社労士試験の試験科目は?科目毎の学習内容や難易度まで徹底解説!

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社労士

のんびり社労士いけい

「社労士試験を受けようかと思うけど、社労士の試験科目ってどんなものがあるの?」

「社労士の試験範囲は広いって聞くけど、具体的にどんな内容を学ぶのかな…」

社労士の取得を目指そうと考えている方の中には、このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では社労士の試験科目についての概略やそれぞれの試験科目の難易度、学習すべき順番まで丁寧に解説していきます

この記事を読めば社労士の試験科目についての知識はバッチリです!

社労士の試験科目についてざっくり説明すると

  • 試験は10分野からなる8科目で構成されている
  • 試験範囲は労働または保険に関する法律
  • 試験科目ごとに難易度差が大きく、かけるべき勉強時間も違う

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社労士試験の試験科目

社労士の試験科目には、労働基準法などの8つの法律と労働および社会保険に関する一般常識の合計10分野存在します

いくつかの分野は1科目にまとめて出題されるので、試験科目数は8科目となっています。

試験は選択式試験と択一式試験で別れており、それぞれの試験科目がその両方の形式で出題されます。

社労士試験の試験科目とその配点

以下は社労士試験の具体的な試験科目とそれぞれの配点です。科目ごとに配点の優劣はなく、基本的には配点は科目によらず一律となっています。

試験科目 選択式 択一式
労働基準法及び労働安全衛生法 1問5点 10問10点
労働者災害補償保険法 1問5点 10問10点
雇用保険法 1問5点 10問10点
労務管理その他の労働に関する一般常識 1問5点 (10問10点)
社会保険に関する一般常識 1問5点 (10問10点)
健康保険法 1問5点 10問10点
厚生年金保険法 1問5点 10問10点
国民年金法 1問5点 10問10点

なお、「労務管理その他の労働に関する一般常識」と「社会保険に関する一般常識」の択一式の問題は、2科目合わせて10問10点分で出題されます。

合格基準点は科目ごとに存在

社労士試験では試験の合計点だけでは合否は決まらず、各科目ごとにそれぞれ合格基準点が設定されています。つまり、1科目でも合格ラインに達しなければ不合格になってしまうということです。

合格基準点は大きく分けて以下の4つで設定されます。

  • 選択式試験の総合点における合格基準点
  • 選択式試験の科目別合格基準点
  • 択一式試験の総合点における合格基準点
  • 択一式試験の科目別合格基準点

合格基準点は毎年異なりますが、例年総合点は65%以上、択一式試験では1科目につき4点以上、選択式試験では1科目3点以上であれば、合格ラインを超えることができます。

1例として2023年実施の社労士試験における合格基準点を紹介します。参考にしてください。

項目 総合点 科目別得点
選択式試験 26点 3点(※)
択一式試験 45点 4点

データ出典:第55回(令和5年度)社会保険労務士試験の合格基準及び正答

合格基準点についての詳細は以下の記事で解説しています。

試験科目のそれぞれの特徴

社労士の勉強では具体的にどのようなことを学ぶのでしょうか。

社労士試験の科目は大きく分けて「労働に関する法律」と「保険に関する法律」の2種類に分けられます。

それでは各科目の概略を見ていきましょう。

労働に関する法律科目

労働基準法

労働基準法は、多くの人が名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。有給休暇や労働時間といった、社会人にとって身近な事柄についての法律を学びます。

労働に関する法律の中でも基礎となる法律であり、試験対策においては他科目に比べて深く理解することが求められる傾向があります。

労働安全衛生法

労働安全衛生法は、働く人達の健康を守るための法律です。健康診断といったよく知っている事柄から安全衛生管理についての専門的な内容まで幅広く出題されます。

ちなみに、社労士試験では労働安全衛生法は労働基準法と2つで1科目の扱いとなっています。また、出題割合は労働基準法の方が高いです。

労働者災害補償保険法

労働者災害補償保険法では、勤務中の怪我や病気に対して会社や国が取ってくれる補償について学習します。

試験では労働基準法と同じく身近な事象から多く出題されるほか、そこまで深掘った内容も問われないので、比較的学びやすい科目と言えるでしょう。

雇用保険法

雇用保険法は扱う内容が幅広い科目です。職を失った際の手当に関するお話や育児休業に関する内容まで学びます。

試験における科目の特徴として、法改正された箇所は高確率で出題されるというものがあるので覚えておきましょう。

労働保険徴収法

会社にお勤めになられている方であれば、給料の一部が雇用保険料として引かれているのを目にしたことがあるかと思います。

労働保険徴収法では、どのような仕組みで労働者から保険料が集められているのかについて学習します。

労働管理その他の労働に関する一般常識

社労士試験における「労働管理その他の労働に関する一般常識」は、一般常識とは言いつつも、漢字の読み書きや総理大臣の名前を聞かれるわけではありません。基本的には上記に挙げたもの以外の労働関連の法律について出題されます。

