中小企業診断士の独学のおすすめ勉強法は?勉強時間からおすすめテキストまで解説!


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中小企業診断士
平井東
「中小企業診断士の資格が欲しいけど、独学での合格ってやっぱり難しいのかな…」
このような悩みを持つ受験生の方も多いと思います。
実際、中小企業診断士の試験難易度は高く、独学で合格を目指すのは茨の道です。もちろん独学で試験を突破される方も一定数いらっしゃいますが、合格までに何年もかかってしまう人が大半を占めています。
そこでこの記事では、独学でも短期間で合格するための勉強法について、押さえておきたいポイントやおすすめの学習スケジュールを解説していきます!
効果の高い学習方法を実践することで、独学でも勉強時間を大幅に抑えることができます。
この記事を読んで中小企業診断士の一発合格を目指しましょう!
中小企業診断士の独学についてざっくり説明すると
- 独学合格は可能だが、難易度が高い
- 勉強時間を抑えるためには効率的な勉強法と学習スケジュール組みが必須
- 要点を抑えた学習ができれば一発合格も狙える
- テキストを選びもポイントを押さえて行う
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中小企業診断士は独学合格できるのか
中小企業診断士に独学で合格することはもちろん可能です。
しかし、試験難易度がかなり高いこと、合格までに必要な勉強時間が多いこと、試験の種類や範囲が多いことなどの理由から、独学で合格するのは容易ではありません。
実際、多くの受験者が予備校や通信講座を利用しています。
そのような中で独学合格をするためには、試験の特徴を把握して無駄なく勉強を進めることが非常に重要になります。
受験資格がないので独学でも挑戦可能
中小企業診断士試験には、税理士試験や司法試験と違って受験資格がありません。そのため、学校等に通わずとも試験に臨むこと自体は誰でも可能です。
ただし、「受験可能なこと」と「合格できること」の間には大きな壁があります。
誰でも挑戦できるからといって生半可な気持ちで受験すると、あまりの難易度の高さに打ちのめされてしまうでしょう。
1000時間ほどの勉強時間が最低でも必須
中小企業診断士の勉強時間は1次・2次試験を合わせて1000時間程度と一般的には言われています。
これほどの勉強時間を要する要因としては、試験範囲が1次試験の7科目と2次試験の記述式・口述式と、範囲がかなり広いことが主に挙げられます。
また、科目別の勉強時間も目安として存在し、特に難易度の高い財務・会計と経済学・経済政策の勉強時間はそれぞれ220時間・180時間必要となっています。
これらの範囲は内容のレベルも高いことから、場合によってはこの範囲などでつまずいて勉強時間をより食ってしまう可能性もあるでしょう。
よって、最初に示した勉強時間は目安として捉え、独学の場合は特に内容理解につまずくことを想定するとより長期的に勉強することを見据えていくことをおすすめします。
診断士の独学合格が難しい理由
中小企業診断士の試験の独学が難しいのにはいくつかの理由があります。
独学で勉強しようと決めている方は、まずは難易度の高さをしっかりと認識することが大切です。
試験難易度の高い国家資格である
中小企業診断士試験の全体の合格率はわずか4%程度と、数ある国家試験の中でも極めて低い水準です。
また試験科目それぞれの難易度は毎年異なってくる上に、一科目でも点数が足りないと足切り不合格になってしまうので、幅広い試験範囲をまんべんなく学習しておく必要があります。
もし独学で試験にチャレンジするならば、試験範囲の把握はもちろんのこと、綿密な学習計画を立てた上で試験にチャレンジする必要があります。
長丁場の受験になることが多い
合格者の中小企業診断士試験に合格するまでにかかった期間は以下のようになっています。
合格者の学習期間 | 割合 |
---|---|
1年以内 | 14.6% |
1年から1.5年 | 18.6% |
1.5年から2年 | 15.0% |
2年から3年 | 26.1% |
3年以上 | 25.7% |
表をみてわかるように、合格までには1年以上の勉強が必要になってくる試験です。
特に独学者の場合、1年以上継続して勉強のペースを作り続けるのに苦労します。受験勉強の先行きが見えず、途中で挫折してしまう方も少なくありません。
記述式の対策が困難
中小企業診断士の2次筆記試験は全て記述問題です。さらに答えを暗記しておけば良いというものではなく、個々の事例に対して知識を活かして適切な解答を作成することが求められます。
ここが非常に曲者で、独学では「どのような解答が採点者に評価されるのか」を理解するのが極めて難しく、見当違いな記述を量産してしまう可能性がとても高いのです。
また、ライバルとなる周囲の受験生たちは予備校や通信講座で「正しい記述の仕方」を学んでいるので、どうしても独学者とは大きく差が開いてしまいやすいです。
このことも、中小企業診断士の独学難易度を高めている大きな要因の一つだと言えるでしょう。
中小企業診断士は簡単だと言う人がいるのはなぜ?
