中小企業診断士の口述試験の対策法は?合格率の実態や試験で使えるテクニックも紹介!

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中小企業診断士

平井東

「中小企業診断士試験の口述試験ってどんな試験なの?」

「毎年何人かは落ちてるみたいだし、何か準備しておいた方が良いのかな…」

中小企業診断士の口述試験については情報が少なく、実際どういった対策を取れば良いのか悩んでしまいますよね。

そこでこの記事では中小企業診断士の口述試験について、試験内容や合格率、具体的な対策法まで分かりやすく解説します

口述試験を確実に突破して、中小企業診断士の資格を手に入れましょう!

口述試験についてざっくり説明すると

  • 口述試験は面談形式で「コミュニケーション能力」を見る試験
  • 合格率は99%であり、落とすための試験ではない
  • 主な対策法は「事例の復習」と「模擬面接の受講」
  • 万一の時に使えるテクニックも存在する

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中小企業診断士の口述試験ってどんな試験?

スーツの男性

試験内容

口述試験は、2次試験の筆記テストの合格者にみが受験することの出来る試験で、中小企業心出士試験の最後の砦となるものです。中小企業診断士試験の受験生の間では、「最終面接」と呼ばれることもあります。

試験は、面接形式で行われ、試験官3人に対して受験生1人の個人面談で行われます。主に質問してくるのは2人の試験官で残り1人の試験官は、チェック要員です。

試験時間は約10分です。試験内容は、2次筆記試験の4つの企業事例の中からランダムに質問されます。例年、2つの企業事例から各2問ずつの合計4問が出題されることが多いですが、4つの事例から各1問ずつ出題される場合も稀にあるようです。

試験会場には参考資料等の持ち込みをすることが出来ないため、あらかじめ2次筆記試験の内容をきちんと復習し把握しておく必要があります

試験日程

口述試験を受験できるかどうかは、2次筆記試験の合格発表により分かります。

口述試験は、例年12月の中旬に実施されますが、2次筆記試験合格発表の約1週間後に行われるため、準備期間は基本的にその1週間しかありません。

口述試験の合格率

直近4年間の口述試験の合格率は次のようになります。

年度 口述試験受験者数 合格者数 合格率
H28年度 842 842 100%
H29年度 830 828 99.8%
H30年度 906 905 99.9%
R1年度 1,091 1,088 99.9%
R2年度 1,175 1,174 99.9%
R3年度 1,605 1,600 99.7%

この結果をみて分かるように、口述試験の合格率は99%以上です。

このように口述試験とは落とすためのテストではなく、中小企業診断士にとって必要なコミュニケーション能力を確認するようなテストなので、過度に心配する必要はありません。

口述試験の注意点

先ほども書きましたが、口述試験には参考資料等の持ち込みは一切出来ません。持ち込み出来るものは時計くらいです。

また、口述試験の受験地区は基本的に筆記試験と同じ地区とされています。受験会場および時間などの詳細は個別に通知され、受験会場および試験時間の変更は基本的に出来ません

転勤など会社都合でやむお得ない場合に限り、決められた期限までの連絡で変更が認められます。

試験時の服装についての指定はありませんが、基本的にスーツになります。他の国家資格の口述試験も同じですが、実務をする場合と同じく相応の服装が望ましいということです。

中小企業診断士の口述試験対策方法

中小企業診断士の口述試験対策方法

いくら合格率が99%以上と知ってはいても、何もしないで臨むのは心配ですよね。

では、具体的に口述試験の対策はどのように行うのが良いのでしょうか?

事例をおさらいしてみる

口述試験は、2次筆記試験の4つの企業事例から出題されることから、筆記試験の復習をする必要があります。しかし、筆記試験で問われた切り口と同じ質問をされるとは限りません

例えば事例Ⅰは科目としては「組織・人事」となっています。だからといって、事例Ⅰに対して組織・人事に関しての質問がされるとは限らないのです。

そのため、ただ復習するのではなくⅠからⅣの各事例を人事、マーケティング、生産、財務などあらゆる角度で整理して事例分析を行う必要があります

想定問題集を読んだり模擬面接を受けてみる

事例分析まで手が回らないという人であれば、まず想定問題集を読んでみましょう。この想定問題集は、TACや大原などの資格予備校で無料で貰うことが出来ます

一方で、想定外の質問にも答えられるようにするために、問題集の丸暗記はあまりおすすめ出来ません、問題集はあくまで参考に留めましょう。

また、各資格予備校では、試験直前になると模擬面接が開催されます。予備校によっては、他の講座を受講していなくても、面接のみ受けられるところもあります。面接試験の雰囲気になれるためにも、受けてみるのもおすすめです。

