FP2級は簡単な資格なのか|学科・実技の難易度差や試験の特徴まで解説!
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ファイナンシャルプランナー
FPこう
「FP2級は簡単に合格できると聞いたけど、本当なんだろうか?」
お金に関する知識が身に付き仕事でも普段の生活でも役立つFP2級。人気資格の1つであり、受験を考えている人も多いはずです。
しかしFP2級は難易度を誤解している人が多い資格でもあります。
FP2級が簡単に取得できる資格かのように書いているネット記事も多くありますが、試験の特徴や難易度を正しく理解することが大切。
そこで今回はFP2級の難易度と試験の特徴について解説します!
試験に合格するためには試験そのものを知ることが大切!最短での合格を勝ち取るためにも、FP2級の試験の特徴を理解しましょう!
FP2級の難易度や試験の特徴についてざっくり説明すると
- FP2級は簡単に取得できるという意見は確かにある
- しかし受験資格や勉強時間を考えると決して簡単ではない
- 合格するためには学科試験対策を中心に勉強するのが効率的
FP2級は簡単と言われている
FP2級についてネットで検索すると「ほとんど勉強しなくてもFP2級に合格できた!」といった記事が出てくるはずです。
必要な勉強時間についても記事によって幅があり、短いものだと50時間や100時間程度で合格できると述べている場合さえあります。
これは1日2時間の勉強を1ヶ月続けるだけで到達する勉強時間ですが、実際には1ヶ月の勉強だけで合格できるほど簡単ではありません。
FP2級の難易度を低く見る意見が多く、このような意見を鵜呑みにしないことが大切になります。
そもそもFP2級を簡単と感じるかどうかは人によって異なります。
金融業界等に勤務していて元々知識がある人は優しい試験だと感じるでしょうし、知識をゼロから身に付けてFP3級合格後に受験する人であれば、上位資格のFP2級は難しく感じるはずです。
以下で説明するFP2級の試験の特徴を踏まえながら、「自分にとってのFP2級の難易度」を正しく把握して必要な勉強時間等を見積もるようにしましょう。
FP2級は本当に難易度が低いの?
弁護士や税理士等の最難関資格に比べればFP2級は決して難しくありません。合格率については後述しますが、合格率が1桁や10%台の士業系資格に比べればFP2級に合格できる確率は高いと言えます。
しかしその一方で簡単に合格できる資格ではないことも事実です。
きちんと対策をして試験に臨まないと何度も不合格になってしまい、勉強に費やした時間も労力も無駄になってしまうでしょう。
そのようなことにならないためにも、FP2級の試験の特徴と難易度について確認しておきましょう。
合格までには数ヶ月継続して勉強が必要
FP2級に合格するためには約150~300時間の勉強時間が必要と言われています。仮に1日2時間勉強しても300時間に到達するためには5ヶ月かかる計算です。
会社員のように働きながらFP2級の資格取得を目指す人も多いため、短期間で一気に勉強時間を確保して合格まで突き進むのは難しいでしょう。
毎日2~3時間ずつ着実に勉強し、数ヶ月継続することで確実に合格を目指すべき資格がFP2級です。
またFP2級では専門的な知識も要求されます。専門知識を理解して試験でアウトプットできる水準になるまでには継続と反復が必要なのです。
知識が定着するまでにどうしても時間がかかるので、この点でも1ヶ月程度の勉強で合格するのは難しいと言えるでしょう。
FP試験の1-3級を比較
FP1-3級の「勉強時間」を比較
FP1級 | FP2級 | FP3級 |
---|---|---|
450~600時間 | 150~300時間 | 30~100時間 |
FP1~3級の「合格率」を比較
FP1級 | FP2級 | FP3級 |
---|---|---|
10%前後 | 約33% | 約65% |
以上のデータからFPの試験は3級から1級にかけて難易度が増していくことがわかります。
FP1・2級の試験には受験資格が設けられています。
それらの受験資格を満たした人のみが受験者であるにも関わらず、合格率が大きく減少していることから、3級から2級、1級と上がるにつれて、難易度が非常に高くなることがわかります。
よって、受験資格取得も含めるとFP2級の資格取得の難易度は高いことがわかります。
