行政書士合格に必要な勉強時間はどれくらい?開始時期から効率的な勉強方法まで解説!
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行政書士
宮城彩奈
「行政書士って難易度が高いって聞くけど、実際どれくらいの勉強時間が必要なんだろう?」
「勉強の開始時期や勉強法のコツが知りたい!」
この記事を読んでいるあなたは、きっと上記のような疑問を抱えているのではないでしょうか。
行政書士試験は試験範囲も広いためそれなりに勉強時間を確保しなければならないことは想像できると思います。
何の計画も立てずに勉強を始めてしまい、行政書士試験までに十分な準備が間に合わなかったとなれば目も当てられません。
そこでここでは行政書士試験合格までに勉強時間がどれくらい必要なのか、短期間で効率良く合格を目指すためにはどういう勉強法が効果的なのかについて分かりやすく解説します!
行政書士学習に必要な勉強時間について
- 予備校や通信講座を活用して500~600時間
- 平成18年度の試験改正により、独学だと800時間は必要か
- 毎日3時間の勉強で9~10か月間
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行政書士の勉強時間は500〜1000時間
行政書士試験合格のための勉強時間は、通信講座や予備校を利用した場合は500~600時間、法律関連の勉強が未経験での独学の場合は800~1000時間程が目安です。
1日3時間の勉強を繰り返すとすると、通信講座・予備校の際は5ヶ月半~6か月半、独学の際は9~11か月ほどの勉強期間が必要です。
そのため学習計画をに沿った勉強が合格の肝となりますが、頻出内容を重点的に学習できれば学習時間は減らすことが可能です。
ここでは行政書士学習に必要な勉強時間について、多くの勉強時間が必要な背景と共に解説します。
通信講座や予備校に通う場合の勉強時間
行政書士合格のために勉強時間がどれくらい必要なのかインターネットで検索したことがある人も多いのではないでしょうか?
勉強時間については数多くのサイトで書かれていますが、100時間で十分と謳っているサイトもあれば、1000時間は必要と書いているサイトもあります。
こればかりは法律に対しての知識があるかどうか、職務経験があるかどうかといった部分に大きく左右されますので、どれが正しいとは一概には言えないでしょう。
そういった中でもし目安を設定するとしたら、各予備校や通信講座で設定しているカリキュラムから時間算出してみるのも良いでしょう。
大手通信講座では500~600時間(自習時間・問題演習込み)、通学型の大手資格スクールでは200~300時間(講義時間のみで自習時間含まず)でカリキュラムが設定されていることが多いです。
よって全くの初学者が行政書士を目指すのであれば、500~600時間は勉強時間として必要と考えるのが自然です。
独学者はより多くの勉強時間が必要
上記にて行政書士の勉強時間として独学なら500~600時間必要であると記載しましたが、平成18年度に試験制度が変更されたことにより難易度が上がりました。
それにともない自ずと必要な勉強時間が増加している傾向にあり、独学者は特に合格には更なる勉強時間が必要となっている厳しい状況です。
最近の合格者の声では、独学であれば800~1,000時間は勉強時間が必要だという声が多くなってきています。
このことから勉強時間は余裕を持ったうえで多めに確保しておくことで、合格の可能性を少しでも高めることができます。
他の資格と勉強時間を比較
行政書士を他の人気国家資格と比較してみましょう。
資格 | 勉強時間 |
---|---|
行政書士 | 500~600時間 |
簿記2級 | 350~500時間 |
宅建 | 200~400時間 |
社労士 | 1000時間 |
中小企業診断士 | 1000時間 |
司法書士 | 3000時間 |
ここから行政書士の勉強時間は宅建の200~400時間の勉強時間よりは多いものの、社労士の勉強時間である1000時間よりは少なくなっています。
このことから勉強時間の観点から難易度を見ると、6つの資格の中で中程度であるといえるでしょう。
また行政書士の取り扱える書類の数は1万を超え、官公庁への書類申請がなくならない限り需要は一定数存在する資格と言えます。
よって多少勉強時間をかけてでも取得する価値は十分ある資格となっています。
行政書士試験合格までの勉強期間は?
