働きながら公務員試験に受かるには?社会人枠や年齢制限・勉強のコツまで徹底解説!
「公務員試験を受けたいけど仕事しながらでも合格できるの?」
「公務員試験は社会人でも受験できるの?」
このように公務員試験に興味はあるものの、不安に思っている人はいませんか?
この記事では公務員試験の受験資格や試験内容だけでなく、仕事しながら公務員試験合格を目指すコツやおすすめの勉強法まで徹底的に解説します。
この記事を読めば働きながら公務員試験を受けるポイントが分かるはずです。
働きながら公務員試験に受かるコツをざっくり説明すると
- 公務員になるには公務員試験に受かる必要がある
- 公務員試験には受験資格が設けられている
- 自治体や職種など、受験先選びも重要
- 公務員試験に合格するためには1000時間以上の勉強が必要
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働きながら公務員は目指せるのか
現在の労働環境に恵まれないために「安定した給料を手にしたい」「しっかりと週休2日取りたい」というようなことを望んで、働きながら公務員への転職を目指している人は少なくありません。
しかし公務員になるためには公務員試験に挑んで合格する必要があります。さらに受験資格などの制限も設けられているのです。
まずは自分に受験資格があるか確認しよう
公務員試験には受験資格があります。
公務員試験に設けられている受験資格は、受ける自治体や職種によっても異なるため、まずは自分に受験資格があるのかを確認する必要があります。
受験資格のメインとなるのは年齢制限で、学生などが受験する大卒程度の一般的な公務員試験の資格は、30歳前後までとなっています。(一部の自治体では27歳に設定しているところもあります。)
「30歳までか」と諦めるのは早合点です。社会人の方でも公務員試験を受けることはできます。
先ほどの大卒程度の試験とは別に社会人経験者枠(民間経験者枠)の試験もあり、こちらは年齢の上限が59歳前後で、実質の年齢制限がありません。
ただし社会人経験者枠は民間企業勤務経験が5~7年以上必要としている自治体もあるため、しっかり確認してください。
公務員試験は基本的に学歴による制限はありませんが、一部の専門職では資格や免許が必要な場合があります。併せて確認しておきましょう。
つまり、年齢や職歴など、受験資格を確認して受験先を選ぶ必要がありますが、社会人でも公務員試験を受験することは可能なのです。
公務員の年齢制限については、以下の記事で詳しく解説しています。
公務員試験の内容は?
公務員試験は1次試験と2次試験の2段階で試験をおこなうことが多いですが、試験種によっては3次試験までおこなう場合もあります。
ほとんどの試験で1次試験が筆記試験、2次試験が面接となっていて、3次試験がある場合は、さらに面接やグループワークをおこないます。
合否判定は1次試験と2次試験それぞれで出ますが、最終結果は1次試験と2次試験の総合得点で決まります。
つまり、もし1次試験が合格ギリギリだった場合、そのあとの2次試験の出来次第では最終結果は不合格になる可能性があるということです。
余裕を持って1次試験を突破できるようしっかり勉強しましょう。
筆記試験の試験範囲
詳細は各自治体によって異なりますが、社会人が公務員試験を受験する場合、1次試験では「教養科目」と「論文試験」の2つを課されるケースが多いです。
教養科目で出題される科目は以下の通りで、出題範囲はとても幅広いです。
- 文章理解
- 判断推理
- 数的推理
- 資料解釈
- 社会情勢
- 政治
- 経済
- 社会
- 思想
- 世界史
- 日本史
- 地理
- 文学・芸術
- 英語
- 国語
- 数学
- 物理
- 科学
- 生物
- 地学
働きながら公務員を目指す際のポイント
働きながら公務員に転職することは無謀なことではありません。むしろ十分に可能なことであるとも言えます。
しかし合格するためには「過去の勉強量」や「どんな自治体を受けるか」ということが重要になります。
