中小企業診断士の勉強会とは?概要やメリット・デメリットを解説!

この記事は専門家に監修されています

中小企業診断士

平井東

「中小企業診断士の勉強会って何?」「具体的にはどんなことをするの?」

こんな疑問をお持ちの受験生の方はいませんか?

この記事では中小企業診断士の勉強会について、参加するメリットやデメリット、具体的な活動内容まで分かりやすくまとめました

この記事を読めば、中小企業診断士の勉強会がまるわかりです!

中小企業診断士の勉強会についてざっくり説明すると

  • 勉強会は中小企業診断士試験突破を目的として各地で実施されている
  • 勉強会とは別に、中小企業診断士向けの研究会も存在する
  • 勉強会に参加するメリットはたくさんある
  • 勉強会はオンラインで参加できるものから毎朝開催されるものまで様々

中小企業診断士の勉強会の概要

本棚 中小企業診断士試験には「勉強会」というものが存在します

勉強会といっても講師が特にいるわけではありません。前年度の合格者がメインとなり指導してくれる場合が多いですが、基本的には受験生同士が任意で集り、自己管理のもと切磋琢磨しながら学習を進めていきます。

具体的な学習内容としては、学習計画の立案や学習テーマ別の論点整理、分からなかった問題の教え合い等を行います。

2次試験対策の勉強会では、企業事例の研究やそれぞれの見解を発表し合うディスカッションを行うこともあります。また、自習スタイルでの勉強会もあります。

勉強会を開催している団体は様々あり、開催場所や形式、開催頻度も団体によって異なります。実際に集まって行うこともあれば、スカイプなどを使いWEB上で開催しているところもあります。

基本的には、週1くらいのペースで実施されているところが多いです。

勉強会の目的

勉強会には、主にモチベーション維持のためや学習スケジュール管理のために参加している人が多いようです

他にも、分からないことを質問したり、試験に関する情報交換を行うため、特に2次試験の対策では他の人の意見を聞く方が効率良く勉強出来ることから参加している人もいるようです。

また、独学で勉強している人は、「学習仲間」が欲しいという目的で参加する人もいます。時に孤独になりがちな受験生同士の繋がりを作り、相互共助しながら合格に向かってレベルアップしていくことが勉強会の最大の目的といえます。

中小企業診断士の勉強会と研究会の違い

教室

中小企業診断士向けのイベントには、勉強会の他に「研究会」というものも存在します。研究会は、勉強会と響きは似ていますが、全く別物です。

勉強会は、受験生が中小企業診断士試験の合格のために集まっている会ですが、研究会は、既に試験に合格して「中小企業診断士」となり活動を行っている人向けの集まりです。この研究会は、各県ごとにある中小企業診断士協会の管轄で活動が行われます。

研究会では、中小企業診断士同士の横の繋がりを高め、スキル向上の場として様々なテーマで活動をしています

例えば、東京都中小企業診断士協会の中央支部には現在22もの研究会があります。プレゼンスキルアップ研究会や老舗企業研究会など研究内容は様々で、事例の研究や新しいコンサルティング方法の模索、各種イベント開催の企画等を行っています。

勉強会に参加するメリット

カラーペン

孤独からの解放とモチベーションアップ

独学で中小企業診断士試験の学習を進めている人は、だんだんとモチベーションの維持が難しくなってくる場合もあります。その中で同じ目標を持つ仲間であり、ライバルである人と接点を持つことはモチベーションアップに繋がります。

特にも、地方在住の受験生などは、近くに受験仲間がいないことも多いでしょう。そんな人でもスカイプを使った勉強会では、インターネット環境さえあれば、誰でも参加することが出来ます。

同じような悩みを分かち合うことが出来る仲間を持つことで受験の孤独感からも解放されるでしょう。

自分の解答客観的に見てもらえる

勉強会は、自分の学習した知識をアウトプットする場になります。特に2次試験の場合、自分の解答を他の人にみてもらい、客観的意見を聞くことで、自分自身の課題も発見することが出来ます。

2次試験の企業事例では、模範解答がありません。しかし、書くべき内容の方向性は必ず決められています。

どんなに、革新的な答えを書くことが出来ても得点になるとは限りません。それよりも、試験では多数派の考え方の方が得点となる可能性が高いです。

そのため、他の受験生の考え方や問題への切り口を知ることは、事例研究問題への対応力を高めることが期待出来ます。

合格者のノウハウを知ることが出来る

基本的に講師はいませんが、前年度の合格者や実際に中小企業診断士として活動している団体のOBが指導やサポートをしてくれる場合が多いです

そのため、教材を使って勉強しているだけでは、知ることの出来ない試験のノウハウや見解を教えて貰うことが出来ます。

勉強面だけではなく、受験生ならではの悩みも相談することが出来ます。このようなことが出来るのは、勉強会ならではといえるでしょう。

学習ペースを掴む

中小企業診断士試験は、試験範囲が広くボリュームもあるので学習ペースがよく分からない人も多いと思います。他の受験生と一緒に学ぶ時間を共有することで、学習ペースを掴みやすくなるという効果があります。

コンスタントな学習ペースを掴むことで、合格は大きく近くでしょう。

合格後の人脈にも繋がる

同じ目標に向かって切磋琢磨し合った者同士、合格後も横の繋がりとして、助け合ったり相談することの出来る関係を築くことが出来ます。共に学んだ戦友として、強い信頼関係を築くことが出来るでしょう。

勉強会に参加するデメリット

鉛筆削り

勉強会は、メリットが多数ある一方で、デメリットもあります。参加メンバーとの交流やその人たちの考え方を吸収できるところは、メリットでもありますが時にデメリットとなります

