秘書検定1級の難易度は高い?面接の試験内容や合格率・取得メリットまで解説!
「秘書検定1級を持っていると就職にかなり有利なの?」といった声をよく耳にすることはありませんか?
秘書検定は合格率が約25%と難易度が高い方ですが、合格すると履歴書にも堂々と記載できる有利な資格であり、資格手当も平均して1万円ほど給料にプラスされる役に立つ資格なのです。
今回は近年ますます注目されている、人気の資格である「秘書検定1級」について詳しく解説しましたので、ぜひ最後までご覧になってください。
秘書検定1級難易度についてざっくり説明すると
- 秘書検定1級の難易度は高い
- 秘書検定1級の資格は就職で有利であり、社会的なマナーを学べる
- 試験内容は筆記と面接があり、それぞれ60%以上の合格点が必要
- 試験対策は主に独学と通信講座の2つで行う
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秘書検定ってどんな資格なの?
秘書検定の正式名称は秘書技能検定試験といい、公益財団法人実務技能検定協会が運営・実施しているビジネス系の検定です。
「人柄育成」を目指した検定で、秘書になりたい人はもちろん、そうでない人も受けることができます。
秘書検定の資格を持っていると就職でアピールできたり、社会的なマナーを学べたりするため、受ける人が多い検定です。
昔は女性の受験者が多かったものの、最近では男性の受験者も増えてきており、特に就職を控えた学生さんは秘書検定に取り組んでいれば、就職面接を落ち着いて受験できるでしょう。
また、マナーについて体系的に学べるため職場の新人研修を担当される方や自分の社会人マナーについて振り返ってみたい方にも非常におすすめになっています。
これらの特徴から、秘書検定は誰もが必要とする社会人としての常識とマナーが学べる資質開発型検定といえるでしょう。
それぞれの級の特徴
秘書検定には「1級・準1級・2級・3級」と4種類があります。それぞれの特徴はこちらです。
3級
基本的な職場常識が出題される級です。基礎的なマナーや言葉遣いを理解し、シーンごとに適切な対応ができるのかを問われます。
秘書の仕事について最低限の知識が必要で、問題はテキストなどを読んで理解していれば、さほど難しくありません。主に高校生が多く受験しています。
社会人の方には当たり前すぎることも多いので、3級はスキップされることをおすすめします。
2級
3級より少し場面設定が複雑になります。仕事の手順について優先順位を考えることが必要になり、感じのよさだけでなく効率のよい仕事の仕方も問われる級です。
就職を控えた大学生や社会人の受験が目立ちます。秘書としての業務内容や知識について、ある程度難しいレベルで問われる級です。
履歴書に書くとアドバンテージになるのもここくらいからだと言われています。
準1級
物事の判断力や対応力が求められ、中堅程度の秘書をイメージしているのが準1級のレベルです。
準1級から筆記試験合格の後は二次試験(面接試験)があり,人間性も見られることになります。
大学生と社会人の受験者がほぼ同数で、就職面接対策としても役立つのでおすすめです。 上司のサポートだけでなく、部下への指導が出来るかどうかも問われます。
1級
上司の仕事を理解して,「次に秘書が何をしなければならないか」を判断する能力が問われます。
秘書としての仕事全般はもちろん、仕事をする上での判断力も試されるのが特徴です。面接試験においても上級秘書としてふさわしいかどうかが試されます。
企業内でのスムーズな業務遂行に貢献するためには、指示通りに動くだけでなく、主体的に考えて行動し、柔軟に対応する姿勢が重要となります。
現役秘書や社会人の方など、すでに社会で活躍している方が自分の能力を高めるために受験する場合が多いです。
秘書検定1級の難易度は高いの?
