国家資格難易度ランキング|簡単な資格から日本一偏差値の高い難関資格まで紹介
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「国家資格の中で一番難しいのはどの資格なの?」
「資格の難易度ランキングをみてみたい!」
資格取得を検討するにあたって、どの資格がどれくらい難しいのかは気になるポイントですよね。
そこでここでは主要な国家資格について、取得難易度をランキング形式で紹介します!
また、それぞれの国家資格の取得メリットや携わる業務など、資格の基本情報などについても解説します。
国家資格の難易度についてざっくり説明すると
- 医師・弁護士・公認会計士は日本の三大国家資格と言われている
- 国家資格の難易度は合格率だけでは判断できない
- 取得が比較的簡単な国家資格もある
難易度の高い三大国家資格とは
日本の三大国家資格は、一般的に医師・弁護士・公認会計士と言われています。
これらの資格は国家試験合格後も、年単位の実務研修や確認試験のようなものをこなさなければ、業務を行うための資格取得ができないなど、相当な時間やお金を費やします。
資格のもつ社会的な役割や責任から考えても、難易度の高い国家資格です。
そもそも国家資格ってどんな資格なの?
国家資格とは「国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格」とされています。
つまり国家資格は、資格の付与基準等が法律で明確にされていて、法律によって一定の社会的地位が保証された、信頼性の高い資格ということになります。
試験は国・地方公共団体・法律で指定された団体によって実施されます(資格により異なる)。
一方で民間資格は、民間団体等が自由に設定でき、独自の審査基準で与える資格です。法律で規定されたものではないため、認知度が高く一定の能力が評価されるようなものから、社会的な評価がほとんどないものまで、非常に多くの民間資格が存在します。
また地方自治体が実施している検定試験など、何らかの公的性質を帯びている「公的資格」というものもあります。これらは国家資格ではなく、民間資格との違いも明確ではないという位置づけの資格です。
業務独占資格もある
医師や弁護士などのような資格は業務独占資格と呼ばれ、有資格者のみが行うことができる業務を独占して行うことができる資格です。
社会的に需要が高く、独立・開業する方も多い資格ですが、業務は有資格者にしかできないため、人手不足の場合かなりの激務となる可能性もあります。
難関・業務独占資格ほど稼げる
このような、難関の業務独占資格を取得し、働く環境を整えることができれば、一生ものの仕事を手に入れることができるでしょう。
ただし独立・開業する際には、資格に関する専門的な知識を持っているだけでなく、営業活動や経営など他のビジネススキルも勉強し、成長していく必要があります。
国家資格の難易度は合格率で決まらない
国家資格の難易度を推測するときに、合格率は一つの指標にはなります。しかし気をつけるべき点は、合格率を見るだけでは難易度は判断できないということです。
例えば医師国家試験の場合、6年間医学の課程を修めることが受験資格となっています。医学部入学後、最終の第6学年まで進級し、卒業試験に合格した知識を備えている方が受験する国家資格のため、合格率は9割を超えることも多いです。
したがって合格率のみで難易度を判断するのは不十分で、受験資格、受験者のレベルなども考慮する必要があります。
ちなみに三大国家資格とは別に、司法試験・公認会計士試験・国家公務員試験1種は三大難関国家資格と言われ、いわゆる日本一難しい資格です。
これらの資格の難易度にも、出題範囲の広さや試験科目ごとの学習ボリューム、記述式問題の多さ(実力が明らかに出る)、倍率の高さなど、様々な要因が関わっています。
国家資格難易度ランキングTOP11
順位 | 資格名 | 偏差値 |
---|---|---|
1位 | 弁護士(司法試験) | 75 |
2位 | 医師 | 74 |
3位 | 公認会計士 | 74 |
4位 | 司法書士 | 72 |
5位 | 税理士 | 72 |
6位 | 弁理士 | 70 |
7位 | 不動産鑑定士 | 68 |
8位 | 総合無線通信士1級 | 66 |
9位 | 中小企業診断士 | 63 |
10位 | ITストラテジスト | 63 |
11位 | 社会保険労務士 | 62 |
一般的に言われる国家資格の偏差値を参考に、様々な国家資格を難易度ランキングで表しました。それぞれの資格の概要や、基本情報一覧もご紹介していますので参考にしてください。
※偏差値およびランキングは目安であり、順位等が入れ替わることもあります。
1位:司法試験
司法試験に合格することで、次の法曹三者になる資格が与えられます。
- 裁判官:司法権を行使して裁判を行う
- 検察官:刑事に対して公訴・公判・裁判の執行などを行う
- 弁護士:民事、あるいは刑事における法律相談・法律事務・法務などを行う
就く職業によって多少の違いはありますが、次のような資質が共通して求められます。
