公務員なら中小企業診断士に簡単になれる?優遇措置と取得メリットを紹介!
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中小企業診断士
平井東
公務員には様々な難関資格についての優遇制度があるのをご存知でしょうか?
その種類も実に様々で、「行政書士」「司法書士」「税理士」「弁理士」「社会保険労務士」などがありますが、「中小企業診断士」についても公務員にとっての優遇措置があります。
そこで今回の記事では、「中小企業診断士」を公務員が取得する際の優遇措置の内容や、取得するメリットなどについて紹介していきます!
公務員の皆さんが「中小企業診断士」を取得する際の参考になれば幸いです。
公務員が中小企業診断士を目指すメリットをざっくり説明すると
- 優遇措置により試験免除で診断士の資格を取得することが可能(※2020年現在は実施終了)
- 中小企業診断士の資格を取得するメリットは様々存在する
- 資格の取得には費用がかかる
中小企業診断士試験は公務員に有利?
中小企業診断士とは、経営コンサルタントに関する唯一の国家資格です。中小企業の経営課題に対応するための診断や助言を様々な観点から行うプロフェッショナルであり、今後益々の活躍が期待されている資格の1つになります。
中小企業診断士試験は一次試験と二次試験に分かれています。毎年の合格率はどちらも約20%で推移していますので、ストレートで合格する確率は約4%と大変低く、まさに難関資格の1つと言えるでしょう。
このように、取得することがとても難しい中小企業診断士ですが、もし公務員の人がこの資格を取得しようとする場合、一部優遇措置が適用されることになります。
試験免除で資格取得が可能(現在は実施なし)
実は、中小企業診断士になるためには、2つのルートがあります。
1つめは、先ほど説明しましたように、一次試験と二次試験に合格するというルートです。そしてもう1つは、中小企業診断士の養成課程を修了することです。
本来であれば、養成課程を受講するためには一次試験に合格する必要がありますが、公務員(都道府県職員)であれば、この一次試験が免除され、試験を全く受けずとも養成課程を受講できます。
当然、養成課程でも一定期間勉強する必要がありますが、中小企業診断士試験は短期間の勉強では合格が難しい試験であることを考えると、公務員への優遇措置メリットはかなり大きいと言えます。
※2020年現在公務員の優遇制度は実施されていません。
養成課程は中小企業大学校で実施される
中小企業診断士の養成課程は中小企業大学校で行われています。他の登録養成機関でも「登録養成課程」というものが行われていますが、公務員の方が免除されるのは「養成課程」の方です。
中小企業大学校とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構法に基づき、中小企業支援担当者などの養成や研修、並びに中小企業者に対する経営方法及び技術の研修を行う機関のことを指します。
全国では9校ありますが、中小企業診断士養成課程は東京校のみに設置されています。
ちなみに養成課程の受講には250万円の費用がかかります。
後述のように公務員の方が中小企業診断士の資格を取得するメリットは大きいですが、費用対効果を考えて慎重に受講するか否かを選択する必要があります。
公務員が中小企業診断士の資格をもつメリット
中小企業庁での仕事や地域復興業務に役立つ
中小企業庁の集計結果によれば、2016年6月時点における我が国の中小企業・小規模事業者の数は、全体の99.7%を占めています。
この数字が示しているとおり、日本経済の基盤は中小企業にあり、中小企業の成長こそが、日本経済の将来的な成長のカギを握っていると言っても過言ではありません。
元々、公務員の仕事には中小企業庁や地域復興業務なども含まれておりますが、中小企業診断士の資格を取得することで、これらの仕事を進める上でも大いに役立つこととなり、地元の中小企業の事業活動にも大きく貢献できるようになるでしょう。
問題解決能力が身につく
中小企業大学校では、中小企業の経営に関する問題点を洗い出し、課題解決に向けて導いていくという訓練を繰り返しますが、これらを通して問題解決能力を身に付けていくことになります。
この能力は、公務員の仕事を進めるにあたっても応用することが出来るでしょう。
人脈が広がる
中小企業大学校や、その他中小企業診断士の資格を取得する過程を通じて、様々な人たちと交流することができ、人脈を広げることが出来ます。
官民問わず、色々な考えを持つ人たちとの交流は、きっと貴重な財産となるでしょう。
定年後の安定に繋がる
中小企業診断士は、副業とも相性の良い資格でもあります。「人生100年時代」と言われている現代、この中小企業診断士の資格を取得しておくことで、定年退職後の老後の生活を支える糧にもなり得るでしょう。
中小企業診断士が公務員になるのは?
基本的には公務員が中小企業診断士資格を取得するパターンが多いですが、中小企業診断士資格をお持ちの一般企業に勤められている方が、新たに公務員資格を取得して公務員へと転職するケースももちろん存在します。
中小企業診断士試験で身に付けた豊富な知識は公務員の仕事でも様々な形で生きてくるでしょう。
ただし、社会人の方が公務員試験を受験する際には年齢制限に注意が必要です。というのも、大卒程度区分の公務員試験は30歳前後までしか受けることができないのです。
社会人経験者枠の公務員試験であれば、60歳前後まで門戸が開かれていますが、試験合格後の公務員としてのキャリアが少し変わってくることを覚えておくと良いでしょう。
民間企業で働きながら公務員を目指すことについては、以下の記事で詳しく解説しています。
公務員のメリットまとめ
公務員のメリットまとめ
- 公務員であれば、一次試験を免除して養成課程を受講可能
(※2020年現在は免除制度なし)
- 養成課程は中小企業大学校で行われ、費用は250万円かかる
- 公務員にとって中小企業診断士を取得するメリットは多い
公務員が中小企業診断士を取得する際の優遇措置やメリットを紹介してきました!
公務員の皆さんは、是非一度取得を検討してみては如何でしょうか。