学合格は極めて困難
  • 難易度が高いだけに、資格を取得すれば大きなメリットがある

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税理士試験の難易度はどれくらい?

税理士の難易度表

税理士は言わずと知れた超難関資格であり、税金の知識を豊富に持つプロフェッショナルです。税金は国民の生活に深く関わっているだけに、税理士になれば幅広い領域で活躍することができます。

実際に税理士試験の合格率は15%〜20%前後です。 毎年約3万人の受験者数のうち約5千人しか合格しません。令和3年度(2021年度)は18.8%、過去4年間を含めた場合の合格率は18.1%と難関資格であることが数値からもわかります。

国民の生活に大きく影響する税金を扱う職業なので、そう簡単には合格できないのが税理士試験です。合格率は20%弱と低いうえに、資格を取るまでには3000時間ほどの勉強時間(年数にして4〜5年間ほど)が求められます

ここではまず簡単に試験の特徴や合格する手順を確認しつつ、税理士になるのはどれくらい難しいのかを把握しましょう。

税理士試験に合格する手順

税理士試験に合格するためには11科目中5科目に合格する必要があり、科目は必須科目・選択必須科目・選択科目に分かれています。

  • 必須科目:簿記論・財務諸表論
  • 選択必須科目:法人税法・所得税法
  • 選択科目:相続税法・消費税法・固定資産税・事業税・住民税・酒税法・国税徴収法

科目ごとに難易度が異なるのでどの科目で合格を目指すのかは各自の作戦次第です。ただし簡単な科目から選ぶというよりは資格取得後のキャリアプランを意識して科目選択を行うことになります。

税理士試験の合格率

税理士試験の合格率の推移を表にすると次のようになります。

試験年度 合格率
2016年 15.5%
2017年 20.1%
2018年 15.3%
2019年 18.1%
2020年 20.3%
2021年 18.8%
2022年 19.5%

こちらの合格率はその年の税理士試験の官報合格者と科目合格者の合計値をその年の受験者数で割った数値となります。そのため官報合格(5科目全てに合格すること)の合格率ではない点にご注意ください。

税理士試験の合格率は毎年20%前後で推移していますが、これはそれぞれの科目合格率がおよそ20%であるということなので、この中で5科目に合格しなければならないことを考えると極めて難易度が高い試験であると言えるでしょう。

必要な勉強時間は3000時間ほど

税理士試験で5科目合格(官報合格)するまでに必要な勉強時間はおよそ3000時間と言われています。

勉強時間の大まかな内訳としては、必須科目2つでそれぞれ500時間ほど、選択必須科目が1つ600~700時間、選択科目が1つ200~500時間ほどです。

もちろん全ての科目で一発合格できる人は少ないので、このうちどれか1つは複数年チャレンジすることになる場合が多いです。

合格までに何年かかる?

※国税庁保有の2017年官報合格者のデータ参照

上のグラフは税理士試験合格者が、最初の科目合格から5科目合格(官報合格)までにかかった年数を示しています。

これを見ると3年以内に合格できる方は非常に珍しく、10年以上かけて合格した人も3割以上いらっしゃることが分かります。税理士という資格がいかに難易度が高いかが伺えます。

ただし合格までに10年以上かけている方はそもそもロングスパンで受験することを決めている方が多いほか、途中試験から離れた期間がある方も一定数いらっしゃるので、グラフの見た目ほど必要年数の実態は多くなさそうです。