- 客観的かつ論理的な思考力がある
- 幅広い視野と公平性をもって考えることができる
- 常に冷静沈着な判断ができる
- 人の気持ちが理解できる
- 強い精神力や責任感がある
受験資格のハードルが高いこと(法科大学院修了、または難関の予備試験合格)、試験の出題範囲が広く記述式試験も多いことなどから、総合的な難易度はかなり高い資格です。
また司法試験合格後は、1年間の司法修習を終える必要があるということも、資格取得までの難易度に関係すると言えます。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 法科大学院を修了または予備試験合格 |
試験形式 | 短答式試験と論文式試験(記述) |
合格率 | 約30% |
受験料 | 28,000円 |
独学できるか | 非常に難しい |
弁護士になるには司法試験の他にも予備試験や法科大学院入試、司法修習といったハードルがあります。弁護士になるまでの道のりについては以下の記事で詳しく解説しています。
独学での合格は極めて困難
司法試験は最難関の国家試験であり、独学で合格を目指すことは現実的とは言えません。ほとんど全ての合格者がそうであるように実績ある講座を受講して質の高いインプットとアウトプットが可能な環境に身を置くことが必須と言えるでしょう。
アガルートは独自に開発したフルカラーテキストがわかりやすいと評判で、講師陣の実力にも定評があります。また、司法試験合格者の3人に1人を輩出していることからもアガルートの指導は確かと言えます。
もちろん、法律を本格的に学ぶのが始めてという方でも予備試験や法科大学院入試対策から始めることが可能です。一度、アガルートの講座をチェックしてみることを強くおすすめします。
2位:医師
医師の職務は、傷病の診療や予防、公衆衛生の向上及び増進をつかさどることとされています。 医師法により、医療行為の独占および医師と名乗ることの独占が規定されています。
一般的に次のような方が向いている資格です。
- 日々進歩する医学への勉強を続ける向上心のある人
- 思いやりをもって誠実に患者さんと向き合える人
- 集中して物事に取り組める人
- 体力がありメンタルが強い人
医師国家試験を受験するためには、大学医学部で6年間正規の課程を修め、卒業する必要があります。時間も学費もかかり、受験資格を得るまでの難易度は高いですが、国家試験には9割の方が合格しています。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 大学で医学の正規の課程を修めて卒業した者 |
試験形式 | マークシート方式(2日間) |
合格率 | 約90% |
受験料 | 15,300円 |
独学できるか | 大学医学部の卒業が必須のため独学はできない |
3位:公認会計士
公認会計士は、会計の専門家として会計監査を独占業務として行います。また、税務業務や経営に関するコンサルティング業務、会計業務などを行う公認会計士もいます。
-
会計監査:企業や法人などに対して独立した立場から監査意見を表明し、財務情報の信頼性を担保します。
-
税務業務:税理士登録をすることにより、税務代理(申告・不服申立て等)や各種税務書類の作成などの税務業務を行うことができます。
-
コンサルティング業務:経営戦略の相談やコンサルティングなど、経営全般の相談・助言業務を行います。
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組織内会計士:一般企業で会計・財務・IRなどの業務に携わります。
一般的に次のような方が向いている資格です。
- 数字に強い人、企業経営に興味がある人
- 正義感を持って仕事に取り組める人
- 根気よく正確に物事を成し遂げられる人
- 様々な性格の相手とコミュニケーションが取れる人
公認会計士試験には受験資格の制限がなく誰でも受験できます。ただし短答式試験と論文式試験の2つに合格する必要があり、出題範囲も広く合格への難易度は高いです。
試験合格後も、業務補助または実務補習をこなさなければ公認会計士として登録ができません。ここでさらに2~3年かかる点も公認会計士の難易度を上げていると言えます。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 誰でも受験可能 |
試験形式 | 短答式試験と論文式試験 |
合格率 | 約10% |
受験料 | 19,500円 |
独学できるか | 非常に難しい |
公認会計士資格の取得までにどのくらいの勉強時間がかかるのかについては以下の記事で詳しく解説しています。勉強時間の面から試験の難易度を把握したい方には必見の内容となっています。
合格者占有率50%のCPAでの対策がおすすめ
公認会計士も言わずとしれた難関国家試験です。そのため、ほとんどの受験者が予備校や通信講座を受講しており、よりよい講座を選べるかも試験対策においては重要なポイントになってきます。
有名な「資格の大原」を筆頭に会計士対策ができる予備校は多いですが、近年特に注目を集めているのがCPA会計学院です。2023年度は786名もの合格者を輩出し、なんと50.9%という抜群の合格者占有率を記録しました。
