税理士が開業するには?独立後の年収や年齢、失敗しないためのコツまで徹底解説!

更新日時 2020/04/27

「税理士としての開業に興味があるけど、失敗せずにやっていけるか不安です」

「実際に開業するにあたってどのような流れで進めていけばいいの?」

このような疑問やお悩みをお持ちの方、いらっしゃいませんか?

税理士は独立開業するときに高い年収が望める資格ですが、いざ独立開業するときは失敗せずに起業できるか不安になりますよね。

また現在成功している税理士の年齢層や起業している場所なども気になるところです。

そこでここでは税理士の独立開業の実態や年収、失敗しないために注意すべき基本的なポイントをお伝えします

税理士の独立開業についてざっくり説明すると

  • 独立開業の前には綿密な計画と準備が必要
  • 開業税理士はかなりの高年収が期待できる
  • 開業したからといって自然と顧客が捕まることはなく、弛まぬ努力は必須

税理士開業の基本情報

カエルと旅行バック 税理士は「税金のプロフェッショナル」と呼ばれている資格であり、税金の正しい申告をサポートしていくことが主な役割となります。

税理士には独占業務と呼ばれる仕事内容がいくつか存在していることから、8割近くの税理士が独立しているといわれており、独立が盛んな資格であるといえるでしょう。

独占業務の内訳としては「税務代行」・「税務書類の作成」・「税務相談」の3つとなっており、そのほかにも企業の経営方針に関するコンサルティング業務もあります。

開業後の主な仕事の種類としては主に会社などの法人相手か個人相手かによって大きく分かれていき、ここの業務選択は事務所や会社に勤めてた時と異なり自分で決めることができます。

会社相手の仕事内容

会社相手の業務では主に法人税を取り扱い、記帳代行業務を行い税務書類を作成します。

ここでの記帳代行とは、会社の財務に関する帳簿作成を税理士が代理で行うもので、日々送られてくる領収書の内容を項目ごとに仕分けして税金の申告に備える作業のことです。

そのほかにも会社との顧問契約を結んで節税対策や財務面での経営方針・収支改善など会社の税金周りのコンサルを行うこともあります。

現在は簡単な会計処理がAIなどの機械に代替されてきているため、コンサル業務の付加価値が以前にもまして重要となってきています。

個人相手の仕事内容

税理士は会社など法人相手の仕事以外にも、個人に対しての税金指導を行う業務もあります。

具体的には確定申告の手続きのサポートや相続問題の取り扱いがメインとなってきます。

特に高齢化が進む現在の日本では、相続税に関する知識が重宝されていることから、相続税に関する知識は身につけておくことがおすすめでしょう。

そのほかにも個人事業主の節税方法や中小企業の事業継承問題の解決も図るなど、できる業務の幅が広いため独立の際には自分がどの分野で攻めていくかあらかじめ決めておくことがおすすめです。

開業税理士の年収・年齢のリアル

お金を育てる

開業税理士の平均年収は3000万円以上

グラフは日本税理士連合会による開業税理士の年収についてのアンケート調査の結果です。

単純に平均年収を概算すると、開業税理士の平均年収は3000万円以上となっています。

ただし、これはあくまで平均値であり3000万円以上の税理士は実際には全体の30%ほどです。

つまり、年収3000万円を超える超高年収の一部の開業税理士によって平均が大きく引き上げられているのです。

そのため、実際には年収500万円未満の税理士も多く、格差が大きいのが実情と言えます。

ただし、中央値は1000万円以上となるので、開業税理士になることで1500万円前後の収入は現実的に視野に入ってきます。

一般的なサラリーマンの2倍以上の高水準となるため、将来の希望も膨らみますね。

勤務税理士の年収は?

では、開業税理士ではなく勤務税理士の年収はどの程度なのでしょうか?