大手予備校の口述試験対策セミナーおよび模擬面接の概要をまとめました。今年度の詳細はまだ発表されていませんので、昨年年のものを参考に記載しております。

TAC

2次口述試験対策模擬面接(完全予約制)

  • 受験生1人に対して試験官2人、試験時間約10分の個別面接方式

  • 全国にある9校のTAC校舎で実施

  • 個人別評価シートによる講評あり

  • TAC本科生は無料、それ以外は税込み3,000円で受講可能(入学金は不要)

LEC

口述試験対策セミナー

  • 講義形式

  • 新宿エルタワー校で生講義、その他全国各校へ同時中継

  • 受講料無料

口述カウンセリング(完全予約制)

  • 1対1の個人面接形式

  • 模擬面接後は、口述試験評定表を基にフィードバックを実施(面接と合わせて1人20分間)

  • 関東、関西、名古屋の3校で実施

  • 受講料は税込み3,000円

大原

2次口述試験対策セミナー

  • 講義形式

  • 東京水道橋校と名古屋校の2校で実施

  • 参加費無料、予約不要

声に出して練習してみる

口述試験対策では、限られた時間内で論点を整理して話すことが重要です。そのため、自分の声をボイスレコーダーやスマートフォンに録音して聞いてみることも有効です

結論からきちんと話しているか、聞きやすいスピードや声量であるかなど、客観的に分析することが出来ます。

口述試験で不合格になるのはどんな時?

落ち込む男性 合格率の高い口述試験ですが、不合格となってしまうのはどういう場合なのでしょうか。主な理由として考えられるものは大きく3つあります。

まず1つめは、何かの理由で当日試験に行くことが出来なかった場合です。これは、病気など理由は様々あるでしょうが、受験していなければもちろん合格もありえません。体調管理は万全にしましょう。

2つめは、遅刻してしまった場合です。口述試験は個人個人で時間が決められています。試験当日は時間厳守で受験しましょう。

時間を守ることは、社会人としてのマナーですし、中小企業診断士として活動する中でもこのことは大切です。そういった態度も含めて試験は行われているのです。試験会場には余裕をもって到着できるようにしましょう

3つめは沈黙です。沈黙していては評価したくても評価することが何もありません。

分からなくてもまずは自分の考えや仮説を伝えるようにしましょう。パニックになって黙ってしまうのが最も危険です。

口述試験でピンチの時に使えるテクニック!

鉢植えからハート

話す内容について困った時

まず、質問の意味が理解出来なかった場合には、素直に聞き返し確認しましょう。また、答えが分からなかった場合も、素直に聞くと、試験官が助け船を出してくれる場合があります。

分からないことを伝えるのは勇気がいるかもしれませんが、沈黙が続いたり的外れな答えを言うよりマシです。また、話しているうちに方向性がばらついてしまった場合には、一度立ち止まって話を整理し、軌道修正しましょう。

時間管理に困ったら

口述試験では、時間配分として1つの質問に対して2分間で見解を述べます。

しかし、2分間話しが続かないということもあります。そんな時に有効なのがオウム返しです。「では、○○についてご説明させていただいます。」と質問内容を繰り返すことで時間を稼ぎます。

他には、「一般的には~~でざいますが」などと一般論を述べることや与件の事実を紹介すること、メリットやデメリットを付け加えて話すことも時間の引き延ばしには有効です。

こうしたテクニックは小手先のものでしかありませんが、覚えておくことで時間が余った際にパニックにならないという大きな強みがあります。くだらないと一蹴せず、使えるものは全て使って確実に合格を目指すことをおすすめします。

中小企業診断士の口述試験まとめ

口述試験の概要と対策法まとめ

  • 中小企業診断士試験の口述試験は個別面談で行われる

  • 試験内容は2次筆記試験の企業事例より4問出題される

  • 口述試験の合格率は99%以上

  • 口述試験対策は、「企業事例の復習・分析」「想定問題集・模擬面接の受験」「声にだして練習し、それを録音して確認する」こと

  • 口述試験で厳禁なのは「欠席・遅刻」と「沈黙」

  • 試験中は分からないことは素直に質問することが大切

中小企業診断士試験の口述試験は、コンサルティングに必要な最低限のコミュニケーション能力を確認するためのテストです。そのため必要以上に恐れることはありませんが、もちろん対策をしておくことに越したことはありません。

試験に対する準備期間は短いので、あらかじめ対策方法を知っておくことで、焦らずスムーズに対策を行うことが出来るはずです。

中小企業診断士試験の最後の砦である口述試験を制覇して、無事に資格を手に入れましょう!

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