範囲が広く試験に出る問題も予測しづらいため、要注意の科目です。

保険に関する法律科目

健康保険法

私たちはいつも「健康保険証」を持ち歩き、万が一の怪我や病気の際でも安く治療が受けられるようにしていますよね。これらの制度を定めた法律が健康保険法であり、国民の健康を守るための制度を学ぶことができます。

こちらも法改正された箇所からの出題頻度が高いので、要チェックです。

国民年金法

国民年金法は、名前の通り年金についての法律です。後述する厚生年金保険法よりも基礎的な事柄が定められており、年金についての基本が詰まった法律となっています。

実生活とも関わりが深く、取り組みやすい科目であると言えるでしょう。総合点の合格ラインを突破するためには、この科目を得点源にすることが一つの鍵となるでしょう

厚生年金保険法

国民年金法では年金についての基礎的な内容が出題されますが、厚生年金保険法ではより複雑で難しい制度について学習します。

ただし内容がそもそも難しい分、あまり捻った問題は出ない傾向があり、国民年金法よりも得点しやすい場合も多いです。

社会保険に関する一般常識

「社会保険に関する一般常識」では、労働に関する一般常識と同じく、上記に挙げた以外の保険関連の法律から出題されます。

こちらも試験範囲が広いため学習が大変な印象を受けますが、他の法律科目と出題範囲が被っているところが多いので、実際は得点源となりうる科目です。

社労士の試験科目で難易度が高いのは?

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先に述べたように、社労士試験にはそれぞれの科目で合格基準点が設定されているため、難易度の高い科目を軽視していると足切りを食らってしまう可能性があります。

ここでは近年特に難易度が高い科目を確認し、重点的に学習を進める準備ができるようにしましょう。

圧倒的に難しい「労働に関する一般常識」

おそらく社労士受験経験者であれば、誰もがこの科目に恨みを持っていることでしょう。それほどまでに難しく、毎年多くの受験生がこの科目が原因で合格を逃しています

試験の難易度を高めている要員としては

  • 数十個の法律から出題される異常な出題範囲
  • それぞれの法律の細部まで出題されるいやらしさ

の2つが挙げられ、試験は 「試験範囲」「問題の難易度」 のダブルパンチで難しくなっています

対策としては、まずは当然ですがこの科目は重点的に学習する必要があります。決して舐めてかかってはいけません。

また、これは試験範囲の広い分野での定石ですが、 出題範囲の高い問題だけは確実に得点できるようにしておき、最低限合格基準点を超えられるようにしておきましょう。

範囲の広い科目で隅々まで完璧に学習するには膨大な勉強時間がかかってしまいますし、そもそも全ての知識を覚えきれるかが怪しくなってしまいます。

せっかく重点的に学習するなら高得点を狙いたい気持ちもわかりますが、他の科目に勉強時間を割くためにも、無駄の多い学習は避けるべきでしょう。

深い理解が問われる「労働基準法」

数年前までは最難関候補だった科目です。近年は易化の傾向が強いものの、依然として高難度科目として存在感を放っています。

労働に関する法律の親分とも言える法律であるので、やはり内容をきちんと理解するよう求められているようです。

したがってただ暗記するだけでは得点に繋がらない場合も多く、それぞれの条文をよく噛み砕いて理解することが大切です。とはいえ出題される問題はある程度決まっているので、勉強時間はそこまでかからないかもしれません。

試験範囲の広い「労働安全衛生法」

とにかく試験範囲が広く、出題される部分も細かいことが多いのが特徴のこの科目。こちらも、多くの受験生に嫌われている科目です。

難易度の年度差が比較的大きいことも特徴の1つです。簡単だった年の過去問が解けても満足しないように気をつけましょう。

対策としては「労働に関する一般常識」と同じく、ある程度範囲を絞った学習をして、 満点を目指すのではなく合格ラインを超えることを目的として勉強を進めるのが良いです

社労士試験で簡単な科目

社労士の試験は8科目もあるわけですから、中には当然簡単な科目も含まれています。これらの科目は合格ラインを超えるに止まらず、満点を取って総合点の底上げを目指したいところです。