精鋭講師による個別指導など、しっかりと合格をサポートを受けられる点が高い合格実績を残している秘訣と言えるでしょう。
以下のリンクから無料で資料請求することが可能であるため、公認会計士試験に興味のある方は一度講座の概要を詳しく確認するとよいでしょう。
4位:司法書士
司法書士法に基づく国家資格で、 法律の知識に基づき国民の権利の擁護と公正な社会の実現のための業務を行う、とされています。具体的には以下のような業務があります。
- 登記及び供託手続きの代理
- 法務局または地方法務局に提出する書類の作成
- 裁判所または検察庁に提出する書類の作成
- 法務大臣の認定を受けた司法書士については、簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、その他の代理及びこれらに関する相談
司法書士は毎年多くの人が取得を目指す人気の資格です。転職・就職の強みになる他、独立開業しやすい国家資格の一つであり、取得のメリットは多いです。
一般的に次のような方が向いている資格です。
- 最後まで責任感をもってやり遂げる人
- 几帳面かつ正確に仕事ができる人
- 自分の意思で仕事に取り組み結果に反映させたい人(司法書士の仕事の魅力でもある)
- 正しくないことに対して毅然とした態度がとれる人
司法書士試験には受験資格の制限がなく、誰でも受験できます。しかし、試験内容は憲法や民法・民事に関する法律・不動産登記法等、法律について幅広く問われます。
また合格基準点が高く設定されていることもあり、合格率は3〜5%程度と狭き門になっています。受験の入り口は広いですが、合格への難易度は非常に高いです。
司法書士試験合格後はいくつか研修を受ける義務がありますが、弁護士の司法修習や公認会計士の業務補助と比べて、かなり期間が短く負担は少ないです。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 誰でも受験可能 |
試験形式 | 択一問題(マークシート方式)、記述式問題、口述試験 |
合格率 | 約5% |
受験料 | 8,000円 |
独学できるか | 難しいが独学で臨む人も一定数いる |
司法書士になるまでの難しさについては以下の記事で詳しく解説しています。自分が司法書士に向いているかどうか確認したいという方もご一読ください。
独学よりも破格のスタディングでの対策がおすすめ
司法書士試験は合格率が3~4%の難関資格であるため、独学で挑むことは多くの困難が伴います。しかし、通学形式の大手予備校の講座費用は40~60万円もするため、受講しにくいという方も多いでしょう。
しかし、スタディングの司法書士講座は89,100円という破格の値段で受講することができ、費用を抑えて効率的に学習したいという方には非常におすすめできます。
もちろん、スタディングは講座の内容も良質で、スマホでも視聴できる動画講義や講義ノートは良質であると評判です。
5位:税理士
税理士はご存知の通り「税金」の専門家であり、企業や個人の税金の管理や節税に関するコンサルティング業務を行います。
税理士は以下の3つを独占業務としており、税のプロフェッショナルとして経営者を中心としたクライアントから厚い信頼を寄せられています。
- 税務代行
- 税務書類の作成
- 税務相談
一般に次のような方が向いている資格です。
- 細かい数字計算などが苦じゃない人
- 経営者や個人事業主から頼られる仕事がしたい人
- クライアントの脱税を防止するなど高い倫理観を持ち合わせている人
税理士国家試験を受験するためには「学識条件」「職歴条件」「資格条件」「認定条件」の4つの条件のうち1つを満たしている必要があります。
また、11科目のうち5科目を選んで合格すれば試験突破という少々珍しい形態の国家試験となっています。1科目あたりの合格率が約15%なので、5科目合格するのはかなり難易度が高い上に勉強時間がかかります。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 学識・職歴条件・資格・認定の4つの条件のうち1つを満たす者 |
試験形式 | 記述式試験 11科目のうち5科目に合格で合格 |
合格率 | 約20%(1科目ごとに合否が存在) |
受験料 | 1科目4000円、2科目以上受験なら1科目ごとに1500円追加 |
独学できるか | 非常に難しい |
税理士試験の具体的な試験科目や科目別の難易度については、以下の記事で詳しく解説しています。
長丁場の受験を見据えた対策を
税理士試験は3年以上かけて合格を目指すことも多い長丁場の受験となるので、毎年のように20~30万円の予備校代を払っていては家計が持ちません。
そのため、税理士試験に挑戦されるのであれば1科目あたり5万円前後で学べるスタディングの税理士講座がおすすめです。
教材もオンライン学習に特化しておりスマホで隙間時間に学べるので、働きながら合格を目指す社会人の方にも向いている講座と言えるでしょう。
6位:弁理士
