弁理士試験の口述試験って?合格率やポイント・模擬試験利用の重要性まで解説!

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「弁理士の口述試験ってどのくらい難しいんだろう・・・」

「口述試験はどういった対策が有効なんだろう?」

この記事を読んでいるあなたは、きっと上記のような疑問をお持ちなのではないでしょうか。

弁理士の口述試験とは、筆記・論文式試験を合格した人が受験できるいわば弁理士の最終試験の位置づけとなります。試験官と口頭での質疑回答を行い、弁理士としての素養を図る試験となります。

勉強や暗記は得意だけど人前で説明したり答えたりするのは苦手というような人は、口述試験を不安に感じられているかもしれません。ですが適切な対策をしっかりと行えば何も心配する必要はありません。

この記事では、口述試験の合格率や試験についての特徴、具体的な対策方法について解説していきます。弁理士試験を受けられる方は是非ご一読ください。

弁理士・口述試験についてざっくり説明すると

  • 口述試験の合格率は90%以上と大半の人が合格している
  • 毎年10月に東京で実施されている。試験時間は計30分
  • 3科目のうち、2つ以上C評価を取らないことが合格条件

弁理士の口述試験とは

疑問の女性 弁理士の口述試験は論文式試験を合格した人が受けることができる試験です。口述試験の試験合格率は平均して90%以上とほとんどの人が合格しています。

弁理士試験・口述試験の概要

口述試験の日程は毎年10月中旬〜下旬に実施されています。7月に実施される論文式試験から約3ヶ月後になりますので、口述試験対策を取る時間は十分あります。

ちなみに筆記試験の合格発表は9月下旬になります。このタイミングだと口述試験まで1ヵ月を切る形になりますので、合否結果がわからない段階から口述試験対策を進めておくとよいでしょう。

口述試験の試験会場は東京のみでの開催となります。地方からの受験をされる人は前泊する必要があります。

試験当日に迷子になって試験時間に間に合わないといったことにならないように、余裕を持って早めに出発するか、事前に会場へ訪問して確認をするなど準備をしておきましょう。

試験科目としては、工業所有権に関する法令として、特許・実用新案法、意匠法、商標法について出題されます。

試験時間はそれぞれ10分間で合計30分となります。試験官と面接方式で行われるため、知識を兼ね備えていることはもちろんのこと、コミュニケーションや態度についても見られることになります。

口述試験の合格基準としては、特許・実用新案法、意匠法、商標法の3科目中C評価が2つ以上ないこととされています。

極論Cを取らないような対策をしておけばいいということですので、1科目毎に深入りしていくのではなく全科目満遍なく対策を行うことが試験合格に向けた正攻法となります。

口述試験にも免除制度はある?

基本的に口述試験は弁理士試験の論文式試験を合格した人全員が受験することになります。ですが、特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した人については免除が許されています。

ただ特許庁に勤めた経験がある人というのはごくわずかになりますので、ほとんどの人は普通に口述試験を受けることになります。

口述試験は合格率90%と大半の人が合格できますので、免除されないからといって特別不利になるわけでもありません。あまり気にする必要はないでしょう。

法文が貸与される!

口述試験では弁理士試験用法文が貸与されます。必要であれば法文を確認することができるのですが、試験官の許可をもらってから閲覧しなければならないため注意が必要です。

そのため試験当日までには必ず予備校の模擬試験や友人同士でシミュレーションを行うことをオススメします。

ぶっつけ本番で試験実施となると、頭が真っ白になりパニックになってしまうことも十分考えられます。法文確認も冷静に行えるように事前のシミュレーションは行っておきたいところです。

この条件から察するに、その場で法文の理解をする能力が求められていることが分かります。その対策を十分に練ってから試験に挑む必要があるのです。

口述試験の合格率は?

近年の口述試験合格率の推移について表にまとめてみましたのでご確認ください。

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成28年 312人 296人 93.9%
平成29年 254人 255人 98.4%
平成30年 268人 260人 94.0%
令和元年 295人 284人 95.6%
令和2年 282人 278人 98.6%
令和3年 215人 194人 90.2%
令和4年 194人 187人 96.4%

ご覧の通り口述試験の合格率は90%を超えており、ほとんどの人が合格できますのでそこまで心配する必要はありません。筆記試験を突破できるだけの知識があれば、口述試験の試験範囲としては十分カバーすることができます。

よって口述試験で重要なのは、培ってきた知識をコミュニケーションによって相手に伝えられるかどうか、試験中の態度面が大きく影響してきます。

勘違いしてはいけないのですが、口述試験が簡単な試験だということではなく、あくまで論文式試験を突破してきた人の合格率であるということです。

これから弁理士試験を検討している方については、まずは筆記試験合格に向けての学習を進めていくとよいでしょう。

口述試験のポイントは?

