税理士の収入は意外と低い?平均年収や年齢別・男女別の給料まで徹底調査!

更新日時 2019/11/27

「税理士の平均年収ってどれくらいなんだろう?」

「税理士の年収は700万円前後って聞いたけど、難しい資格の割には低い気がする・・・」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

超高難度資格である税理士ですが、難関試験を突破した先にある年収はどれほどのものか気になるところですよね。

ここでは税理士の年収について、勤務形態別の平均や年齢・性別ごとの収入まで具体的なデータを元に解説します

また、高収入の税理士の働き方から、高収入を得るための方法もお伝えします

ぜひあなたも高収入でやりがいのある税理士を目指しましょう!

税理士の年収についてざっくり説明すると

  • 税理士全体の平均年収は1000万円以上
  • 税理士の年収は勤務形態や性別によって異なる
  • 現在ではさらに需要が高まっており、仕事の将来性は高い

税理士の平均年収は600~700万円?

無造作に置かれた札束 税理士は士業の中でも比較的仕事内容が認知されており、税金に関するプロフェッショナルとして、顧客はもとより誰からも信頼され一目置かれる存在です。また税理士の資格試験は、国家資格の中でも難関としても有名です。

このように華々しいイメージが定着している税理士ですが、ネット上では「税理士平均年収が600∼700万円」という情報が多く見受けられます。

もちろん日本の平均年収である441万円と比較すると高額ですが、難関国家資格といわれる税理士としては、割に合わないと思われる方も多いのではないでしょうか。

一体、実際の平均年収はどれくらいなのか。次の項目で見ていきましょう。

男女別税理士の平均年収

厚生労働省の発表した2018年の賃金構造基本統計調査によると、税理士の平均年収は以下ようになっています。

これは従業員数が10人から99人の会計事務所に勤務する税理士と公認会計士の平均給与を調査したものです。

平均年収 月給 賞与
男性 703万円 49.9万円 104.4万円
女性 460万円 31.6万円 81.2万円

データを見るとネット上でよく見る「平均年収700万円」という内容と一致していることが見て取れます。また、女性の年収が男性と比較して極端に少ない点も目に着きます。

直近4年間の税理士の平均年収は以下のように推移しています。概ね600~700万円であることが見て取れるでしょう。

年度 男性税理士 女性税理士
2018年 703万円 460万円
2017年 645万円 451万円
2016年 684万円 488万円
2015年 637万円 439万円

このデータは税理士だけでなく、公認会計士も一緒になっている点には注意が必要です。ただ、厚生労働省の行う調査に基づいたデータですので、かなり実態に即した信憑性の高い数字であると言えるでしょう

しかし、このデータは信頼できると同時に大きな誤解を招くものでもあります。このことについて以下お伝えしていきます。

勤務型の税理士の年収が700万円

先ほど紹介した賃金構造基本統計調査の調査対象は「会計事務所に勤務して給料をもらっている税理士」です。

つまり、会計事務所や税理士法人等に勤務している税理士だけが調査対象になっていますので、独立開業している税理士や一般企業に勤務する税理士は含まれていません。

先ほどのデータから導き出せることは、「税理士の平均年収は600∼700万円」ではなく、「会計事務所に勤務する税理士の平均年収は600∼700万円」だということが分かります。上記のデータを税理士全体の平均だと誤認しているサイトも多いので注意しましょう

このことを理解していると、女性税理士の平均年収が極端に低い理由も見えてきます。女性税理士は子育て中の場合パート勤務を選択する割合も高く、年収にすると極端に数値が小さくなるからです。

また、税理士資格を取得したばかりの方は、まずは事務所勤務で経験を積むというプロセスを経ることが多いです。経験の浅いうちは給与も高くないので、こうした方々も勤務税理士の平均年収を下げていると言えるでしょう。