弁理士は、知的財産に関する専門家 として、知的財産権の適正な保護及び利用の促進、知的財産に係る制度の適正な運用のための業務を行います。
- 特許・意匠・商標などの出願に関する特許庁への手続代理
- 知的財産権に関する相談・コンサルティング
- 特許権などの侵害に関する訴訟についての訴訟代理
一般的に次のような方が向いている資格です。
- 勉強や情報収集が好きで、最新の技術や法律に対応できる人
- 一人でコツコツ作業をするのが得意な人
- 好奇心があり、新しいものや様々な分野に興味がある人
- 細かい点まで気を配り見逃さない人
弁理士試験には学歴・年齢・国籍等の制限はなく、誰でも受験できるので入り口は広いです。
試験は短答式試験・論文式試験・口述試験の3つがあり、短答式試験に合格しないと論文式試験は受けられず、論文式試験の全て(必須・選択)に合格しないと口述式試験は受けられません。
さらに試験内容は、工業所有権に関する法令から技術・法律に関することまで非常に範囲が広い上に、きちんと理解できていないと正答できない問題が多いです。第一関門の短答式試験が最も合格率が低いというデータもあり、難易度はかなり高いと言えます。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 誰でも受験可能 |
試験形式 | 短答式記述試験(マークシート方式)、論文式記述試験、口述試験 |
合格率 | 6~8% |
受験料 | 12,000円 |
独学できるか | 非常に難しい |
弁理士試験も難関試験として知られていますが、以下の記事で合格までにどのくらいの勉強時間が必要かについて詳しく解説しています。
個別指導講座での対策がおすすめ
弁理士試験の対策をするには良質な講座を受講して効率よく対策を進めることがおすすめです。
弁理士講座で一番のおすすめが資格スクエアの弁理士講座です。大手予備校で弁理士試験の対策をすると30~40万円という費用がかかってしまいますが、資格スクエアの講座は297,000円(税込)で受講することができます。
資格スクエアはもちろん講座内容も良質で、ひとり一人に合わせて個別指導も行われており、非常に良質な講座と言えます。
7位:不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の価格や適正な利用についての専門家です。取引や融資・課税等の対象として不動産の価値を判定し、適正な評価を行います。
- 不動産鑑定業務
国や都道府県が行う地価公示や地価調査、相続税標準地・固定資産税標宅地の鑑定評価、公共用地の取得や裁判上の評価、等の業務を行います。
- コンサルティング業務
個人や企業等を対象に、不動産の有効活用、開発計画の策定などのアドバイスを行います。比較的身近な例としては、賃貸マンション等の適正な家賃や契約更新料の決定などがあります。
一般的に次のような方が向いている資格です。
- 論理的に物事を考え、総合的な判断ができる人
- デスクワークだけでなく、現地調査も苦にしないフットワークの軽い人
- 細かい点に注意を向け、見落としやミスをしない人
- 業務の公共性を理解し、責任をもって誠実に取り組める人
不動産鑑定士の国家試験に、受験資格の制限はありません。しかし試験範囲が広く、合格ラインも高めの難関試験となっています。合格するまでに年数がかかることも多いです。
短答式試験と論文式試験があり、論文式試験を受けるためには、短答式試験に合格する必要があります。試験合格後は、実務修習(1~2年、コース選択制)を修了すると、不動産鑑定士の登録をすることができます。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
---|---|
受験資格 | 誰でも受験可能 |
試験形式 | 短答式試験(マークシート方式)、論文式試験(記述式) |
合格率 | 短答式試験:約30%、論文式試験:約14% |
受験料 | 12,800円 |
独学できるか | 非常に難しい |
8位:無線従事者試験 総合無線通信士一級
総合無線通信士は、無線従事者の中で最も広い範囲の無線設備を扱える専門家です。海上・航空・陸上の無線局における、無線通信や電話の通信操作・無線設備の技術操作などを総合的に行うことができます。
総合無線通信士は、操作できる無線設備の範囲により1級から3級までがあります。1級の捜査範囲は次のように定められていて、無線従事者最難関資格の一つです。
- 無線設備の通信操作
- 船舶及び航空機に施設する無線設備の技術操作
- 第二級陸上無線技術士の操作の範囲に属するもの
- 第一級アマチュア無線技士の操作の範囲に属する操作
一般的に次のような方が向いている資格です。
- アマチュア無線の趣味や興味がある人
- 無線通信に関する幅広い知識を根気よく勉強することができる人
- 官公庁から民間まで多様なフィールドから就職先を選びたい人
総合無線通信士1級は、無線従事者国家資格の中でも最高峰と呼ばれる、非常に難易度の高い資格です。受験資格は問われないため、いきなり1級から受験することもできます。
