中小企業診断士の収入はどのくらい?平均年収や資格手当の額・副業事情まで公開
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中小企業診断士
平井東
「中小企業診断士の給料っていくらくらいなんだろう?」
「資格を取ったら収入アップするのかな?」
中小企業診断士の収入事情は資格取得を考えている人には大変興味深いことなのではないでしょうか?
この記事では中小企業診断士の年収について具体的なデータを元に解説しつつ、資格取得をして収入アップする方法についても説明していきます!
この記事を読めば中小企業診断士の年収事情についてはバッチリです!
中小企業診断士の収入をざっくり説明すると
- 中小企業診断士の平均年収は700万~800万円
- 独立開業で年収3000万円も現実的である
- 転職や副業でも年収アップが狙える
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中小企業診断士の平均年収は780万円!
中小企業基盤整備機構による調査によると、中小企業診断士の平均年収は780万円という結果となりました。
中小企業診断士 | 日本国民の平均 | |
---|---|---|
平均年収 | 780万円 | 432万円 |
平均月給 | 48.6万円 | 30.3万円 |
平均賞与 | 195万円 | 68.0万円 |
※平均月給および平均賞与は資格Timesが独自に算出
これは約10年前の調査結果ですが、一般に中小企業診断士の平均年収は700万~800万円の間で推移していると言われています。
現在の国民の平均年収の432万円と比べると約270万~370万円も高く一般のサラリーマンの給料と比較してもかなり高い水準にあると言えます。
中小企業診断士の年収が高い理由
中小企業診断士は経営コンサルタント唯一の国家資格で取得も難しいため、取得すれば一定の能力を示す材料になり説得力や信頼度が格段に上がります。
その結果、昇格や昇給、独立している人であれば集客力の向上に繋がり、高収入が得られるようになります。
実際の資格取得者からも「中小企業診断士に合格してから社内での発言力が上がった」という声が多く見られるので、資格を取ることで人事評価が上がりやすくなるのは間違いないと言えるでしょう。
1〜3万円の資格手当がつく
企業に勤めている人なら資格手当などがもらえることも、中小企業診断士取得による給料アップの理由のひとつです。
中小企業診断士の資格手当は月に1万~3万円が相場なので、年収12万~36万円もアップすることになります。
一般に中小企業における昇給率は1〜2%であり、年収400万円の方の場合は年間で4〜8万円しか増収しないことを考えると、資格手当による増収はかなり大きいことが分かるでしょう。
平均年収の現実
実は中小企業診断士の資格保有者は40~60代のベテランサラリーマンが多く、もともと役職などを持っていることも多いです。そのため資格取得前から給料が高いことも平均年収が高い理由の一つです。
現在給与が低い人が中小企業診断士の資格を取っても、それだけですぐにこの年収になるというわけではないので注意が必要です。
しかし中小企業診断士は日経新聞が調査する「取得したいビジネス系の資格ランキング」にてTOEICテストを抑えてトップになるほど需要があり、極めて人気の資格です。
ビジネススキルを高めるためにも大変有益な資格と言えます。
年収1000万超えも難しくない
また会社の運営についても勉強するので企業内診断士として会社に所属するだけでなく、コンサルタントとして起業することで飛躍的に収入をアップさせるという方法もあります。
独立してコンサルタントをおこなっている人の内、2人に1人が年収800万円以上で、さらに4割程度の人が年収1000万円以上稼いでいます。
独立している人の中には年収3000万円以上の人もいます。このレベルになると雇われでは達成するのはほぼ不可能です。資格取得によりこうした超高収入も狙えるのも、中小企業診断士の魅力の一つでしょう。
中小企業診断士の年齢階層別年収
上のグラフは中小企業診断士の年齢階層別の年収の推移例を表しています。グラフを見て分かる通り、中小企業診断士は30代のうちに年収600万円を突破し、年収のピークである50代では900万円以上となっていることが分かります。
日本の平均年収と比較すると年収の上がり幅もかなり大きいことが伺えます。
なお、グラフはあくまで国税庁及び厚生労働省の統計データに基づいて作成した一例です。参考程度にご活用ください。
企業勤務の中小企業診断士の年収
中小企業診断士の働き方としては、資格取得後も企業に勤務し続ける勤務型と、資格を生かして経営コンサルタントとして独立する独立型の2種類が存在します。
ここでは企業勤務の中小企業診断士の年収事情について紹介します。
