公務員は社労士試験の免除を受けれる?制度詳細から両資格取得メリットまで解説!

更新日時 2020/03/09

「公務員だけど社労士の資格取得は有利なの?」

「公務員だと社労士試験の免除を受けられるってホント?」

公務員の方で社労士資格を取ろうとしている方でこのような疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。

公務員の方である一定の条件を満たすことで、社労士試験の科目免除制度を使うことができます。

ここでは社労士試験の科目免除制度の詳細から公務員試験と社労士試験の難易度差や公務員が社労士の資格を取得するメリットまでわかりやすく解説していきます。

これを読み終わった後には公務員の人がどのようにして社労士の資格を目指せばいいかわかるでしょう。

公務員の社労士試験免除についてざっくり説明すると

  • 公務員として特定の実務経験を満たすことで科目免除制度を使える

  • 免除は受験申し込みの際に自分で申告することで受けられる

  • 社労士と公務員試験は範囲の共通点もあることから公務員は社労士試験を受験しやすい

公務員なら実務経験による免除を受けられる

ノートとペン 社労士試験には科目免除制度が存在し、これを活用することで本番の試験での負担を軽減することができます

この制度は決められた実務経験を持っている人が対象となっており、受験者本人が試験前に申請することによって特定の科目を免除してもらえるものとなっています。

また対象者には公務員の方も含まれており、具体的には労働社会保険法令に関わる仕事をしたことがある人なら実務経験のみで社労士試験の科目免除を申請できます。

細かい対象者の一例は以下の通りになっています。

  • 国家公務員として労働基準法、労働災害補償保険法又は労働安全衛生法の施工事務に従事した期間が通算して10年以上になるもの

この場合は労働基準法及び労働安全衛生法の免除対象となります。

  • 労働保険事務組合の役員(非常勤の者を除く)または職員として労働保険事務に従事した期間が通算して10年以上になる者

この場合は徴収法の免除対象となります。

  • 国又は地方公共団体の公務員として雇用保険法又は職業安定法の施行事務に従事した期間が通算して10年以上になる者

この場合は雇用保険法の免除対象になります。

参考:全国社会保険労務士会連合会「試験科目の一部免除資格者一覧」

以上の例から、社労士試験の科目に関する業務を公務員時代に長く経験しておくことで特定の科目を免除したうえで試験に臨むことができます。

免除手続きの流れと点数について

科目免除を受ける際には、受験に申し込む際、「社会保険労務士試験 試験科目免除申請書」の決められた箇所に記入することで申請が可能となっています。

この際注意することとしては、受験資格証明書とは別に免除資格を証明するための書類(実務経験等の証明)が必要であることです。

そのため、受験資格と免除資格の証明書類が同一である場合もそれぞれ1部ずつ証明書を用意する必要があります。

また点数については、免除科目は満点扱いではなくその年の合格基準点を基に自分の点数が出されます

そのため普通に受験したほうが高い点数を出せる場合もあり、この点については自分の学習に応じて注意する必要があります。

公務員の人は社労士資格を楽に取れる?

はてなマーク 社労士は一言で言うならば人事・労務に関するプロフェッショナルです。近年では「働き方改革」が叫ばれ、人事労務の重要性がかつてないほど高まっています。

社労士は労働環境を最善なものにすることで会社の従業員のパフォーマンスを最大限高めていき、企業に貢献できる人材育成をサポートしていきます。

具体的には、労働保険や社会保険の手続きや就業規則の作成などの業務を遂行しています。

一方の公務員の業務は役所によって多岐にわたり、一概にこれとは言えません。

しかしこれらに共通して言えることは、国の法律にのっとり責任をもって1つ1つの書類を作成し諸々の筒付きを行っていることです

2つを比較してどちらの仕事も国の法律にのっとり、責任をもって様々な重要書類を作成していることが共通点として挙げられます。

また両者の試験では科目によって出題範囲が似ていることも特徴として挙げられます。

特に法律分野では出題範囲が似ていることが多く、公務員試験では一般的な法律の内容を聞きますが、社労士試験ではこの知識をより掘り下げて聞いてきます。

よって公務員試験で法律の基本知識を身につけておくことで、社労士試験の勉強をスムーズに進めることができます。

両者の難易度差は場合によって異なる

公務員試験と社労士試験を比べると、特に法律の分野で出題範囲がかぶっています。

公務員は基本的な法律の知識で試験範囲をカバーできるパターンが多いですが、社労士は法律のプロであるため公務員試験と比べて問われる法律の内容もより細かくなってきます。