ポイント 口述試験がいくら合格率の高い試験だからといって何の対策も取らないまま挑むのは無謀です。

知識を相手に口で伝えるというのはある程度慣れがないと意外にできないものです。ここでは口述試験で注意しておきたいポイントについて解説していきます。

コミュニケーションが大事!

口述試験は面接形式になりますので、試験官とコミュニケーションを取りながら試験を進めていくことになります。

ここでわからない質問をされた時に黙り込んでしまっては試験官に何も伝わらずに評価されてしまうことになってしまいます。

口述試験はたとえ詰まっても構わないので発言することが最も重要です。あなたが弁理士にふさわしいことを試験官へ証明するためには、とにかく声に出して回答するしかありません。

今まで培ってきた知識を見せられなければ、試験官には伝わらないので積極的に発言しましょう。

積極的に発言できるようになるためには、常日頃から発言慣れしておくことが重要です。予備校の模擬試験を受講して自分の弱点や癖を分析してもらったり、回答のパターンを作ってしまうことも効果的です。

友人同士でシミュレーションするだけでも十分効果がありますので必ず実施するようにしましょう。

普段の生活で発表したりプレゼンしたりする機会が無いような人が、いきなりぶっつけ本番で挑んだとしても、自分の思いはほとんど伝えることはできません。できないものだと考えて対策を進めた方がいいでしょう。

質問には簡潔に最小限答える!

ある質問に対してこちらからわざわざ追加情報まで説明をする必要はありません。

例えば、「~はありますか?」と聞かれた場合には「あります/ありません」と答えるだけでいいのです。その理由や条件まで追加で話す必要はありません。

試験官がそれについて詳しく確認したい時には追って質問をしてきますので、聞かれていない段階でわざわざ説明する必要はありません。

また回答する際にも最小限だけ話すのがコツです。例えば、解答が3つあるうち1つ回答できれば次に進んでもよいという基準設定がされている場合、わざわざすべて回答せずに1つだけ回答すればミスを防ぐことができます。

仮に全て回答することを求められている場合は、試験官の方から追って質問してきますので問題ありません。

失敗を回避したい

もし面接官の質問を聞き取れなかったり質問の意図を解釈できない場合は、遠慮することなく「ご質問の意味は○○ということでしょうか?」と確認するようにしましょう。

質問の解釈をはき違えたまま的外れな回答をしてしまうことがないようにするためです。

また知識系の質問の場合は、内容がまったく分からないといった事態になることもあり得るでしょう。

そんなときには無理にわかったふりはせずに「申し訳ございません。勉強してきたのですが忘れてしまいました。別の事例で質問をお願いできないでしょうか?」とわからないことをはっきりと伝えましょう。

用意された条文を参照するというのもありです。わかりませんと試験官に伝えることは勇気が必要ですが、沈黙してしまったり的外れな回答をしてしまうよりはるかに良い解決方法となります。

口述模擬試験を利用する

口述試験対策として、予備校などが実施している口述模擬試験を体験するという方法があります。これは知識の最終確認・補充にも最適であり、試験の容量も掴むことができます。

口述試験独特の対策としても有効です。条文を参照したい際には確認してから開くことや、条文を閉じてから回答すること、試験官の誘導には基本的に乗っかること、問題文が長いときに聞き直すことなどは、事前に慣れておいたほうが試験当日もパニックにならずに済みます。

忙しい社会人には通信講座がおすすめ

働きながら弁理士資格の取得を目指す方や、育児の傍で弁理士試験を受験する方も多いでしょう。そんな方は普段の自由時間も少なく、予備校の講義や対策を受けることができません。

そこで、資格Timesがおすすめしているのが「資格スクエア」の通信講座です。

資格スクエアでは、短答試験から口述試験合格までを一貫してサポートしてくれます。

短答試験・論文試験に関しては、一流講師の授業をタブレットで好きな時間に受講できますし、専任講師による無制限の質問対応があるため、疑問に思ったところは遠慮なく質問することができます。

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弁理士の口述試験まとめ

弁理士の口述試験まとめ

  • コミュニケーション重視。黙り込まないこと。
  • 質問には最小限の内容で回答する。
  • わからないことはっきりと伝える。
  • 予備校が実施している模擬試験を受けて慣れる。

弁理士の口述試験について解説してきました。

口述試験は知識面だけでなくコミュニケーションや態度についても重要な評価ポイントとなります。

知識面においては筆記試験を合格できるだけの能力があれば十分対応できる内容となっておりますのであまり心配する必要はありませんが、コミュニケーションに自信が無い方はそれ相応の準備をして挑むことをオススメします。

人と話すことが苦手という方は、予備校が実施している口述模擬試験を受講して応対の耐性をつけることをオススメします。

また頭の中で考えていることを口頭で説明するというのは意外に難しいものです。口頭で知識をアウトプットする訓練は常日頃行っておくほうがいいでしょう。

これができれば合格は目の前です!弁理士試験合格に向けて頑張ってください!

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