秘書検定試験の難易度は、級が高くなるほど難易度が高くなります。これから受験する級ごとに詳しく解説をしていきましょう。
秘書検定試験の合格率
第130回秘書検定試験の合格率の表はこちらになります。2級の受験者数が飛び抜けて多いのが特徴です。
施行級 | 受験者数(最終合格者数) | 合格率 |
---|---|---|
1級 | 666名(176名) | 26.4% |
準1級 | 2,816名(1,293名) | 45.9% |
2級 | 14,292名(8,226名) | 57.6% |
3級 | 7,565名(5,542名) | 73.3% |
1級・準1は高レベル
1級の合格率は26%でやや低めであり、準1級の合格率は46%程度と半数は受かる確率になっています。
1級になると準1級よりかなり低めの合格率になるので、比較的難易度が高いと言えるでしょう。
このクラスを受験するのは現役秘書や大手の秘書課への就職を目指す人であり、秘書として専門的なスキルを磨きたい人が受けるレベルの資格です。
級ごとの難易度の差は大きい
秘書検定は級によって難易度がかなり異なります。そのため目的に沿って受験することをおすすめします。
1級や準1級は難易度が高いため、すでに秘書として実績のある人や秘書になりたい人が目指すレベルの資格です。
2級や3級は秘書になることは考えていなくても、社会人として役立つ常識やマナーなどを学びたい人が受験します。
2級はコスパが良い
一般的には、2級だけの受験の場合は独学でも十分と言われています。
難しすぎるレベルではないため、大学生や社会人が受けるのにちょうど良い難易度の級でしょう。
知っておくと出来る社会人と言ってもらえるような、実用的な知識の勉強をすることになります。
試験で出題される内容は、「この状況なら優先順位はどうなるか」など、実際に社会に出てから使える「知っておきたい常識」が大半です。
合格率は約50%~60%なので、独学でも真剣に取り組めば合格しやすい資格と言えます。
比較的容易に取得可能な3級
3級の合格率は73.3%と半分以上なので、比較的簡単に合格が可能です。また併願も可能なので、2級を目指している人は3級と併願するのもおすすめします。
3級の試験範囲は2級と大体同じですから、2級は難しくても、3級を滑り止めとして利用することで安心して受験ができます。
合格へのハードルがあまり高くありませんので、高校生など初めて受ける人にもおすすめの級です。
秘書検定1級の試験範囲はどのくらいの広さなのか
それでは秘書検定1級の試験範囲は、一体どのくらいの広さなのでしょうか?簡単に解説をしていきます。
試験の形式
秘書検定1級の試験内容は、筆記と面接の2通りになります。
筆記試験の時間は150分で、すべて記述式です。試験内容は「理論」と「実技」に区分され,それぞれの試験が60%以上の時に合格となります。
筆記試験は「上司が携わっている仕事を理解して、秘書が今何をしなければならないか」を判断する能力が出題の内容です。
上司が常に動きやすいように、先を読んでサポートするといった上級の秘書の能力が求められます。
面接はロールプレイング形式で、秘書としての実践力が試されることが出題内容です。人柄の表現力の問われるため、簡単ではありません。服装にも気を付けましょう。
ロールプレイング形式の試験では、現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こったときに適切に対応できるかを見られることとなります。
課題内容は、上司への「報告」と来客への「応対」が中心です。
秘書検定取得に要する勉強時間は?独学は可能?
