行政書士試験は独学で合格できる?勉強法や勉強時間・おすすめのテキストまで全て紹介!
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行政書士
宮城彩奈
「行政書士は独学でも合格できるの?」
「テキスト選びや勉強法はどうしたら良いのかな…」
このように、行政書士試験に独学で挑戦しようとすると、気になることが次々に出てくることでしょう。
独学で合格を目指す場合は、テキスト選びから勉強法に至るまで、自分自身で決め、必要な勉強時間を確保する必要があります。
ここでは行政書士に独学で合格するために必要な勉強時間の目安や、おすすめ参考書も紹介しつつ、勉強法やスケジュールについても考察していきます!
この記事を読めば行政書士に独学で合格するためにはどのような勉強をしたら良いかがイメージできるはずです!
独学での行政書士合格をざっくり説明すると
- 独学で合格するのは難しいが、正しい勉強法で挑戦すれば不可能ではない
- 独学で行政書士試験に合格するには、初学者の場合600~800時間ほど必要
- 出題形式など試験の特徴を押さえた上で勉強方法を定める
- テキスト選びや問題集選びにも注意する
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行政書士試験の独学合格は厳しい?
行政書士試験の難易度は高く、資格予備校・通信講座などに通う人が多いですが、独学で合格する人も一定数います。
その理由としては、行政書士試験は合格点が相対評価でなく絶対評価となっていることが挙げられます。
よって、合格点の点数に向かって正しい方法で独学を進めることでおのずと合格が見えてくるのです。
また、行政書士試験は法律の問題が主となってくるので、もともと法律の知識を持っている方は独学でも短期で合格しやすいです。
仕事や育児と勉強を両立させ合格できたという人もいますので、正しい勉強法で学習を進めれば、独学が不可能というわけではないのです。
したがって、独学で行政書士試験に合格することは簡単ではないが、十分可能であると言えるでしょう。
目安の勉強時間と学習スケジュール
「何時間ぐらい勉強すれば行政書士に合格できるのか?」
これは多くの方が知りたい情報ではないでしょうか。
以降では、独学者の目安勉強時間に加えて、学習スケジュールの組み方についてもご紹介します。
独学者なら600〜800時間の勉強が目安
合格のために必要な勉強時間は、法律に関しての知識量や職務経験に大きく左右されてしまうため、ネットで調べてもサイトによって「100時間~1,000時間」と大きくぶれてしまっており、あまり参考になるとはいえません。
このことを踏まえた上で、勉強時間の目安は、以下のように設定されています。
- 大手通信講座では500~600時間
- 通学型の大手資格スクールでは200~300時間(講義時間のみで自習時間は含まず)
このようにプロの講師の力を借りても500~600時間が必要になることが分かります。
初学者が独学で行政書士を目指すのであれば、600~800時間が必要と考えるのが自然でしょう。
法学部出身者や宅建資格保持者の勉強時間は?