開業した税理士の年収はかなり高水準

上の円グラフは日本税理士連合会が実施した、「開業税理士の年収」についてのアンケート調査の結果です。

このデータを元に計算すると、開業型税理士の平均年収は3000万円以上となることが分かります。

これはあくまでも平均であり、独立開業は非常に年収のばらつきが大きいことも事実ですが、勤務型の税理士とは大きく年収が異なることは確実でしょう

現実に開業型税理士であっても年収が500万円以下の層も一定数あります。特に地方では都会のような法人の顧客を見つけることは困難であり、これが収入を得られない大きな要因となっています。

従って開業した人全員が超高額の収入を得ているわけではなく、3000万円という数字は年収が1億円を超えている一部の税理士たちによって引き上げられている点には注意が必要です。

中央値を見ると年収1000万以上が該当するので、こちらの方が感覚値としては近いと言えます。

この数字は勤務税理士の平均よりもかなり高く、より一般的な税理士の年収のイメージに近いものだと言えそうです。

税理士の年齢層別平均年収

成長を続けるグラフ ここでは、賃金構造基本統計調査に基づいた数値をベースに、会計事務所に勤務する税理士のデータをもとに話を進めます。

勤務税理士の年齢階層別年収

このグラフは税理士の年齢階層別の年収推移例を示しています。税理士の平均年齢は60歳近くであるので、実際にはグラフの右側の層が多いと言えるでしょう。

グラフからわかるように、勤務税理士の年収は事務所の幹部にあたる50∼60代がピークになります。また60代で一般企業の社員は退職しますが、税理士には定年がないので、年収が伸び続けていることが見て取れます。

グラフはあくまで国税庁及び厚生労働省の統計データに基づいて作成した一例です。参考程度にご活用ください。

税理士業界は高齢化が深刻

税理士業界は60代以上が全体の過半数を超える「超高齢化社会」が進行しています。税理士の社会では40代でもかなりの若手であり、業界全体として若い人材を強く求めています。

こうした事情の背景には税理士試験の受験者自体が高齢化していることが挙げられます

受験者が高齢化してしまう理由の一つが、税理士試験の科目合格制度の存在です。受験者は1年に1科目ずつ合格を重ねるなど、長期間かけて試験合格を目指すために、受験が長期化し結果的に受験者の年齢が高くなってしまいます。

また、国税従事者が長年の勤務経験によって税理士試験を免除されることも、税理士の高齢化を進めています。こうした方々は定年に近い年齢になってから税理士資格を得ることになるからです。

このような理由から税理士業界では超高齢化が進み、若い人材が慢性的に不足する状況になっています。

なぜ税理士の年収はここまで低いのか

多くの疑問 周りからは思われているよりも、よく見る統計上の税理士の平均年収が700万円と低水準なのはどうしてでしょうか。

これは賃金構造基本統計調査で扱うのは全ての税理士の年収ではなく、「一定規模の会計事務所で給料を受け取って勤務する税理士」という非常に限定された税理士の年収だからです。

そのため税理士全体の年収の実態とは、大きくかけ離れています。税理士の方に直接お話しをきくと、平均年収はもう少し高いと感じている方が多いのも事実です。

税理士の8割は開業登録している

具体的な数字を使って説明しましょう。

日本税理士会連合会に税理士として登録している人数は、2016年は75,643人です。このうち開業登録している税理士が57,683人います。

つまり平均収入3000万円以上の開業税理士が全体の8割を占め、先ほどの年収700万円の勤務型の税理士は全体の2割に過ぎません。

このように、実際には年収の高い開業税理士の占める割合の方が大きいことが、賃金構造基本統計調査から導かれた年収と実際の年収の違いに大きく影響しています。

一般企業勤務の方が給与水準が高いことが多い

しかし、先ほど紹介した開業登録している税理士の中には、実際には開業していない税理士もいます。

この中には「企業内税理士」として一般企業に就職し、上場している大手企業などで税理士の資格を活かしている方も多くいます。

このような企業内税理士は、開業税理士のような超高年収を得ることはありませんが、安定的に高水準の給料を手にすることができます。

公認会計士とどっちが年収が高い?