これまで見てきたように、中小企業診断士試験に合格するには非常に難しく、3年以上の期間をかけて合格を手にする方も多い過酷な試験です。
一方で、インターネット上では「中小企業診断士なんて簡単だよ」と言った声も散見されます。これはどういうことでしょうか。
主な理由として、「中小企業診断士の知名度が低い」ことが挙げられます。
税理士や公認会計士、弁護士など、難易度が高い資格には有名なものが多い一方で、中小企業診断士は認知度が高い資格とは言えません。
それゆえに、「よく知らない資格=簡単な資格」として認識されてしまうことが多いのです。
実際、中小企業診断士に合格された人で「簡単だった」と話す人はほとんどいません。ネット上の「簡単」という意見は単に実態を知らない人が述べているケースがほとんどなので、あまり鵜呑みにしないように気をつけましょう。
独学で勉強するメリット・デメリット
独学のメリット
中小企業診断士の独学合格は茨の道であることはご理解いただけたと思います。
それでは、なぜ毎年独学で挑戦される方が一定数いらっしゃるのでしょうか。
ここでは独学でチャレンジするメリットを整理していきましょう。
費用を抑えられるのが一番のメリット
独学で勉強する1番のメリットは、お金が節約できることです。
通信講座や予備校では60,000円から200,000円以上受講料がかかってしまいますが、独学で学習する場合はテキストや問題集、過去問演習など一通りの教材を揃えても15,000~20,000円で済みます。
よって、資格勉強にあまりお金をかけたくないという人にとって独学は非常に魅力的な選択肢であるといえるでしょう。
実力のある場合は学習量の柔軟性も魅力
独学のもう一つのメリットとしては、学習量を自分の都合に合わせて柔軟に変更できるという点です。
特にすでに実務経験などで試験科目の事前知識を持ち合わせている場合は、自分で各科目の勉強量を調整することができる独学の方が向いているケースもあります。
独学のデメリット
当然ながら独学での難関資格受験には大きなデメリットを孕んでいます。ここでは診断士試験に独学で挑むデメリットを確認していきましょう。
途中で挫折するリスクが高い
独学の最大のデメリットは、結局合格することができず途中で挫折してしまう確率が高いことです。
せっかく長い時間をかけて勉強しても、合格できないまま終わってしまえばお金も時間も水の泡です。
挫折してしまう独学者にありがちなのが、1次試験は突破できるけれども2次試験がいつまでたっても合格できないパターンです。
1次試験はそこまで難しくなく、独学と通信講座の差が出にくいことも要因の一つです。2次試験でつまずきを感じたら独学をあきらめる決断をすることも大切です。
また、独学の場合は質問対応などのサポートもなく、終始一人でやり切らなければならないという側面もあります。
後になって「やっぱり通信講座を利用しておけば良かった・・・」と後悔するのが1番勿体無いので、勉強法の決断は慎重に行いましょう。
学習スケジュールを管理しにくい
中小企業診断士の独学は数年単位の長期戦になる可能性が非常に高いので、独学の場合は特にスケジュールを立てて方向性を定めておく必要があります。
しかし、勉強を始めたての人は特に試験の全体像をつかみにくいことから、学習スケジュールを効果的に立てるのは非常に難しいのです。
また、仮に立てられたとしてもそのスケジュール通りに勉強を進めていくのは考えているよりも難しいといえます。
特に長期戦の中小企業診断士の勉強ではその傾向が強いといえるでしょう。
独学に向いている人
難関資格・試験の勉強経験者
中小企業診断士は難易度の高い資格であることから、もともと難関試験の勉強をがっつりやっていた人や合格者は独学でも合格できる可能性が高まるでしょう。
具体的には、どのくらいのペースでインプット・アウトプットを重ねればいいかを把握しており、直前期の対策方法や勉強の効果的な進め方を事前に知っている可能性が高いです。
よって、上で紹介した独学のデメリットを克服できる可能性が高いことから、独学に向いているといえるでしょう。
コツコツ勉強を進められる人
