日本語検定ってどんな資格?試験内容や合格率・日本語能力試験との違いまで解説!

「日本語検定ってどんな資格?」

「日本語検定の日程はどうなっている?」

日本語検定を受検される方なら上記のような疑問をお持ちではないでしょうか?

日本語検定は正しい日本語について学ぶ資格です。日本人を対象とした試験であって、留学生などを対象にした試験ではありません。

この記事では日本語検定について紹介します。試験の概要や出題範囲、結果の確認方法、試験日程、合格率と合格基準などを説明します。読み終えるころには日本語検定についての概要や試験情報が理解できているでしょう。

日本語検定についてざっくり説明すると

  • 試験日程は6月と11月に実施予定
  • 語彙や敬語など6つの領域から出題される
  • 小学生レベルから社会人レベルまで7段階に分かれている

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日本語検定って何?

クエスチョンマーク

日本語検定とは正しい日本語を使うための総合的な能力を測る試験です。試験の正式名称も日本語検定です。外国人向けの試験ではなく、日本語を母国語とする日本人も含めたすべての日本語利用者を対象としています。

出題範囲は漢字や文法、敬語など大きく6つの領域に分かれています。読解問題やグラフなども出題されるため、日本語の実践的な知識が求められます。

日本語検定を主催しているのは特定非営利活動法人の日本語検定委員会です。文部科学省や読売新聞、東京書籍などが協賛・後援しています。

小学生から大人まで幅広い世代を対象にしており、検定では1級から7級まで難易度も大きく広がっています。自分に適した難易度を選べることもあり、日本語検定は関連資格でもトップクラスの7万人以上が毎年受検しています。

日本人でも間違った日本語を話す人は多いものです。日本語検定は日本語を見直すきっかけになるでしょう。正しい日本語を身につけたい方にはおすすめの資格です。

日本語検定の主な試験情報

紙幣

試験日・試験地・試験時間

日本語検定は毎年6月と11月の2回実施されます。2020年は6月12日と13日という日程で実施予定でしたが、外出自粛の影響等で中止になりました。

試験会場は全国各地にあります。47都道府県で実施されているので最寄りの試験会場を選んで受検できます。

また、5人以上の場合は団体受検もできます。団体受検では学校や会社を準会場として指定して受検できるほか、本会場での受検とは異なる日程で受検できます。

試験時間は受検級によって異なります。以下の表を見てわかるように1級から3級までは60分、4級から7級では50分です。

時間
1級 60分
2級 60分
3級 60分
4級 50分
5級 50分
6級 50分
7級 50分

日本語検定の受検料と受検資格

日本語検定の受検料は以下の表の通りです。低い級では2000円前後、高い級でも5000円前後と比較的リーズナブルな価格で受検できます

受検料
1級 6,300円
2級 5,300円
3級 3,800円
4級 2,500円
5・6・7級 1,800円

また、団体受検での受検料は次のようになっています。

受検料
1級 5,900円
2級 4,900円
3級 3,500円
4級 2,100円
5級 1,700円
6級 1,700円
7級 1,700円

日本語検定には受検資格に制限がありません。年齢や性別、学歴を問わず誰でも好きな級を受検可能です。どの級から受検してもよいので、いきなり3級や2級を受検することもできます。

日本語検定の申し込み方法

日本語検定の申し込み方法は個人受検では大きく3種類あります。また、団体受検ではインターネット申し込みか書面での申し込みのどちらかです。

  • インターネット経由での申し込み
  • 書店などの店頭での申し込み
  • 郵送での申し込み

検定結果の確認方法

試験の結果は受検から35日程度で郵送されます。合格・不合格だけでなく、それぞれの分野での得点などが記載されたレポートも確認できます

自分の得意分野や不得意分野もわかるので合格・不合格に関わらず次回以降の受検に役立てることができます。

日本語検定は併願して受けることができる

日本語検定では試験時間帯が重なっていない場合に限っては併願できます。基本的に同時に2つの級が実施されます。同じ時間帯で実施される級は次の組み合わせです。

見てわかる通り、隣り合った級は同時には実施されません。そのため、隣り合った級で受検していれば問題はありません。

同じ時間帯で実施される級

  • 2級
  • 4級・6級
  • 1級・3級
  • 5級・7級

日本語検定の試験内容

日本語検定では敬語、文法、語彙(ごい)、言葉の意味、表記、漢字の6つの内容が実施されます。それぞれの分野の試験内容は以下の通りです。また、この他にもグラフや図、文法などの問題も出題されます。

科目 内容
敬語 場面に応じた尊敬語、謙譲語、丁寧語の使い分け
文法 単語や文節の理解
語彙 語彙の知識が豊富か、単語同士の関係を読み解く力
言葉の意味 言葉の意味を理解しているか
表記 送り仮名が正しいか、漢字を適切に使用出来ているか
漢字 漢字の送り仮名が正しいか、意味を理解しているか