2018年の賃金構造基本統計調査によると、男性で会計事務所に勤務する税理士の平均年収は703万円となっています。

数字だけ見ると、開業税理士よりも平均としては低くなりますが、その反面勤務税理士であれば安定した収入を得ることができます。

数値から見える実態を考えると、年収1000万円以上を狙うならやはり開業という道を選択するのが良いでしょう。

様々な状況から高年収よりも安定的な収入を望むのであれば、勤務税理士としての働き方も非常に良い選択です。

税理士業界の平均年齢

税理士業界全体で見ると、平均年齢は60才を越えており非常に高齢化が進行しています。そもそも税理士資格を獲得するまでに時間がかかってしまうことや、若手の受験者数が年々減少していることが原因です。

実際合格者の内訳では30代40代が多く、40代でも税理士の中では経験が浅いという場合も珍しくありません。

ちなみに最近では資格取得後すぐに独立するのではなく、企業や税理士法人に10年以上勤めて十分な実務経験を積んでから40、50代で開業するパターンが増えています。

その理由としては、勤務しているときに事務所経営のノウハウを学んだり、また人脈をコツコツと築いておくことで、開業後の仕事をスムーズに進めることができるためです

税理士が儲からないと言われる理由

困り顔の犬

税理士は比較的高い平均年収にもかかわらず、以前から「税理士は食えない仕事」と言われがちです。その根拠はどこにあるのでしょうか。

ここではもうからないと世間で言われている理由について、1つずつ詳しく解説していきますl

税理士業務の絶対量が減少している

税理士の数は1960年から上昇し続けているものの、20年ほど前から顧客となる中小企業の総数自体が減少しているため、仕事の取り合いが起こっています。

「税理士は儲からない」というイメージは、この仕事の取り合いに負けた税理士たちが廃業しているために、形作られたものなのです。

しかし、廃業してしまった税理士は営業の努力が不足していたり、顧客のニーズに応えられなかったりなどの原因があります。そのため「税理士=儲からない」という短絡的なイメージは誤りです。

税理士には引退がない

開業税理士は勤務税理士と異なり、定年という制度がありません。

定年がないため、比較的年配のベテラン層が仕事を引き受け続けて、若手の新米税理士に回ってくる仕事が極端に少なくなってしまうという現象が起きているため、税理士は食えないと言われがちなのです。