独学に向いている人の条件として、長期間コツコツと物事を進められる人が挙げられます。
中小企業診断士の勉強期間は数年にわたり、試験も2回あることから長期間での学習を覚悟する必要があることから、短期間で集中して合格を勝ち取ることは難しいです。
よって、長期間にわたってコツコツと勉強を進められる人でないと、合格までの長い道のりを突破するのは難しいのです。
何かに長期間取り組んだ経験のある人などが特に向いているといえるでしょう。
時間に余裕がある大学生も有利
中小企業診断士を目指す人の多くは30代以上の社会人の方です。そのため、受験生の大半が忙しい中隙間時間を縫って勉強を進めています。
一方で大学生の方は学校の授業があるものの、働く社会人の方と比べれば相対的にかなり時間に余裕があるので、単純により多くの時間を勉強に充てることができます。
したがって、独学で多少非効率な勉強をしたとしても学習量でゴリ押ししやすく、結果的に独学でも目指しやすいのです。
意外にも合格率は低め
なお、大学生は時間的にかなりの優位性があるにも関わらず、意外にも中小企業診断士試験の合格率、特に1次試験の合格率は低めです。
これは1次試験が経営や事業に対する基本的な知識を問う問題が多く、社会人経験のある人の方が自身の経験をもとに学習を進めやすいからです。
そのため、大学生のうちから中小企業診断士を目指す際は、社会人経験の不足を勉強で補う必要がある点に注意が必要です。
大学生からの中小企業診断士試験については、以下の記事を参考にしてください。
独学合格するための効果的な勉強法
ここでは、独学合格するための効果的な勉強法を紹介します。
千里の道も一歩からです。少しずつ目標に向かって進んでいきましょう。
自己流で勉強するのは避ける
まずはこれが最も大切なポイントです。
試験範囲が広く、難易度が高い中小企業診断士試験に対して、自己流で闇雲に学習を進めるのは極めて非効率です。
身近に試験経験者がいればその方に聞くのも有効ですが、やはり1番おすすめなのは資格試験のプロの意見を参考にすることです。
予備校や通信講座を活用している方であれば、カリキュラムに従って勉強していれば基本的には問題ありませんし、疑問点があれば質問することも可能です。
しかし、独学で学習している方の場合はそういった手段を取ることができません。そこで有効なのが資格学校の講師の方が書いた勉強法の書籍を読むことです。
勉強法のノウハウが詰まった書籍も存在する
資格学校のクレアールでは、中小企業診断士試験に最短合格するための勉強法が書かれたノウハウ本を無料プレゼントしています。
この本には 「学習スケジュールの設計」 や 「学習範囲の絞り方」 など、独学者がつまずきやすいポイントが実践的に使える形で紹介されています。
無料プレゼントは先着100名様限定で行われているようなので、この機会にぜひ手に入れておきましょう。
勉強のスケジュールを立てることが何より大切
独学受験者は自分自身で学習スケジュールを立てその管理をしなければなりません。
中小企業診断士のように取得までに数年かかる国家試験の場合はなおさら勉強時間の確保と学習計画をどのように立てるのかが非常に重要になります。
学習のスケジュールの立て方の手順は以下のようになります。
- 中小企業診断士試験の全体像を把握する
- 試験科目全体にどの程度の勉強時間をかければよいか考える
- 中小企業診断士の試験科目の優先順位を考える
試験の全体像を把握する
まずはテキストで試験の全体像をざっと把握します。問題集や過去問で実際に出題された問題をみるのも有効です。
まず資格試験の全体像を把握することで、どの科目でどれくらいの理解が求められるかを知ることができます。
各科目ごとにかかる勉強時間の目安
以下の表では一般に各科目でどれくらいの勉強時間が必要になるかを表しています。
科目 | 勉強時間 |
---|---|
財務・会計 | 220時間 |
経済学・経済政策 | 180時間 |
企業経営理論 | 140時間 |
経営法務 | 140時間 |
経営情報システム | 120時間 |