法学部出身者や宅建資格保持者など法律の基礎知識がある人は、この限りではありません。
法学部出身や宅建の資格がある人は、法律の学習経験がありますし、宅建と行政書士では民法の出題範囲が重なっており、身についた知識が行政書士試験の勉強にも役立ちます。
かといって行政書士試験に絶対的に有利になるというわけではありませんので、それ相応の勉強は必要です。
学習スケジュールを組んで早めの対策を
行政書士は範囲が広く、独学では思ったように勉強時間を確保できないことも多いです。
よって、計画を立てずに毎日何となく学習をこなしてしまっては試験当日までに必要な学習量を確保できずに本番を迎えてしまうことになります。
計画を立てる際の鉄則として、まず試験合格までに必要な学習内容をあらかじめ把握しておくようにしましょう。
以降で紹介する勉強法も参考に、やるべきことを1日スパンで区切って考えることで、毎日過不足なく学習を進めることができるのです。
このスケジュールの立て方により、本番までに必要十分な学習量をこなせることはもちろん、普段から何をすべきかが自分の中で明確になるため学習を落ち着いて進められる効果も期待できます。
スケジュールを組むときのポイント
独学でスケジュールを立てるときに気をつけたいことがあります。まず、スケジュールは無理のないように組むことが大切です。ハードな計画は挫折しやすくなるので注意が必要です。
仕事、病気、家族のことなど、さまざまな事情から思うように勉強が進まないことがあるかもしれません。スケジュールに幅があれば軌道修正することができるので、勉強が継続しやすいです。
そして、自分が一日に勉強できる時間をピックアップすると良いでしょう。通勤時間、移動時間、休憩時間、家事の合間など、生活の中に勉強時間を組み込んでいくと、学習習慣がつきやすくなります。
行政書士試験独学合格のための効率的な勉強法
行政書士試験を突破するには 「行政法」「憲法」「民法」「商法」「会社法」など、幅広い法令を効率よく勉強する必要があります。
そして独学で合格を目指すには、最初にしっかりとした戦略を立てることが重要です。 行政書士の試験は満点を狙う必要は全くなく、法令科目で122点以上、一般知識の科目で24点以上得点を得た上で、全体として6割の得点を取ることができれば確実に合格することができます。
ここでは行政書士の試験科目ごとの勉強ポイントやスケジュールの立て方など、独学で合格するために必要な勉強法について詳しくみていきたいと思います。
まず民法・行政法から始めるべき
「行政法」「民法」の2つの科目の配点が全体の配点の65%を占めています。
行政法と民法をしっかりと勉強して、この2つで150点以上稼いでしまうのが最もコスパのいい戦略だといえます。
勉強の順番は、民法→行政法の流れが鉄則です。その理由は「民法では~~だが、行政法では?」という聞き方の問題が出ることがしばしばあるため、初学者は最初に民法の前提をしっかりと把握しておく必要があるからです。
民法・行政法の詳細は以下の記事をチェックしてみてください。
商法・会社法は捨ててもよい
商法、会社法は、範囲が広く難しい内容にもかかわらず、配点は300点中たったの20点なので、この二つに勉強時間を多く費やすべきではありません。
勉強のコスパが悪いので最悪捨てても良いといえます。商法、会社法に時間を割くより、民法や行政法などの優先度が高い科目に集中して取り組むのがおすすめです。
このように行政書士試験は科目ごとの配点が大きく異なるため、科目ごとに学習の比重を変えていくのが合格点を効率よく狙うコツになります。
判例はすべて覚えようとしない
多肢選択式分野は判例からの出題が多いです。判例を覚えようと勉強を頑張る人も多いですが、むしろそれはコスパが非常に悪いのでおすすめしません。
文脈と選択肢から正誤を絞り込むことができるので、読解力と推測力を磨く勉強をするほうが効率的です。
ただし重要な判例は覚えておくと役に立つことがあります。正解にたどり着くためには、結論だけを覚えるのではなく、結論に至るまでの判断過程を意識することが大切です。
一般知識の対策もぬかりなく
行政書士試験の中でも一般知識は政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解という広範囲の科目から出題され、さらには14問中6問以上取らなければいけないという足きりも存在します。
範囲が広くつい対策を怠りがちですが、ここは試験合格者の平均正答数である8問以上正解という目標を掲げながら独学者は対策を行うようにしましょう。
対策方法としては、政治・経済・社会に関しては、内容が高校で習う現代社会の内容とかなり重複するため、それらの内容をきちんと復習しておくことが大切です。
また、時事問題も出題されるため、独学者は特に意識的にニュースから最新情報を仕入れておく必要があります。