試験科目は、無線工学から法規・地理・英語・電気通信術など範囲が広いです。中でもモールス信号の送受信は、初めて勉強する方は相当な練習時間が必要と言われます。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
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受験資格 | 誰でも受験可能 |
試験形式 | マークシート方式、電気通信術実技試験 |
合格率 | 6~7% |
受験料 | 21,263円 |
独学できるか | 独学の人もいるが非常に難しい |
9位:中小企業診断士
日本の企業の99%以上を中小企業が占め、起業して間もない小規模事業者の多くが5年以内に廃業を迎えている現実があります。この現状において、中小企業の経営を診断し、経営全般についてのアドバイスをする専門家が中小企業診断士です。
中小企業の成長戦略を実行するための経営計画を立て、その後の変化にあった支援等を行います。他にも企業と行政や金融機関とのパイプ役など、幅広い役割をこなすための知識や能力が求められます。
中小企業診断士は業務独占資格ではありません。中小企業支援法において「経営の診断または経営に関する助言を行うもの」として指定されていますが、どれだけ顧客の信頼や実績を積めるかは、自分次第とも言えるでしょう。
最近は女性の中小企業診断士も増え、女性視点のアドバイスの需要を受けるなど活躍しています。
一般的に次のような方が向いている資格です。
- コミュニケーション能力があり、人と関わるのが好きな人
- 物事を様々な角度や全体から判断できる人
- 論理的な思考と決断力がある人
- 人の役に立とうという気持ちが強い人
中小企業診断士の試験では、経済や財務・会計、経営に関する理論や法務・情報システムなど幅広い知識が求められます。公認会計士や税理士など他の資格と合わせて取得する人も多いです。
受験資格の制限はありませんが、試験科目によっては初めて勉強する場合は苦労するかもしれません。また数年計画で合格を目指す人も多く、一回目の試験で合格する人はほんの数パーセントと言われる、とても難易度が高い試験です。
なお1次試験合格後は2次試験を受ける以外に、養成課程を修了することでも中小企業診断士として登録できるようになります。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
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受験資格 | 誰でも受験可能 |
試験形式 | 1次試験(マークシート方式)、2次試験(筆記試験、口述試験) |
合格率 | 1次試験:約20〜30%、2次試験:筆記試験約20%・口述試験99%以上 |
受験料 | 一次試験:14,500円、2次試験:17,800円 |
独学できるか | 非常に難しい |
中小企業診断士試験に独学で挑む場合の難易度について、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
費用を抑えつつ合格確度を高めよう
中小企業診断士は独学で挑戦するには難しい資格といえます。そのため、良質な講座を受講して合格を目指すという選択肢が現実的と言えるでしょう。
特にスタディングの中小企業診断士講座は59,400円という値段で1次試験と2次試験の対策をすることが可能で、非常にコストパフォーマンスが高いです。
10位:ITストラテジスト試験
企業の経営戦略に基づき、情報技術(IT)を活用して事業革新や業務改革・サービス開発、および事業を高度化・最適化するための基本戦略を企画・推進・提案する役割を担います。
ITを業務内で活かすために不可欠な知識や技能を有することを証明するのが、ITストラテジストという資格です。
ITストラテジストには、ITに関する知識だけでなく次のような能力が求められます。
- 論理的な思考や総合的な判断ができる人
- 専門的な知識や自分の考えを分かりやすく伝える能力がある人
- 新しい情報をいち早く取り入れ、的確な評価ができる人
ITストラテジストは受験資格の制限はありませんが、ITと企業経営の両方の知識を高いレベルで求められる資格であり、国家資格の中でもトップクラスの難易度と言われています。
マークシート方式と記述式・論述式試験がありますが、特に論述式試験では文章構成等の能力も問われるので、十分な対策が必要です。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
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受験資格 | 誰でも受験可能 |
試験形式 | マークシート方式、記述式試験、論述式試験 |
合格率 | 約14% |
受験料 | 5,700円 |
独学できるか | 独学の人もいるが非常に難しい |
ITストラテジストの難易度については、以下の記事で詳しく解説しています。
11位:社会保険労務士
