【1次試験】中小企業経営・政策の勉強法は?おすすめ暗記法や対策のポイントも解説!
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中小企業診断士
平井東
「中小企業経営・政策の傾向と対策が知りたい・・・」
中小企業診断士の試験勉強している方であれば、試験傾向と対策法は誰しも気になるポイントですよね。
そこでここでは、中小企業診断士試験の中小企業経営・中小企業政策について、勉強法や対策のポイントを具体的に解説します!
この記事を読み終わる頃には、中小企業経営・政策の勉強法を理解し、ご自身の普段の学習に役立てることができるようになっているはずです!
中小企業診断士の中小企業経営・政策についてざっくり説明すると
- 中小企業診断士の中小企業経営・政策の難易度は高くはない
- 2次試験との関連性は低い
- 暗記中心の科目である
- 問題の傾向が毎年変わるので、勉強法には注意
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中小企業診断士試験の中小企業経営・政策の概要
中小企業診断士の試験科目である「中小企業経営・中小企業政策」は、1次試験にしか出題されず、2次試験には関係がありません。
中小企業経営では中小企業白書や小規模事業白書からの統計データに関すること、中小企業政策では法律、国の施策に関して主に学習します。
また、基本的には暗記中心の科目となるので、如何にして効率よく覚えるかが重要になってくる科目だと言えます。
中小企業経営・政策で学べること
中小企業経営では統計データを通じて中小企業の実態が分かり、中小企業政策では補助金や制度、中小企業を支援するための施策や方針について学ぶことができます。
中小企業の現状を知ることができ、中小企業を支援する上での法律や施策についての知識が身につき、中小企業診断士になった後で役立てることができます。
出題範囲
- 中小企業経営
- 中小企業政策
- その他中小企業経営・中小企業政策に関する事項
配点
中小企業診断士試験の試験案内にも記載がありますが、配点は毎年同じで、下記の通りです。
科目 | 時間 | 配点 |
---|---|---|
経済学・経済政策 | 60分 | 100点 |
財務・会計 | 60分 | 100点 |
企業経営理論 | 90分 | 100点 |
運営管理 | 90分 | 100点 |
経営法務 | 60分 | 100点 |
経営情報システム | 60分 | 100点 |
中小企業経営・政策 | 90分 | 100点 |
中小企業経営・政策は、100点満点の配点に対して問題数が42問程度あります。したがって一問あたり2点から3点の配点となっています。
中小企業経営・政策の難易度
中小企業診断士の中小企業経営・政策の難易度は基本的には高くありません。
しかし暗記が苦手な人にとっては、やや苦労するかも知れません。
中小企業経営・政策の平均点
以下では中小企業経営・政策の平均点の推移を他の科目と比較しつつ確認しましょう。
データはいずれも資格の大原中小企業診断士講座「採点サービス集計結果」より抜粋しています。
H30年度
科目 | 平均点 |
---|---|
経済学・経済政策 | 63.4点 |
財務・会計 | 51.2点 |
企業経営理論 | 53.4点 |
運営管理 | 63.7点 |
経営法務 | 39.8点 |
経営情報システム | 60.0点 |
中小企業経営・政策 | 61.1点 |
R1年度
科目 | 平均点 |
---|---|
経済学・経済政策 | 64.6点 |
財務・会計 | 62.5点 |
企業経営理論 | 56.8点 |
運営管理 | 64.3点 |
経営法務 | 54.2点 |
経営情報システム | 61.8点 |
中小企業経営・政策 | 53.6点 |
R2年度
科目 | 平均点 |
---|---|
経済学・経済政策 | 67.0点 |
財務・会計 | 61.6点 |
企業経営理論 | 62.7点 |
運営管理 | 59.4点 |
経営法務 | 58.5点 |
経営情報システム | 66.1点 |
中小企業経営・政策 | 64.0点 |
上記によると 中小企業経営・政策の平均点は