とはいえ数年の勉強で合格するのは極めて難しいことは間違いないと言えるでしょう

税理士試験の科目別合格率

税理士試験に合格するためには5科目の試験にそれぞれ合格する必要がありますが、その1つ1つが難関国家資格に相当する難易度を誇っています。

ここでは税理士の難しさを合格率の観点からみていきましょう。

必須科目の合格率

必須科目である会計2科目の合格率は上のグラフのようになります。どちらも税理士合格のためには必ず合格しなければならない科目です。

グラフから簿記論の合格率は約14%、財務諸表論の合格率は約18%であることが分かります。どちらも税理士試験科目の中ではやや高めです。

簿記論の方が財務諸表論よりも例年合格率が低いですが、全て計算問題なので簿記論の方が勉強が楽という人も多いです。

ちなみに、税理士試験では通常合格ラインは6~7割となっていますが、これらの会計科目についてはどちらも5~6割の得点が合格ラインとなっています

選択必須科目の合格率

選択必須科目である法人税法と所得税法の合格率はこのようになります。受験生はこのうち少なくとも1科目を選択して合格しなければなりません。

グラフより法人税法の合格率は約12%、所得税法の合格率は約13%であることが分かります。

法人税法の方が合格率が低く受かりにくいですが、学習内容が税理士業務にほぼ必須なので、受験者が集中しています。

実際、法人税法の受験者数は所得税法の2倍以上であり、人気の高さが伺えます。

選択科目の合格率その1

上のグラフは7つある選択科目のうちの4つの合格率を示しています。このうち消費税法と酒税法、住民税と事業税は2科目とも選ぶことはできず、どちらか片方だけしか選べません

消費税法と酒税法を比べると、どちらも合格率は12%前後で推移しており大きな差はありません。ただし消費税法の方が税理士として知っておくべき内容が多いので、基本的に酒税法を選択することはないでしょう

事業税と住民税はどちらも人気がない科目であり、受験者数も少ないです。

住民税の方は昔は合格率が高く穴場でしたが、2013年から2018年にかけては合格率が大幅に下がったので、そのメリットも無くなってしまいました。

一方で、2019年度ではまた19%という高い合格率を記録しており、今後の合格率の推移に注目が集まっています。

選択科目の合格率その2

相続税法、固定資産税、国税徴収法の合格率の推移を示したのが上のグラフです。いずれも12~13%と標準的な合格率となっています

合格率で見るとこの中で一番低いのは国税徴収法ですが、実はこの科目は税理士試験科目の中でも最も簡単な部類に入ります

合格率はあくまでも目安なので、合格率が低いからといって必ずしも難しい試験であるとは限らないことは覚えておきましょう。

受験者層と年齢・学歴別合格率

税理士試験を受ける人は一体どんな方々なのでしょうか。

試験の受験者層も試験難易度を決定づける非常に重要な要素の一つです。

ここでは税理士試験の難易度を受験者層の観点からみていきましょう。

税理士受験者の平均年齢

2022年度税理士試験における受験者の年齢層は以下のようになっています。

年齢層 受験者層 割合
〜25歳 4,929人 17.1%
26〜30歳 4,131人 14.3%
31〜35歳 4,581人 15.9%
36〜40歳 4,407人 15.3%
41歳〜 10,805人 37.4%
合計 28,853人 100%

表をみて分かるように税理士の受験者の3分の1以上が40歳以上であり、多くの方が働きながら税理士合格を目指していることが分かります。

そのため税理士は超難関資格ではあるものの、仕事と勉強の両立をすることは可能だと言えるでしょう。

上記データから受験者の平均年齢を推測すると約38歳となります。30代や40代から税理士を目指し始めても遅すぎるということはないでしょう。

年齢層別の合格率

上のグラフは年齢別の合格率の推移を示しています。グラフをみて分かるように年齢が若いほど合格率が高くなっています

これは20代の税理士受験生の方は試験だけに専念している人が多いことや、年齢が高いほど仕事で重要なポジションに着くために、なかなか勉強に充てる時間が取れなくなってくることが考えられます。

税理士受験者の学歴別合格率

上のグラフは税理士試験の最終学歴別の合格率を示しています。大学生や高卒の方の合格率が比較的高いのは税理士試験に時間を割ける人の割合が多いからであると推察されます。

