弁理士試験合格までの勉強時間は?勉強法や独学におすすめの参考書まで紹介!

更新日時 2020/04/21

「弁理士試験って独学でも合格できるの?」

「弁理士試験の勉強時間はどのくらいが目安なの?」

このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか?弁理士は特許などの専門家です。弁理士試験は国家試験でも特に難易度が高いことで知られています。

この記事では弁理士試験の勉強時間について紹介します。各科目の特徴や独学での勉強法なども紹介します。読み終えるころには弁理士試験の概要がわかっていることでしょう。

弁理士の勉強時間についてざっくり説明すると

  • 弁理士になるには3000時間の勉強が必要
  • 初学者では2年から3年はかかる
  • 独学でも合格できるが、難易度は高い

弁理士試験合格までの勉強時間は?

時計

弁理士試験に合格するためには初学者で3000時間ほどの勉強時間が必要です。社会人が試験勉強に割り当てる勉強時間は平日なら毎日1時間、休日で毎日8時間くらいです。1週間に20時間とすると、3000時間勉強するには150週、つまり3年近くも必要です。

これだけの勉強が必要ということで、試験の難易度もまた相当なものです。初学者の場合には法律などの専門的な勉強で詰まってしまい、より時間がかかるかもしれません。

とはいえ、試験の勉強時間はあくまで難易度や確保すべき時間を測るための目安にすぎません。必ずしもそれだけの勉強をしなければ合格できないというものでもなく、勉強時間を満たせば必ず合格できるというものでもありません。

弁理士の合格率はどうして低いの?

弁理士試験を主催している特許庁によると令和元年の合格率は8.1%とのことです。おおよそ12人から13人に一人しか合格しないということで、非常に合格率が低い試験であると言えます。

なぜこれほど弁理士試験の合格率は低いのでしょうか。理由はいくつかありますが、その一つに専門性の高さが挙げられます。

弁理士試験では法律と理工系という全く異なる二つの分野が出題されます。そして、どちらも大学教養から専門科目程度の難易度であり両立が困難です。

弁理士試験の出題形式はマークシート式と論述式ですが、マークシート式でも深い内容が出題されるため、合格率は低めです。

この他にも受験資格が制限されていないために知識の浅い人が受験する、論文式試験や口述式試験の適性実施のために合格者が絞られることがあるなどの理由が挙げられます。

弁理士合格まで勉強する期間は?

カレンダー

3000時間を目安に確保する

はじめの大見出しでも書いたように、弁理士試験に合格するには目安として3000時間ほどの勉強が必要です。まずは勉強時間を3000時間ほど確保することを考えましょう。

寝食を削って勉強を頑張ったとしてもおそらく1年はかかるでしょう。しかし、最初からそのようなスケジュールを立ててしまうのは理解度や生活のことを考えると現実的ではありません。おそらく現実の勉強時間との差が開いてしまうでしょう。

自分が確保できる勉強時間を測るには試しに1週間勉強してみるのが効果的です。1週間で確保できる時間がわかったら、そこから計算してみましょう。

弁理士試験の試験内容

黒板

弁理士試験の科目・配点・出題形式

弁理士試験は短答式試験と論文式試験、そして口述式試験に分かれています。試験科目は短答式試験では7科目、論文式試験および口述式試験では4科目あります。さらに、論文式試験では選択した科目についての試験もあるため、試験範囲が非常に広くなっています。

ここでは、それぞれの試験で出題される試験科目について、配点や出題形式などを紹介していきます。弁理士試験では捨てる科目をつくりにくいため、選択科目以外はすべての科目を勉強する必要があります

科目ごとに頻出分野や出題範囲なども取り扱いますので、選択科目を決めたり試験勉強のスケジュールなどで悩んでいる方は参考にしてください。

短答式試験

短答式試験は五肢択一式のマークシート式で出題されます。問題は全部で60問あり、試験時間は3時間30分です。

合格基準は次の2つの条件を満たすことです。なお、得点は目安なので変動する可能性もあります。

  • 総合点が満点の65%以上であること。
  • 満点の40%未満の科目がないこと。
試験科目 出題数
特許・実用新案に関する法令 20題
意匠に関する法令 10題
商標に関する法令 10題
工業所有権に関する条約 10題
著作権法及び不正競争防止法 10題

論文式試験(必須科目)