これまでの学習経験がベースとなる
1次試験の教養科目では、基本的に高校で学ぶ内容が問われます。
つまり高校時代の勉強量がカギとなり、高校生のときに勉強が得意だったり、大学受験に向けて一生懸命勉強をした人はとても有利になります。
社会人枠では教養科目がメインになりますが、大卒程度試験を受ける場合は専門科目が試験に含まれることがあります。
大卒程度という名の通り、大学で学ぶ程度の問題であり、難易度が上がります。
問われるのはミクロ経済学や憲法、民法についての知識のため、大学でこれらの科目を学んで知識がある人は有利になります。
どちらの試験でも、知識がある分野や得意だった科目は勉強しやすいため点数を取りやすいのです。
つまり、学生時代の勉強経験が公務員試験に直結すると言えます。
市役所は高倍率で高難度!受験先選びも大事
一言で「公務員試験」と言っても、国家一般職や国税専門官などさまざまな職種が存在し、さらに大卒程度か社会人枠かなどの、受ける区分によって受験科目・倍率・受験資格が変わります。
ちなみにこれらは受験する自治体によっても異なります。
人気がある自治体の中でも市役所は特に人気があるため毎年高倍率の激戦区になります。
また、「社会人枠」で受験する場合は自治体によってはプレゼンが課されることもあるのです。
プレゼンが得意な人なら、この試験を選ぶことで有利になる可能性がありますが、逆にプレゼンが苦手な人にとっては不利になることもあります。
一方で、一部の地方自治体など、比較的倍率の低い募集も存在します。
受験先を選ぶときは、受験資格を確認するだけでなく、試験内容や倍率も確認した上で自分が有利に戦えそうなところを選ぶべきです。
大卒程度で受験
「大卒程度」という名前からも分かる通り、大学レベルの試験内容が課されることが多く、難易度は社会人枠よりも上がります。
大抵の場合、「教養科目」に加えて「専門科目」が課されるため、出題範囲が幅広くなり、教養科目だけの試験と比べてより多くの勉強時間が必要になります。
しかし社会人枠に比べて採用枠が多いという利点がある上に、社会人としての経験は重視されないため、まだ勤続年数が短い社会人でも面接の対応もしやすいです。
その一方で、ライバルには時間的余裕がある大学生がたくさんいます。大学生は時間がある分、十分な試験対策ができるため競争は激しいです。
大学生向けの公務員試験の勉強時間や対策法については以下の記事で詳しく解説しています。
社会人枠で受験
社会人枠の場合は多くの自治体で 「教養試験」と「面接(+プレゼン)」のみで試験が執りおこなわれています。
大卒程度の試験に比べると教養試験の難易度は低くなり、専門科目もないため勉強時間は少なくなりますが、その分「社会人としての経験」が重要視されます。
社会人枠は大卒程度枠に比べて採用枠が少ない上に、自分と同じように働きながら転職を考えているライバルが多いです。
1次試験の教養試験で点数を獲得することも重要ですが、それ以上に面接での受け答えが大切になります。
「社会人としてどのような経験を積んできて、どのようなスキルがあるのか」「自分を採用するとどんなメリットがあるのか」「なぜ公務員になりたいのか」をしっかりアピールできるように対策しておきましょう。
仕事しながらの公務員試験勉強法
仕事をしていると、どうしても勉強できる時間は限られてしまいます。
そのため、仕事しながら公務員試験の合格を目指すには効率よく勉強をおこなう必要があります。
ここからは限られた時間の中で、公務員試験の勉強を効率的におこなうコツを紹介します。
公務員試験には1000~1500時間が必要
公務員試験は決して簡単な試験ではなく、合格を目指すならトータル1000時間以上の勉強が必要だと言われています。
実際に合格した人たちは公務員試験の1年も前から毎日3~4時間の勉強時間をコツコツと重ねることで合格を勝ち取っています。
ちなみに3時間×365日で1095時間です。1000時間と聞くと途方もない時間のように感じますが、1日3時間と聞けば不可能ではないと思っていただけるのではないでしょうか?