また、大卒の人の合格率が高卒の人よりも低かったりと、学歴が高いほど合格率も高いとは言えなさそうです

学歴の高さは重要なのか

学歴別の合格率のグラフをみて分かるように、学歴の高さは必ずしも試験結果に影響するとは言えません。

むしろ長期間の学習となる税理士試験対策にどれだけの時間を割くことができるかの方が合否への影響は大きくなってくるでしょう。

科目別の難易度と勉強時間

勉強時間の画像

税理士試験はどの科目も難しいものの、科目ごとに見ると難易度には差があります。目安となる勉強時間は科目別に以下の通りです。

科目 必要な勉強時間(目安)
必須科目 簿記論
財務諸表論
500時間
500時間
選択必須科目 法人税法
所得税法
700時間
600時間
選択科目 相続税法
消費税法
固定資産税
事業税
住民税
酒税法
国税徴収法
500時間
300時間
250時間
250時間
200時間
200時間
150時間

税理士試験合格には数年かかることも多いので、科目ごとの特徴を理解して計画的・効率的に学習を進めなければいけません

そこで以下では科目別の難易度について解説します。次の税理士試験で何の科目を受験するのか、いつまでに何を勉強するのか、学習計画を立てる上で参考にしてみて下さい。

簿記論

簿記論に合格するために必要な勉強時間は500時間程です。必須科目であり全科目の中でも難易度が高い科目となっています。

他科目と違って理論問題がなくて計算問題のみ出題され、出題される計算問題ごとに難易度の差が大きいことが特徴です。

瑣末な論点も中には紛れ込んでいるため、難問・わからない問題に関しては深追いせず捨てると割り切り、それ以外の頻出論点部分で確実に得点を稼いでいくという意識が大切になります。

簿記1級とどっちが難しい?

簿記1級を取得して受験資格を満たして税理士試験を受ける人もいるので、簿記1級と簿記論の難易度の差が気になる人もいるはずです。

簿記1級の合格率は約10%で、合格するには500~600時間の勉強が必要と言われています。そのため合格率や勉強時間だけ比較すると税理士試験の簿記論よりも簿記1級のほうが難しいように思われます。

しかし簿記1級は年に2回受験チャンスがあるのに対して税理士試験は年1回しか実施されず、問題の傾向も税理士試験の簿記論のほうが難解な問題が多い上に基本問題のレベルも高くなっています。

総じて簿記1級よりも税理士試験の簿記論のほうが難しい試験です。

簿記論についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

財務諸表論

財務諸表論に合格するためには500時間程の勉強時間が必要です。簿記論と同様に必須科目であり、難易度が高い科目となっています。

同じ会計科目ということで簿記論とセットにして勉強するのが一般的ですが、会計基準等を問う理論問題への対策が必要なので、定義や論拠の暗記が鍵を握る科目となります。

会計業務に携わり計算問題が得意な方でも暗記が苦手で財務諸表論の理論問題で苦戦する場合があります。

よって、自身に合った効率的な暗記方法を模索し、頻出知識を中心に内容をインプットしていくことが必要です。

税理士の財務諸表論の難易度については、以下の記事で詳しく解説しています。

法人税法

法人税法は選択必須科目であり、所得税法とどちらか一方は最低1つ合格しなければいけません。しかし難易度が非常に高く、合格に必要な勉強時間の目安も全科目の中で最も長い700時間程となっています。

ただし所得税との選択が可能とは言え、資格取得後に就職・転職活動をして法人に勤めることを考えれば法人税はほぼ必須科目です。

そのため法人税法の難易度の高さがそのまま税理士資格取得の難しさにつながっていると言えます。

法人税法の出題は幅広くなされ、それらに対応するために基礎を中心として頻出論点をまずは暗記し、その後理解と紐づけて忘れにくくすることが大切です。

法人税法の難しさについては、以下の記事でより詳しく考察しています。

所得税法

所得税法は法人税法と並んで選択必須科目です。合格に必要な勉強時間は600時間程で、難易度も法人税法に次いで高くなっています。

法人税法がほぼ必須であることを考えれば所得税法にチャレンジすることは試験合格に向けた戦略としてはおすすめできませんが、その一方で所得税法の受験者数は多いことも確かです。

個人向け業務を行う税理士を目指す場合だけでなく、企業経営上の法人税と経営者個人の所得税の両方を考慮に入れた節税提案ができる等、将来役立つ科目として需要の高い科目となっています。