論文式試験は論述形式で行われます。必須科目では3題が実施されます。試験時間は特許法・実用新案法が2時間、商法と意匠法が1時間30分です。

配点は特許法・実用新案法のみ他の2倍で、残りは同じです。なお、論文式試験では法文集が貸与されます。解答用紙は大学ノートのように横線しか入っていないため、文字数制限などはありません。

合格基準は次の2つの条件を満たすことです。短答式試験と同じように、目安となる点数は受験者の状況によって変動することがあります。

  • 平均点が54点以上であること。
  • 47点未満の科目がないこと。
科目名 試験時間
特許・実用新案に関する法令 2時間
意匠に関する法令 1.5時間
商標に関する法令 1.5時間

論文式試験(選択科目)

選択科目もまた論述形式で実施されます。選択した科目によっては図やグラフなどの描写が必要なこともあります。

試験時間は1時間30分です。必須科目とは別の日程で行われるため、スケジュール調整などは別に必要になります。合格基準は満点の60%以上の得点です。法律の選択者には法文集が貸与されます。

試験科目 試験時間 出題分野
理工Ⅰ(機械・応用力学) 1.5時間 材料力学、流体力学、熱力学、土質工学
理工Ⅱ(数学・物理) 1.5時間 基礎物理学、電磁気学、回路理論
理工Ⅲ(化学) 1.5時間 物理化学、有機化学、無機化学
理工Ⅳ(生物) 1.5時間 生物学一般、生物化学
理工Ⅴ(情報) 1.5時間 情報理論、計算機工学
法律(弁理士の業務に関する法律) 1.5時間 民法(総則、物権、債権から出題)

口述式試験

口述式試験は面接方式で行われます。試験官がいる部屋を受験者が一部屋ずつ回っていく方式で受験します。

口述式試験はどの科目も10分程度です。AからCの3段階で評価され、最低のC評価が2科目以上ないことが合格条件です。試験官の許可を得れば法文集を閲覧することもできます。

科目名 試験時間
特許・実用新案に関する法令 10分
意匠に関する法令 10分
商標に関する法令 10分

試験種の量で対策が大変になっている?

弁理士試験には2種類の筆記試験と口述試験があります。筆記試験はさらに短答式試験、論文式試験に分かれています。このように試験種の量が多いため、弁理士試験は対策が大変な試験となっています。

短答式はマークシート式試験なので一見対策が容易に思えます。確かに暗記で対処できる試験です。しかし、与えられた5つの文章から正しいものの数を答えるというスタイルのため、正確な法文知識が求められます。その難易度の高さから、合格率も20%低めです。

記述式で実施される論文試験は弁理士試験の最大の山場です。合格率は20%と短答式試験と同じですが、これは短答式試験に合格した人たちの中での上位20%であり、レベルが違います。記述方法も独特のノウハウがあるため厄介です。

選択式試験は理系ならば大学の専攻に応じて選ぶのが無難でしょう。文系や理系以外の人は法律科目を選ぶと良いでしょう。理系科目では大学程度の内容が出題されるので、専門外の科目を選ぶ予定の人はそれ相応の覚悟と努力が必要です。

最後に待ち構えている口述試験はほとんどの人が合格できる形式的な試験です。一応対策は必要ですが、あまり気にする必要はありません。

弁理士合格のための勉強法

勉強する人

過去問を活用する!

弁理士試験では過去に出題実績のある問題や似た分野の問題などがたびたび出題されます。そのため過去問による対策が非常に効果的です。まずは短答式の過去問から手を付けましょう。

とはいえ過去問はかつて出題されていた本番の試験問題なのでとてもハイレベルです。勉強を始めたばかりのころはなかなか点数を取れないでしょう。慣れていない問題なのでなのでこれは当たり前です。

重要なのは間違えた問題をどうするかです。テキストや問題集を利用して見直しを行い、知識を仕入れた後は再度チャレンジしましょう。何度も解きなおすことで本番で正解できるような知識を身につけることが大切です。

テキスト選びも重要

独学で勉強する場合にはテキスト選びも重要です。予備校や通信講座では講義に対応するテキストが紹介されますが、独学では自分で選ぶことになります。

まずは、他の資格を独学で取得したことがある人や過去に法学を学んだことがある人です。自分が勉強しやすい文体やテキストのレベルなどもすでにわかっている場合には、ある程度は好みのデザイン・レイアウトのテキストを選んで構いません。