情報通信・個人情報保護に関しては、対策を立てやすく得点源になる科目です。情報通信分野は最新用語を問う問題が多く出題されるため、その箇所を中心に対策することがおすすめです。
個人情報保護は、法律の学習が中心なので、今までの学習で培ってきた学習スタイルを踏襲しながら学習を進めていくとよいでしょう。
記述式はキーワードを正確に
記述式では、約40字程度の記述問題が、民法で2問、行政法で1問、出題されます。1問20点が3題で合計60点の配点です。試験に占めるウエイトは大きいといえます。
採点のポイントは、いかにキーワードとなる言葉を適切な文脈で用いることができるかにあるため、日頃の勉強から語義をしっかりおさえておくことが、もっとも良い対策になります。
記述式問題を完璧にしようとして掘り下げすぎるのは、かえって逆効果です。部分点を狙うつもりで論点をおさえて勉強することが肝心です。
記述式の詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
過去問はじっくり読みこみ問われる内容を理解
行政書士試験に限らず、どの資格試験も一定の出題傾向を基に問題が出されるため、過去問を有効活用することがおすすめです。
特に独学者は、予備校や通信講座のように出題傾向を把握しづらい環境下にいるため、過去問の有効活用は必須になるのです。
過去問の使い方として、ただ繰り返し問題を解くだけでなく、その内容1つ1つをしっかり読み込み内容を深く理解することが大切になります。
これを行うことで、どのような内容が本番で問われるかを理解できるようになるため、似たような問題が出た際にも冷静に対処できるようになるのです。
間違った部分は重点的にチェック
過去問を解いたとき、同じ分野を何度も間違えたりすることがあれば、そこは重点的にチェックしたほうが良い部分です。
本番でもその箇所で失点する可能性が高いため、その部分は参考書の基本部分まで戻って徹底的に復習を重ねるようにしましょう。
過去問を繰り返し解くことで、自分の得意分野や不得意分野が客観的に見えてくるため、単調な作業でも粘り強く復習を繰り返すことが大切になります。
過去問を使った効率の良い勉強法は以下の記事で詳しくチェックしてください。
行政書士の独学におすすめテキスト・問題集
ここでは行政書士の独学におすすめのテキストや問題集などを、ご紹介します。
おすすめ参考書シリーズ
基本的に必要なのが、基礎の理解を深めるテキスト(2~3冊)+演習書(1~2冊)です。
まずは基礎理解に関して、人気の書籍を確認していきましょう。
スッキリわかる行政書士
「スッキリわかる行政書士」は大手資格学校であるTACが出版しているテキストで、行政書士試験の根幹となる基礎基本を分かりやすく解説した一冊です。
随所に確認ミニテストが挟まれているので、自分の理解度をチェックしながら学べる点も魅力的となっています。もちろん、改正民法の解説もバッチリです。
うかる! 行政書士 民法・行政法 解法スキル完全マスター
行政書士の基本テキストとして、伊藤塾が出版する「うかる!行政書士」シリーズを活用するのも良いでしょう。
著者である伊藤塾カリスマ講師の平林勉さんの合格ノウハウが詰まった書籍となっているので、点数に伸び悩んでいる方におすすめの一冊です。
合格革命 行政書士シリーズ
アウトプットの機会を増やしたい・本番試験に向けて演習問題にチャレンジしたいとお考えの方は「合格革命 行政書士」シリーズがおすすめです。
こちらのシリーズでは基本的なアウトプットとなる一問一答問題集だけでなく、40字記述式・多肢選択式問題集も取り揃えているので、シリーズを一通りこなすことで十分量のアウトプットを行うことができるでしょう。
なお、購入する際は自分が受験する試験年度対象のものであるかもしっかりと確認しましょう。
テキストと問題集の選び方
テキストは、自分に合うもので「これを使って勉強したい」と実感できるものを選ぶのが良いでしょう。
一般的にはカラーのほうが見やすいですし、図表やイラストが豊富であるほうが視覚的にも理解しやすいです。
問題集はテキストに準拠しているものを使用するのがおすすめです。 問題集で間違えた部分、わからないところをテキストで確認しながら学習が進められるからです。
また、理解を深めるためにも正誤だけでなく、詳しい解説が載っているものを選ぶと良いでしょう。
独学者が勉強法のコツを学ぶ方法
これまで独学者向けの勉強法の基本をお伝えしてきましたが、これらの基本をしっかりと押さえても、法律に触れたことのない全くの初学者が独学合格するのはやはり難しいです。
「とはいえ通信講座の受講にはなかなか踏み切れない…」
そう思われた方に朗報なのですが、通信講座に通わずとも大手資格学校の勉強ノウハウを知る方法があります。
現在、大手資格予備校であるクレアールでは、長年の指導経験から得たノウハウを凝縮した行政書士試験の「攻略本」を無料でプレゼントしています!