所得税法は最終的な納税金額を導くまでの一連の流れを意識することで、それぞれの処理の定着をスムーズに進めることができます。

所得税法の難易度についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

相続税法

選択科目の中で最も難しいのが相続税法で、勉強時間の目安は500時間程です。簿記論・財務諸表論と同等の勉強量が求められます。

ただし難易度だけで判断して相続税法を回避すべきではありません。高齢化が進んで相続関連業務が増える中、相続税法合格者は税理士法人からも期待される存在として就職・転職で有利になります。

資格取得後に活躍の場が広がる科目であり、選択科目の中でも比較的受験者数が多い科目です。

相続税法の詳しい特徴や試験難易度については、以下の記事をご覧ください。

消費税法

消費税法と酒税法はどちらか1つしか選択できませんが、普段の生活の中でも関わる消費税は身近な税金であり勉強しやすい科目です。

ただし300時間程の勉強時間が必要で比較的難易度が高くなっています。勉強を始める時はとっかかりやすいので選択科目の中でも特に受験者数が多いものの、対策には意外と時間がかかる科目です。

消費税法の難易度については、以下の記事で詳しく解説しています。

固定資産税

実生活では馴染みがない人も多いのが固定資産税ですが、税理士試験科目としては対策が立てやすくて人気の科目です。

勉強時間の目安も250時間程で、基本的な知識を身に付ければ解ける問題が出題されることも多くて受験生からもよく選ばれています。

選択するかは資格取得後のキャリアビジョン次第ですが、不動産を所有する法人向け業務や土地が絡む個人の相続業務で役立つ科目です。

事業税

住民税とどちらか一方しか選択できませんが、事業税は選択必須科目である法人税・所得税のうち法人税と範囲が似通っています。

将来のキャリアプランと試験対策のしやすさから法人税と事業税をセットで選択することも考えられ、理論よりも計算重視の科目なので計算が得意な方が選択する傾向にあります。

勉強時間も250時間程で難易度もそれ程高くはありません。

住民税

事業税とどちらか一方しか選択できませんが、所得税法とセットで選択すると勉強しやすい科目が住民税です。

必要な勉強時間は200時間程で難易度は事業税とほぼ同じですが、事業税と違って理論問題・計算問題がバランスよく出題されます。親しみやすい税項目なので多くの受験生が選択する人気の科目です。

酒税法

消費税法とどちらか一方しか選択できませんが、酒税法の勉強時間は200時間程なので選択科目の中では比較的簡単な部類になります。

しかし酒税法は実務で出会う機会が少なく、残念ながら資格取得後にあまり役に立たない科目です。資格取得後のキャリアとは無関係に合格目的での受験になることは否めず、選択する人は多くありません。

国税徴収法

国税徴収法は計算問題がほとんど出題されないのが特徴です。計算問題が苦手な人や理論問題が得意な人が選択する傾向にあります。

試験範囲は多くなく勉強時間は150時間程で、法改正も少ない法律領域なので過去問による対策もしやすい科目です。他の選択科目とは異なる特徴を持つ科目ですが、難易度が低くて平易な部類と言えます。