社会保険労務士(社労士)は、企業における労働や社会保険に関する問題に対応し、事業の健全な発達や労働者等の福祉の向上のための業務を行います。
-
労働社会保険の手続業務(労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金に関する手続き業務、就業規則の作成など)
-
労務管理の相談指導業務(雇用・人事・賃金・労働時間などに関するアドバイス)
-
年金相談業務(年金加入期間や受給資格の確認、受給申請手続きなど)
-
紛争解決手続代理業務(労働トラブルを、裁判によらず当事者双方の話し合いに基づき、あっせんや調停・仲裁などの手続きによって紛争の解決を図る業務。特定社労士が行う)
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補佐人業務(労働社会保険に関する行政訴訟や、労働トラブルに関する民事訴訟において弁護士とともに裁判所に出頭し陳述することができる)
近年の働き方改革や人手不足、ブラック企業などの問題を受け、労務管理のプロである社労士の需要はますます高まっています。業務内容的に女性にも向いている人気の資格です。
一般的に次のような方が向いている資格です。
- 正義感がある人
- コツコツとした作業が苦にならない人
- 困っている人を見過ごせない人
- コミュニケーション能力がある人
社労士の試験は択一式問題と選択式問題があり、労働基準法や労災保険・社会保険・年金などから出題されます。
どれも社労士に欠かせない試験科目ですが、範囲が広く覚えることも非常に多いです。社労士の業務に関わる法律は種類が多い上に、法改正が多いことも試験対策で苦労する点であり、難易度は非常に高いです。
受験資格には、①学歴②実務経験③厚生労働大臣が認めた他の国家試験に合格していること、といった要件があり①~③のいずれかを満たす必要があります。
社労士試験に合格後は、実務経験2年以上または事務指定講習の修了をもって、社労士名簿に登録することができます。
資格の基本情報
試験情報 | 内容 |
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受験資格 | 学歴、実務経験、他の国家資格合格のうち指定の要件を満たす者 |
試験形式 | マークシート方式(択一式問題・選択式問題) |
合格率 | 6~7% |
受験料 | 15,000円 |
独学できるか | 独学の人もいるが非常に難しい |
社労士試験の難易度については以下の記事で詳しく解説しています。
フォーサイトのバリューセットで対策しよう
社労士は合格率6%前後の難関資格です。科目数も多く、独学では対策がしにくい難しい試験となっています。
社労士試験の受験者の大半が30代以上の社会人であり、仕事と両立させながら試験勉強をしなければならないという大変さがつきものです。
フォーサイトでは毎年全国平均の3.5~4倍以上という圧倒的確率で合格者を輩出している「バリューセット」という講座を開講しています。
フォーサイトの講座は受講費用も他社の講座よりも3万円以上安い、68,800円で受講することができるので、非常におすすめです。
分野別国家資格難易度ランキング
国家資格を分野別に難易度ランキングで示しました。類似した資格を比較検討する参考にしてください。
法律系国家資格
法律に関する業務を担う資格、および業務に法律の関わりが深い資格の難易度ランキングです。専門性が高く習得しなければならない知識がかなり多いため、必然的に難関資格が多くなっています。
受験資格に制限がない資格でも、大学等で法律を学んでいないと理解が難しい部分も多く、予備校や通信講座などを利用して勉強する方が多いです。
ランキング | 資格 |
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1位 | 司法試験 |
2位 | 公認会計士 |
3位 | 司法書士 |
4位 | 弁理士 |
5位 | 税理士 |
6位 | 中小企業診断士 |
7位 | 社会保険労務士 |
8位 | 知的財産管理技能士1級 |
9位 | 行政書士 |
不動産・建築・土木系国家資格
不動産・建築・土木に関する業務を担う、あるいは業務の現場に関係が深い国家資格の難易度ランキングです。これらも専門性が高く、有資格者のみが扱える業務が多く存在します。就職・転職にも強い取得して損はない資格です。
ランキング | 資格 |
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1位 | 不動産鑑定士 |
2位 | 一級建築士 |
3位 | 土地家屋調査士 |
4位 | 労働安全コンサルタント |
5位 | マンション管理士 |
6位 | 建築物環境衛星管理技術者 |
7位 | 宅地建物取引士 |
8位 | 測量士 |
9位 | 建築設備士 |
IT系国家資格
IT系国家資格の難易度ランキングです。これらの資格は、IT時代においてさらに需要が高まってきています。技術的な知識はもちろん、システム戦略やマネジメント・コンサルティングなど幅広い能力が求められる資格が多いです。