- 平成30年度:61.1点
- 令和1年度:53.6点
- 令和2年度:64.0点
となっています。
表をみてわかるように他の科目と比較しても、平均点が特別低いわけではありません。
中小企業経営・政策の合格率
ここでは中小企業経営・政策の合格率を他の科目と比較してみましょう。
データはいずれもTAC中小企業診断士「1次試験科目ガイド」より抜粋しています。
H30年度
科目 | 合格率 |
---|---|
経済学・経済政策 | 26.4% |
財務・会計 | 7.3% |
企業経営理論 | 7.1% |
運営管理 | 25.8% |
経営法務 | 5.1%※ |
経営情報システム | 22.9% |
中小企業経営・政策 | 23.0% |
※得点水準を勘案し、受験者の得点に8点加算されています。
R1年度
科目 | 合格率 |
---|---|
経済学・経済政策 | 25.8% |
財務・会計 | 16.3% |
企業経営理論 | 19.4% |
運営管理 | 22.8% |
経営法務 | 10.1% |
経営情報システム | 26.6% |
中小企業経営・政策 | 5.6% |
R2年度
科目 | 合格率 |
---|---|
経済学・経済政策 | 23.5% |
財務・会計 | 10.8% |
企業経営理論 | 19.4% |
運営管理 | 9.4% |
経営法務 | 12% |
経営情報システム | 28.7% |
中小企業経営・政策 | 16.4% |
中小企業経営・政策の合格率は年によって変動が激しく、他の科目の合格率よりも高い場合もあれば、極端に低い場合もあります。
中小企業経営・政策向けのおすすめ勉強法
中小企業経営・政策は暗記中心の科目です。
ここでは、中小企業経営・中小企業政策について、勉強時間、勉強する時期、頻出論点などを踏まえた、おすすめの勉強法を紹介します。
勉強時間の目安
勉強時間は80時間を目安にすることがおすすめです。
中小企業経営・政策の勉強は重要であるものの、2次試験とは直接関係ない科目なので、時間をかけて勉強しすぎるべきではありません。
後半に勉強するのが良い
短期決戦の科目のため、勉強する時期については後半がおすすめです。
中小企業経営・政策は暗記科目なので、先に他の理解重視の科目の学習に取りかかり、試験が近くなってから中小企業経営・政策を勉強し始めるのが良いといえます。
2年計画なら早めの対策を
もしあなたが科目合格を利用して2年間で中小企業診断士試験に合格しようと考えているのであれば、中小企業経営・政策の学習スケジュールをもう少し前倒しにした方が良いでしょう。
2年目に効率よく合格を目指すにあたって、1年目に中小企業経営・政策で不合格になってしまうのはかなり痛手です。
少し時間をかけてでも、確実に合格できるようじっくりと対策した方が良いでしょう。
問題の傾向は毎年変わる
中小企業経営・政策の出題の特徴として問題の傾向が毎年大きく変わることがあげられます。したがって、他の科目と比べると過去問の有効度も低めになります。
過去問に出てきた過去のデータを、最新のものと間違えないようにしましょう。
中古テキストは使用せず、最新のテキストや問題集で勉強することが大切です。
頻出論点
中小企業経営・中小企業政策で出題される重要な論点を確認しましょう。
論点 | 内容 |
---|---|
統計データからみる中小企業の数値・特徴 | 業種別企業数、業種別開廃業率など |
中小企業に関する政策 | 各支援制度、各共済制度 |
中小企業に関する法律 | 中小企業基本法、小規模基本法など |
いずれも暗記が基本になりますが、数字や細かいところまで覚える必要があります。表を作るなど、相互の項目を関連付けて覚えられるように工夫すると良いでしょう。
頻出論点の確認に役立つもの
重要な論点を確認できるものとして、中小企業白書や中小企業政策利用ガイドブックがあります。
中小企業経営では中小企業白書の統計データからの出題があり、中小企業政策では中小企業政策利用ガイドブックに書かれている重要施策などが参考になります。
膨大な量になるので、論点を部分的に確認する程度にとどめておくのが良いでしょう。
中小企業経営・政策は問題数が多い