企業勤めの魅力は安定した収入
企業に勤める中小企業診断士のメリットは何と言っても安定した収入が得られることです。当たり前のことではありますが毎月必ず決まった給与をもらえることはとても重要です。
会社によっては福利厚生の充実も大きなメリットとして挙げられます。
またコンサルタント会社など業界次第では企業に勤めていても高い給料を期待することが出来ます。
不安定な経営にストレスを感じることなく、安定的に高収入・福利厚生の恩恵を受けられるのは大変ありがたいですね。
勤務型の中小企業診断士が高収入を得るには
当然のことではありますが、企業勤務の中小企業診断士にとって「どの企業に勤めるか」は極めて重要なポイントです。
もしあなたの勤める会社が中小企業診断士の魅力を正しく理解できない企業であった場合、せっかく資格を取得したのに昇格や昇給の機会を十分に享受することができない恐れがあります。
したがって、企業勤務の中小企業診断士の方が高い年収を目指すためには中小企業診断士の資格を正当に評価してくれる企業に勤めることが最も大切です。
中小企業診断士の専門性の高さを認識してくれる企業であれば、企業の重要な立ち位置を任せてくれることが多いので、給与水準もかなり高いです。
高年収の中小企業診断士求人を探すなら
勤務型の中小企業診断士にとって、企業が中小企業診断士の能力を正当に評価してくれるかどうかは年収の高低に直結します。
努力して手に入れた中小企業診断士の資格、せっかくならしっかりと認めてくれる職場で働きたいですよね。
有資格者向けの求人は探すのに苦労するものですが、業界最大級の転職エージェントであるリクルートエージェントであれば、中小企業診断士向けのハイレベルな求人もたくさん見つけることができます。年収1000万を超える診断士の求人も珍しくありません。
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独立した中小企業診断士の年収
企業に勤める中小企業診断士にもメリットはありますし、ある程度の高収入を期待することも出来ます。
しかし独立開業すれば更なる収入アップも目指せます。
ここでは企業内診断士と独立した中小企業診断士についてそれぞれ見てみましょう。
独立開業すれば年収3000万超えも!
中小企業診断士として独立開業することで収入を飛躍的に増加させたりコントロールすることが可能です。
一方で、中小企業診断士には独占業務が存在しないため、他の士業よりも独立のハードルは少し高いです。
独立して成功するためには経営能力や営業し続ける努力が必要になりますが、企業勤めとは違って仕事の報酬は全て自分のものになります。そのため、同じ仕事量で比べるなら雇われている場合よりも断然年収が高くなります。
独立直後の年収は少ない
これはどの士業でも言えることですが、独立後事業が軌道に乗るまでの数年間はかなり低い年収で生活しなければなりません。
独立直後は年収が100万円前後になってしまうことも覚悟しておきましょう。
独立の前には十分な貯金に加え、早い段階から集客が成功し始めるように綿密な集客計画を立てておくことが大切です。
経営コンサルティングの報酬相場
中小企業診断士として独立していくに当たっては、年収に直結する非常に重要なポイントです。
中小企業基盤整備機構が実施した調査によれば、中小企業診断士による経営コンサルティングの報酬相場は以下のようになっています。
指導内容 | 平均報酬 | 最高報酬 |
---|---|---|
経営指導 | 97,000円/日 | 141,000円/日 |
講演・教育訓練 | 130,000円/日 | 191,000円/日 |
診断業務 | 108,000円/日 | 207,000円/日 |
原稿執筆 | 5,000円/枚 | 6,000円/枚 |
調査・研究 | 49,000円/日 | 87,000円/日 |
表を見てわかるように、経営コンサルティングは1日で10万円以上いただくことも珍しくなく、かなり単価の高い業務内容であることが分かります。
また、独立した中小企業診断士の方の多くは企業と顧問契約を結んでいます。毎月顧問料として一定の報酬をいただくことで、独立してもある程度安定した収入源を得ることができているということです。
顧問料の平均は月額142,000万円です。多くの顧問先を獲得することで、毎月安定して高収入を得ることができるようになります。
中小企業診断士の独立についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
中小企業診断士としての副業で年収アップも
現在勤めている企業で給料アップが期待できなくても、企業に勤めながら副業することで収入を増加させることが出来ます。
具体的にどんな業務でいくらくらい稼げるのか見てみましょう。
副業で年収が数十万円上がる?