一見、コンピューターの技術や数学に強い理系向きの国家資格ですが、受験資格の制限がないものが多く、文系でも十分に合格を目指せます。
ランキング | 資格 |
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1位 | ITストラテジスト試験 |
2位 | システム監査技術者試験 |
3位 | プロジェクトマネージャ試験 |
4位 | ITサービスマネージャ試験 |
5位 | システムアーキテクト試験 |
6位 | エンベデッドシステムスペシャリスト試験 |
7位 | データベーススペシャリスト試験 |
8位 | ネットワークスペシャリスト試験 |
9位 | 情報処理安全確保支援士試験 |
簡単に取得できる国家資格も存在する?
国家資格は、取得までに長い年月がかかり難しいとされるのが一般的です。一方で、中には簡単に取得できる国家資格があるとも言われますが、実際はどうなのでしょうか。
短期間取得を目指すことができる
短期間の講習受講のみで資格取得できる国家資格には次のようなものがあります。
食品衛生責任者
営業者の指示に従い、食品衛生上の管理運営にあたる 役割があります。飲食店や食品を製造・販売する店等は、原則として食品衛生責任者1名を定めなければなりません(食品衛生管理者をおく必要がある施設を除く)。
一日講習会を受講し確認テストを受ける ことで、当日受講修了証を受け取ることができます。なお、栄養士・調理師等の調理や食品衛生関係の有資格者や、大学で医歯薬獣医学部・畜産学・水産学・園芸科学などの課程を修めている方は、講習を受けずに食品衛生責任者になることができます。
安全衛生推進者
安全衛生推進者は、常時10人以上50人未満の労働者==を使用し、労働安全衛生法に定められた業種の事業場ごとに選任が義務づけられています。
安全衛生推進者は、職場の施設・設備・作業環境等の点検および結果に基づく必要な措置、労働者の健康の保持増進、労災の原因調査および再発防止対策等、職場の安全衛生を確保するための業務を行います。
2日間の安全衛生推進者養成講習を受講することで修了証が配布されます。実務経験は関係なく誰でも受講できます。
甲種防火管理者および防災管理者
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防火管理者とは、多数の人が利用する建物等の「火災等による被害」を防止するため、防火管理に必要な業務を行う責任者です。「甲種」と「乙種」があり、甲種防火管理者は規模に関わらず、すべての防火対象物で防火管理者となることができます。
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防災管理者とは、大規模・高層の建築物において、地震その他の「火災以外の災害」による被害を軽減するため、防災管理に必要な業務を行う責任者です。
なお、防災管理対象物においては「防火管理者が行うべき防火管理業務は、防災管理者が行うこと」とされています(防火・防災対策の一元化)。
甲種防火管理者は2日間の講習、防災管理者は1日間の講習を受講することで取得できます。甲種防火管理者と防災管理者を同時に取得するための講習もあります。
防災管理者講習のみ取得することもできますが、講習内容の理解を深めるため、先に甲種防火管理講習を受講することが推奨されています。
ガス溶接技能者
ガス溶接技能者は、可燃性のアセチレンガス・プロパンガス等と酸素を用い、金属を高温にして溶接・溶断などの業務を行うことができます。建設・土木事業から解体工事業、板金業、製造業など汎用性が高い資格です。
2日間の講習(学科・実技)を受講することで、講習修了当日に修了証が交付されます。
受験資格が存在しない
受験資格がなく、誰でも受験できる資格もあります。容易には合格できない難関資格も多いですが、取得することで年収アップを目指すこともできます。
- 法律系国家資格
公認会計士、司法書士、中小企業診断士、行政書士、等
- 不動産・建築・土木系国家資格
不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士、管理業務主任者、測量士・測量士補、等
- IT系国家資格
ITストラテジスト、システム監査技術者、基本情報技術者・応用情報技術者、情報処理安全確保支援士、等
- その他の国家資格
電気工事士、電気主任技術者、危険物取扱者乙種・丙種、消防設備士、登録販売者、通訳案内士、旅行業務取扱管理者、等
スマホで取れる資格
「あまり勉強時間が取れないから、スマホで手軽に取れる資格が知りたい」
このようにお考えの方もいらっしゃると思います。
人気の国家資格の中には通信講座(オンライン講座)が非常に優秀で、わざわざ重い参考書を持ち歩かなくてもスマホ上で勉強が完結できるものもあります。
スマホで取れる資格の中で特に人気なのは以下の5つです。
- 宅建士
- 簿記
- FP
- ITパスポート
- 基本情報技術者
スマホで取れる資格については、以下の記事でより詳しく解説しています。
国家資格と技能検定の違いは?