それでは早速、社労士試験の難易度が低い科目をチェックしていきましょう。

みんな大好き「労働保険徴収法」

労働に関する一般常識とは対照的に、こちらは数ある試験科目の中でも圧倒的に簡単な科目だといえます。

労働保険徴収法が極めて簡単な理由は主に3つあります。

  • 出題範囲が狭い
  • 問題が簡単で難しい理解を必要としない
  • 出題傾向が過去問とほぼ変わらない

警戒する必要は全くない科目ではありますが、貴重な得点源であることも間違いありません。ある程度の勉強時間は確保し9割以上の得点を目指しましょう。

意外と簡単な「社会保険に関する一般常識」

一般常識というとトラウマを発症する方も多そうですが、こちらの一般常識は打って変わって難易度が低いです。

というのも、出題範囲が広いかと思いきや既に他の科目で学んだ内容が多いという嬉しい誤算があったり、例年出題される法律が決まっているなど、実際に勉強してみると意外と簡単であることに気づきます

労働保険徴収法ほど舐めてかかるわけには行きませんが、この科目にあまり勉強時間を割きすぎないようにだけ注意しましょう。

どの科目から学習すべき?

勉強する男性

科目数の多い社労士試験を突破するためには、その学習順番も非常に重要になってきます。

学習の順番は各科目の内容の親和性や難易度、暗記科目か否かによって決まってきます。ここではそれらを考慮した学習スケジュールを見ていきましょう。

最初に手をつけるべき科目

いざ社労士の勉強を始めよう!とは思ったものの、何から手をつけて良いものか悩む方も多いと思います。

そんな方はまず「労働基準法」から学習を進めることをおすすめします。

労働基準法は全ての労働法の基本とも言える法律であるので、まず労働基準法から学んでおくことで、他の科目へスムーズに移行することができるようになります。

前述の通り労働基準法は単純な暗記科目でなく、条文の深い理解が大切です。したがって単純な暗記科目よりも忘れにくく、後から見直したら全く覚えていないという事態が起きにくいです

労働基準法の学習が済んだら、そのままの流れで労働に関する法律である労働安全衛生法や労働災害補償保険法の学習に移りましょう。

ただし、後述するように労働に関する一般常識は後回しにしてください。

後半に学習を始めるべき科目

労働に関する法律の学習が済んだら、次は保険に関する法律の学習を進めます。労働基準法から勉強を始めるのと同じ理由で、こちらは健康保険法から学習を進めると良いでしょう。

基本科目が済んだら、最後は鬼門の一般常識です。これまでに勉強してきた知識も出てくるので、復習しながら学習を進めると良いでしょう

必ず2周以上は勉強しよう

学習の順番について説明しましたが、一般常識まで学習が終わったら最低でももう一周は勉強し直すようにしてください

複数回周回することで知識の完全定着を測り、また様々な法律の知識が整理できず混乱してしまうのを防ぎます

2周目以降はもちろん苦手に感じた科目を重点的に学習すべきですが、そうでない科目にも必ず一度は目を通すようにしてください。

専門家の意見を大事にしよう

上記のように勉強する科目の順番の王道は決まっています。しかし、より具体的に 「この法律の次はこの法律を勉強するのが良い」 といった流れは、勉強を始めたばかりではなかなか分からないと思います。

そんな時頼りになるのが社労士試験のプロである講師の方の意見です。

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苦手科目を作らないことが合格への近道!

社労士試験は科目数が多く、科目ごとの難易度差も大きいです。

その上で科目ごとに合格基準点が設定されていることを踏まえると、合格への近道は得意科目で得点を稼ぐという方法ではなくむしろ、全科目満遍なく得点できるようにして苦手科目をなくすことです。

すでに十分得点できる科目にうつつを抜かすことなく、苦手科目を中心に何周も復習を繰り返し、偏りのない得点率を目指しましょう。

独学での学習に不安がある方は

これまで見てきたように、社労士試験は科目数も多く、なかなか思い通りに学習が進まない可能性が高いです。

事実、社労士に独学合格する人はほんの一握りしかおらず、合格者の多くは予備校または通信講座を受講しています

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社労士試験の試験科目まとめ

社労士の試験科目まとめ

  • 試験範囲は労働に関する法律と社会保険に関する法律や知識
  • 試験科目ごとの合格基準点が存在する
  • 合格には科目の勉強する順番も大切
  • 難易度の高い科目に勉強時間を割く

社労士の試験科目について説明しました!

各科目の特性をよく理解して、効率的な勉強で最短合格を目指しましょう!

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