運営管理 | 120時間 |
中小企業経営・政策 | 80時間 |
自分が既に事前知識を持っている科目は勉強時間を短縮できるでしょうし、数学が苦手な方であれば「財務・会計」に要する時間はより増えると予想できます。
このようにまずは各科目でどれくらいの勉強時間がかかるのかを予め推測しておき、学習計画を立てる参考にします。
試験科目の優先順位を考える
ここまできたら後は「暗記科目」を後半に回しつつ、自分にとって難易度の高い科目から優先的に学習するように順番を組むだけです。
本番試験までの残り日数と照らし合わせながら、大まかな学習スケジュールを完成させましょう。
ちなみに、学習スケジュールは実際の進捗に合わせて随時変更していくものです。学習スケジュール通りに進めようとするあまり、理解度が低いまま次の科目に進んでしまっては元も子もありません。
独学なら2年計画で合格を目指すのがおすすめ
中小企業診断士の1次試験には「科目合格」という制度が存在します。これはある科目の得点率が合格基準点を超えていた場合、全体で不合格になってしまっても次回および次々回試験でその科目を免除することができる制度です。
この制度を利用することで、1年目は1次試験にしか関係のない科目(経済学・経済政策など)だけの合格を目指し、2年目は2次試験に関連のある科目に注力するといった勉強法が可能となります。
特に独学の場合は1年で全ての科目を満遍なく対策するのはかなり難しいので、このように最初から2年計画で学習スケジュールを立てるのも良いでしょう。
【科目別】1次試験対策のコツ
中小企業診断士の1次試験対策の基本は、「科目別の特性を理解すること」と「過去問を繰り返し何度も解くこと」、そして「2次試験を見据えて勉強すること」です。
科目別の特性を理解する
中小企業診断士の科目は次の表のように、「暗記科目」「積み重ね型科目」「応用科目」の3種類に大別することができます。
科目特性 | 科目 |
---|---|
暗記科目 | 運営管理 経営法務 経営情報システム 中小企業経営・中小企業政策 |
積み重ね型科目 | 財務・会計 経済学・経済政策 |
応用科目 | 企業経営理論 |
以下ではそれぞれの科目特性にあった勉強法を紹介します。
暗記メインの科目は後半に勉強する
1次試験は2次試験と比べると難易度がそこまで高くはないので、暗記系の科目は直前の詰め込みでも対応できます。
暗記系科目は「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」の4つです。これらは初期から勉強を始めるのではなく、なるべく後半に勉強するようにしましょう。
この4科目を学び終えるまでに必要な勉強時間は、各科目それぞれ100時間程度です。自分が普段取れる勉強時間と試験までの残り日数を逆算して、勉強を開始する時期を決めましょう。
積み重ね型科目は回転数を意識
積み重ね型科目である「財務・会計」と「経済学・経済政策」については、数学の学習のようにとにかくインプットとアウトプットのサイクルを多くこなすことが重要となります。
理解があやふやなまま学習範囲を広げると、自分がどこが分からないのかが分からないという事態に陥りかねないので、理解できるまで反復を繰り返すことを意識しましょう。
応用科目は企業経営理論のみ
応用科目である企業経営理論は、本番試験における出題形式が2パターンしかないという特徴があります。
具体的には複数選択肢から「最も適切なものはどれか」を選ばせる問題と、「最も不適切なものはどれか」を選ばせる問題しかないので、過去問を使った学習が特に有効になります。
企業経営理論では単に過去問を解くだけでなく、不適切な選択肢を修正して適切な選択肢に変えるという作業を行うことで、内容理解を深めることができるでしょう。
過去問演習を繰り返す
中小企業診断士試験に合格するためには過去問演習が非常に重要となります。
「資格試験では過去問と同じ内容の問題は出ない」
「過去問を解いていると選択肢を覚えてしまうので、過去問を繰り返し解くことは意味がない」