日本語検定の難易度

表情

日本語検定の難易度一覧

日本語検定は3級が平均的なレベルとされています。各級の難易度は以下のようになっています。小学生程度の内容から始まるので、日本語を母語としていない人などでも受検できます。

レベル
1級 社会人上級レベル
2級 大学卒業レベル~社会人中級レベル
3級 高校卒業レベル~社会人基礎レベル
4級 中学校卒業レベル
5級 小学校卒業レベル
6級 小学校4年生レベル
7級 小学校2年生レベル

日本語検定の受検者数と合格率

日本語検定の受検者は毎回3万人から4万人ほどです。そして、その半数は3級を受検しています。次いで4級、5級、2級の受検者が多めです。

受検者のデータを見ると、受検者の80%以上が学生です。最も多いのは大学・高専生で全体の25~40%ほどを占めています。高校生は全体の30%です。社会人の割合はたったの10%程度で中学生とほぼ変わりません。

日本語検定の合格率は級によって大きく変わります。3級までは合格率も比較的高いのですが、2級と1級は大きく低下します。それぞれの級の2019年11月実施時の合格率を以下の表に示します。

なお、日本語検定では合格基準に届かなかった場合にも準認定という評価が行われることがあります。準認定とはその級に準ず成績のことです。

認定率 準認定率
1級 7.2% 26.3%
2級 7.9% 23.4%
3級 40.7% 25.3%
4級 72.9% 14.3%
5級 76.2% 8.8%
6級 77.0% 6.6%
7級 86.1% 7.5%

また、それぞれの合格基準は次のように決められています。試験の総合得点が総合得点率以上であることと、6つある領域のすべてで領域別得点率以上の得点を取得する必要があります。

総合得点率 領域別得点率
1級 80%程度以上 50%
準1級 70%程度以上 50%
2級 75%程度以上 50%
準2級 65%程度以上 50%
3級 70%程度以上 50%
準3級 60%程度以上 50%
4級 70%程度以上 50%
準4級 60%程度以上 50%
5級 70%程度以上 50%
準5級 60%程度以上 50%
6級 70%程度以上 50%
準6級 60%程度以上 50%
7級 70%程度以上 領域なし
準7級 60%程度以上 領域なし

日本語検定のおすすめテキスト・通信講座

本

日本語検定のおすすめ参考書

日本語検定では主催者公式のテキストや問題集、過去問が発売されています。級ごとに分かれているので、購入する際には自分が受検する級のものかどうか確認して購入しましょう。

以下では平均的な級である3級を例とって説明しますが、それぞれの級で販売されています。

まずテキストですが、日本語検定公式テキスト・例題集 「日本語」中級 増補改訂版を使用しましょう。

日本語検定委員会から公式として認められている唯一のテキストです。公式テキストだけあって、試験範囲の6つの領域をまんべんなく勉強することができます。価格は1100円です。

問題集は日本語検定公式練習問題集 3訂版 3級が990円で発売されています。こちらも公式の問題集で、テキストと対になっています。

要点を押さえた問題集なので効率は良いのですが、分量の少なさがやや欠点です。この問題集だけでは演習量がやや物足りないので、過去問も活用しましょう。

また、新聞や書籍で正しい日本語に触れることも重要です。

過去問は級ごと、年度ごとに販売されています。例えば日本語検定公式過去問題集3級: 平成30年度版のような形です。前年度の問題が2回分収録されているので直前対策に利用しましょう。価格は968円です。

日本語検定の効果的な学習法

まずはテキストをさっと読んで全体像をつかみましょう。最初は深入りしないで大まかな内容を確認するだけで十分です。細かい内容やわからなかった部分は二回目以降に読み込んでいきましょう。

テキストを読み終えたら問題集を解いていきます。間違えた箇所や迷った問題は随時テキストに戻って復習していきましょう。テキストと問題集の繰り返しが基本的な勉強法です。そのほか、新聞や書籍を読むのも効果的です。

通信講座はユーキャンがおすすめ

日本語検定を初めて受検される方や、独学で勉強するのが不安な場合はユーキャンの「日本語検定受検対策講座」を受講することをおすすめします。

ユーキャンの日本語検定受検対策講座は、検定委員会によって監修された初学者向けのわかりやすいカリキュラムを敷いており、イラストやキャラクターの豊富なテキストを使って勉強することができます。

また、添削指導や質問回答サービスなどのサポート体制も充実しているため、独学よりも効率の良い対策を積むことができるでしょう。

日本語検定の受検を検討されている方は、是非チェックしてみてください。

日本語検定を受けることで得られるメリット

飛び跳ねる女性

様々な場面で優遇が得られる

日本語検定に合格すると、様々な場面で優遇されます。とはいえ、基本的には日本語能力を高めるための趣味資格なので、メリットが大きいというほどではありません。あくまでも身につく日本語能力が一番のメリットと言えるでしょう。

日本語検定を取得していると、一部企業の就職活動がやや有利になります。評価されるのは基本的に3級以上、企業によっては1級のみが対象です。

公式webページによると、優遇されるのは主に出版業など言葉を操る仕事です。数は少ないながらも大企業も名を連ねています。

例えば、アサヒ飲料、NTTドコモ、東京ガス、三井住友海上火災保険などの会社が日本語検定を採用の際に考慮すると表明しています。

また、大学でも入学試験の際に優遇措置をとっていることがあります。詳細は大学や学部の入学案内を確認しましょう。また、日本語検定のパンフレットにも記載されています。

自信をもって日本語を話そう!