「科目別の具体的な勉強法」や「基礎基本の勉強のコツ」など、独学者がつまずきやすいポイントを丁寧に解説しているので、行政書士試験の受験生であれば手に入れておくに越したことはありません。
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行政書士試験対策アプリも活用しよう
行政書士の試験対策を独学で進める上で役立つのが、スマホで使える学習アプリです。
あまり認知度は高くないのですが、実は行政書士試験対策ができるアプリはかなり多いです。
当然アプリだけでは行政書士試験対策を万全に行うことはできませんが、電車での移動時間といったスキマ時間にアプリで学ぶことで、知識のブラッシュアップを行うことができるでしょう。
おすすめは資格の大原が提供している「行政書士トレ問」です。無料でダウンロードできますが、全ての機能を使うためには一部有料となる点には注意が必要です。
また、主に大学受験生向けのアプリですが、学習スケジュール管理や他の受験生との交流ができるStudyplus(スタディプラス)も独学の心強いお供となるでしょう。
なお、通信講座を受講した場合はアプリ感覚で学べる「スマホ学習機能」もついている場合が多いので、わざわざ他のアプリを使わずともそちらを活用すれば十分でしょう。
独学と通信講座はどっちがおすすめか
ここまで独学での行政書士対策について見てきましたが、そうは言ってもやはり独学者と通信講座受講生とでは合格率に大きな差が存在するのは事実です。
もちろん独学でチャレンジされることも無謀ではありませんが、一発合格・短期合格を目指されるのでれば、通信講座の受講を強くおすすめします。
通信講座は効果的な学習を進めるためのカリキュラムが充実しており、わかりやすい説明のもと学習をスラスラ進められるでしょう。
行政書士の通信講座を探す場合
数ある行政書士講座の中でも群を抜いておすすめなのがフォーサイトの通信講座です。
フォーサイトはあらゆる講座の中でもずば抜けた実績を誇っており、2023年度試験における受講生の合格率はなんと全国平均の3.25倍という驚異的な数字を記録しています。
さらにフォーサイトでは不合格の場合の全額返金保証まで完備されているので、かけた講座費用が無駄になることもありません。
着実に合格を目指したいとお考えの方にとって、フォーサイトは正にぴったりの講座だと言えるでしょう。
行政書士の通信講座の詳細はこちらもチェック!
独学での行政書士合格まとめ
独学での行政書士試験対策まとめ
- 初学者が独学で行政書士試験に合格するには500〜600時間必要
- 配点の高い民法と行政法を優先して勉強する
- 多肢選択式分野対策では判例を全て覚えようとはしない、記述式問題対策として日頃から語義をおさえておく、といったおすすめの勉強法もある
- 無理のないスケジュールを組み、自分にあったテキストで勉強を進め、過去問対策を早めに行うことが大切である
ここまで、行政書士に独学で合格するためにはどうしたら良いか、勉強時間の目安やおすすめ参考書、勉強法、スケジュールなど、あらゆる角度から詳しく考察してきました。
勉強時間を確保し、適切な勉強スケジュールを組むこと、また正しい勉強法をいかに取り入れられるかが合格へのカギとなります。
また、独学で行政書士に合格するには、意思の強さと自己管理が大事になります。「行政書士になりたい」という思いをモチベーションにして勉強を頑張ってください!