新規で顧客を獲得するのは非常に困難であり、新米税理士や開業して間もない経験の浅い税理士は苦労するでしょう。

一方で会計ソフトなどの新しい技術をいち早くキャッチアップするなど、若手ならではの強みを生かして開業間もないながら成果を挙げている事務所ももちろんあります。

会計ソフトやAIが登場

最近ではIT化の進展に伴い、市販の会計ソフトも充実しています。

これにより、税理士の行う記帳代理のような単純事務作業は機械が行うようになり、それによって事務作業などしか行えない税理士が淘汰されてしまっているのです。

昔は税理士になればもう安泰であり、こうした単純業務だけでも十分高収入を得られる世界でしたが、今はそうは行きません。

今後税理士として成功していくためには、単純な会計業務だけでなく専門知識を生かして様々な提案や助言ができるスキルなども求められるでしょう。

開業の良い点・悪い点

様々な分析

メリット①時間の自由とお金の自由

開業した時に一番感じるメリットは、時間と金銭面の自由度です。

企業に勤務している人たちとは違って、契約や勤務時間という制約がありません。

そのため、働きたい時期に働き、働きたくない時は仕事を抑えるなどの柔軟な働き方が可能になります。

また、収入面で言えば開業税理士は生涯働き続けることができるので、定年という概念がなく、いつまでも稼ぎ続けることができます。

将来的な年金不安がある中で、年金以外にも収入を得ることができる手段があるのは老後を豊かにするうえでとても魅力的です。

メリット②経営者の気持ちがわかる

独立開業するもう一つのメリットとして、税理士であるとともに事務所の経営者であるため、顧客である経営者の気持ちがわかるようになります。

企業に勤務しているだけだと自分自身が経営に参加している実感がなく、経営者の気持ちはなかなかわからないものです。

独立開業して自分自身が経営者になることにより、所属税理士の時と比べても顧客に寄り添ったサービスの提供ができるようになるでしょう。

また経営者目線で節税に関するアドバイスや提案ができるようになり、視野が広がることにもつながります。

メリット③開業が縁で友人が増える

税理士の仕事では、税理士単独では処理しきれないこともあります。

例えば、非弁行為は弁護士の独占業務であるため、税理士は行うことができません。

相続に関する相談に際して、遺産相続のトラブルに発展することも多々ありますが、税理士は特定の誰かの利益となるような非弁行為はできないのです。

したがって、自然と税理士は弁護士や行政書士などの他の専門的な士業の人たちと人脈を築いていくことになります。

このような方々との縁はとても貴重で、この方々から新たな顧客を獲得できるケースもあるため、親密な関係を築くと良いでしょう。

また、開業することにより新規顧問先や職員、パートナーといった独立事務所にいなければ出会うことがなかったような方と出会いがあるため、人脈が広がることも開業の大きなメリットなのです。

メリット④全国どこでも開業可能

税理士が独立するメリットして、条件さえ合えば全国どこでも事務所を構えることができることが挙げられます。

需要は都心部のほうが多い傾向にありますが、地方部でも中小企業の経営者・個人事業主・不動産オーナーなど顧客となりやすい人と人脈を築いたり、営業をうまく行うことで顧客を確保することが十分可能です。

この際の注意点としては、それぞれの土地によって需要のある業務分野は異なるので、地方で開業を考えている人はあらかじめリサーチを重ねてきちんと収益化できるかなどを検討しておく必要があります。

デメリット①大きな失敗のリスク

独立開業すると、サラリーマンのような安定的な収入がなくなるため、金銭的なリスクは大きいと言えます。

昔は独立開業すれば元の事務所から自然と顧客を獲得できましたが、最近では顧客の横取りが禁止されており、新規の顧客を探す営業を続けなければ顧客を獲得できないルールとなっています。

また、ある程度事務所が大きくなり社員も雇うようになると、自分の決断で社員と社員の家族の人生を決めてしまうという大きなプレッシャーを背負わなければなりません。

また、経営者は会社の健康保険のような傷病手当金の制度は無いため、正社員とは違い病気で入院などになると収入が途絶え、また顧客が離れてしまい廃業するリスクがあることにも留意する必要があります。

デメリット②業務が負担になることも

税理士は基本的に1年の間で業務の量に差があります。

例えば、中間決算の時期(10月前後)や確定申告の時期(2~3月)は最も忙しい時期で多忙になってしまうため、 これらの繁忙期には平日は深夜まで、場合によっては休日まで働かなければならない可能性もあります。

もちろん、その反面繁忙期は税理士として最も稼ぐことができる時期になるため、高いモチベーションは保てるでしょう。

また、事務所の経営が軌道に乗ってくると業務量が増えるため職員を採用するなどの対策を取る必要も出てきます。

経営者として、パートやアルバイトを採用するか、正社員として長く勤めてもらうかの判断も求められます。

デメリット③実力がそのまま年収に直結

税理士として仕事を受注していくためには、コツコツと信頼を積み上げていくこと・必要な業務処理能力を身に着けておくことが重要です。

勤務税理士であれば、仕事に失敗したり新規の顧客を獲得できなくても一定の給与は保証されますが、開業税理士は毎月仕事を獲得し、顧客が満足するような成果を出さなければ報酬をもらうことができません。

そのため、自分の持つ営業力や業務遂行能力などがすべて収入に直結するため、日ごろから最新の税知識を仕入れておくだけでなく営業力や提案力を磨いておくと良いでしょう。

特に開業してすぐは顧客が付きにくく無収入の期間が続くため、この期間に周囲と差別化できるようなスキルの習得や他の資格の勉強をしてみるなど、様々な工夫をしておくと後々役に立ちます。