このような主張を持つ方もいらっしゃいますが、実際に合格された方で過去問を重視しなかった方はほとんどいません。
むしろ過去問を暗記してしまうほど繰り返し解いた方が、結果的に本試験のほとんどの問題に対応できるようになります。
その根拠として、1次試験の8割は過去の出題テーマを繰り返していることが挙げられます。
本試験で頻繁に出題される内容とは、中小企業診断士の知識の中核を担う基礎の部分です。そういった基本的な論点を正しく理解し抑えることが1次試験では何より重要であり、それさえできれば全体の6割程度は点数を取ることができます。
2次試験を見据えて勉強する
中小企業診断士試験の1次試験が合格できれば、次は2次試験が待ち構えています。1次試験に合格してから2次試験を勉強するのではなく、1次試験の学習時から2次試験の学習も進めておきましょう。
2次試験でも出題される科目は「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営情報システム」です。
これらの科目は他の1次試験の科目よりも深く理解できるように、重点的に学習するのがおすすめです。
苦手科目を作らない
ご存知の通り、中小企業診断士試験では1科目でも40点以下だとその時点で不合格になってしまいます。したがって苦手科目を抱えたまま試験に臨むのは非常に危険です。
苦手科目を作らないためには勉強時間の配分に気をつける必要があります。
上述の2次試験に関連しない科目であれば、問題集や過去問を十分解けるレベルに達したらそれ以上時間をかけるべきではありません。
早急に他の科目の勉強に移り、どの科目もムラなく解答できるようにしましょう。
2次試験対策のコツ
中小企業診断士の2次試験で問われるのは、1次試験で学んだ内容を個別の事例に当てはめて、より実践的に考えることができる能力です。
2次試験では中小企業診断士の基本的な知識を現場に応用できるのかを試験官は見ています。
2次試験においても過去問を数多くこなすことで資格試験に頻繁に出されている問題の傾向を把握することが出来ますが、こちらの場合はなるべく多くの問題に触れて実際に頭を使うことも同じくらい大切です。
1次試験と2次試験の間隔は非常に短いです。知識の応用力やアウトプット力を鍛えるためにも、ひたすら問題演習を続けましょう。
過去問は完璧にしておこう
過去問の重要性についてはこれまで何度も言及してきた通りです。
過去問をいきなり解くことに抵抗があるという人は、テキストを一通りざっと読むことから学習するのも効果的です。これにより試験勉強のモチベーションの維持や知識定着と行った効果が期待できます。
ここで大切なことはテキストの全範囲の理解と暗記を終わらせてから過去問を始めるのではなく、テキストは過去問を解く時の補助教材として活用することです。
このようにして過去問の内容を完璧にしておくことで、試験形式になれることができる他、各科目の重要論点を確実に捉えることができるようになります。
模試を活用する
いくら過去問が論点を抑えているとはいえ、本番試験では全く同じ問題は出題されることはほとんどありません。実際の勉強では過去問を解く中で各科目の出題傾向を探ることが大切です。
また、過去問と同じく出題傾向をつかむ有効な手段として各予備校が実施する模擬試験の受験があります。
独学者と予備校利用者との大きな違いとして、専門講師による試験傾向の予測を聞けるかどうかという点があります。
しかし、模擬試験には講師による出題予測の結果が如実に現れています。模擬試験の問題を分析することで、各予備校講師がどのような論点を重視しているのかが講義を受けずとも分かります。
独学者にとって模試は極めて有効な学習手段です。本番試験までには最低2回は受験するようにしましょう。
ちなみに、模試を試験直前に受けるかどうかは自身のスケジュール感やメンタルとの相談になります。
直前は模試を受けるよりも知識の詰め込みに時間をかけたい方も多いですし、模試の結果によってはメンタル的に大きな影響が出ることもあるからです。
口述試験はほぼ全員が合格できる
2次試験の筆記試験を突破すれば、独学合格はもう目前に迫っています。