メンバーの視点は、社会人の場合は、その人の業務経験から作られていることが多いためどうしても偏りが出てしまいがちです。また、他の受験生の見解が正しいという保証はありません。

そのことからも、もし通信講座を利用している場合には、質問制度を利用してその道のプロに聞く方が確実です

また、勉強会に参加することで必要以上に時間を取られてしまうこともあります。特にも、会場に集まって行われる勉強会では、勉強している時間以外にも移動時間がかかったり、必要以上に交流にも時間を使うこともあります。

その時間を問題演習に割く方が良い場合もあるでしょう。現に、勉強会へ参加せずに独学で合格している人もたくさんいます。

また、会費がかかる場合もあるので金銭面でも多少負担があります。

主な中小企業診断士の勉強会を紹介!

チームワーク 勉強会を開催している団体は様々存在しています。団体により、勉強会の進め方や開催頻度、場所も違います。ここで、いくつかの勉強会をご紹介します。

タキプロ

タキプロは勉強会を関東・関西・東海の3か所を拠点に開催しています。1つ1つの勉強会が独立しており、大体隔週で開催されています。参加したいテーマの時だけ参加することが可能で、1回500円で参加可能です

タキプロは、平成21年から30年度の中小企業診断士試験に合格した400人の「タキプロメンバー」で結成されています。このタキプロメンバーが中心になりファシリテーターとなって勉強会を進めてくれます。

また、タキプロでは地方に住む受験生のためにFacebookを使ったWEB勉強会も開催しています。現在1,500人以上がこのWEB勉強会に参加しており、日本最大級のWEB勉強会になっています。

ねくすと勉強会

ねくすと勉強会は、東京都で開催している勉強会です。千代田区の区民会を活動場所として水曜日の夜に勉強会を行っています。その他にも土日を使った勉強会やOB合格者による個人指導や講演もあります。

勉強会では、1次試験と2次試験(さらに初学と再受験組)のグループに分かれます。何を学習するかは、グループの受験生同士の話し合いで決めます

例年、1次試験対策では過去問や問題集演習、中小企業白書の輪読。2次試験対策では、過去の企業事例をもとに、解答の方向性の議論をする場合が多いようです。

参加費は、会場費などの実費負担で年間1万円程度になります。その他、参加条件として最低でも合格後1年は勉強会の後輩に指導を行うことがあります。

弱小勉強会

弱小勉強会は今年で27年目を迎える勉強会の老舗的存在です。基本的に毎週土曜日の10:00から17:00に東京都の秋葉原・上野周辺の会議室を使って開催しており、年会費は1万円です

1次試験組(ストレート組)と2次試験組にわかれて、グループごとにリーダーを決め学習計画を立てます。また、昨年度の合格者が執行部となり、会の運営と受験生の指導を行います。2次試験対策では、ディスカッションを中心に事例問題の研究を行います。

勉強会はお昼を挟むため、ランチタイムを共にして情報交換することが恒例となっています。

ワンモア勉強会

ワンモア勉強会は、東京で定期勉強会を開催しているほか、オンライン勉強会や早朝スカイプ会議など様々な形で勉強会を開催しています。

毎週水曜日は1次試験対策、木曜日は2次試験対策を行っており、不定期ですが週末にも開催があります。開催場所は主に秋葉原エリアです。年会費などはなく、使用した施設の利用料を均等割りで負担します。

テーマ別と自習スタイルの勉強会を同時開催しており、テーマ別では論点整理と演習に取り組みます

オンライン勉強会はスカイプを使い、実績や課題を発表しあったり、重要論点や学習ポイントの整理を行います。また、早朝オンライン会議では、早朝5:30にスカイプで会議を開催します。早起きの癖付けや朝活のきっかけ作りとして、毎朝開催されています。

経士会

経士会は、既に中小企業診断士として活動する人と経営者を繋ぎ勉強会やコンサルティングを行ったり、交流イベントを開催している団体です。そのような活動の他に、経士会に属する現役中小企業診断士が受験生のサポートを行い勉強会を行っています。

開催場所は、大阪・神戸中心で、グループによる勉強会を行っています。具体的な告知などはFacebookコミュニティで実施されているので詳しくは分かりませんが、東京で定期勉強会を開催しているほか、オンライン勉強会や早朝スカイプ会議など様々な形で勉強会を開催しています。

中小企業診断士の勉強会まとめ

勉強会まとめ

  • 勉強会は、中小企業診断士の合格を目指す受験生同士が一緒に勉強をするためのもの

  • 勉強会のメリットは、モチベーションアップや学習のアウトプット、自分とは違う切り口を見つけられることなど様々ある

  • 勉強会はメリットだけではなく、デメリットもある

  • 勉強会を開催している団体は複数あり特徴もそれぞれ違う

  • 勉強会は、既に合格済みのOBがサポートしてくれるところが多いので合格者からノウハウを学ぶことが可能

  • 実際に集まって行う勉強会の他に、地方の人も参加出来るWEB勉強会もある

中小企業診断士の勉強会は、勉強時間以外にも時間がとられたり、他の受験生の解答は必ずしも参考になるものではないというデメリットもありますが、モチベーションアップや受験生同士の情報交換が出来たりと、勉強面以外にもメリットがたくさんあります。

どんなことにもメリットがあればデメリットもあります。しかし、上手に活用すれば、レベルアップを図れるかもしれません。是非一度、学習ツールとして「勉強会」への参加も検討してはいかがでしょうか?

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