学科と実技両方の対策が必要
試験は午前の学科試験と午後の実技試験の2つです。両方に合格して初めて資格が取得できるので、両方の対策を行う必要があります。
計算問題が中心の実技試験と純粋に知識を問う学科試験では対策も異なります。それぞれの対策に時間を要するのがFP2級の試験です。
なお学科試験と実技試験の片方を合格した場合は一部合格の扱いになります。その後の一定期間は合格した試験の受験が免除されるので、学科試験・実技試験それぞれ順番に合格を目指すのも1つの方法です。
FP2級合格に必要な点数は
FP2級は合格者数が決まっている相対評価の試験ではなく、絶対評価の試験です。
合格するために必要な点数は以下のとおりです。
学科試験 | 実技試験(FP協会) | 実技試験(きんざい) |
---|---|---|
36/60 | 60/100 | 30/50 |
試験の配点について、日本FP協会、きんざいどちらも学科試験は1問1点となっていますが、実技試験については配点については非公開とされています。
学科試験、実技試験ともに60%の得点が取れれば良いということがわかります。
受験資格を満たす必要がある
資格試験には受験資格がある試験とそうでない試験があります。FP2級は前者のタイプであり、受験資格を満たさないと受験できません。
具体的には以下の受験資格が定められているので、FP2級を受験するためには事前に以下の受験資格のいずれかを満たす必要があります。
- FP3級の合格者
- FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
どの受験資格でFP2級を受験するにしても、そもそも受験資格を満たすために一定の時間や労力が必要になります。
これは受験資格がなくても誰でも受験できるFP3級とは大きく異なる点です。そもそも試験を受験すること自体が簡単ではなく、FP2級が簡単に取得できる資格ではないことが分かります。
試験は実技試験の方が簡単
学科試験と実技試験の各々の対策が必要になるのがFP2級の特徴です。しかし多くの人が勘違いするのが、「実技」という単語を聞いただけで実技試験のほうが難しいと思ってしまうことです。
実技試験と言っても実際に相談業務を行う訳ではなく、学科試験と同様にペーパーテストに過ぎません。そして同じペーパーテストではあるものの、実は学科試験よりも実技試験のほうが簡単です。
難易度を見誤ると勉強方法も間違ってしまいます。学科試験・実技試験のそれぞれについて合格率などを確認してみましょう。
学科と実技の合格率を比較
FP2級の学科試験と実技試験の合格率は以下の通りです。
出典:日本FP協会 FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ
出典:日本金融財政研究会
実技試験は選択する科目によって合格率に差がありますが、同じ試験で比較してみると総じて学科試験の合格率のほうが低いことが分かります。
学科試験のほうが難易度が高いと言えるので、学科試験に合格できる知識レベルに到達できるかどうかがポイントになるでしょう。
試験勉強は学科試験中心に行う
学科試験にしても実技試験にしても、必要とされる知識や勉強範囲は基本的に同じです。学習すべき分野が同じである以上、難易度の高い試験に合わせて勉強するのが得策と言えます。
そのためFP2級では学科試験対策を中心にして勉強を進めることがおすすめです。そうすることで難易度が相対的に低い実技試験にも対応できる可能性が高まります。
もちろん学科試験と実技試験では対策方法が異なる部分もあるので油断は禁物です。しかし難しい学科試験への対策をベースにしたほうが効率的に勉強を進められることは間違いありません。
FP2級の難易度や試験の特徴まとめ
FP2級の難易度や試験の特徴まとめ
- FP2級は簡単に合格できるという意見に惑わされてはいけない
- 学科・実技の両方への対策が必要なので決して簡単ではない
- 難易度の高い学科試験対策を中心に進めるのが効率的な勉強法
今回はFP2級の難易度や試験の特徴について詳しく解説しました!
1日でも早くFP2級に合格するためにも、受験資格を理解して要件を満たし、学科・実技の両試験の特徴を踏まえて効率良く勉強することが大切です!
お金に関する幅広い知識が身に付くFP2級!最短での合格を是非目指して下さい!