合格までの勉強期間は人それぞれ
行政書士合格には通信講座などを利用して500~600時間の勉強が必要であり、独学の場合は800~1,000時間の勉強が必要であるといわれています。
今回はこれらの勉強時間について1日3時間の勉強を毎日すると仮定した場合勉強期間はどれくらいであるかを表にまとめました。
合計勉強時間 | 1日の勉強時間 | 勉強期間 |
---|---|---|
500時間 | 3時間 | 5か月と半月 |
600時間 | 3時間 | 6か月と半月 |
800時間 | 3時間 | 約9か月 |
1,000時間 | 3時間 | 約11か月 |
勉強時間はそれぞれの忙しさのほかにも前提知識があるか否かで大きく変わってくるものとなっています。
上の表からは通信講座などの講座を受講している場合は5~6か月、独学で挑む場合は9~11か月を勉強期間の目安と見ることができるでしょう。
しかし、この勉強期間は毎日一定の勉強時間を繰り返した場合のものであり、実際はこれよりも勉強期間が多くなるものと予想されます。
余裕を持って勉強計画を見積もることで多少予定がずれても計画の修正が可能となるので、勉強期間は多めにとっておくことがおすすめです。
試験に落ちたらもう1年追加
上記の学習期間はあくまでも一発で合格した場合の話です。不合格になってしまえば、当然ながら合格までの期間が1年長引くことになるので注意しましょう。
学習期間を短くするための最善の方法は1回で合格することです。ズルズルと不合格を重ねてしまわないように、万全の状態で本試験に臨めるように準備しておきましょう。
試験勉強の開始時期
勉強の開始時期については、その人がサラリーマンなのか、はたまた大学生なのかによって大きく異なってきますので、一概に言い切ることはなかなかできません。
ここでは、平均的なサラリーマンが全くの初学者の状態で行政書士を目指す場合についてシミュレーションすることにします。
一般的なサラリーマンが確保できる勉強時間としては、平日の場合、主に通勤時間中にテキストを読んだり、仕事から帰宅後深夜にかけて勉強することになることを考慮すると、およそ3時間/日がいいところでしょう。
休日は家事や育児をする必要があることを考えると、4時間/日程度が限界なのではないでしょうか。他に仕事での飲み会などで勉強できない日もあるでしょうから、1週間の勉強時間としてはおよそ20時間程度になるでしょう。
次に、行政書士試験の勉強に必要とされる600時間を20時間/週で割ると、だいたい30週程度となります。
つまり行政書士試験に初学のサラリーマンが独学で受かるには、7~8か月程度の勉強時間が必要になるということがおわかりいただけると思います。
行政書士試験は毎年11月の第2週に実施されますので、これを逆算すると余裕をもって1月中旬頃からは行政書士の勉強をスタートさせる必要があるということになるのです。
さらにGWやお盆といった大型連休においても遊びに行くのではなく、勉強時間に柵といった努力も必要となります。
行政書士に最短合格するための独学勉強法とコツ
行政書士は試験範囲も広く難易度の高い試験です。上記にて必要な勉強時間についてまとめましたが、ただやみくもに勉強していては無駄に時間が過ぎていくだけです。
ここでは行政書士試験を短期間で合格するためのコツ・勉強法について解説していきます。
最初に計画を決めて勉強時間を作る
行政書士における勉強法としては、「いつまでに」「どんな教材を」「どの順番でやるか」を決めておくことが重要です。あらかじめ定めておくおとで効率的に勉強を進めていくことができます。
逆に計画を決めないままに勉強を進めてしまうと、基礎が固まらないうちに演習に手をだして挫折してしまったり、勉強がスムーズに進まないことから結果無駄な時間を過ごしてしまうといったことになりかねません。
また当然ですが計画を立てたとしてもその通り実行しなければ意味がありません。
時にはサボりたくなったり、他の誘惑に負けそうになることもあるとは思いますが、覚悟を決めて毎日勉強時間を2~3時間は確保して取り組むようにしましょう。
知識を何回も反復する
行政書士試験の行政法などの科目では知識を暗記することが試験での高得点につながってきます。
これらの科目で得点を安定させることも短期間での合格に欠かせない要素の一つといえるでしょう。
知識の暗記で一番重要なことは定着しやすいタイミングで知識を反復させていくことです。
最初にやった知識は翌日、1週間後、1か月後など忘れやすいタイミングに復習を行うことで効率よくインプットすることができます。
暗記はやるときりがないといえるので、効率的な暗記方法を心得て、効果的に暗記を行えるようにしましょう。
時間配分は民法と行政法を特に重点的に
行政書士の勉強法として、配点の65%を占める民法と行政法の範囲はしっかりと時間をかけて対策するようにしましょう。
逆に商法など配点が低い科目については場合によっては捨てる判断を下してもいいので、民法と行政法の勉強を最優先しましょう。