開業に向いている人の特徴

草原で歩く男 税理士としての開業には適正となる指標がいくつか存在します。

開業した際には経営者としての大きな責任を背負って業務をこなす必要があるので、ここで紹介する要素は開業税理士として満たしておく必要があります。

細かい作業を着実にこなせる人

税理士の主な業務として、領収書の情報を集めて記帳代行を行ったり、依頼された税金の計算をコツコツ行うことが必要とされています。

よって細かい作業に1日中向き合い続けられる根気強い人は税理士の開業に向いているといえるでしょう。

また決算書作成や税金計算の際には寸分の狂いなく正確な数字を算出することが求められるため、数字に対する正確性も併せて必要です。

よって日々細かい数字のミスなどに敏感である人は、開業後の業務もそつなくこなしていけそうだといえるでしょう。

コミュニケーションを円滑にこなせる人

開業後は仕事の案件を営業や人脈を通して取ってくることが増えていきます。

よって相手のニーズを的確に把握したうえで、相手に今必要なことを提案できるコミュニケーション能力が必要となります。

また業務の最中にもお互いの要求をすり合わせて、業務内容をよりよくしていくことも多々あるため、仕事を確保していく場面だけではなく業務を進めていく場面でもコミュニケーション能力は必須といえるでしょう。

正義感にあふれる人

税理士は税金に関わる仕事であるため、国の指示通りに正しく税金を納めるようサポートしていく必要があります。

しかし、クライアント側はできるだけ節税をして出費を免れたいというのが本音であり、税理士はクライアントの意向を優先してしまうあまり、脱税など法律違反の方向に向かってしまうケースもみられます。

よって税理士には、クライアントの要求を最大限取り入れつつ、法率はきちんと遵守するという姿勢を保つことが必要です。

この法律遵守という倫理観は、税理士という職業に就く上で必ず保つべきものといえるでしょう。

税理士の開業までに必要なこと

レシートの画像

こちらの記事では、税理士が開業するために必要な情報をもれなく丁寧に解説していきます。

まずは、開業までの流れについて見ていきましょう。

税理士試験に受かる

税理士になるためには税理士連合会に税理士登録する必要があります。

税理士登録するための手順には、「税理士試験を受けて5科目合格する方法」「税務署に18年以上勤めて税理士試験の一部科目を免除してもらいつつ受かる方法」「公認会計士や弁護士資格を取得する方法」の3つがありますが、その中でも税理士試験を受けて5科目合格する方法が一般的です。

税理士試験の各科目の勉強量は膨大なため、1年で1~2科目合格する計画を立てて、5年前後かけて税理士資格を取得を目指すケースが多いです。

実務経験を2年積む

「税理士試験を受けて5科目合格」した人は、税理士として税理士会に登録する前に実務経験を2年以上積む必要があります。

この実務経験が必要という縛りがあるため、多くの税理士の卵たちが会計事務所や税理士事務所で2年間の修行を行っているのです。

また、税理士試験受験前に一般企業の経理などで会計業務に携わっていた場合は実務経験期間としてカウントされる ため、税理士試験合格後すぐに税理士登録できます。

実務経験は税理士として働いていく上でも貴重な経験なので、若いうちから積極的に会計業務に携わるようにしましょう。

税理士会に登録

合格後に実務経験も2年間積み、税理士試験も合格して必要書類を税理士会に提出すれば、晴れて税理士会に登録することができます。

この登録の過程でも、自分が事務所を構える予定の地域にライバルの税理士事務所や税理士法人はどれくらいあるのか、また自分が顧客としたい企業やターゲットはどれくらい存在するかを下調べしておくと良いでしょう。

当然競合が多いと低価格競争に巻き込まれたり、そもそも顧客の獲得に苦労してしまいますので情報収集は抜かりなく行いましょう。

独立開業準備

独立開業する際には綿密な計画立案と準備が必要です。

独立開業前は十分に時間をとり、金融機関を回って開業資金の調達や先輩税理士の話を聞く・書籍を読む・セミナーに参加するなどして事務所経営や実務に関する知識を身に付ける必要があります。