公務員試験の中でも教養試験は特に出題範囲が幅広いため、対策するために時間を要します。
しかし教養試験は同じパターンの問題が多いため、多くの問題をこなして解法パターンに慣れることで攻略できます。
漠然と問題を解くのではなく、解き方を理解して、その解き方を覚えることが重要です。
計画が命
忙しい社会人が公務員試験の合格を掴み取れるかは、試験日から逆算して勉強のスケジュールを立て、それを遂行できるかどうかにかかっています。
試験に合格するという長期目標はもちろん、「○月までにこの分野を一通り終える」といったような中期目標や、「今週はテキストのここまで進む」といった短期目標をしっかりと定め、日々の勉強計画に反映させることで合格が近づきます。
自分の生活の状況を鑑みて、いつどのくらい時間が取れるかを余裕を持って計算し、毎日コツコツと着実に勉強を進めていきましょう。
独学が向いている人
独学が向いている人は「勉強のやり方を理解していて、合格を目指すモチベーションを最後まで維持できる人」です。
勉強のやり方を理解しているというのは、過去に受験や資格取得のために勉強したことがあって、参考書や問題集から重要な箇所が拾える人です。
繰り返しますが、公務員試験は簡単な試験ではありませんし、試験の範囲も広いです。そのためダラダラと参考書を読んでいるだけでは合格は難しいです。
独学で公務員試験の合格を目指すためには参考書を読み込んで、その中から知識を整理して重要な箇所を中心に覚えなくてはいけません。
そして覚えるだけでなく、覚えた知識を問題を解くことで適切に活用できるようにする必要があります。
加えて、モチベーション維持もしっかり行わなければなりません。モチベーションの維持とは、休日や終業後にしっかり机に向かって3~4時間の勉強時間を確保し続けることです。
もちろんただ机に向かえば良いというものではなく、上記のやり方でしっかり勉強に取り組む集中力が必要です。
予備校に通うべき人
逆に上記のような勉強のやり方が分からなかったり、一人でモチベーションを維持する自信がない人は予備校に通うことをおすすめします。
予備校には一流の講師がいて、重要なポイントや問題の解き方を教えてくれるため、どこを勉強すれば良いのか分からずに一人で闇雲に勉強するよりも効率的に勉強を進めることができます。
さらに強制的に予定を組んでくれる上、予備校に行ったら嫌でも勉強せざるを得ません。
また分からない箇所や難題にぶつかったときに講師に質問することができるので、一人で勉強するより解決しやすいというメリットもあります。
しかしその一方で、予備校は時間が決まっているため、平日の夜など予備校が開かれている時間に仕事や用事が入ってしまう人は利用しにくいというデメリットがあります。
通信講座を受けるべき人
通信講座を受けるべき人は毎日3~4時間の勉強をするモチベーションは保てるけど、勉強のやり方が分からなくて効率的に勉強を進められない人です。
また独学でも勉強できるけど、勉強時間の確保が難しくて勉強時間を短縮させるためにより効率良く勉強する必要がある人にもおすすめです。
最近ではスマホやタブレットで動画講義を受けられたり、一流講師に質問をして回答してもらえるサービスが登場しました。
こうしたサービスにより、通信講座と言っても予備校と同じようなクオリティの授業が受けられるようになりました。
時間にとらわれることなく予備校と同じようなクオリティの授業が受けられるのは、時間の確保が難しい社会人にとって大変ありがたいシステムです。
通勤時間や隙間時間を有効活用
独学でも通信講座でも勉強時間を確保することは重要です。しかし毎日3時間まとまった勉強時間を確保することは簡単なことではありません。
そのため、朝いつもより早く起きて勉強する時間を確保したり、通勤時間・通学時間や昼休みなどの休憩時間などの隙間時間を見つけて活用することが大切です。
別に「一日中休みなく勉強しろ」という話ではありません。例えば平日の通勤時間の30分を勉強の時間に充てることで、1年間で120時間程度勉強できる計算になります。
今はスマホでも勉強できるため、いつでもどこでも隙間時間を見つけて勉強しやすい環境が整っています。
「10分空いたから暗記を進めよう」「30分あるから問題を解こう」など、隙間時間を上手に活用して勉強時間を確保することが何よりも重要です。