これらの科目の学習法として有効なのは、複数の科目の学習を同時並行で進めていく学習法になります。
具体的には、まず憲法の学習を一通りやった後に、行政法の学習に移ると同時に憲法の学習も2周目で覚えきれていないポイントを中心に解消していきます。
この学習方法により、一度覚えたけど時間がたって忘れてしまったという事態を防ぐことができるので、知識を効果的に定着させることができるでしょう。
民法や行政法などメインの科目は特に触れない期間を作ると、肝心な場面で内容を忘れ得点が伸び悩んでしまうため、この学習法を意識するのがおすすめになります。
サブ科目はタイムパフォーマンスを意識
行政書士において点数配分の低いサブ科目(一般知識、商法・会社法)は時間当たりのコスパを意識したうえで学習を進めるとよいでしょう。
このタイパを高めるために、限られた時間の中で点数に直結する部分、つまり本試験で繰り返し出題される論点を何度も学習することが必要になります。
これを行い、範囲の広い試験の要点を効率よく押さた上で、できるだけ民法や行政法などのメイン科目に時間配分を割り当てるようにするのがおすすめです。
過去問は分析が大事
行政書士試験の試験範囲は膨大であるためすべての範囲を網羅することは特に短期間では難しいです。
よって短期間での合格のためには過去問の分析を通してやるべきポイントを明確にして、それらの部分を中心に勉強する必要があります。
具体的には問題の種類を分類してよく出る範囲を網羅していくなどの方法が有効となってくるのです。
また普段の過去問演習からどの試験範囲を解いているか意識しておくことも有効な分析に一役買うでしょう。
より詳しい学習法を知りたい方は、以下の記事も併せて参照してみてください。
効率的なおすすめ勉強スタイル2選
行政書士試験本番までに、しっかりとした学習時間を確保することが難しい方もいるでしょう。
以降では、より効率的に、短い勉強時間で合格を達成する方法をご紹介します。
通信講座は忙しい社会人にお勧め
独学に強いこだわりがあるわけでなければ、通信講座を活用することがオススメです。
通信講座は通学制の予備校と比べてリーズナブルな価格で質の高い講義やサポートを受けることができます。
通信講座のテキストは行政書士試験の出題ポイントを知り尽くしたエキスパートが作成しているため、独学よりも効率的な対策をとることができます。
また勉強を継続するための工夫やサポートも豊富なので、途中で挫折して多くの時間とお金を無駄にしてしまう可能性も減るでしょう。
会社や家事・育児に時間がとられてしまい、独学だと十分な勉強時間を確保することが難しい場合は、通信講座を活用することがおすすめです。
以下の記事では行政書士の通信講座を紹介しているので、ぜひ一度チェックしてみてください。
時間に余裕のある方は予備校の利用も
予備校は通学が必要である上に、通信講座よりも費用が嵩むので、利用を検討していない方も多いでしょう。
しかし、予備校によっては「速修コース」が用意されている場合があります。
こういったコースであれば費用を抑えることができますし、頻出分野を中心に対策を行うので、最短合格を目指すことが可能です。
また、予備校への通学などでメリハリのある学習をしたほうが向いている、という人も少なくないでしょう。
予備校にもお得に受講できるコースが存在しますので、上手に活用できると合格にグッと近づきます。時間に余裕のある方にお勧めできます。
独学は費用を抑えられるが効率が劣る
独学の魅力は何といっても費用を抑えられる点が魅力ですが、プロの指導が入らないため勉強時間は長期化する傾向にあります。特に今まで勉強で大きな成功実績がない方は要注意です。
勉強計画を立てる際に無謀なプランニングや継続が困難な計画をしてしまうことで、受験そのものを挫折してしまうケースも少なくありません。
また独学は孤独な戦いにもなりやすいことから、数か月勉強をやりきる強い覚悟とモチベーション維持が求められます。
行政書士試験合格のための勉強時間の作り方
スマホを勉強道具にしてスキマ時間を活用
皆さんが持っているスマートフォンは、暇つぶしや連絡手段としてのツールだけでなく立派な勉強道具としての役目も果たします。
例えば、暗記事項をスプレッドシードにまとめ通勤時間に見返したり休憩時間に作成することができます。さらに、自分で録音やYouTubeの音声を利用し耳から学習内容をインプットすることも可能です。
毎日5分から学習習慣を形成しましょう。
就寝直前に暗記をこなす
夜寝る前の30分を勉強に充てるだけでも学習効率は大幅に向上します。
学習した内容は睡眠時に定着するため暗記は寝る前におこなうと覚えやすくなるといわれ、就寝前は暗記に特化した勉強を行ってみましょう。
寝る前の30分で暗記し、起きてから復習するルーティンを作ることができれば、格段に行政書士試験合格に近づくことができます。
行政書士試験の概要・難易度・合格率
勉強時間を正しく見積もって計画を立てるためには、行政書士の試験の性質を正しく押さえることが重要です。