会社勤めしながら副業で稼いでいる人は年20万円以内にしている人が多いです。20万円以上稼ぐと雑収入となって確定申告が必要になり、会社にばれるリスクがあるからです。
しかし副業が許可されている会社に勤めている場合であれば、安心して月20万円以上稼ぐために行動することができます。
中小企業診断士の副業とその収入
中小企業診断士の副業で一番よく行われているのが「補助金申請代行」です。報酬は支援金の2~3割程度で、1件当たり10~20万円が大体の目安です。
また商工会議所などのセミナーをおこなうというものもあります。相場が1回2時間ほどで4~6万円なので副業にしやすく、新人にも回ってきやすいですが、その分ライバルが多いのでしっかりした話術が必要です。
その他にも休日開業のような形で、コンサルティング案件を個人的に請け負う、中小企業診断士の資格学校で受験対策のテキストや練習問題を作る、記事執筆をする、といった方法もあります。
中小企業診断士の副業についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
今後の診断士の給与水準は?
企業で働く、独立開業する、副業として働くなど様々な働き方が出来る中小企業診断士ですが、今後給与はどのようになっていくでしょうか?
ここでは今後の中小企業診断士の需要を予測しつつ、給与水準の変化を確認していきましょう。
今後の中小企業診断士の需要
日本の企業の内9割が中小企業なので、中小企業がいかに事業を展開するかが日本の景気回復の鍵となります。景気の回復が叫ばれる今、中小企業を支える中小企業診断士の需要は今後ますます高くなっていくことが見込まれます。
また、今後は地方都市の中小企業などでも注目が高まると見られています。更なる経済成長を目指す日本にとって中小企業診断士は非常に重要な存在になり、注目度も高まっていくでしょう。
中小企業診断士は常に新しい知識やアドバイスの提供を求められるため人とのコミュニケーションが必須です。そのためAIでの代替は不可能だと言われているので、中小企業診断士は世の中に会社がある限り需要があると言われています。
今後の給与水準の見込み
まだまだ需要が見込まれる中小企業診断であるので、その給与は今後しばらく下がることはないはずです。
また一定のキャリアを積んだ社会人が中小企業診断士の資格を取得することは自身のキャリアアップとしても強い意味を持ちます。
現在の業務に活かして評価を得るほか、独立や転職などで自分のキャリアを上げる際にも役立ち、年収アップにもつながるでしょう。
中小企業診断士の将来性についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
収入をアップさせるポイントは?
中小企業診断士の資格所有者だからといって勝手に仕事が舞い込んできて年収がアップするわけではありません。
ここでは実際に年収をアップさせるポイントについて説明します。
補助・助成金申請の代行に依存しすぎない
補助金や助成金申請の代行は収入源のひとつですが、これを業務のメインとしてしまうのはおすすめ出来ません。
これらは国や自治体がおこなっている制度なので国が方針を変えたりした場合には仕事が激減する恐れがあるからです。
万が一、補助金制度や助成金制度がなくなったりしても他から収入を得られるように収入源を分散させておきましょう。
民間コンサルが成功する秘訣?
補助金申請依頼や支援機関からの依頼の仕事も、副業や業務の一環としては良いのですが、公的コンサルばかりではなかなか単価も上がらず年収をアップさせることは難しいです。
中小企業診断士として成功する人は自分という商品と価値を民間企業に上手に売り込むことが出来る人だと言われています。公的コンサルと違って自分の価値を適正価格で売ることで単価アップ出来るからです。
また仕事を評価してもらえれば新たな顧問先を紹介してもらえる可能性もあり、さらなる年収アップにつなげることも可能です。資格取得の時に勉強した経営戦略などの知識を自分の運営にも大いに活かしましょう。
中小企業診断士の収入まとめ
中小企業診断士の収入まとめ
- 平均年収は700万~800万円だが独立で3000万円超えも可能
- 年収を上げるには勤務先の選び方が重要
- 昇格・昇給の他に副業による年収アップも可能
- 今後も高い給与水準が維持される見込みである
中小企業診断士の給料について企業勤め・独立・副業など様々な面から解説してきました。
まだまだ需要の高い中小企業診断士の資格を取得して、年収アップを目指してはいかがでしょうか。