コミュニケーション検定って何?試験内容や役立つ場面まで徹底解説!
日常生活をはじめとした様々な場面において、コミュニケーションは大切な要素です。コミュニケーションの方法一つで、人間関係のトラブルが起きることもあります。
できればコミュニケーション能力を上達させて、仕事やプライベートで活かせるようになることが理想的です。
そのための客観的判断ができる資格として「コミュニケーション検定」という資格試験が設けられています。今回はコミュニケーション検定についての詳細についてご紹介します。
コミュニケーション検定についてざっくり説明すると
- ビジネスシーンで使えるコミュニケーション力を判断する資格
- 上級と初級の2つのグレードがある
- 合格率は85%とかなり高い確率
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コミュニケーション検定とは
コミュニケーション検定という資格があることをご存知でしょうか?これは旧称では「日本語コミュニケーション能力認定試験」と呼んでいました。「サーティファイコミュニケーション能力認定委員会」によって主催されている民間資格の一つです。
ビジネスシーンを代表とした色々なシーンにて、対面する相手の立場を汲みながら行動することが求められるでしょう。
そのような場面で、自分が伝えたい意志を適切に表現できるスキル、効果的に伝えられるテクニックが問われている資格試験です。
「社会人になる前に、コミュニケーション能力を磨きたい」
「コミュニケーションに自信がない」
このように考える就活生や、コミュニケーションで悩んでいる社会人の方も多いのではないでしょうか?
コミュニケーション検定では、日常生活に必要なスキルから職場や会社で求められる実践的な知識までを身に着けることができます。
自分を取り巻いている周囲の人々との円滑な関係性を保つためにも、コミュニケーション力を高める努力をしておくことが大切です。
コミュニケーション検定の基本情報
コミュニケーション検定とは、仕事などでの会議や顧客との打ち合わせなどをメインに、ビジネスシーンで求められる日本語能力、または主旨を的確に伝えて運用できる能力を審査する資格です。
では、コミュニケーション検定の実施概要、および基本的なインフォメーションを見てまいりましょう。
試験日・試験地
コミュニケーション検定は、毎年2回実施が予定がされています。初級と上級で日程が異なります。初級は、2023年7月16日(日)(第38回)と2024年2月11日(日)(第39回)に受検が予定されています。上級は、2020年7月2日(日)(第38回)と2021年2月4日(日)(第39回)に受検が予定されています。
申し込み期限は、試験日の翌日からスタートして約1か月前まで受付をしています。
初級に関して、第31回の場合は、2023年2月13日~7月9日までに、第32回の場合は、2023年7月17日~2024年2月4日までに手続きが必要です。上級に関して、第31回の場合は、2023年2月6日~6月18日までに、第32回の場合は、2023年7月3日~2024年1月21日までに手続きが必要です。試験はリモートWeb テストによる在宅・在社受験にて行われます。
受験料・受検資格・受験者数
コミュニケーション検定の過去累計受験者数は約100,000人超えとされています。この資格は、上級と初級の2通りのグレードに分かれます。各グレードにより受験料も変わってきます。
上級を受験する場合の受験料は4700円、初級の場合は2800円となります。また、コミュニケーション検定の受験者資格に関しては全く制限がなく、年齢や性別、その他の資格を問わず誰でも受検することが可能です。
合否の発表は?
コミュニケーション検定を受験した後の合格発表は、約1か月後に合否に関する通知が送付されるようになっています。
もし合格をした場合には、事務局から認定証も送付されることになっています。認定証は検定合格の証明になりますので大切に保管しておきましょう。
コミュニケーション検定の試験内容
コミュニケーション検定は、ビジネスシーンにてどのくらいの日本語力と対応力があるかを判断する資格ですが、その具体的な基準はやはり知っておきたい点です。
試験に出題される内容や範囲、合格率や合格ラインなどをあらかじめ知ってから準備することで、合格を獲得する道筋にもなります。では具体的な試験内容や、その出題傾向を見ていきましょう。
試験内容
コミュニケーション検定の試験内容については、上級と初級の各グレードによって若干の違いがあります。
上級の場合、知識試験としてコミュニケーションにとって必要とされる知識が理解されているのかを判断し、面接試験の際には、自己アピールが行われ、その題材についての質疑応答をするという流れです。
また初級の場合、知識試験のみが行われています。そこでは、コミュニケーションに関する基本的事項が確認されます。
試験時間・出題形式
コミュニケーション検定の試験時間や出題形式は、上級と初級とで違いがあります。上級での知識試験の時間は40問60分、それに面接試験が1人につき約3分くらいあります。初級の知識試験の時間は30問50分です。
出題形式に関して上級試験の場合、知識問題は「コミュニケーション・セオリー(理論)」として、適切なコミュニケーションを考える、目的に即して聴く、傾聴・質問する、目的を意識する、話を組み立てる、言葉を選び抜く、表現・伝達するという7つが問われます。
他にも「コミュニケーション・プラクティス(実践)」として、来客応対、電話応対、アポイントメント・訪問・挨拶、情報共有の重要性、チーム・コミュニケーション、接客・営業、クレーム対応、会議・取材・ヒアリング、面接、プレゼンテーションといった10個の項目が問われます。
上級の面接試験では、2つの項目が問われ、2つが30秒の自己紹介です。その際は、事前に「長所、短所、趣味、夢、信条、価値観」といった選択肢から自由に選んでスピーチできます。