一方、初学者のテキスト選びは注意が必要です。いきなり難しい参考書から入ると言葉の意味が解らなかったり、細かすぎたりして挫折する危険性があります。最初に読むテキストは無理せず簡単な参考書を使う方が良いでしょう。

最新版を買う

弁理士試験に限らず、資格試験のテキストは必ず最新のものを購入するようにしましょう。基本的に中古のテキストはあまりおすすめしません。

法律を勉強する際の注意点の一つに法改正があります。法律が廃止されたり、新しく制定されることがよくあります。古いテキストはこのような内容に対応していないので、思わぬ失点や誤解につながることがあります。

また、資格試験の場合には試験傾向や範囲が変動することもあります。出題されにくい内容であっても勉強することそのものは悪いことではありません。とはいえ、試験対策としては効率が悪いので、直近の傾向に対応したテキストの方が良いでしょう。

シリーズの教材はシリーズで

弁理士試験の試験範囲は広いので1冊のテキストで網羅できるものではありません。多くの場合、シリーズで出版されています。シリーズもののテキストを利用するならシリーズはできるだけ統一するのが基本です。

複数のシリーズを混同して使うと勉強する内容にダブりやモレが生まれることがあります。ダブりがあると説明の切り口が異なるために一度理解したはずの内容で混乱する危険性があります。モレがあると試験範囲を網羅できません。

スマホなどの勉強アプリも活用

スマートフォンとインターネットが発展した昨今では、弁理士試験でも勉強アプリが存在します。単なる法文集や過去問集からテキストや動画講義に至るまで種類も多様です。これらのアプリを活用するのも一つの手です。

上手にアプリを活用すれば勉強時間を増やすことができます。通勤通学中の電車やバスでも勉強ができるので、忙しい社会人でも勉強時間を捻出できます。

また、大きくて重い参考書や法文集を持ち運ぶ必要がなくなるので、隙間時間でも勉強しやすくなります。ライフスタイルに合わせて賢く利用しましょう。

予備校や通信講座の利用が一般的

独学でも対策は可能なのですが、弁理士試験対策では予備校や通信講座を利用する方が一般的です。公表されている合格実績を見ればわかるように、予備校や通信講座を利用する受験生は大勢います。

弁理士試験は相対評価の試験ではありませんが、予備校や通信講座を利用している相手に対して独学で挑むのはやや不利です。合格者数の調整が行われる可能性を考えると、筆記試験では出来るだけ上位で合格する方が安全です

予備校や通信講座の良いところは大きく2つあります。一つ目はプロの講義を受けられることです。ポイントを抑えているので理解しやすく、勉強時間の短縮になります。

二つ目はペースメーカーになることです。なまけ過ぎたりさぼったりしにくいので、不安な人にはおすすめできます。また、勉強する順序や勉強する深さなど多くの合格者を見てきた専門家ならではスケジュールやノウハウを利用できるのも大きなメリットです。

独学で勉強することもできる?

筆記用具

試験日に向けてスケジュールを立てる

弁理士試験の受験を決めたら、最初に大まかなスケジュールを立てましょう。ここで立てるスケジュールには時間的なゆとりを持たせておくのがポイントです。

例えば、比較的時間のない社会人で初学者の人の場合には2年から3年くらいは見積もっておいた方が良いでしょう。上述のように勉強時間尾目安は3000時間なので、翌年の試験での合格はほとんど不可能と言えます。

とはいえ、逆に期間だけを長く取っておくのも問題です。10年単位でスケジュールを立てるとモチベーションが維持できずに結局挫折してしまうかもしれません。なまけ過ぎず、無理をし過ぎないを意識しましょう。

免除制度も要チェック

弁理士試験の受験で重要なのが免除制度です。分量の多い試験なので免除があるかないかで負担が大きく変わります。

短答式試験や論文式試験(必須科目)に合格した人は2年間は受験が免除されます。論文式試験(選択科目)の合格者は永久に免除されます。

論文式試験(選択科目)では、資格や学歴によっても試験が免除されることがあります。技術士など理系の国家資格が中心ですが行政書士や司法書士でも免除されます。理系の大学院で研究を行ってきた人は学歴による免除も可能かもしれません。

まずインプットを中心に!

