ビジネス文書検定ってどんな資格?2級や3級の難易度・試験日程まで全て解説!
ビジネスの世界では、ある一定の表現や定型句など約束事のような言い回しが存在します。
それらを巧みに取り扱うことなどは、理由がない限りあまり普段から気にしないものです。
そこでビジネスでの文書作成に長けた人材育成のために始まった資格が「ビジネス文書検定」です。
もし、ビジネスシーンで常識とされている表現や文章マナーを理解していれば、その人は高く評価されます。今回は、ビジネス文書検定の詳細をご紹介します。
ビジネス文書検定についてざっくり説明すると
- 実務技能検定協会が主催する民間資格
- 3級から1級までの3つのグレードがある
- できれば2級以上の取得が望ましい
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ビジネス文書検定ってどんな資格?
仕事上では、いつも決まった形式のあいさつや文章のマナーが存在します。
ビジネス文書の書き方の基本や、運用などの正しい知識を図る検定であるビジネス文書検定について、さらに具体的な内容をご紹介します。
ビジネス文書検定とは
ビジネス文書検定とは、公益財団法人「実務技能検定協会」が主催する民間資格の一つです。
ビジネスで取り扱う文書では、一定の型や特有の言い回しをする定型句があり、それらを上手に使うことは常識の範疇とされています。
ビジネスシーンにて、定型句を含めた書類の作成能力や技能を評価するための資格として誕生しました。
1987年からスタートした、比較的に新しい資格ですが、文部科学省による後援もあって、ますます注目度が高まっています。
ビジネス文書検定の主催団体
ビジネス文書検定は、実務技能検定協会による主催で行われています。
この団体とは、ビジネス実務の資質や知識、技能といった能力の審査を行っていて、この資格以外にも様々な資格検定試験を実施ています。
ビジネス実務全般への学習意欲を喚起させること、職業人の技能向上に寄与することを目的としている団体です。
そのため、ビジネス文書検定以外には、トレース技能検定、秘書技能検定といった資格も手掛けています。
ビジネス文書検定の難易度
どのような資格試験にも、そのための傾向や対策があり、その出題傾向を把握しておくことが重要です。
ビジネス文書検定を受験するにあたって、まずどのような基本を確認しておけばよいのでしょうか?
ここではビジネス文書検定の試験範囲や出題方式、難易度についてを簡単にご紹介します。
ビジネス文書検定の試験範囲と出題形式
ビジネス文書検定の資格を取る場合、どのような試験内容でなのか気になるはずです。
ビジネス文書検定には、3級、2級、1級の3つのグレードが存在します。試験形式はその級によって違いがあります。
2級と3級の場合は選択問題のみ、そして1級は選択問題の他に、ビジネス文書を実際に書き上げる実技が出題されます。
試験時間は1級が140分、2級が130分、3級が120分となりなす。
出題範囲は、表記技能として正しい用字や用語が使えるかといったビジネス文書の文書等の知識などを確認します。
他にも正確で分かりやすい文章や礼儀正しい文章が書けるかを問われます。
1級の実務技能では、社内文書や社外文書など、その取り扱いについての知識があるかどうかが問われます。
レベルごとの解説
ビジネス文書検定の資格を取得するための必要条件は、1級の場合、文書作成技能の知識と技能が身についていて、必要に応じながら適切に「指導」をすることができるレベルです。
2級の場合は、文書作成の知識と技能の全般が理解できていて、「単独で文書作成」できる能力があることです。
そして3級の場合、文書作成の知識と技能の基本が身についていて、上司などの「指示を把握」しながら文書作成ができるレベルです。
ビジネス文書検定の合格率・合格ライン
ビジネス文書検定についての難易度や合格基準、合格ラインはどのくらいなのでしょうか?
