もしもし検定ってどんな資格?2級・3級の難易度や電話応対技能の生かし方まで解説!
更新
「もしもし検定とはどういった資格なの?」
「難易度や試験内容がわかれば受けてみようかな」
こんなお考えをお持ちの方もいるのではないでしょうか?
もしもし検定とはちょっと珍しい名前の資格ですね。耳慣れない資格は内容が未知数ですから、なかなか一歩が踏み出せないかもしれません。
そこでこの記事ではもしもし検定について、試験の難易度や合格ライン、資格の活かし方などを詳しくまとめました。
社会人の方には必須のスキルが身に付きますので、ぜひよく読んで参考にして下さいね!
もしもし検定についてざっくり説明すると
- もしもし検定はビジネスにおける電話スキルの検定である
- 難易度は級ごとに異なる
- 電話スキルだけでなくコミュニケーション能力をつけたい方にもおすすめ
- 他の資格と組み合わせることでキャリアアップにつながる
このページにはプロモーションが含まれています
もしもし検定ってどんな資格?
まずは「もしもし検定」がどのような資格なのかを解説します。
もしもし検定とは
もしもし検定は、ビジネスの電話スキルの検定です。電話を受ける時、かける時の所作や言葉遣いなど、ビジネスにおいての電話対応のエキスパートを養成することを目的として、2009年にスタートしました。
正式名称は「電話応対技能検定」と言います。「もしもし検定」は愛称ですが、公式でも使われている呼び名です。どちらでも通じますのでご安心ください。
もしもし検定の主催団体
もしもし検定は「公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会」の主催で行われている検定です。
「公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会」は、1976年(昭和51年)に設立されました。電気通信利用の実態調査やサービスの評価、普及、各種相談受付、教育などを目的に、財団法人として立ち上げられた非常に歴史のある団体です。
もしもし検定の難易度
もしもし検定はどれくらいの難易度なのでしょうか。各級ごとに解説していきましょう。
もしもし検定の試験範囲と出題形式
もしもし検定の級は、4級~1級の他に、指導者級(S級)も含め5ステップの構成になっています。
3級と4級は誰でも受けることができますが、2級以上は前の級に合格しなければ次に進むことはできません。
4級の内容
もしもし検定4級は、四肢択一式で、20問が出題されます。試験時間は40分です。
もしもし検定の中でも一番の初級である4級は、筆記のみの試験内容です。試験範囲は次の3級と同じですが、3級は筆記に加えて実技や講習があります。
3級の内容
もしもし検定3級は、筆記試験と実技試験の他、講習も受ける必要があります。
試験内容は、3分間の実技(ロールプレイ)、筆記試験は四肢択一式で20問、試験時間は40分です。
講習の内容は以下のようになっています。
講習の項目 | 時間 |
---|---|
教養ある社会人として欠かせない人格的マナー | 2時間以上 |
話し言葉、聴くこと、話すこと、気遣うこと | 2時間以上 |
敬語と言葉遣いの基本 | 2時間以上 |
発声、発音の基本 | 1時間以上 |
電話と対面コミュニケーションの違い | 1時間以上 |
様々なコミュニケーションツールと電話メディアの特徴 | 1時間以上 |
個人情報保護法の概要 | 1時間以上 |
電話応対の基礎 | 2時間以上 |
電話の受け方、かけ方、取り次ぎ、伝言 | 3時間以上 |
2級の内容
もしもし検定2級も、講習と試験を受けることが合格の条件です。
実技(ロールプレイ)は3分間、筆記試験は四肢択一式が20問、記述式が1問出題され、試験時間は60分です。
講習の内容は以下の通りです。
講習の項目 | 時間 |
---|---|
電話応対の応用 | 5時間以上 |
伝え方、聴き方の基本 | 2時間以上 |
日本語の特徴 | 1時間半以上 |
電話応対のメディエーションの基礎 | 1時間半以上 |
電話応対のアサーションの基礎 | 1時間半以上 |
電話応対のカウンセリングの基礎 | 2時間以上 |
個人情報保護法(応対者事例によるグループワークです) | 1時間半以上 |
1級の内容
1級も講習と試験をセットで受ける必要があります。実技は3級、2級と同じく3分間のロールプレイ、筆記試験は四肢択一式が20問と、論述式が1問、記述式が1問出題されます。試験時間は90分です。