ここからは、弁理士試験の最初の勉強方法を紹介していきます。なお、紹介する勉強法はあくまで基本形です。人によって得意不得意・好き嫌いが異なるので、各人が自分に合った勉強法になるように改良することをおすすめします。

試験勉強を始めたら、最初は短答式試験の科目を中心にテキストを読んで基本的な内容をインプットしていきましょう。使用するテキストは予備校や通信講座利用者はそれぞれ指定されたテキストでOKです。

独学の人は自分で選ぶ必要がありますが、ここでおすすめするのはTAC弁理士講座の「弁理士試験エレメンツ」です。資格試験で定評のあるTACが出している基本テキストで、必要な内容がコンパクトにまとまっています。

「エレメンツ」の内容が理解出来たら次のテキストへと進んでいきましょう。あるいは、過去問や問題集で実力を試してみても良いでしょう。

読み進めることが大事

参考書を初めて読む時にはよくわからない部分もあるでしょう。上記の「エレメンツ」は比較的わかりやすいテキストですが、初学者なら理解しにくい部分も多数あります。

もしわからない部分に出会っても気にせずに読み進めましょう。テキストは繰り返し読むものなので1回目は概要や枠組みがなんとなくわかれば十分です。2回目、3回目と読むうちに自然と理解できるようになります。疑問点がなくなったら演習で内容を確認ましょう。

弁理士資格を取るといいことはある?

お金

高収入を安定的に得られる

弁理士になると、高収入を安定的に得られるようになります。弁理士の平均年収は比較的高く、雇われている特許事務所勤務の弁理士でも平均700〜800万円の収入を安定的に得られます。特許事務所以外でも企業の特許部門などで働いている弁理士もいます。

業務内容でも恵まれています。独立開業をしない場合には事務や雑務などの作業をしなくても大丈夫です。特許、商標など弁理士の仕事のみやっていけば良いのです。独立すると年収があがる可能性がありますが、事務や経理だけでなく営業などもあるため業務内容が広がります。

ダブルライセンスも有効!

弁理士は他の資格とのダブルライセンスでも役に立ちます。相性が良いと言われている資格には行政書士や弁護士、技術士などが挙げられます。なお、弁理士資格を持っていると行政書士にもなれます。

試験勉強でも資格によって有利な部分は多く、例えば行政書士を取得している場合には弁理士試験の論文式選択科目が免除されます。

実務でも相性がよく、弁理士のクライアントには起業した人や企業を考えている人も多いため、行政書士として登録していることでスムーズに手続きを請け負う事が可能です。

弁理士は将来性がある仕事の一つ

AIが発達しつつある現代ではAIに仕事を奪われてしまうという話があちこちで聞かれます。しかし、弁理士の仕事には複雑なコミュニケーションが必要なため、弁理士はAIに仕事を奪われにくい仕事と言われています。

弁理士に依頼に来る人は何らかの発明を行った人がほとんどですが、具体的にどのような権利を取得するか決めている人はあまりいません。そのため、本人の中ではっきりしていない考えをくみ取る必要があります。

現代のAIはまだここまでの水準には達していないため、まだ弁理士はAIに置き換えられないと言えるでしょう。

通信講座なら資格スクエアがおすすめ

会合

弁理士の勉強をする場合、独学を除くと勉強方法は資格予備校に通学するか通信講座を受講するかのどちらかになってくるでしょう。

資格予備校は一流講師の授業をリアルタイムで受講できるメリットがあるものの、平日の夜にも授業が入り、講座費用が50万円を超えるなど時間的な負担や金銭的な負担は計り知れないものになります。

そのため、資格Timesが弁理士試験の受験を考えている方におすすめしているのが「資格スクエア」の通信講座です。

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また、勉強する上で出てきた質問にも回数無制限に対応してくれるため、学習をしていて躓いてしまう心配がありません。

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弁理士の勉強時間についてのまとめ

弁理士の勉強時間についてのまとめ

  • 勉強量が多く、2年以上という長期の勉強が必要になる
  • 独学では難易度やモチベーションとの戦いにもなる
  • 安全を重視するなら予備校や通信講座

この記事では弁理士試験の勉強時間について紹介してきました。いかがでしたか?弁理士試験は国家試験の中でもトップクラスにレベルが高く、独学での合格はかなり高いハードルが予想されます。

勉強時間は3000時間にもなり、年単位での勉強が前提になります。独学では挫折しやすいので、予備校などを利用する方が安全です。弁理士は非常に魅力ある資格なので、時間とモチベーションのある人はぜひチャレンジしてみてください!