技能検定は国家検定とも呼ばれ、国家資格と混同しやすい検定です。技能検定の内容や国家資格との違いについて確認しておきましょう。
技能検定とは
技能検定とは、働く人々の有する技能を一定の基準により検定する国家検定制度です。技能に対する社会一般の評価を高め、働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的として実施されています。試験に合格すると合格証書が交付され「技能士」と名乗ることができます。
建設関係や機械系・食品製造・服飾・その他130の技能検定職種(令和2年4月現在)があり、特級、1級、2級、3級の等級区分や、等級を区分しない「単一等級」があります。他の区分として、外国人技能実習生等を対象として実施する2級、3級および基礎級があります。
技能士には業務独占の規定はありませんが、技能検定に合格した人のみが技能士という名称を用いることができます。
国家資格と技能検定の違い
国家資格は前述の通り、国の法律に基づいて証明された資格であり、有資格者のみが独占して行える業務もあります。
一方で技能検定は、働いている人がもっている技能のレベルをはかり、国として証明するもので、技能検定に合格しないと業務ができないというわけではありません。
ですが、技能検定に合格して技能士となることで、職場における評価が上がるだけでなく、職種や等級により他の国家資格等の受験資格を得られるなどのメリットもあります。
難易度の高い国家資格を効率よく取得するためには?
難易度の高い国家資格を取得するためには、ただ努力するだけでなく効率も大切です。そのための方法をいくつかご紹介します。
将来性も見据えておく
将来のキャリアビジョンを描いておくことで、資格取得への意欲や、必ず合格しようという気持ちが高まります。
そのためには目指している資格が、世の中でどのくらい評価されているか、どのような分野で重宝されているのか、といったことをしっかり調べておく必要があります。
実際に取得した後は、その資格を有効に使いたいですね。有資格者であることをアピールすることで、思わぬところにビジネスチャンスがあるかもしれません。
通信講座・予備校をうまく活用
資格試験の勉強をしていて、途中でモチベーションの維持が難しくなってしまうことは誰にでもあります。特に忙しい社会人の方などには、その可能性があるでしょう。
そのためには、いかに効率よく勉強していくかが重要です。独学で試験対策をすることも可能ですが、一人でやっていく自信がない方や、正確でしっかりした情報を手に入れたいかたなどは、通信講座(オンライン講座)や予備校をうまく活用することも一つの方法ででしょう。
国家資格の難易度にランキングまとめ
順位 | 資格名 | 偏差値 |
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1位 | 弁護士(司法試験) | 75 |
2位 | 医師 | 74 |
3位 | 公認会計士 | 74 |
4位 | 司法書士 | 72 |
5位 | 税理士 | 72 |
6位 | 弁理士 | 70 |
7位 | 不動産鑑定士 | 68 |
8位 | 総合無線通信士1級 | 66 |
9位 | 中小企業診断士 | 63 |
10位 | ITストラテジスト | 63 |
11位 | 社会保険労務士 | 62 |
難関国家資格は、何年もかけて取得する方がいるほど難しいものですが、その分一生役立つ資格となるでしょう。また取得が簡単な国家資格にも、専門性の高い魅力的な資格がたくさんあります。
なにより、この仕事をしたいという強い情熱が資格取得のモチベーションにつながります。自分に合った国家資格を見つけ、取得を目指してみてはいかがでしょうか。