一般的に秘書検定の取得に要する勉強時間は、2~6ヶ月程度で独学も可能です。ここでは勉強時間や勉強法などについて、詳しく解説していきます。
1・準1級取得レベル
1・準1級を取得するには、1日1時間の勉強時間として2~6ヶ月程度の勉強が必要です。テキストや問題集、過去問を何度も解くことが必須となります。
元々のベースとなる知識は個人差があるため、必要な勉強時間も個人によってかなり差が生じるようです。
筆記試験では記述問題が難しい問題であるため、対策に多く時間がかかります。面接問題の対策は講座やセミナーを利用して指導してもらう人が多いです。
どんな人が秘書検定試験を受けるのか
秘書というと女性のイメージが大きいせいか、秘書検定試験を受けるのは、男女比1対9の割合で女性の受験者が多いです。
また受験者の約8割が学生であるのも大きな特徴でしょう。主に女子高校生や女子大学生に多く受けられている検定で、現役秘書や会社員もスキルアップのために受けています。
事務業務の重要性が多くの人々に認識されつつあり、多くの人が秘書という職業に対する興味や関心を持っているといえます。
1級ともなると現役秘書がキャリアアップのために受検するレベルなので、合格の難易度が高い試験です。
どんな勉強法があるのか
それでは秘書検定1級の勉強法としては、そのようなものがあるのでしょうか?代表的な勉強法をいくつかご紹介していきます。
独学
秘書検定1級は真剣に取り組めば、独学でも合格できる資格です。勉強法としてはテキストや問題集でコツコツ学習する方法が中心となります。
独学にぴったりなテキストとしておすすめなのが、「秘書検定集中講義 2級 早稲田教育出版 1430円」です。ケーススタディで学ぶことができます。
また「秘書検定2級パーフェクトマスター 秘書検定公式受験参考書 1430円」も おすすめのテキストです。要点がまとめられているのでわかりやすく、時間のない人におすすめします。
通学講座
専門学校や大学などで直接指導を受けることも可能です。講座を開講している大学などに在籍していない一般の人でも受講できます。
大学の場合、講師は専門学校などから派遣された講師が講義を行い、直に指導を受けられるため、効率的に学ぶことが可能です。
通信講座
独学では不安だけど、講座を受講する時間をまとめて取れない方などには、ユーキャンの秘書検定講座がおすすめです。
優良なテキストを使用して、空いた時間に自分のペースで学習を進められますし、秘書検定面接試験の元審査官の方が監修したDVDをもとに面接試験の対策をすることもできます。
秘書検定を受験される方全員におすすめの講座なので、ぜひチェックしてみてください。
秘書検定1級の面接対策法
秘書検定1級の面接対策法として大切なのは、秘書として重要なポイントである謙虚さや誠実さをアピールすることです。
服装は上下同色セットのスーツがなるべく理想的で、ロールプレイング方式の試験にもある程度慣れておくようにしてください。
面接試験で落ちても、筆記試験に受かっていれば1年間は筆記試験は免除されますが、できれば一度に合格したいものです。面接対策もバッチリしておくようにしましょう。
秘書検定1級の試験内容と出題例
それではここで秘書検定1級の試験内容の出題例をご紹介します。全て秘書として一流の技能が求められるため、内容的にはかなりレベルが高いです。
理論試験(記述問題)試験時間140分
秘書検定の理論試験の内容は以下の通りになっています。
必要とされる資質
出題例:急ぎではない仕事の指示の受け方
解答例:上司の指示の仕方は人により癖がありますので、その点を踏まえた観点から答えを出すと良いでしょう。
社会人のかたは自らの上司を思いうかべ、学生の方は先輩などを思い浮かべながら対応するのがコツになります。
職務知識
出題例:上司の不在時の対応
解答例:上司は外出中なのですぐには対応できません。戻りを待つか,別の担当者に取り次ぐなど機転を利かせた対応が答えになります。
これらの知識を習得することで、実際に職務上のアクシデントに遭遇した場合でも焦らず対応することができるでしょう。
一般知識
出題例:「WTO」など略称の正式名称は?