それでは、税理士と業務内容がよく似ている公認会計士と年収を比べてみましょう。

賃金構造基本統計調査では、公認会計士と税理士は同時に調査され、データとして公表されていますので、単純に年収の比較ができません。

公認会計士が独立開業することは税理士より少なく、監査法人に勤務する就業形態が一般的なので、開業税理士のような超高収入の存在は多くいません。

ただ、公認会計士の方が他の業種への転職も容易で、安定したキャリアを築けるので、着実に高額の給料を手にすることも可能です。

これらを勘案すると、公認会計士の方が超高収入層は少ないものの全体として年収が高い層が多い、と結論づけられるでしょう。

年収が高い税理士の働き方

合意の握手 それでは、年収が高い税理士の働き方から今後の税理士の進むべき方向について考えてみましょう。

年収が高い勤務先は?

先ほどの勤務税理士の平均収入からもわかるように、勤務先の税理士事務所の規模が小さい場合は、一般の方が想像する給料よりかなり低いこともあります。

反対に、大規模な税理士事務所に勤務する場合は、年収1000万円も狙えます。また大手の一般企業への就職や転職も、安定した高収入が期待できます。

勤務税理士の初任給はどれくらい?

勤務税理士の初任給は小規模な会計事務所の場合、年収300万円台とかなり低いものです。

外資系税理士法人のいわゆるBIG4などであれば、初任給でいきなり600万円近くの年収を得られます。

小規模事務所でも高年収が狙える

では、小規模な会計事務所では高収入を諦めなければならないかというと、そうでもありません。

小規模な事務所であっても、幹部クラスになると年収1000万円を稼ぐこともできます。その上、小さな事務所であれば幹部クラスになることもそこまで難しくありません。

後継者になることも

この他、勤務先の事務所の所長税理士が高齢の場合、所長が離職する際に事務所を後継者として引き継ぐこともあります。

昨今はどこの業界も後継者不足ですが、特に超高齢化の税理士業界では、深刻な後継者不足に直面しています。

顧客からの要望もあり、事務所幹部が事務所を引き継ぐことは現実的な選択肢です。

開業するのが高所得への一番の近道

もし、あなたが年収1000万円以上稼ぎたいのであれば、税理士として開業することが一番の近道です。

それ以上に年収3000万円を目指すのであれば、開業した事務所の規模を大きくすることが求められます。

事務所の大規模化はリスクも伴う

事務所の規模を拡大すればそれに比例して、売上も多くなり、高収入を得ることもできます。

その一方で、事務所の規模が大きくなれば取り扱う案件も重要度を増し、抱えるリスクも重くなります。

事業の拡大とそれに伴うリスクの増加に対して注意が必要です。

集客の計画は念入りに

税理士は独占業務があり、顧問契約も締結しやすいので、独立開業が非常にしやすい資格です。

その反面、無計画に開業しても顧客の獲得は簡単にはできません。開業のためには、しっかりとした実務経験を積んだ上で、入念な準備をしてから行うべきです。

独立開業直後は年収がかなり低い期間を経験することが一般的です。そのためには最低でも6ヵ月間の運営資金と生活費を蓄えておく必要があります。

税理士の年収の将来性は?

未来を予感させる招き猫 これまで現在の税理士の年収について説明してきましたが、次に今後の年収の見通しについてみていきましょう。

税理士の転職は超売り手市場

現状の税理士の就職・転職市場は超売り手市場です。

その理由は税理士業界の高齢化に加えて、税理士試験の受験生の減少もあって今後税理士の増加が見込めないからです。

これに加えて税理士法人の増加と日本全体の景気が良くなっているので、税理士の数がその需要に答えられていない状態が続いています。

こうした事情もあって税理士の資格を所持していれば転職に困ることはありません

AIによって仕事がなくなる?

