税理士試験の国税徴収法の難易度は?合格率や試験の傾向と対策を徹底解説!
「税理士試験の国税徴収法ってどんな科目?」
「国税徴収法の難易度やおすすめ度が知りたい!」
税理士試験を受験する方で、選択科目でお悩みの方はいらっしゃいませんか?
科目選択は非常に重要で、選択した科目によって合否が別れることもあります。
税理士試験では合格する可能性が高い科目や実務の役に立つ科目を選ぶことが大切です。科目ごとの合格率や難易度などの特徴がわかれば、選択するかどうかの判断材料になりますよね。
この記事では国税徴収法を取り上げます。これを読めば国税徴収法の特徴や選択すべきかどうかまでバッチリわかります!
基本情報をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください!
税理士試験の国税徴収法をざっくり説明すると
- 税金滞納者への処分に関して学ぶ科目
- 実務との関連は高くはないが、税法全般に関わる重要事項を学べる有意義な科目
- 合格率は例年12%前後で、勉強時間は150時間が目安
- 学習しやすいので合格しやすさを重視している方にもおすすめ
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試験の国税徴収法の概要
税理士は税金に関するスペシャリストです。誰もが知っている大変知名度の高い士業の一つです。
税理士になるには色々な道があるのですが、多くの人は税理士の国家試験を受験することになるでしょう。
税理士試験は国家試験全体でもトップクラスに難易度の高い試験です。全11科目のうち、5科目に合格する必要があります。この中で2科目が必修科目、2科目がどちらかを選ぶ選択必修、残りの7科目が選択科目です。
この記事で紹介する国税徴収法は7つある選択科目の1つです。必ずしも選択する必要はありませんが、難易度が他の科目よりも低いため選択する人が多い科目です。
国税徴収法で学ぶ内容
国税徴収法とは税金を滞納した人に対して行う処分について定めた法律です。非常に古くからある法律です。
税理士試験における国税徴収法は、この国税徴収法および関連する法律について学ぶ科目です。民法などの知識も試験では求められます。
また、国税徴収法は法律の考えをどのように実行するのかを具体的に定めた手続法なので、法人税法のような租税債権の成立について規定している租税実体法ではないという特徴もあります。
理論中心の科目であり、計算問題がほとんど出題されないという税理士試験の中では異質な科目です。学習法も理解や暗記に大きなウェイトが置かれます。
国税徴収法の科目の特徴と受験者数
国税徴収法は税理士としての実務との関連が薄い科目です。働く上で必須の知識はあまり出てきません。国税徴収法を学んだからといって実務で有利になるということは珍しいです。
その一方で、難易度の低さや試験対策の容易さから人気を集めています。9科目ある税法系科目の中では4番目に受験者が多い科目です。
また実務と直結するような内容は少ないものの、学習内容は税金の体系的理解に役立ちます。決して無駄な勉強とはなりません。
出題範囲
国税徴収法の出題範囲は、国税徴収法及び関連法の関係事項です。勉強する際には国税徴収法を中心としつつ、国税通則法もしっかり学ぶことになります。
また民法の内容もある程度ですが必要となります。
出題形式
国税徴収法は理論問題がほとんどです。他の科目では理論問題が50点、計算問題が50点というものが多いのですが、国税徴収法は違います。計算問題がほとんど出題されず、理論主体の内容です。
試験では解答を考える時間に余裕があるので、いわゆる時間との戦いにはなりにくい科目です。相続税法のように手を動かし続けて問題をさばいていく必要はありません。
配点に偏りもないので、小さなミスでたちまち不合格になるということもありません。しっかりと学習してきた人が報われる、実力が反映されやすい試験といえます。
国税徴収法の頻出論点
国税徴収法では出題されやすい論点がいくつか決まっています。主な頻出論点は「滞納処分」「第二次納税義務」「徴収緩和制度」などです。
国税徴収法は他の会計科目や特別な税法知識を前提としていません。初めて学ぶ科目としてもうってつけです。
国税徴収法の難易度
国税徴収法は税理士試験の中では難易度が低く、取り組みやすい科目です。具体的なデータを元に、国税徴収法の実態を見ていきましょう。
国税徴収法の合格率
国税徴収法の直近12年間の合格率の推移を表にすると、次のようになります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2022年 | 1,709人 | 235人 | 13.8% |
2021年 | 1,702人 | 234人 | 13.7% |
2020年 | 1,629人 | 198人 | 12.2% |
2019年 | 1,677人 | 213人 | 12.70% |
2018年 | 1,703人 | 182人 | 10.69% |
2017年 | 1,643人 | 191人 | 11.63% |
2016年 | 1,481人 | 171人 | 11.55% |
2015年 | 1,496人 | 212人 | 14.17% |
2014年 | 1,482人 | 195人 | 13.16% |
2013年 | 1,423人 | 184人 | 12.93% |
2012年 | 1,249人 | 170人 | 13.61% |
2011年 | 1,243人 | 165人 | 13.27% |
合格率は年度によって10%から14%の間を変動していますが、おおむね12.5%程度です。他の税法系の科目と同じくらいなので、特に低いということはありません。
ただし、受験者のレベルは他の科目に比べて低いので、比較的合格しやすいと言えます。税理士試験は相対評価の試験なのでライバルのレベルが低ければそれだけ有利になります。
国税徴収法の合格ライン