講習の内容は以下のようになっています。
講習の項目 | 時間 |
---|---|
クレーム電話応対 | 5時間以上 |
クレーム、紛争に関する法的知識 | 1時間以上 |
伝え方と聴き方の応用 | 4時間以上 |
電話応対・メディエーションの応用 | 1時間半以上 |
電話応対・アサーションの応用 | 1時間半以上 |
電話応対・カウンセリングの応用 | 2時間以上 |
免除規定がある
もしもし検定の4級に合格しますと、合格から2年以内であれば3級受験時に「3級受験に必要な基本研修の一部」、および「3級の筆記試験」が免除されます。
つまり3級では実技と追加の講習を受けるだけで済みますので、少し負担が軽くなります。4級に合格している方はぜひ2年以内に3級を受けるようにしましょう。
レベルごとの解説
もしもし検定が級ごとにどういったレベル分けになっているかを解説します。
- 4 級(入門級)
もしもし検定4級は、もしもし検定の入門編と言える級です。
ビジネス電話に必要なコミュニケーション能力において、一番の基本となる知識が求められます。目安としては新入社員や入社前の学生レベルです。
4級に合格しますと3級を受ける際には筆記試験や研修の一部が免除され、「基本研修の一部と電話の研修を7時間以上」と、「実技試験」のみで受験できます。
- 3級
もしもし検定3級は、ビジネスにおいて電話を行うためのコミュニケーションの基礎能力が求められます。
こちらも3級と同じく新入社員や入社前の学生レベルですが、実技や講習が加わる分4級よりも若干レベルが上がります。
4級と3級は年齢や学歴に関係なく誰でも受験することができますが、2級以降は前の級に合格しなければ次を受けることができません。
- 2級(中級)
もしもし検定2級は、3級に合格した方のみ受けることができます。
ビジネス電話を行うためのコミュニケーションスキルをテストするのは3級までと同様ですが、2級では「応用能力」が求められます。「入社3年から5年の社員で、将来指導者となる方」を対象とした試験です。
2級に合格しますと、1級の受験資格を得ることができます。
- 1級
もしもし検定1級は、ビジネス電話を行うための「社内の指導者」として高度な実践能力や指導能力が求められます。
対象となる方は「社内指導をきちんと行いたいと思う、指導的立場の方」です。これまでとは一線を画して、高い電話スキルが求められると思ってください。
1級に合格しますと、最上級である「指導者級(S級)」を受けることができます。
- 指導者級(S級)
もしもし検定「指導者級」は、もしもし検定検定の中で一番高いレベルの資格です。
試験においては電話応対に関する高度な知識や技能を求められます。また「もしもし検定」の指導官や試験官などは「指導者級」の合格者から選定されます。
社内において電話スキルの指導を行う方で、なおかつ社外の指導的立場も担う方が対象となります。
もしもし検定の合格率、合格ライン
もしもし検定は全ての級に共通して、実技試験・筆記試験両方とも7割以上の得点率が合格ラインです。
(4級は筆記試験のみ)
なお、2009年1月~2020年3月までの受験者数と合格者数、合格率は以下のようになっています。
級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
4級 | 39084 | 25206 | 64% |
3級 | 24006 | 18737 | 78% |
2級 | 10237 | 5444 | 53% |
1級 | 2398 | 1006 | 42% |
上記の表を見ますと、もしもし検定の難易度は4級~2級は半数以上が合格しているため比較的簡単と言えます。
ただ1級は4割ほどしか合格していませんし、合格率は公開されていませんが指導者級はさらにハイレベルです。この二つの級は若干難しいと言えるでしょう。
もしもし検定を取ることをおすすめする人
もしもし検定を受験すべき人は以下のような方々です。
- コールセンターやカスタマーセンターなど電話対応が必要な職業についている方
- 秘書検定などとダブルライセンスで就職に生かしたい方
- 社内研修や社外研修などにおいて、電話応対の教育を担当される方
つまりビジネス全般において電話を多く使う方には非常におすすめできる資格と言えます。
もしもし検定の勉強法
もしもし検定を受ける際は、どのような勉強をすれば良いのでしょうか。
独学の可否やおすすめのテキストなども詳しくご紹介いたします。
もしもし検定の勉強法は?独学は可能?