税理士試験の国税徴収法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

税理士試験の難易度が高い理由

難易度が高い試験の場合、合格率の低さだけでなく試験の形式など他にも様々な理由によって取得が難しくなっていることがあります。

この点は税理士試験でも当てはまり、受験資格が存在することや試験形式が記述式であるために難易度が高くなっています。

受験資格が厳しい

そもそも税理士試験を受験するためには一定の条件を満たしている必要があります。税理士試験の受験資格は以下の通りです。

  1. 学識による受験資格
  2. 資格による受験資格
  3. 職歴による受験資格

1つ目の「学識による受験資格」は大学等で法律学または経済学を1科目以上履修した者等を指し、2つ目の「資格による受験資格」は簿記1級の合格者等のことです。

学歴・資格・職歴による受験資格を満たしていない方は簿記1級を取得するなど事前の対応が必要になります。

なお大学院で特定の学位を取得している場合や実務経験がある場合には試験科目の一部が免除されることもあるので、受験資格の詳細を国税庁HPで確認するようにして下さい。

会計科目に関しては受験資格が撤廃

2023年度の税理士試験から簿記論・財務諸表論の会計科目の受験資格が不要となり、誰でも試験を受けることができるようになります

これまでは全ての科目で受験資格を満たさないと受験の土俵に立つことができなかったため、以前と比べて資格取得に向けたハードルが下がることとなります。

この決定により、今まで受験が困難だった高校生や大学1年生の方の受験も可能となるため、若い年代の合格者増加が見込まれます。

各科目がそれぞれ難しい

11科目が用意されているので自分が得意なものを選んで合格できそうなものですが、科目ごとに難易度に差はあるものの税理士試験は全ての科目が難しい試験です。

科目別合格制になっているので1度にまとめて5科目合格する必要はありませんが、1科目合格するために数年かかる場合もあり5科目合格するまでに何年もかかる場合もあります。

試験は全て記述式

国家試験の中にはマークシート式や選択式の試験も多い中、税理士試験は全て記述式です。

マークシート方式のように分からない問題があっても適当に記入して正解できる可能性はなく、知識をインプットすることに加えて正確にアウトプットできるレベルが求められます。

曖昧な理解では得点できない形式なので、税理士試験の難易度が高くなっている理由の1つと言えるでしょう。

税理士の難易度を他資格と比較

税理士の難易度表

他資格と比較すれば試験の難易度を捉えやすくなります。以下では税理士と他資格との難易度の比較を紹介するので、受験する資格を税理士にするか他資格にするか悩んでいる方も参考にしてみて下さい。

国家資格ランキングだとどれくらい?

国家資格の難易度をランキング形式で並べると次のようになります。

資格 偏差値の目安
弁護士 75
医師 74
公認会計士 74
税理士 72
司法書士 72
不動産鑑定士 68
中小企業診断士 63
社労士 62
行政書士 60
FP1級 58
宅建士 56
危険物取扱者(甲種) 54

このように税理士は他の有名国家資格と比べてもかなり難しく、格の高い資格であることが分かります。

公認会計士と税理士を比較

同じく会計業務を扱う資格として税理士と比較されることが多いのが公認会計士です。公認会計士が税理士登録をすることは可能ですが逆はできないので、資格としては公認会計士が上のランクになります。

また両資格は受験者層も異なり、公認会計士は大学生や専門学校生など試験勉強に集中できる人が多いのに対して、税理士は働きながら受験する社会人も多い資格です。

どちらも超難関資格であるものの、しっかり勉強をしてくる受験者が多い公認会計士のほうが難易度はやや高いと言えるでしょう。

公認会計士の難易度については、以下の記事で詳しく解説しています。

社労士と税理士を比較

合格までにかかる期間が社労士は1~3年なのに対して税理士は5年以上かかることも珍しくありません。必要な勉強時間も社労士は1000時間程ですが税理士は全5科目で3000時間以上になります。

試験形式もマークシート方式の社労士とは違って税理士試験は記述式です。税理士のほうがより深い理解・知識が必要とされるので、社労士よりも圧倒的に難易度が高いと言えます。

社労士試験の難易度についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

中小企業診断士と税理士を比較

中小企業診断士には受験資格がなく、合格に必要な勉強時間は1000時間程です。受験資格があって合計で3000時間程の勉強が必要な税理士試験のほうが明らかに難しいことが分かります。

一次・二次試験ともに合格率が20%程の中小企業診断士も難しい資格ですが、合格率が10~15%の科目を5つもクリアしなければいけない税理士試験のほうが中小企業診断士よりも圧倒的に難しい資格です。

中小企業診断士と税理士の関係については、以下の記事で詳しく考察しています。

税理士資格の概要と取得方法とは

ここで税理士資格について基本情報を確認しましょう。

税理士資格とは、会計業務・税務を担う税理士を認定するための国家資格です。

税理士は、税務署への申告・申請を行う税務代理、税務相談、税務書類の作成などの独占業務を行うことが認められています。独占業務を請け負うため、高給で仕事が継続的に見込めることから人気の資格となっています。