解答例:「WTO」は世界貿易機関のことです。このように新聞などでよく目にする国際機関は最低限覚えることが必要です。
普段から英語の頭文字による略称などついては、その意味を調べておくようにしましょう。
マナー・接遇(実技)
出題例:「約束はないが,M社の田中さんが来ています。会いますか」などの会話を丁寧な言葉に直す
解答例:「お約束はございませんが,M社の田中様がお見えです。お会いになりますか。」と丁寧な言い回しで上司に伝えるのがマナーです。
社会人の方でも敬語をしっかりと使いこなせていない場合が多いので、チェックしておくようにしましょう。
技能(実技)
出題例:あいさつ状に適切な言葉を入れる
解答例:「謹啓」「ご厚情を賜り」「担う所存でございますので」などビジネスレターで頻繁に使う言葉を使います。
ビジネスレターで使う言葉は、パターン化されている場合が多いのでしっかりと暗記しておきましょう。
実技試験(面接試験) 試験時間約10分 ※3人1組
報告・対応に関する質疑応答(2人づつ15分程度)を行います。
面接試験の方法
審査員の指示に従って,次のロールプレイングを行います。
-
「報告」(時間:1~2分)課題の指示に従って上司役に報告
-
「応対」(時間:1~2分)課題の指示に従って来客役に応対
動きや流れについては、事前に把握しておかないと対応できないため、必ず1回は練習を積んでおくことが必須となります。
審査のポイントと合格基準
-
態度・振る舞い
-
話し方の調子・言葉遣い
-
物腰・しぐさ
-
服装
- 合格の基準
面接試験は「きちんとしている」「丁寧である」「明るく生き生きしている」かの観点で審査されます。上級秘書のレベルであると判断されると合格です。
試験日・試験地
試験日
- 筆記【全級】2023年6月18日(日)
-
受験受付:2023年4月6日(木) ~ 5月16日(火)
-
面接【1級、準1級】:6月下旬~8月上旬
- 筆記【全級】2023年11月12日(日)
-
受験受付:2023年9月4日(月) ~ 10月10日(火)
-
面接【1級、準1級】:12月上旬~1月上旬
- 筆記【2級、3級】2024年2月11日(日)
- 受験受付:2023年12月4日(月) ~ 2024年1月16日(火)
試験地
秘書検定の試験は全国各地で行われていますので、お住まいの近くで探すことが可能です。
地方別にブロックが分かれており、東京や神奈川、大阪などの大都市では多くの受験会場が用意されていて、東京では10か所も設置されています。
各都道府県で最低1か所はありますので、受験会場に行くのに過剰な負担がかかりません。
受験料
受験料はこちらになります。準1・2級と2・3級は併願できるため、難しい級も安心してチャレンジできます。
併願できるのは準1・2級と準2・3級の2種類のみで、他の級同士では併願で受験することはできません。
受験する級 | 受験料 |
---|---|
1級 | 6500円 |
準1級 | 5300円 |
2級 | 4100円 |
3級 | 2800円 |
準1・2級併願 | 9400円 |
準2・3級併願 | 6900円 |
秘書検定試験の受験資格
秘書検定試験の受験資格は特に制約はありません。年齢や性別、学歴、実務経験など関係ないので、誰でも受験ができます。
受験ハードルが低いのがメリットです。また、どの級からでも受けられるので、受験する級は出願の締め切りまでに決めれば大丈夫です。
受験資格がないため、学生や新社会人などが受けやすく、毎年たくさんの方がチャレンジしています。
難しい1級を取るメリットは?
秘書検定1級の取得メリットは事務職の場合、電話対応やビジネス文書やビジネスメールを作成する際に役立つことです。
一般職でも上質のマナーなどを学べるため、上司とのコミュニケーションにとても役立ちます。女性であれば派遣社員として登録する際にもかなり有利でしょう。
マナーや敬語、社会人としての常識が身に付き、就職にも大変有利な資格です。プライベートでも冠婚葬祭などの際に、恥をかく心配がありません。
また日本を代表するような大企業では、社内に秘書課が存在しますので、配属先に 秘書課を希望している場合、非常に役立ちます。
秘書として専門的に働きたい場合は、難易度の高い秘書検定1級を狙うことがおすすめです。
1級は履歴書に記載可能
秘書検定1級は資格ではなく認定試験であるため、「取得」ではなく「合格」と書くのが一般的です。
就職や転職活動の際には2級以上を保持していることが評価対象となります。3級以下は履歴書に書いても大きく評価されることはほとんどありません。
スキルとして記載するならば、なるべく2級以上を合格するようにしましょう。
秘書検定1級の難易度まとめ
秘書検定1級の難易度まとめ
- 秘書検定1級の難易度は高いが就職などに有利である
- 秘書検定1級は受験資格がないため、誰でも受験できる
- 秘書検定1級を実際に受験するのは秘書や秘書を目指している人が多い
- 面接では知識のみならず人柄の表現力も問われる
秘書検定1級は、すでに秘書として働いている方や、秘書を目指している方のキャリアアップに利用するだけではありません。
社会人としての常識やマナーなどを学べる役に立つ資格です。秘書検定1級に興味を持つ方は、ぜひ独学や通信講座などで勉強をスタートさせてください。