中小企業経営・政策では、100点の配点に対して42問程度の問題が出題されるので、1問あたりのウエイトが低いことが分かります。
同じ100点の配点でも、経済学・経済政策や財務・会計など出題が25問の科目は、1問間違えただけで得点に大きく影響しますが、中小企業経営・政策は問題数も多く、間違えた問題を他の問題を正解することでカバーできます。
記憶するほど得点に結びつきやすいことを意識して、効率的に集中して暗記を進めていくと良いです。
空いた時間を有効に活用する
理解重視の科目を勉強するときは、紙に図を書いたり計算したり、まとまった時間と場所が必要なこともありますが、中小企業経営・政策の勉強は暗記中心なので、移動時間といった短時間でも勉強することができます。
勉強したことをリストアップして、通勤時間、小休憩、ちょっとした待ち時間などにチェックすることもおすすめです。
暗記科目は短い時間で集中して取り組むと効率も上がり、節約できた勉強時間を他の科目に回すこともできます。
音声を活用する
テキストを読んでひたすら暗記をしようとしても、ときには抜けてしまったり、なかなか頭に入らないこともあるかも知れません。
音読して声に出したり、耳から情報を入れて勉強する方法もあります。音声の教材を使って耳で聞いて覚える方法を取り入れてみても良いでしょう。
問題を解く時のテクニック
中小企業経営・政策は覚えるほど得点につながりやすい科目なので、試験本番で問題が解けるように対策を考えておくことが大切です。
ここでは問題を解く時のテクニックに関してみていきます。
自分に合った暗記方法を探し続ける
中小企業経営・政策はとにかく暗記しなければ得点することはできません。そのため、如何に効率よく暗記するかの模索をしっかりと行うことが大切です。
効果的な暗記方法としてはメモリーツリーの作成や、後述するような暗記ノートの作成などが代表的です。
暗記ノートも効果的
暗記科目で効果的なのは、暗記すべきことをまとめたノートを作ることです。
自分用に作った暗記ノートはオリジナリティがあり、試験本番の直前にノートを見返すときに、精神的にも落ち着けます。
暗記すべきことを自分で整理してまとめて書くこと、すなわち暗記ノートを作ること自体が知識の定着になります。
中小企業白書は勉強には不要
中小企業経営・政策の出題範囲として中小企業白書があげられますが、膨大な量なので全てを読むのは非常に効率が悪いです。
テキストには、中小企業白書の要点や試験に出るところがまとまっているので、中小企業白書の原本を試験勉強に使う必要はありません。
ただ、中小企業白書は中小企業診断士にとって役立つ文献なので、試験に合格した後は必ず読んでおきましょう。
中小企業経営・政策のおすすめテキスト
中小企業診断士の中小企業経営・政策対策には、科目別で重点的に学習ができる「最短合格のためのスピードテキスト」がおすすめです。
こちらのテキストには対応する問題集もついており、組み合わせてインプットとアウトプットを繰り返すことで中小企業経営・政策を合格水準にまで持っていくことができるでしょう。
また、テキスト・問題集ともに大手予備校のTACが出版しているので、クオリティについても心配はいらないでしょう。ただし、購入の際は必ず最新版を選ぶようにすることに注意してください。
もしも既に独学で中小企業経営・政策対策を進めていて、なかなか結果が出ないと悩んでいる方は、通信講座などでプロの指導のもと勉強をするのも効果的です。
社会人の方を中心に人気の高いスタディングの中小企業診断士講座では14,300円という破格の安さで科目別対策講座を受講することができるようになっています。
実際、独学での挑戦はかなり困難な道ではあるので、この機会に受講を検討されてはいかがでしょうか。
中小企業診断士の中小企業経営・政策まとめ
中小企業診断士の中小企業経営・政策まとめ
- 中小企業診断士の中小企業経営・政策は難易度は高くないが、暗記するために勉強法の工夫が重要である
- 勉強時間や暗記量が得点と比例しやすい
- 中小企業経営・政策は、後半に効率良く勉強することが大切
中小企業診断士の中小企業経営・中小企業政策について詳しくみてきました。
ベストな状態で試験に臨めるように応援しています!