このことから法律分野に限定すれば社労士試験のほうが圧倒的に難しいです

しかし、公務員試験ではトータルの知識が問われるために、1科目のみの比較で両試験のトータルの難易度を測ることはできません。

また公務員試験も様々なランクがあり、国家公務員や地方公務員などがあることから一概にお互いの難易度を比較することは困難です。

1つ難易度の目安を挙げると、地方公務員試験より社労士試験の難易度のほうが高い傾向にあります。

科目免除と合格率の関係

社労士試験は難関資格であるため、科目免除を受けることで受験の負担が減少し楽に合格できるというイメージを持っている人が多いと思います。

しかし2017年のデータを見てみると必ずしも有利であると言い切れないことがわかります。

合格率は全体でみると6.6%である一方、科目免除者は10.4%とやや高くなっているもののあまり変わりありません。

このデータから受験負担を減らしても合格率はあまり変わらないと捉えることができます

社労士試験は科目数が多いことから、特定の科目が免除されたからと言って必ずしも受験の負担が減るとは限らないので注意が必要です。

公務員の人が社労士資格を取るメリット

公務員が社労士の資格を取得するメリットは大きく2つあります。

1つ目は社労士として勤務する場合は、公務員時代の実務経験を生かすことで、経験のない状態で業務を開始するよりもよりスムーズに仕事に慣れることができます

2つ目は公務員のまま働くにしても、労務関係の仕事に従事している場合は社労士の資格を取得することで該当分野の知識が充実することになり業務遂行の際に大きく役立ちます。

このことから2つの資格を取った後は社労士と公務員のどちらの選択肢を取るにしても仕事を有利に進めることが可能となります。

社労士以外にも有利な資格が存在

砂時計 公務員としての経験を持っている場合は、社労士以外にも受験を有利に進められるパターンが存在します。

以下では有利な資格の種類と、その資格を受験するにあたってどのように公務員経験を生かせるの2点を解説していきます。

司法書士

司法書士は登記や供託に関する業務がメインの仕事です。

通称「街の法律家」とも呼ばれる存在であり、他にも民事裁判の代わりをしてくれるなど、私たちの生活に深く根差した職業と言えます。

司法書士は合格率が4%台と難関資格であり、合格は非常に厳しいです。

この試験の公務員優遇措置としては、裁判所事務菅・裁判所書記官・法務事務官・検察事務官に10年以上従事した場合に法務大臣の認定を受けることで司法書士の資格を得ることができます。

裁判事務所官などの公務員採用試験は司法書士試験と比較して難易度が落ちることから、司法書士を目指してこうした公務員職に就く人も一定数います。

行政書士

行政書士は「官公署に提出する書類」。「権利義務に関する書類」の作成やこれらの相談業務に応じる仕事を行う職業です。

一般的に広く認知された国家資格ですが、最近では受験者層・問題のレベルが上昇していることから合格するのが難しくなってきています

この試験の公務員優遇措置としては、公務員として高卒の場合17年以上、中卒の場合は20年以上行政事務に携わることで、試験を受けず行政書士として登録することが可能です。

このことから行政書士は経験がものをいう職業であることが伺えます。

中小企業診断士

中小企業診断士は中小企業はもちろん大企業も含めて企業の財務・労務周りについて診断を下し、指導を入れていくことが主な仕事となっています。

主な特徴としては試験が2段階に分かれ、一次試験では科目数が全部で7科目あり、負担が大きいのが特徴的です。

科目ごとの合格を次年度も認めてもらえる科目合格制度が導入されており、3年以内に全科目に合格することで一次試験を突破することができます。

この試験の公務員優遇措置としては、地方公務員を対象に中小企業事業団が実施する「中小企業大学校」の課程を修了することで試験を受けず中小企業診断士の資格を得ることができます

この課程は都道府県職員は無試験で入ることができ、1年で修了できることからとてもお得な資格取得の方法と言えるでしょう。

※現在、公務員への中小企業大学校に関する優遇措置は実施されていません。

税理士

税理士は企業や個人の税金に関する様々な支援をしていく職業です。

具体的には税金申告の代理や税金に係る書類の代理作成などが主な仕事となっています。

税理士も科目合格制度が存在し、5科目を何年かにわたって計画的に受験する人が多いです。しかし1つずつの試験が難しいことから、合格はかなり困難な試験と言えるでしょう。

この試験の公務員優遇措置としては、国税専門官など国税関連の公務員を対象とした科目免除制度が存在することです。

場合によっては全科目免除のパターンも存在し、難関資格の税理士受験にあたってお得な制度と言えます。

弁理士

弁理士は特許や商標に関する専門家であり、特許庁への申請や出願を主な仕事とする職業です。

弁理士は法律の分野にとどまらず、工業分野も専門とする国家資格であり、工業的知識も要求されることから理系の人の取得が有利な資格となっています。

この試験の公務員優遇措置としては、特許庁の裁判官や審査官として7年以上勤務することで試験を受けずに弁理士の資格を得ることができるというものです。

このことから特許庁を退社後に弁理士になるパターンも存在します。

公務員の社労士試験免除まとめ

公務員の行政書士試験の免除まとめ

  • 公務員として労働社会保険法令に関する仕事を10年以上することで特定の科目が免除される
  • 社労士と公務員試験は法律の分野で試験範囲がかぶっている
  • 両者の難易度は場合によって異なるので一概に比較しづらい
  • 公務員が社労士の資格を取ることで、その後どっちで働くにしてもメリットが得られる

ここまで公務員が社労士試験を受験する際に得られる免除制度を中心に詳しく解説してきました。

公務員として長く従事することで免除を得られる場合もあるので、該当する場合はこの記事を参考にしてきちんと調べてみることをお勧めします。