日本語検定の勉強をすると、正しい日本語を身に着けることができます。日本人であっても、間違った日本語を話している人は多いものです。

面接の受け答えやあいさつなど正しい日本語が必要な状況は多いので、この機会に身に着けておくとよいでしょう。恥をかく不安を和らげることができるので、自信をもって話すことができるようになります。

履歴書に書く時にはご注意を

上記のように日本語検定は就職・進学などで有利になります。しかし、履歴書に記載する際には書き方に注意が必要です。

日本語検定とは全く異なる資格に日本語能力試験(JLPT)という資格があります。これは留学生など日本語を母国語としていない人を対象としている試験です。

日本語能力検定などと書いてしまうと、この日本語能力試験と間違えられ、外国人と誤解されてしまうかもしれません。正式名称での記載を心がけましょう。

また、級によっては履歴書に書かない方が良いこともあります。公式webページでは何級からでも履歴書に記入しても良いと書かれています。しかし、上記のように企業から評価されるのは少なくとも3級、企業によっては1級です。

よって、準3級より下の級を記入しても大学進学や高卒以上での就職には評価されないことがあります。場合によっては3級程度の日本語能力がないとかえって悪い評価をされる可能性もあります。

日本語能力試験とは?

地図

先ほども紹介したように、日本語検定とは別に日本語能力試験という資格があります。日本語能力試験は英語名の「Japanese Language Proficiency Test」の頭文字をとってJLPTとも表記されます。

両者の最大の違いは想定している試験対象者です。ここまで紹介してきたように、日本語検定は日本人を対象としています。それに対し、日本語能力試験は日本語以外を母語としている人を対象とした試験です。

日本語能力試験は日本国内だけでない海外でも実施されています。試験日程は7月と12月の年2回です。試験はすべてマークシート式で実施され、各分野の点数と合計点数で評価されます。語彙や文法、読解だけでなく聴解も出題されます。

日本語に関する資格は他にもいくつかあります。日本語の能力を身に着けたい場合には自分に合ったものを選んで受検するとよいでしょう。

表彰制度が用意されている

ガッツポーズ

日本語検定では結果に応じた表彰制度が用意されています。成績優秀者や成績優秀団体は主催者や特別協賛・協賛・後援に当たっている各団体から表彰されます。

個人表彰には次の4つの賞が用意されています。「文部科学大臣賞」「日本語検定委員会賞」「読売新聞社賞」「時事通信社賞」があります。

文部科学大臣賞は1級から3級までの最高得点者、日本語検定委員会賞は1級の複数回認定者、読売新聞社賞は成績優秀者と最優秀者、時事通信社賞は最年少者と最年長者がそれぞれ対象です。

団体表彰は「文部科学大臣賞」「東京書籍賞」「全国高等学校国語教育研究連合会賞」「日本商工会議所会頭賞」の4つです。

文部科学大臣賞は総合的な成績が特に優秀な4団体、東京書籍賞は各分野の成績優秀団体、全国高等学校国語教育研究連合会賞は中高一貫校・高等学校部門の成績優秀団体、日本商工会議所会頭賞は大学や一般の成績優秀団体が対象です。

このほかに「日本語検定委員会特別賞」と「日本語検定委員会奨励賞」の二つが用意されています。個人と団体がそれぞれ表彰されます。

日本語検定についてまとめ

日本語検定についてまとめ

  • 級によって合格基準が変わる。
  • 進学や就職で優遇されることもある。
  • 日本語能力試験とは異なり、日本人を対象としている。

ここでは日本語検定について紹介しました。いかがでしたか?日本語検定は正しい日本語を扱う能力を測定する資格です。外国人向けの試験ではなく、日本人を主な対象とした試験です。

なお、日本語能力検定とは内容も日程も異なります。混同することの無いように注意しましょう。

試験日程は6月と11月です。また、団体受検では個人受検とは異なる会場と日程で受検できます。試験結果は受検からひと月ほどで届きます。

合格率は級によって大きく異なり、3級までは比較的簡単に合格できます。就職や進学でも優遇されることもあるため、正しい日本語を身に着けたい人には特におすすめの資格です。

比較的難易度の低い試験なので、誰でも合格できます。興味のある人はぜひ受検していましょう。必ずや正しい日本語を習得できるでしょう。

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