まずは、表記技能、表現技能、実務技能の各領域にて、それぞれの得点を60%以上クリアしていることが条件です。
ビジネス文書検定の合格率については、平成元年12月の第66回実施分によると、1級だと290名受験して109名合格、合格率37.6%です。
対して2級は、1672名受験して1064名合格、合格率63.6%、3級の場合は2680名受験して2351名合格、合格率87.7%となっています。
施行級 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
1級 | 363名 | 290名 | 109名 | 37.6% |
2級 | 1881名 | 1672名 | 1064名 | 63.6% |
3級 | 2899名 | 2680名 | 2351名 | 87.7% |
この表が示すように、ビジネス文書検定の難易度については、2級と3級であれば比較的にやや高めですが、1級に関してはビジネス文書を書く実技問題が出題されるためやや難しくなります。
また、ビジネス文書検定の勉強時間を充てる目安は、個人差もありますが1ヶ月前後が標準となっています。
ビジネス文書検定を取ることをおすすめする人
ビジネス文書検定の資格取得をおすすめする人とは、いくつかの条件があります。
まずは、 美しい字を書いて履歴書などの公文書での、正しい言葉使いができるようになりたい人です。就活に役立てたい学生が特に当てはまります。
他には、スキル向上に役立てたい一般サラリーマン、ビジネス文書の書き方について研修などで教える立場になった人です。
ビジネス文書検定の勉強法
ビジネス文書検定の資格を取得するには、勉強方法とともにどのような参考書を使うと効果的なのかが気になります。ここでは、ビジネス文書検定対策のためのテキストや問題集をご紹介します。
ビジネス文書検定の独学勉強法は?
ビジネス文書検定取得を目指す際、主な勉強方法はどうすればよいのでしょうか?必ず使ってほしいのが公式テキスト(受験ガイド)と問題集です。
各テキストを買って徹底的に刷り込み学習することです。特に3級、2級に関しては、出題内容も難しくはありません。ケアレスミスなどが無いように気をつければ、ほとんど暗記問題だと思って取り組めばよいでしょう。
他にもHP上には過去問の一部が掲載されているサイトもあります。そこでまずはどれほどのレベルなのかを把握しておくことをおすすめします。
おすすめテキスト・問題集
ビジネス文書検定は独学することが前提です。その際は実務技能検定協会が出版する公式テキストと問題集を揃えて学習を進めていきましょう。
3級は「ビジネス文書検定受験ガイド3級(税込1100円)」「ビジネス文書検定実問題集3級(税込1320円)」2級は「ビジネス文書検定受験ガイド1,2級(税込1320円)」「ビジネス文書検定 実問題集1,2級(税込165円)」が該当します。
各種、表記技能、表現技能、実務技能についての基本が書かれ、ビジネス的文章の文書用語、様式、関連知識、書写の知識技能の習得を目指している内容です。
1級の場合も、「ビジネス文書検定受験ガイド1,2級」「ビジネス文書検定 実問題集1,2級」を使用します。
ビジネス文書検定の勉強をするメリット
ビジネス文書を日々取り扱っている一般サラリーマンを始め、個人事業主などにも幅広く、この資格を持つことによるメリットがあるとも言われています。
では、ビジネス文書検定の資格を持っていると、どのような利点が生まれるのでしょうか?いくつか考えられる中でも、代表的なメリットについてご紹介します。
ビジネス文書検定を取ることで社会人としての常識が身に付く
ビジネス文書の作成方法は、就職した企業内でいかに社内研修をしたかによって差が生じています。それに、改めて習う機会がないまま実務経験で覚えていく人のほうが多いようです。
その際は、凡庸化されているテンプレートをそのまま転記していたケースが目立ちます。体系的にビジネス文書について学んだ人のほうが少ないという現状です。
ビジネス文書検定を受験するきっかけが、どこでも通用するビジネス文書作成の基本と応用を身につけることになります。
ビジネス文書検定は2級以上なら履歴書に書ける
就活生にとっては、ビジネス文書検定の取得を履歴書に記入してアピール材料にすることが可能です。例えば高校新卒の場合が該当します。
しかし3級ではあまり効力は見込めません。履歴書の資格基準として意味を成すためには、2級以上を持っていることが理想です。
もし、就活用にビジネス文書検定を取得することを検討している場合は、就活で忙しくなることも想定して、早めに取得しておくことをおすすめします。
部下の文章をチェックすることができる