特に先輩税理士から話を聞くことは貴重な情報源となります。どのように業務を進めていけばいいのか、また事務所の経営ノウハウなどはどのようなものなのかは実体験に基づいたエピソードがないと分からないものです。

人脈を大事にしながら、独立開業準備を進めていきましょう。

開業手続き

独立開業準備が整ったら、いよいよ必要な事務所を構えて内装や設備も整えたうえで税務署に開業届を出すことになります。

これで正式に開業独立のスタートを切ることになります。

開業後はなかなか顧客を獲得できず仕事もなかなか受けることができません。しかし、開業して間もないころはそのような状況が当たり前ですので、ここで焦ってはいけません。

じっくりと腰を据えて地道に営業活動をし、自分の存在を少しずつ知ってもらえるように努力しましょう。

税理士の独立開業に必要な費用

貯金箱の画像

開業費用は最低400万円

開業にあたって、初期費用はどの程度必要になるのでしょうか?

開業に必要な主な出費は以下です。

  • 税理士会への登録費用
  • 税理士会ブロック・税理士会支部への加入費用
  • オフィスを借りる場合はオフィスの賃貸費用
  • プリンタやPC、会計ソフトなどの設備投資
  • 事務所のHP開設費用
  • 名刺作成費用
  • チラシ代
  • 無収入期間を生き抜く費用

これらをすべて合算すると概ね400~500万円となります。

以下でそれぞれの費用の目安をお伝えします。

登録費用や年会費

税理士登録自体に登録免許税60,000円と手数料50,000円がかかる他、支部の年会費・入会費やブロックごとの税理士会の年会費・入会費入会費がかかります。

各支部やブロックの入会費は支部ごと・ブロックごとに異なっており東京ブロックを例にとると入会金40,000円、年会費81,000円となっています。

なお、地方により費用に差はあるものの、総計で30万円近くの費用が最初にかかることになります。

事務所の賃貸料や設備投資

事務所を自宅に構えるか、賃貸してしまうか、レンタルオフィスを借りるかによって初期費用がだいぶ変わってきます。

当然、自宅の場合は初期費用がかかりませんが、事務所を借りるとなるとエリアによって異なるものの10万円以上の家賃に加え最初に50~60万円程度の補償金が必要となります。

最近増えているレンタルオフィスは比較的立地が良くても2~3万円で済む場合もあるため、自宅以外での開業を目指している方はレンタルオフィスも選択肢として前向きに考えましょう。

また、これら事務所の賃貸費用に加えて税理士業務を行う上で必要不可欠な設備(PCやFAXなどの周辺機器)を購入したり税務処理を行うための会計ソフトなどを購入したりする必要があります。

そのため、事務所関係で最低でも15万円程度~150万円程度準備する必要があります。

広告費用やその他

当然ながら、開業するだけで勝手に仕事が降ってくるということはないため、地道な営業活動が大事になります。

そこで、自分の事務所のHPを作成したり、チラシを作ったり、名刺をたくさん刷ったりと開業には広告設備も整える必要があり様々な諸費用が発生します。

特にHP作成は検索で上位表示されること等も意識してプロに作成してもらうと20~100万円程度してしまうため、しっかりとその後のコストパフォーマンスなどを吟味してから発注する必要があります。

また、このような営業活動以外でも人脈を通じて顧客を獲得する方法もありますので、日ごろから人脈作りは意識しておきましょう。

無収入期間を生き抜く費用

税理士事務所を立ち上げてもすぐに顧客を獲得できることは非常に稀で、開業してしばらくの間は無収入期間を耐え抜く必要があります。

この無収入期間においても、家賃などのコストや生活費などは当然かかってきますので、100~200万円程度の貯金があると安心でしょう。

この無収入期間を予期していないと、事業の継続が困難となり早期に廃業してしまうことになります。

そのため余裕がある人はできるだけ多くの予備資金を準備しておくとより安心です。

税理士の開業を失敗させないためのポイント

ひらめきの画像

それでは、税理士としての起業を成功させるためのコツは何なのでしょうか?