もしもし検定を受ける方の多くは、講座を受けながら公式のDVDや問題集を併用して勉強しています。
もしもし検定の問題集は内容がかなり充実していますので、しっかりやり込んでいけば決して難しい内容ではありません。筆記試験対策は独学でも十分可能と言えるでしょう。
もしもし検定の筆記試験対策のテキストや問題集は次の項目でご紹介いたしますので、参考にしてください。
おすすめテキスト・問題集
もしもし検定の試験対策には、以下の問題集がおすすめです。
-
「電話応対技能検定(もしもし検定)3・4級公式問題集」(日本電信電話ユーザ協会)
-
「電話応対技能検定(もしもし検定)1・2級公式問題集」(日本電信電話ユーザ協会)
上記は2冊とも、もしもし検定の公式が出版している参考書です。DVDもありますのでそちらもぜひ活用してください。
なお価格は、「3・4級」は冊子版が1,760円、電子書籍(Kindle)が1,672円です。「1・2級」は冊子版が売り切れていますが、電子書籍版を2,613円で購入することができます。
過去問は存在する
もしもし検定の過去問は、 もしもし検定を主催している「公益財団法人 日本電信電話ユーザ協会」の公式ホームページ上で閲覧することができます。
ただ、こちらで公開されている問題数はあまり多くありません。しっかり対策を行うためには公式問題集を購入の上、ご自身で勉強していったほうが良いでしょう。
もしもし検定の取得をするメリット
電話スキルは誰もがある程度持っているものですよね。
なのにわざわざ「もしもし検定」という形で資格を取得する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
もしもし検定を取ることで電話応対が得意になる
もしもし検定は名前の通り「電話のかけ方」「電話の受け答え」に関する資格です。
もしもし検定を取得すれば会社員の必須スキルである電話応答スキルが身に付きます。コールセンターのように電話を多用する業種の方はもちろんですが、それ以外のあらゆる業種でも電話応対の場面はありますよね。
電話応対に苦手意識がある方はぜひ、もしもし検定を受けてスキルを磨いておきましょう。
もしもし検定の取得で自信がつく
電話のスキルを獲得するということは「コミュニケーションの基礎」を身に付けることでもあります。
コミュニケーションの基本が身に付けば、非対面である電話での会話はもちろんのこと、対面でのコミュニケーション能力にも自信がつくことは間違いありません。
電話スキルを磨く目的ではなく、コミュニケーション能力に自信がない方にも、もしもし検定はおすすめです。
顧客との応対で正しい日本語を使える様になる
近年は「若者が正しい日本語が話せない」と言われています。実際、目上の方と会う時に正しい日本語が話せずに失礼になってしまう場面、テレビ等でもよくネタになっていますよね。
若い方に限らず、日本語を間違って覚えている方は案外多いものです。
もしもし検定では正しい日本語を習得することができますので、顧客との応対で相手に失礼のない話し方が身に付きます。若者だけでなく全ての方に、もしもし検定はおすすめですよ。
もしもし検定の試験日程・会場・申し込み方法
もしもし検定の試験日程や申し込み方法をご紹介いたします。
よくご確認頂き、お申し込みの際には間違いのないようにしてくださいね。
もしもし検定の基本情報
もしもし検定は毎月1回ずつ、第1水曜日の13:00ごろから実施されています。
開場は全国各地に設定されていますので、お近くの会場を選んで受験して下さい。
なお、もしもし検定の実施は全国各地の色々な機関が分担して行っています。検定の実施機関によっては講習の料金や合格率に若干違いがありますので、この点は注意してください。
もしもし検定に受験資格はある?