口述試験は合格率99%以上の試験であるので、試験に向けた対策を取る必要は基本的にありません。
口述試験では中小企業診断士として支障のないコミュニケーション能力を持っているかを見られています。試験官の質問に対して真面目に向き合い、誠実な態度で取り組めば大丈夫です。
むしろ緊張して頭が真っ白になってしまい、せっかく身につけた知識が全く出てこないという事態に陥ってしまう方が危険です。ほぼ確実に受かるものだと理解した上で、落ち着いて試験に臨みましょう。
独学者向けのおすすめテキスト
独学で勉強を進める上ではテキスト選びも欠かせません。
当然どのテキストで勉強するのかによって試験結果は大きく左右されます。
ここではテキスト選びのポイントとおすすめのテキストについて解説していきます。
中小企業診断士のテキスト選びのポイント
中小企業診断士のテキストは基本的に「シリーズ」で出版されています。
シリーズは「入門書」「教科書(複数冊)」「問題集」「過去問集」のように構成されています。
そのため教材を選ぶ際は、テキスト1冊1冊を比べるのではなくシリーズ単位で比較していくことが大切です。
それぞれのシリーズの特徴やシリーズ全体での価格、購入者による口コミを元にテキストを選ぶのがおすすめです。
上記のポイントを前提に、次の見出しでより詳しく選ぶポイントをご紹介します。
最新版を選ぶ
中小企業診断士のテキストを選ぶ際には、なるべく受験年度に対応した最新のテキストを選びましょう。
実際に2022年度には中小企業診断士制度が改正され、令和4年4月1日から施行されています。
試験内容も年度によっては改正されます。
フリマアプリなどで手に入る古いテキストは最新内容に対応していない場合もあるため、なるべく最新版のテキストを書店で購入しましょう。
解説や図解スタイルが自分に合っている
中小企業診断士に限らず、試験勉強は自分とテキストの相性が大切になります。
口コミで高評価のテキストであっても、解説やイラスト、図解が自分の好みではないとなかなか理解は進みません。
書店に足を運んで、テキストに数冊目を通して自分の肌感に合うものを探してみましょう。
分野別に勉強できる
年度別のテキストは過去問を網羅する際にはおすすめですが、あるテーマを勉強する際には「分野別」の参考書で勉強するのがおすすめです。
ある一定の期間を定めて「運営管理」や「財務・会計」など1テーマを集中して勉強すると、自分の課題点や強みを発見できるでしょう。
しかし1種類のテキストを少し使って、また別のテキストを少し試す…を繰り返すのはおすすめできません。1つテキストを買ったら最後まで解いてみましょう。
おすすめは「みんなが欲しかった!中小企業診断士」シリーズ
中小企業診断士のテキストの王道は間違いなく 「みんなが欲しかった!中小企業診断士」 シリーズです。
分かりやすさ・使いやすさに定評があり、毎年のように売上NO.1の実績を誇っている大人気の教材です。
シリーズは入門書1冊、メインテキスト2冊、問題集2冊の合計5冊で構成されており、シリーズ合計価格は約15,000円と標準的であり、予備校や通信講座と比べて大きく費用を抑えて学習できます。
中小企業診断士の独学合格を目指す方は、まずはこちらのテキストから始めるのが良いでしょう。
最速合格のためのスピードテキスト
こちらの「最速合格のためのスピードテキスト」もおすすめです。
「みんなが欲しかった!中小企業診断士シリーズ」と同じく大手資格予備校TACから出版されており、TACの中小企業診断士講座で実際に使用されている公式テキストです。内容も充実しており多くの人に使用されています。
図表も豊富に載せられており、視覚的に理解しやすいのも特徴で、初心者にもわかりやすいテキストです。また、合格に必要な要点を絞り込んだ作りで、効率的に学習できるのも魅力です。索引も豊富で独学にも向いています。
スピードテキストの他、スピード問題集、過去問題集があり、7科目揃えるとそれなりの値段になりますが、他出版社のテキストも大体同じような値段であるため、特別高いわけではありません。
中小企業診断士を取得するメリット