税理士資格の取得条件

税理士資格を得るには、4つの条件のいずれか1つに該当する必要があります。

1:弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む) 2:公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む) 3:税理士試験に合格した者であること 4:税理士試験を免除された者であること

上記から分かるように税理士資格を取得できるのは税理士試験合格者、または資格、学位取得、職歴などによる試験免除者です。

しかし、日本では税理士試験に合格もしくは試験免除のみでは税理士を名乗ることはできません。

税理士として活動するためには税理士会への登録が必要であり、さらに税理士法によって通算2年以上の実務経験が登録要件と定められています。(試験合格前の実務経験もこれに含まれる。)

税理士試験とは

税理士試験は、税理士になるために必要な学識およびその応用能力を有するかを判定する試験です。

税理士試験は、会計学科目の2科目(必須)と税法科目のうち3科目(選択必須・選択)の合計5科目の合格を満たして合格となります。各科目とも合格基準点は満点の6割です。

税理士試験の特筆すべき点は、合格科目は生涯有効であることです。

一度にすべて合格する必要はなく計画的に受験できる点から、社会人でも挑戦しやすい資格となっています。毎年一科目必ず合格する勉強計画を立て、5年以上かけ合格を目指すパターンも少なくありません。

社会人におすすめ独学以外の勉強スタイル2選

資格取得を目指すときの勉強法には独学・通信講座・予備校が定番です。

ここでは、社会人の皆さんにおすすめの通信講座と予備校をご紹介します。

なぜなら、税理士試験では独学はおすすめできないためです。その理由や予備校・通信講座の受講が一般的である点を以下で解説していきます。

独学はおすすめしない

予備校代などが掛からず費用を抑えられる独学は人気の勉強法です。 試験の難易度や合格までにかかる勉強時間を考えれば、税理士試験はそもそも独学でチャレンジするような資格ではありません。独学で合格を勝ち取る人は極めて少ない資格です。

また、独学でチャレンジする人が少ないが故に、独学者向けのテキストや問題集は非常に乏しく、目指そうにも満足に教材が揃わないというのが現実です

目当ての科目の教材が見つからないと科目選択にも悪影響が出てきてしまうので、独学で目指すのは避けるのがベターです。

忙しい社会人に人気のある通信講座

以前は予備校に通って勉強する人が多かったですが、今は場所や時間を問わず勉強できる通信講座が大変人気を集めています

また、通信講座は校舎を持たないので維持費もかからず、その分受講料が予備校よりも圧倒的に安いです。予備校では5科目を終えるのに100万円近くの費用がかかりますが、通信講座であれば20~40万円まで費用を抑えることができるでしょう。

税理士の通信講座はどこがおすすめ?

税理士の通信講座であれば圧倒的にスタディングの税理士講座がおすすめです。

1科目あたり49,800円(税込)という破格の安さも魅力ですが、何よりスマホ学習機能が極めて優れているので、通勤時間などの隙間時間を使って効率的に勉強することが可能です

仕事で忙しく、日々の勉強時間がなかなか取れないという方にも非常におすすめの通信講座(オンライン講座)となっています。

この機会に是非一度チェックしてみることをおすすめします。

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予備校は金銭的・時間的余裕のある方におすすめ

予備校は数十年前からある勉強スタイルとして認知度も高いです。プロの指導をオフラインで受けられるのは、勉強の質やモチベーションを高く維持するのにうってつけです。

しかし、予備校は授業時間が固定であることが多く退勤時間の読めない社会人の方は継続するのが困難なケースが多々あります。

さらに校舎は都心や地方中枢都市に集中しており、地方在住の社会人の方は通学ができないのもネックです。

金銭面・時間の余裕・地理的条件をクリアできれば、予備校は社会人の皆さんにもお勧めできる勉強スタイルです。

税理士試験を効率よくパスする秘訣

以下では税理士試験に効率よく合格するためのポイントを解説していきます。

学習しやすい環境づくりは最も大切

税理士試験は、多くの方が仕事と学習を両立しながら試験合格を目指していきます。

ただ、仕事と勉強の両立を果たして満足のいく学習を行うのは並大抵の覚悟では達成することができず、この辛さに耐えかねて試験を諦めてしまうケースも少なくありません。

そこで、学習を行うに際して事前に満足のいく学習を行える環境づくりをしていくことがとても大切になります。

特に職場が受験に協力的であるか否かは大切な要素となるため、税理士試験受験をサポートする体制を整えている税理士法人・会計事務所に転職した上で学習を進めていくことがおすすめの選択肢です。