ここでは事務所開業の際に意識すべきポイントをお伝えします。

コンセプトメイクに気を配ろう

税理士の仕事の幅の広がりを背景に、現在では何かに特化して周囲と差別化した税理士が活躍することが多いです。

税理士として自分の得意分野を打ち出すというのはかなり有効であり、「とりあえず何でもやる税理士」ではなく、「〇〇分野のスペシャリストです」という営業スタイルの方が顧客から信頼してもらえます。

例えば自分が起業をして税理士選びをする時、「とりあえず何でも相談に乗ってくれる税理士」と「スタートアップに特化した税理士」のどちらに相談するでしょうか?

当然、後者の専門的な税理士を選ぶでしょう。

このように、自分の選択した科目などからコンセプトを設けてある分野に特化した税理士を目指すと良いでしょう。

低価格競争をしない

新米税理士は、得意分野が存在しないため「安さ」で勝負しがちです。

しかし、低価格競争に巻き込まれてしまうとコストカットや経営効率で勝る大手事務所にいずれ駆逐されてしまうので、長期的に事務所を維持していきたいのならば低価格競争は避けるべきです。

また、自分の得意分野を打ち出した上で付加価値の高い独自のサービス(コンサルタント業務など)を売り出していくと効果的です。

本気で営業する

今現在、税理士業界は税理士資格があれば自然と顧客を獲得できるような甘い状況ではありません。

独立した以上は顧客を自分で獲得しなければならず、webや人脈など持てる営業手段を全て駆使して常に集客・セールスをし続ける必要があります。

開業当初はなかなか顧客を獲得できずに苦労すると思われますが、自分なりに成果を出せる営業手法を見つけて地道に営業活動をしていけば自然と経営は拡大するでしょう。

また、営業経験が無い場合は独立を一旦見送り、営業ノウハウを吸収してから独立する方が無難です。

採用に気を使う

事業が軌道に乗り、会社の業務を拡大するためには人員を採用して職員を増員する必要が出てきます。

しかし、税理士業界は慢性的な人材不足に悩んでおり、近年では求人を出したらすぐに応募が来ることは稀です。

しっかりと事務所の拡大に貢献できる人を採用するためには、投資意識を持って優秀な人材を探したり自分の事務所をアピールしたりしていく必要があります。

AIにできない仕事をする

将来、税理士業界の機械化やAI導入が実現すれば、記帳や書類作成のような単純事務作業はAIに代替されるようになるでしょう。

しかし、AIは万能ではなく文章理解力や提案などのきめ細かいサービスは苦手です。

そのため、税理士業界に機械化の時代が来ても、AIに代替されにくい税務相談やコンサルティングの能力を学び、実力をつけておくことが重要です。

開業を成功させるなら1年の準備期間を

準備するイメージ

税理士の独立開業で成功するのは簡単なことではありません。成功するためには十分な事前準備が必要となります。

準備期間は最低でも半年から1年は見積もっておくべきです。

スケジュールを作成

独立開業までの準備期間ではまず、開業までのスケジュールを綿密に立てることが必要です。

具体的な流れは以下のようになります。

  • 開業エリア選定・資金案の算出

  • 開業予定地の決定・資金調達

  • 税理士会への登録・オフィス内装・設備工事

  • 営業手法開発・実務の勉強

資金を調達する上で金融機関などから借り入れをする場合、審査などですぐには工面できない可能性もありますので、資金計画はなるべく早めに立てておきましょう。

また、金融機関の審査は1ヶ月以上かかるケースもあるため、それと並行して税理士の登録手続きもしておくとスムーズに開業することができます。

実務能力や営業力を学ぶ

開業前の準備の中でも特に大事なのが、営業ツールの開発と実務の学習です。

特に、営業手法に関しては開業後にどういった種類の営業をどのように行えば新規顧客の獲得につながるかを調べたり、又は先輩税理士から聞いてみたりして情報を集めておくと良いでしょう。

効果的な営業方法は対象となる顧客の年齢層により異なりますので、様々な工夫を凝らしていきましょう。

資金調達や撤退ラインを決める

営業や実務の勉強と同様に大事なのが、資金集めと撤退ラインの策定です。

資金は金融機関で融資してもらう場合が大半であり、特に貯金が多くない場合は 予め撤退ラインを決めておくと、失敗したときにダメージを最小限にすることができます。

事業に失敗した場合は他の会計事務所・税理士法人に転職するという選択肢を持っておきましょう。

またそこで実務能力などを磨いていけば独立の再チャレンジのチャンスも訪れます。

開業してからの副業はアリか?