もしもし検定は、3級と4級に関しては年齢や学歴に関係なく誰でも受験することができます。
3級と4級は試験範囲が同じですので、初心者の方は4級、電話応対に少し自信がある方は3級から受けると良いでしょう。
2級以降は「前の級」に合格した方のみ受けることができます。つまり2級は「3級合格者」、1級は「2級合格者」が受験可能です。
なお2級については3級合格者以外に、「実務経験者」も受験することができます。ただしこの場合でも3級の「基本講習10時間」の受講は必要ですのでご留意ください。
もしもし検定の受験料
もしもし検定の受験料は以下のようになっています。
級 | 受験料 |
---|---|
指導者級 | 10,000円 |
1級 | 7,000円 |
2級 | 6,000円 |
3級 | 5,000円 |
4級 | 1,000円 |
また、3級以上を受験する時は講習の料金が別途必要です。
級 | 講習料金 |
---|---|
指導者級 | 220,000円 |
1級 | 約55,000円 |
2級 | 約45,000円 |
3級 | 約40,000円 |
「約55,000円」のように表記しているのは、実施機関によって料金に違いがあるからです。そこまで大きな差はありませんが、上記は大体の目安だということを前提に、参考にしてください。
もしもし検定と合わせて取りたいおすすめ資格
もしもし検定は電話でのコミュニケーション能力に関する検定ですが、他の資格と合わせて持っておくと、よりスキルアップにつながります。
ここではもしもし検定と合わせて取りたい資格の中から、特におすすめのものをご紹介いたします。
コミュニケーション検定
コミュニケーション検定は、サーティファイコミュニケーション能力認定委員会が主催している検定です。
受験級は「初級」「上級」の2つです。初級は話す・聞くのコミュニケーションをはじめ、就職における面接やアルバイト先などで自分の考えを正しく伝える能力をテストします。
上級は初級の能力に加え、職場や公共の場での正しい主張の方法や伝達能力も求められます。
合格率は初級、上級ともに85%とかなり受かりやすい検定です。もしもし検定と一緒に持っておくと、電話スキル・電話以外の場面での会話能力ともに身に付けている証明になりますので、ビジネスの現場でより役に立つことは間違いありません。
サーティファイコミュニケーション能力認定委員会の他の資格
コミュニケーション検定を主催しているサーティファイコミュニケーション能力認定委員会では、他にも「ホテル実務技能認定試験」「営業力強化検定」など26種類もの検定を行っています。
どれもビジネスでのスキルアップに必須の能力ですから、興味がある検定があればぜひ取得しておきましょう。
ビジネス実務マナー検定
ビジネス実務マナー検定は、公益財団法人 実務技能検定協会が主催している検定です。
ビジネスにおいての判断や行動を正しくできるかどうか、人間関係、マナー、話し方など、ビジネスのあらゆる面で必要な資質が問われる検定試験になっています。
1~3級に分かれており、2級と3級は筆記試験のみ、1級は筆記試験に加えて面接もあります。合格率は2級、3級は6割前後、1級は4割程度となっています。そこまで難しい試験ではありませんが、ある程度難易度は高いと言えるでしょう。
実務技能検定協会にも電話検定がある
ビジネス実務マナー検定を主催している実務技能検定協会にも、もしもし検定と似た資格である「ビジネス電話検定」があります。
こちらもビジネスでの電話スキルを測る資格ですので、よりスキルアップを目指したい方は受けてみてください。
秘書検定
秘書検定は、正式名称を「秘書技能検定試験」といいます。先ほどご紹介したビジネス実務マナー検定度同じく、公益財団法人 実務技能検定協会が主催しています。
秘書に一番求められるのは、人柄の良さです。表情や態度、振る舞い、言葉遣いなどにおいて、相手に良い印象を与えられるかどうかを秘書検定ではテストします。
他にもビジネスにおける基本的な常識、秘書として上司をどうサポートするかなど、秘書というポジションに必要なスキルを身に付けたいなら秘書検定を受けることをおすすめします。
難易度は?
秘書検定は1級~3級(準1級含む)まで4段階に分かれており、準1級~3級は概ね4割~5割程度の合格率です。1級は25%前後しか合格していないというデータがありますので、1級はかなり難しい資格だと思ってください。
ただ、基本的なビジネススキルを問う内容ですからしっかり対策をすれば合格への道が見えてきます。通信講座などを利用して勉強すると良いでしょう。
もしもし検定まとめ
もしもし検定まとめ
- もしもし検定はビジネスにおける電話スキルを身に付けるための資格である
- 4級は筆記試験のみだが3級以上は講習を受ける必要がある
- 合格率は最も難しい1級でも4割程度
- 他にもビジネススキル系の資格があるので合わせて取得すべし
電話スキルは社会人であればどなたにでも必要です。もしもし検定を取得しておけば電話応対が正しくできることの証明になりますから、ぜひ早めに受けておきましょう!
しっかりとした電話スキルを身に付けて、さらなるキャリアアップを目指していってくださいね。