中小企業診断士を取得するメリットとして様々な点が挙げられます。
多方面での就職・転職で優位に立てる
中小企業診断士は経営コンサルタントとしての唯一の国家資格であるため、コンサル業界への就職で優位に立てます。
他にも試験で培った幅広い知見を活かして多くの業界への就職が有利になるでしょう。
また、資格自体のみならず==それを取る過程で努力したことも評価される傾向にあります。==よって、この点は大きな魅力であるといえるでしょう。
仕事の幅が広がる
中小企業診断士の資格を持っていることで、経営に関する幅広い仕事を任せてもらえるようになります。
会計から法律・情報システムまで幅広い知見を兼ね備えているので、多様な観点から物事を論理的に捉えることができるのが主な理由です。
具体的にはマネジメントや企画系の仕事が多いので、これらの仕事を目指している人には非常におすすめの資格であるといえるでしょう。
独立して高収入を見据えることも可能
中小企業診断士は経営コンサルタントとして独立するパターンも多いです。
これらは資格を持たなくてもできますが、持っていたほうが顧客からの信頼度がアップし、人脈も作りやすいため今後の仕事を有利に進められるでしょう。
独立を行い、仕事をしっかり確保できることで高収入を目指すことも可能となっており、1000万~3000万円のラインを目指すことも不可能ではありません。
実際独立した中小企業診断士の10%以上が1501万円以上の収入を得ており、このデータからも高収入を狙える確率が高いことがわかります。
中小企業診断士は通信講座の方がおすすめ
ここまで独学での勉強法について解説してきましたが、正直なところ中小企業診断士試験の場合は通信講座の方が遥かにおすすめです。
確かに独学では費用を抑えて勉強することができますが、通信講座の中には約60,000円で極めて充実したサポートを受けられるものもあります。更に多くの場合、合格した場合は合格祝い金もあるので実質25,000円程度で受講することも可能です。
お金の価値は人それぞれですが、たった5000~10,000円程度節約するために困難な独学を選択するのはあまり賢い選択とは言えません。
通信講座では独学では難しい「学習スケジュール管理」「講義による理解促進」「質問対応」「モチベーション維持」などのサポートが全て含まれています。
確かに費用を抑えられる独学は魅力的ですが、冷静に費用対効果を考えれば通信講座等を受講した方が明らかに良いです。
中小企業診断士の通信講座を受講するなら
中小企業診断士の通信講座は数多く存在しますが、その中でも特におすすめなのが「スタディング」の診断士講座です。
スタディングはスマホ学習に特化した通信講座であり、総受講者数160,000人以上の大人気講座です。
スタディングの中小企業診断士講座は相場より5万円近く安く受講可能な上に、教材のクオリティも極めて高く、圧倒的にコスパの良い通信講座だと言えます。
特にスマホ学習機能の充実度は業界最高峰であり、日々仕事や家事で忙しい方でも通勤時間などのちょっとした隙間時間を活用して効率よく勉強することができます。
中小企業診断士の通信講座をお探しの際は、ぜひ一度チェックしておきましょう。
また、以下の記事では中小企業診断士の通信講座をランキング形式で紹介しています。通信講座を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
中小企業診断士の独学まとめ
中小企業診断士の独学合格まとめ
- 独学で合格するのは難しい
- 1次試験は過去問を中心とした勉強法がおすすめ
- 2次試験対策は1次試験の勉強と並行して行う
- 学習スケジュールは各科目の勉強時間を予測して立てる
- 独学用のテキストは「シリーズ」単位で比較する
- 一発合格を目指すなら通信講座の方がおすすめ
中小企業診断士試験の独学について説明しました!
中小企業診断士資格は今注目を集めている大人気国家資格であり、今後も高い需要が予想されます。
この記事を読まれた方が自分に最適な勉強法を選択し、無事に資格を取得されることを心より祈っております。