AIの進化によって税理士の仕事がなくなると話題になったことがあります。

確かに最近では、簡単な仕事はAIに任せられることが多くなりました。しかし、税理士の仕事全てがAIにできるものではなく、世間一般で言われているほど、税理士の将来は危ういものではありません

実際に税理士の仕事でも簡単な計算作業や書類作成は、AIの方が短時間でミスなく処理します。

しかし税理士の業務でこのような単純作業はごく一部であり、実際の業務では税務の専門知識や経験に基づいた、解釈や判断が必要とされる場面も非常に多くあります。

従って、税理士の業務をAIが完全に奪ってしまうのではなく、AIによって税理士は働き方を変えていくということであり、仕事が失われるという表現は大袈裟な噂に近いと言えます。

税理士試験の難易度と今後の需要

将来の計画 税理士になるための方法は複数ありますが、その中でも税理士試験に合格する方法が最も一般的です。

税理士試験に合格するためには11科目のうちの5科目を選択して、選んだ5科目全てに合格する必要があります。

税理士試験の難易度は高く、国家資格試験の中でも有数の難関試験です。

1科目合格するのに1年を要する場合も多く、合格までに5年以上かかる方も珍しくありません。

しかし、一度科目合格してしまえばその合格は生涯有効なので、働きながら計画的に合格を目指すこともできます

さらに卒業した大学院や実務経験によっては科目免除制度も利用可能であり、短期合格も不可能ではありません。

ちなみに税理士試験には学歴や職務経験などによる受験資格も存在するので、受験を検討する際にはまずは受験資格から確認するようにしましょう。

このように難易度の高い税理士資格ですが、一度取得してしまえばその資格は生涯有効です。

以下に示すように税理士の需要はまだまだ尽きないので、努力して取得するだけの価値は間違いなくあると言えるでしょう。

税理士に対する隠れた需要を掘り起す

会社法によって設置が義務付けられている企業の社外取締役に、税務のエキスパートとして税理士が必要とされています。税理士は税務をみるだけでなく、経営のアドバイスを求められる立場です。

またベンチャー企業の経営者は若い年齢層が多く、経験を積んだ高齢の税理士より自分に近い年代の税理士を求めることもあります。同時にフリーランスや副業といった働き方が増え、税務相談をしたいけれどどうしていいのかわからない人も大勢います。

このように税理士に対する隠れた需要はありますが、人手不足によって需要を完全に掘り起こせておらず、特に若手に対する期待が高まっている状況です。

高齢の税理士が苦手な業務も

高齢化した税理士ではできない業務をこなすことで、若手が活躍できることがあります。

その一つがフィンテック対応であり、クラウド対応です。税理士には経験も重要ですが、顧客の求めるものは時代に即応したものも多くあります。若い税理士だからできる業務内容を手掛けることで年収を増やすことも可能です。

この他にコンサルティング業務に活路を見出すこともできます。

税理士の本来の業務は税金に関する作業全般を担当することです。これらを通して専門家の立場から資産運用や資金繰り、経営戦略のアドバイスを行うことも今後目指すべきあり方です。

税理士の資格を活かして活動の場を広げる

こうした流れから言えることは、税理士も税務だけに自分の業務を固定するのではなく、自分から活躍の場を広げることで収入を増やしていけるということです。

例えば、積極的に交流会等に参加して人脈を広げ、M&Aや業務拡大のタネをまく仕事なども可能でしょう。

税理士自身が活動の範囲を広げ企業の飛躍を後押しすることで、税理士として企業や経営者を育てる醍醐味を味わうことができます。そうなれば収入も確実に増えていきます

税理士の年収まとめ

税理士の年収まとめ

  • 勤務税理士の平均年収は700万、開業した税理士の平均年収は3000万円以上
  • 税理士は事務所勤務より開業する方が高年収が狙えるが、独立後は年収格差が大きいので注意
  • 税理士は高齢化が進行しており、若手税理士は超売り手市場となっている
  • 税理士試験は難関だが、それ以上の魅力と将来性がある

税理士の年収について様々な角度から解説しました!

税理士は会計事務所や一般企業に勤務して安定した収入を確保することも、独立開業で高収入を得ることも可能です。難関試験を突破して取得した税理士の資格は、必ずあなたの活躍の場を広げます

ぜひ、あなたも高収入が約束された税理士の資格を目指しませんか?

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