笑顔の女性

最近は国が副業を推進していたり副業を認める企業も増えているなど、副業への関心が高まっています。

開業してから間も無い段階ではなかなか顧客が獲得できず、仕事がほとんどないという状況も珍しくないでしょう。資金繰りに苦労するので、副業で生活費を稼ごうとお考えの方もいらっしゃるかと思います。

そんな中で副業をして生活費を稼ぐというのは自然なことであり、実際開業直後の税理士の方で副業をしている人はとても多いです

ただし、副業はあくまで副業です。多くとも週二日程度に抑え、事務所の運営をメインに努力し続けることを忘れてはなりません。

「副業があるから最悪廃業しても大丈夫」といった気持ちで事務所運営をしていてもまず上手くいきません

副業と本業が逆転しないように注意して、開業初期を乗り越えましょう。

税理士独立の際におすすめダブルライセンス先

2人の女

税理士の独立の際には、他の競合に打ち勝つためにも差別化を行って付加価値をつけていく必要があります。

この付加価値をつけていく手段として最も有効なのが、他の資格とのダブルライセンスになります。

ここではダブルライセンス先としておすすめな資格を4つ紹介していきます。

行政書士

行政書士とダブルライセンスを行う最大のメリットとしては、会社の設立からその後の業務まで幅広く携われるところにあります。

具体的には税理士資格を持っているだけだと、法人として設立し終えた会社にしかアプローチが取れません。

しかし行政書士の資格を合わせて取ることで、創業期のサポートを行うこともできるようになり、顧客の集客のタイミングを増やすことができます。

行政書士の資格は税理士の資格を取得後に取る場合は試験が免除されるため、税理士とのダブルライセンスのハードルが低いといえるでしょう。

社労士

社労士とダブルライセンスを行うことで、税務の問題から社会保険問題までの業務を幅広く受託できるようになります。

税理士は労働問題や社会保険などの社労士が専門に扱う領域の問題での相談を受けることもしばしばあります。

今まではそのような顧客を社労士の知り合いに任せていたのが、ダブルライセンスをすることでその業務を自分1人で担当できるようになります。

顧客にとっても2人の担当者に別々に依頼するよりも、自分の抱える問題の事情を知っている人に一気に任せたほうが安心感も生まれ、業務以来の手間も省けるためメリットが大きいといえます。

中小企業診断士

中小企業診断士とダブルライセンスを行うことで、税務面のアドバイスのみならず経営面のアドバイスも同時に行うことができます。

税理士は経営面から問題解決のアプローチを行う必要がある場面の多いので、これは非常に大きなメリットになります。

またAI化に伴い税理士にこれまで以上に要求されてきている能力であるコンサルティング能力も、中小企業診断士の資格を取得することで大きく向上していきます。

税理士の独立開業まとめ

税理士の独立開業まとめ

  • 実務経験や税理士登録などの手順を踏んで開業する
  • 独立開業の際は400万円ほど準備しておくのが良い
  • 開業した税理士の平均年収は3000万円以上、平均年齢は60歳以上
  • 開業後の副業は一般的だが、事務所運営を疎かにしない

税理士は独立開業するにはうってつけの資格で、実際かなりの高収入も期待できます。

しかし、単に開業するだけでなく、綿密な準備と営業努力は必須となりますのでその点の集客努力は怠ってはいけません。

今後も高い需要が見込まれているので、是非税理士の資格取得に挑戦してみましょう!

合格時間割 合格時間割
人気記事