社内の上司宛に限らず、社外のクライアントに対して正式な文書を送付する際にも、ビジネスシーンで常套的手段とされている定型句を知っているほうが、何かと評価を受けやすくなります。
それは、ビジネス文書検定の資格を持っているということが、少なくともビジネス文書の書き方を正式に学んだ経験がある証拠にもなっているからです。
職場で学習した経験が生かされ、自分の部下のビジネス文章について添削したり訂正ができるはずです。それだけでも自信を持てるようになります。
ビジネス文書検定の試験日程・会場・申し込み方法
ビジネス文書検定を行う際の試験日程や申し込み方法はどのようになっているのでしょうか?ここでは、ビジネス文書検定の申し込み概要についてご紹介します。
ビジネス文書検定の試験日程
ビジネス文書検定は、通常でしたら年2回実施 されています。毎年7月と12月ごろに実施されます。その際の実施会場は、全国17都道府県にて指定された会場です。
また、ビジネス文書検定への申し込み期間は、検定実施日の2ヶ月半前から検定1ヶ月前までの間です。合格発表については試験明けの2ヶ月後くらいに送付されます。
ビジネス文書検定に受験資格や受験料
ビジネス文書検定を受験できる資格には何か条件があるのでしょうか?この資格の受験には一切の制限はありません。年齢、性別、学歴や職業など関係なく、誰でも受けることができます。
また、ビジネス文書検定の受験料は各級のグレードごとに違いがあります。
1級は5800円、2級は4100円、3級は2800円です。それに併願受験も可能で、1.2級併願なら9900円、2.3級併願なら6900円となります。
ビジネス文書検定と合わせて取りたいおすすめ資格
ビジネス文書検定は、ビジネスシーンでの正しいビジネス文書作成のバロメーターとして生かされます。
ただし2級以上取得であることと、あくまでも目安という意味になるので、この資格単独での特典があるわけではありません。
できれば、他の資格と併せて所持することをおすすめします。ここではビジネス文書検定とダブルで所持しておきたい、主な資格についてご紹介します。
日本語検定
日本語検定とは、特定非営利活動法人「日本語検定委員会」が主催している資格です。
漢字の読み方と意味、慣用句、敬語などの日本語についての正しい知識と運用能力を測定するために、2007年より設けられた検定です。
この資格を所持することで、すべての仕事が有利に働くとは限りません。ただし、資格保持者を優遇する企業・団体は結構存在するので、就活生には役立ちます。
日本語検定は1級から7級まであり、一般的には3級が標準レベルです。最難関となる1級では、合格率もわずか1~9%とされています。
文書情報管理士
文書情報管理士とは、文書情報のエキスパートのために公益社団法人「日本文書情報マネジメント協会」にて制定された資格試験です。
それまでの紙媒体を主としたワークスタイルから、徐々に書類の電子化、個人情報保護などの側面によって変革が求められています。
文書管理はその時代のニーズに応える重要な資格として注目されています。
最適で安全な文書の電子保存方法を伝える、エキスパートを作る資格と言えます。合格率は上級で56.8%、1級で62.6%、2級で78.9%とされています。
紙での情報から電子へとシフトする段階で、もっとも注目されつつある資格の一つとも言えます。
ビジネス実務マナー検定
ビジネス実務マナー検定とは、ビジネス文書検定と同じ公益財団法人「実務技能検定協会」で主催している資格です。
ビジネスマンらしく判断し行動が適切にできるための人間関係やマナー、話し方などが問われます。
これらビジネス社会の基本ルール(職場常識)を身に付けているかを判断する資格です。
近年での合格率は、1級で38.2%、2級で58.7%、3級で63.2%とされています。
必ず就職に有利な資格とは言い切れませんが、近年ではかなり公認されつつあり期待が高まっています。
ビジネス文書検定についてまとめ
ビジネス文書検定についてまとめ
- ビジネスでの定型文などの基礎や理解を判定する資格
- 公式テキストと問題集を購入して学習すること
- 2級以上の取得を目標にすると就活にも役立つことがある
ビジネス文書検定は、ビジネスシーンにて頻繁に使用する文書作成で、重要な表現や慣用句、定型文などの必要な知識や技能を中心に評価をする民間資格試験です。
情報伝達やコミュニケーションを円滑に行う上で、公文書の作成などビジネスでの文書は重要な要素の一つです。
1級の試験は実技も問われるので、難易度がやや高くなりますが、自分のスキルを磨きあげるためにも役立ちますので、積極的に取得することがすすめられている資格と言えます。