税理士試験の合格ラインはどの科目も60点です。しかし、合格率は年度に関わらず12.5%でほぼ一定です。つまり、税理士試験は名目上は絶対評価の試験ですが、実際は他の受験生と競い合う相対評価の試験なのです。
そのため、合格率から言えば全受験生のうち上位12%に入れれば合格できるということです。年度によっても変わってきますが、おおむね70から75%ほど正解できれば上位12%に入れます。
ただし、受験者が増加した令和元年の試験では合格ラインが8割を超えています。今後もこの傾向が続いていけば、高い得点率が必要とされることが予想されます。
国税徴収法が対策しやすい理由
他の科目に比べて国税徴収法は対策しやすい科目です。以下の3つが主な理由です。
まず、計算問題が少ないことです。理論が出題の中心なので、しっかりと内容を理解していれば得点できます。そのため、実力がダイレクトに試験結果に反映されます。
次は、制限時間に余裕があることです。時間に追われることもないため、自分の実力を出し切ることができます。計算のペースを意識しなくても良いともいえます。
そして、出題される論点が大きくは変わらないことです。税理士試験では科目によっては年度ごとに出題論点が大きく変わることもあります。国税徴収法では頻出論点が決まっているので、的を絞った対策を行えます。
国税徴収法向けのおすすめ勉強法
勉強時間の目安
勉強時間の目安は150時間です。毎日3時間ずつ勉強すれば、1か月~2か月ほどで達成できる計算ですね。
他の科目に比べても非常に短い時間で基本的な内容を網羅することができます。
しかし、短時間に基礎事項を学習できるのは他の受験生も同じです。
税理士試験は相対試験なので、ライバルよりも上位に立たなければなりません。そのため、150時間学習すれば大丈夫とはなりません。
学習時間はあくまで目安であり、本番で8割以上得点できるだけの実力を身に着けるまでは演習を積み重ねることが望ましいでしょう。
過去問対策が比較的有効
国税徴収法は歴史ある法で、法改正の頻度も高くありません。試験範囲があまり広くないこともあって過去問と同じような論点が問われやすい科目です。
そのため、過去問を利用する勉強法が他の科目よりも有効です。少なくとも5年分は過去問を演習を行い、類題を確実に解答できるようにしておきましょう。
過去問を解く際には解きっぱなしにはせず、必ず解きなおしや復習を行いましょう。同じ問題が出題されても答えられるように何度も解いておくことを心がけます。
解答作成の精度を高める
国税徴収法の試験は記述式です。理解していることを適切な形で表現しなければ点数に結びつきません。きちんと文章で表現する能力が必要です。
表現力を身につけるにはただ知識を理解・暗記しているだけでは不十分です。覚えた知識をアウトプットすることが重要です。
覚えたことはそのままにせず、問題演習を通じて実際に表現できるかどうか試してみましょう。解答作成能力だけでなく暗記の手助けにもなります。これは他の科目でも同じですね。
国税徴収法は選択すべき?
国税徴収法は難易度の低い科目なので、税理士試験を長期化させないために選択するにはおすすめの科目です。論点が決まっていて計算も少ないので、勉強しやすいこともポイントです。
また、国税徴収法は実務との関連が薄い科目である一方で、税法の知識を深く理解するのに役立つ科目です。
そのため税理士として国税徴収法の知識を持っておくことは決して無駄ではないでしょう。
ただし、他の選択科目も国税徴収法のような実務的ではない科目で固めてしまうことはあまり勧められません。選択できる残りの科目は必ず実務に直結する科目を勉強しましょう。
税理士の実務に近い科目は、法人税法・消費税法・所得税法・相続税法などです。この4科目から2科目を選択すると良いでしょう。
国税徴収法を含めたおすすめの組み合わせは「簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・国税徴収法」の5科目です。
税理士として必須の知識をしっかりと学びつつ、勉強時間も抑えられるでしょう。
国税徴収法対策におすすめのテキスト・問題集
国税徴収法は税理士試験の中では取り組みやすい科目です。しかし、そもそも税理士試験自体が難易度の高い試験なので、国税徴収法であっても独学は困難です。
また、税理士試験が実質的に相対評価であることも独学には向かい風です。ライバルたちが予備校や通信講座で効率よく学習している中で、独学で挑むのは圧倒的に不利だからです。
したがって、国税徴収法の対策におすすめの教材は、通っている予備校や通信講座の教材ということになります。
実際に市販のテキストや問題集を見てみても、「これだけやっておけば試験対策は十分」と言える水準のものはほとんどありません。独学者が少ないだけに、市販の教材作成も活発でないのです。
ただし、「国税徴収法 総合問題+過去問題集」は演習量を積むという意味では有効です。予備校や通信講座の教材で物足りなさを感じた場合は、こちらでより多くの問題に触れるのが良いでしょう。
まだ国税徴収法対策のための予備校や通信講座を決めていないという方であれば、まずはスタディングの税理士講座をチェックするのをお勧めします。
スタディングであれば大手予備校よりも10万円ほど安く講座が受講できるうえに、スマホ学習システムが極めて優れているので通勤時間などのちょっとした隙間時間を活かして勉強することができます。
受講生からの評判も極めて高い通信講座なので、この機会に是非体験してみましょう。
税理士試験の国税徴収法まとめ
国税徴収法の特徴まとめ
- 平均合格率は12.5%であり、試験では8割ほどの問題が解けていればOK
- 難易度の低い科目なので、短期合格を目指すにはおすすめの科目
- 実務との関連はやや薄いが、学ぶ意義のある科目である
これまで税理士試験の国税徴収法について解説してきました。国税徴収法は難易度が低く、勉強しやすい科目です。
一方であまり実務的ではない科目なので、科目選択の際は他の科目を実務的なものを積極的に選ぶようにすると良いでしょう。
この記事を読んだ方なら国税徴収法の特徴や勉強法はもうおわかりですね。税理士試験合格に向けて頑張っていきましょう!