ここでは試験内容・合格基準・合格ラインの3つについてわかりやすく解説します。
試験内容は大きく2つに分類
行政書士の試験科目は大きく「法令科目」と「一般知識」の2つに分かれています。
法令科目が行政書士の勉強のメインですが、一般知識も合格基準に大きく関わってくるので決して軽視できない存在となっています。
それぞれの科目の特徴は次のようになっています。
「法令科目」がメイン科目
「法令科目」は憲法、行政法、民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題されます。
出題形式は5肢択一式、多肢択一式、記述式で構成されています。
主な出題内容としては、行政書士としての業務を遂行するにあたり必要な法律の範囲を中心に問題が出題されます。
得点に占める割合も8割以上と高くなっており、ここで点数をしっかり稼ぐことで行政書士の合格が見えてきます。
また出題の注意として、試験実施年度の4月1日に施行されている法令について出題されるので、受験年の4月までの法改正情報には気を配る必要があります。
「一般知識」の対策も忘れずに
「一般知識」では政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解の3分野から出題されます。出題形式は5肢択一式のみとなります。
行政書士の仕事とは関連度が低い科目であり、行政書士として最低限知っておくべき常識問題が出題されることが特徴となっています。
時事問題が多く出題されるため、的を絞った対策が難しいことが特徴となっており普段からニュースなどを見るなどして情報を収集することが大切になる科目となっています。
注意点として配点は低いものの「一般知識」にも足きりが存在します。
4割を切ると自動的に不合格になるので、何も勉強しないまま試験に望んでしまわないように気を付けましょう。
行政書士の一般知識の詳細は以下の記事をご覧ください。
合格基準はいくつか存在
行政書士試験を合格するには下記合格条件を満たす必要があります。
行政書士試験の合格基準
- 「行政書士の業務に関し必要な法令等」科目の得点率50%(122点)以上
- 「行政書士の業務に関連する一般知識等」科目の得点率40%(24点)以上
- 試験全体の得点率60%(180点)以上
この条件を1つでも満たしていなければ足切りとなってしまうので、得点効率の高い科目を優先的に勉強しつつも、足切りにかからないように注意する必要があります。
また、分野ごとに合格点が細かく設定されているわけではないので、ほとんど得点できない分野があっても合格可能となっています。
行政書士の合格点の詳細は以下の記事をご覧ください。
合格率は10%前後
行政書士試験の近年合格率について表にまとめてみました。
年度 | 受験者数 | 合格率 |
---|---|---|
令和4年 | 47,850人 | 12.1% |
令和3年 | 47,870人 | 11.2% |
令和2年 | 41,681人 | 10.7% |
令和元年 | 39,821人 | 11.5% |
平成30年度 | 39,105人 | 12.7% |
平成29年度 | 40,449人 | 15.7% |
平成28年度 | 41,053人 | 10.0% |
平成27年度 | 44,366人 | 13.1% |
平成26年度 | 48,869人 | 8.3% |
この表から読み取れることとして、合格率はおおよそ10%前後となっており、時間をかけて対策することの重要性がはっきり認識できると思います。
また社労士の合格率の約6%、司法書士の合格率の3%前後と比較すると行政書士の合格率は比較的高い数字とも言え、難関国家資格と比べると合格しやすい試験であるといえるでしょう。
超難関資格のように合格の糸口がつかみにくい試験ではないため、勉強を毎日継続し正しい勉強法を実践することで合格が見えてくる試験となっています。
毎日の知識の積み重ねがものをいう試験であるといえるのです。
行政書士の合格率の詳細は以下の記事をご覧ください。
行政書士に合格するための勉強時間まとめ
行政書士の勉強時間まとめ
- いつまでに・どの教材を・どの順番で進めるか決めておく
- 配点の高い民法・行政法を完璧に仕上げる
- お金に余裕があれば予備校・通信講座を検討
行政書士合格に必要な勉強時間、効果的な勉強法について解説してきました。
行政書士試験合格までに必要な勉強時間は600時間前後、独学なら800時間ほどと長丁場な戦いとなります。
上記のように計画を立てることや試験範囲を絞ることも重要ではありますが、最も重要なのは毎日勉強を継続できるかどうかです。いくら計画を立てたとしても、甘えや誘惑に負けてしまい勉強をサボってしまっては絵に描いた餅で終わってしまいます。
行政書士は社会的評価の高い資格ですので、取得できれば就職や転職にとても有利となります。苦労してでも取る価値のある資格ですので、自分に負けずにコツコツ勉強を続けていきましょう。行政書士試験合格に向けて頑張ってください!