隙間時間を使って勉強するには
隙間時間を使った学習に最適なのが通信講座である「スタディング」です。
スタディングではスマホ1つで講義視聴からテキストの閲覧、授業ノート作成までなんでも可能なので、電車内や寝る前のちょっとした時間でも効率よく勉強することができます。
また、スタディングは講座費用が非常に安いので「予備校に通うお金はないけど完全独学でチャレンジするのは不安…」という方でも始めやすくなっています。
忙しい社会人の方を中心に高い評価を得ている大人気講座なので、ぜひこの機会に受講されてみてはいかがでしょうか。
経験者の声
では実際に働きながら公務員試験を受験した人は、どのように感じているのでしょうか。
ここからは働きながら公務員試験を受けた人の声をいくつか紹介します。
平日4時間・休日10時間
本試験を迎える7カ月前から、平日は終業後に2~4時間、休日は8時間くらい勉強していました。本試験の4カ月前まではこのような勉強時間でした。
本試験3カ月前になると勉強時間をもう少し増やして、平日の終業後は3~4時間、休日は10時間程度勉強しました。
そして本試験目前のラスト1カ月はさらに勉強時間を増やして、平日の終業後に毎日4時間、休日になれば14時間程度の時間を確保していました。
特に試験直前は仕事以外のほとんどの時間を試験勉強のために費やしましたが、その努力の甲斐あって無事に本試験に合格することができました。
疑問は先送りしない
働きながら勉強をしていく中でもっとも大変だったのは、勉強時間の確保でした。
学生の頃は簡単に勉強時間を確保できましたが、社会人は勉強よりも仕事を優先しなければいけません。
しかし勉強時間が取れないからこそ、勉強に取り掛かれるときは密度の濃い学習を心掛けました。
例えば、分からないことがあったとき、「あとで調べれば良いや」と思って後回しにすると、その後調べる時間が取れなかったり、調べることを忘れて、そのままになってしまったことがありました。
分からないことがあったら放置しないで、その場ですぐに解決するようにして、苦手を克服したり知識を得たりする姿勢はとても大切です。
仕事は絶対やめないで
公務員試験に合格するためには勉強時間が必要だと聞いて「じゃあ、仕事を辞めて勉強に専念しよう」と思い切ったことを考える人がいますが、おすすめしません。
今の仕事を辞めて公務員試験を受けたからと言って必ず公務員になれる保証はないからです。万が一試験に落ちてしまったら転職どころか無職になってしまいます。
しかも公務員試験は難しいといっても、司法書士試験のように勉強だけに専念しないと合格が難しいというレベルではありません。
働きながらでも十分に合格を狙える試験なので、今の仕事は辞めずに勉強と両立して試験合格を目指しましょう。
社会人は面接で勝て
大卒程度で受験する場合、まずはなんとしてでも1次試験を突破するように心がけて勉強しなければいけません。
先述のとおり、大卒程度は新卒者も受けます。大学生は社会人よりも勉強時間を確保しやすいため、仕事をしながらの勉強では不利になってしまうことがあります。
どんなに人柄やアピールできる実績があっても、1次試験に落ちてしまったら面接を受けることさえできません。
逆に言えば、1次試験さえ合格すれば、その後の面接は学生よりも社会人に有利に働きます。
社会人は仕事をしていく中で社会経験を積んでいて、コミュニケーション能力に長けているためです。
面接に臨む際の注意点
面接で「前職を辞めて、なぜ公務員になろうと思ったのか?」について聞かれることがあります。
この際には、前職について悪く言わないように注意しましょう。
本音では、前職を不満を言いたい人もいるかもしれませんが、面接官の印象が悪くなってしまうのでNGです。
前職について悪く言うことなく、「公務員として働き自治体に貢献したいと思った」など、面接官を納得させられるような理由を考えておきましょう。
働きながら公務員試験に受かるコツまとめ
働きながら公務員試験に受かるコツまとめ
- 受験資格だけでなく受験科目や倍率も確認する
- 自分にとって有利になりそうな受験先を選ぶ
- 隙間時間も活用して勉強時間を確保する
- 仕事は絶対やめない
職種や自治体によりますが、公務員試験の受験資格の制約が厳しくない上に、仕事しながらでも十分に合格を目指せます。
公務員試験の受験を検討してみてはいかがでしょうか?