試験前のまとまった試験休暇を取れる制度や、職場に自習室を設置しているケースも見られるため、より受験にコミットできる職場環境を選ぶようにしましょう。

カリキュラム通りに着実に学習を進めていく

多くの通信講座・予備校では、試験合格のためのカリキュラムが整備されており、その内容に沿って学習を進めていくことが必要になります。

ただ、働きながら学習をされる方は特に正規のカリキュラムから遅れ、結果として基本を中心とした内容を満足に身につけられないケースが多く見受けられます。

そこで、合間の時間を縫って確実に試験合格できるよう、スケジューリングは入念に行うようにしましょう。

授業・復習・受験必須のテストの3つの要素を優先的にスケジュールに組み込むことで、カリキュラム内で求められている事項を達成しやすくなるため、一つのやり方としてぜひ参考にしてみてください。

税理士資格を取得するメリット

税理士取得のメリット

税理士は難関資格なので取得は簡単ではありませんが、その分取得した後のメリットは絶大です。倍率の高さは税理士の魅力や将来性の裏返しであり、苦労して勉強するだけの価値がある資格と言えます。

税理士という資格は皆さんが思っている以上にメリットが大きい資格なので、以下では税理士への求人の状況や年収、社会的地位の高さなどについて紹介していきます。

求人は空前の売り手市場

税理士試験の受験者数自体が減る中で税理士の数が減少しており、税理士業界が人手不足の状態に陥っています。そのため税理士への求人は空前の売り手市場です。

近年は税理士法人の設立数も増えているので、税理士資格取得者だけでなく科目合格者でも就職や転職で有利になります。

毎年行われる税制改正への対応に追われる企業や個人を支える重要な役割を果たすのが税理士であり、近年では消費税の大改正も行われて税理士が活躍する場がますます増えている状況です。

独立すれば年収数千万も狙える

税理士の平均年収は1000万円以上となっています。これは日本人の平均年収よりも相当高い金額であり、平均年収が600万円台とされる社労士や行政書士などの他士業と比べても非常に高い年収です。

勤務型税理士であっても十分に高い水準の年収を期待できますし、独立すれば飛躍的に年収をアップさせることもできます。

開業税理士だと平均年収3000万円とも言われているので、税理士は頑張って勉強して取得する価値があることは間違いありません。

社会的地位も極めて高い

士業の中には知名度が低いために仕事を獲る時に苦労する職業もありますが、税理士は誰もが知っていて知名度も抜群の士業です。

企業経営者や自営業者が最も信頼している相談相手として税理士を挙げることも多く、社会的地位も高くて顧問先から非常に頼りにされる存在でもあります。

税理士資格は合格までに5年以上かかることも多くて簡単には取得できませんが、魅力の大きさを考えればそれだけの時間と労力をかけるだけの価値がある資格です。

税理士の難易度まとめ

税理士になるための難易度まとめ

  • どの科目も難しく、5科目合格するにはどうしても時間がかかる
  • 合格までに必要な合計勉強時間は3000時間ほど
  • 難易度は公認会計士より低く社労士や中小企業診断士より高い
  • 高年収や社会的地位の高さなど資格取得後のメリットが大きい

今回は税理士の難易度について紹介しました。

難易度が高い資格だからこそ各科目の特徴を理解して選択する科目や学習方法を検討することが大切です。また、難しいぶん頑張って合格すれば絶大なるメリットを享受できるのが税理士資格です。

魅力も将来性も高い税理士資格の取得を是非検討してみて下さい!

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