もう1つは 状況対応に関することで60秒です。面接直前に提示される複数題材から選択し、その場で対応する能力が問われます。
初級の知識問題の場合も「コミュニケーション・セオリー(理論)」として、コミュニケーションを考える、目的に即して聴く、傾聴・質問する、目的を意識する、話を組み立てる、ことばを選び抜く、表現・伝達するという7つが問われます。
また初級の「コミュニケーション・プラクティス(実践)」でも、来客応対、電話応対、アポイントメント・訪問・挨拶、情報共有の重要性、チーム・コミュニケーション、接客・営業、クレーム対応、会議・取材・ヒアリング、面接といった9個の内容が問われます。
合格ラインは65%以上の得点率
コミュニケーション検定の試験は、どの程度の得点率が合格ラインになるのでしょうか?これは上級も初級も平均すると、約65%くらいだとされています。
上級の場合は、知識試験にて65%以上の得点率と面接試験での評価が5段階で3以上であることが望ましいとされています。また、もし面接試験が最高評価5を取れた場合は、知識試験が55%以上の得点率で合格と見なされます。
合格のポイントとしては、言語化はもちろんのこと非言語でのコミュニケーションができることを評価する動きがあります。自分の意見を整理しながら的確に伝えられる能力を持った人物が評価されます。
初級の場合も、知識試験で65%以上の得点率が望ましいとされています。合格のポイントとしては、話すことと聞くことを同時にこなせる能力を持っていることと、 就活などの面接の現場にて、第三者に意思を的確に伝えられるかが問われます。
合格率は85%と難易度は低い
コミュニケーション検定の各級の平均合格率は、どちらのグレードも約85%となっています。10人受けたら8人〜9人は受かってしまうような試験です。
各種ある資格試験の中でも、コミュニケーション検定の受験の難易度は、比較的に高くはなくある程度の合格率が期待できます。事前にしっかりと準備をして臨むことが大切です。
将来にどう役立つ?
コミュニケーション検定の資格を取得することで、どのようなメリットが得やすくなるのでしょうか?ここでは、コミュニケーション検定の資格を得ると、将来的にどう役立っていくのかをいくつかご紹介します。
ビジネスシーンに役立つ
コミュニケーション能力が必要な仕事は意外と多く、あらゆるビジネスシーンでも応用できます。コミュニケーション検定の資格を取得すること自体は、今の現状ではさほど影響があるものではありません。
しかしある一定基準のレベルでビジネスシーンにおいてのコミュニケーションができる人材だという証明にはなります。
学んできたスキルは、上司や取引先の顧客との円滑なコミュニケーションにも役立つため、自然と職場での信頼や期待が得やすくなる利点が生まれます。
また、コミュニケーション能力が優れている人がいれば、チーム内で協力する際や意思決定する際により多様な視点を取り入れることができます。
就職・転職に役立つ
コミュニケーション検定そのものは民間資格でもあることから、独立した効果が期待できる資格というわけではありません。
この資格があるから必ず有利な仕事に就ける、あるいは就活が約束されているとまでは言い切れません。ただし所持していることがマイナス面になることは一切なく、むしろ実践的なスキルを備えている人物としての証明になります。
職種にもよりますが、特に営業職や受付業務など接客が多い仕事では高い評価をしてくれます。また近年では、コミュニケーション検定の資格所有者を評価する企業も出てきています。
ちなみに、日本経済団体連合会が毎年行なう「新卒採用に関するアンケート」調査によれば、企業が採用選考する際に重視している能力として、16年連続でコミュニケーション能力がトップに挙がっています。
面接に強くなる
コミュニケーション検定を受験しようと志し、そのための学習もしていった経験が、その後に面接などを受ける際にとても役立ちます。
それは、コミュニケーションを体系的に学んだ証拠として、話す力だけに限らず、聞く力や表情、態度といった要素が総合的に発揮できるからです。
自分の考えやアイデアを相手にわかりやすく伝えるとともに、自信を持って自己アピールすることができます。
コミュニケーションが得意になり、何かの面接の時には、面接官へ好印象を残すことができます。
勉強法・テキスト参考書
コミュニケーション検定を受験するにあたって、どのような勉強をしたらよいのでしょうか?まず最初に取り組むべきことはテキスト選びです。
コミュニケーション検定には、各級ごとに公式テキストが市販されています。それぞれ「初級公式ガイドブック&問題集」が1870円(税込み)、「上級公式ガイドブック&問題集」が1950円(税込み)で販売されています。
内容は、出題範囲についての基本ポイントの説明から入り、チェック問題、練習問題、模擬問題1パターン、過去問題3パターンが掲載されています。
他にも「全商ビジネスコミュニケーション検定テキスト令和2年度版」が605円(税込み)で市販されていて、ビジネスコミュニケーションの実践的な内容が学べる内容です。
必要な勉強時間は約20時間?
コミュニケーション能力の資格取得に向けた学習時間は、あくまでも目安として上級なら20時間(あくまでも初級取得後)、初級なら16時間が平均だとされています。
ただしこれも個人差がありますので、正直そこまで勉強を要する必要がない場合もありますし、多少時間をかけて学習する方もおられます。
自分に必要な学習時間をしっかりと見極めておきましょう。
スクールという選択肢も
コミュニケーション検定の学習をするにあたって、スクールに通うという選択肢もあります。その際は「日本コミュニケーション能力認定協会」にて設けられているカリキュラムが適しているのでおすすめです。
特に対面で直接の指導があることが大きく、試験対策に限らず仕事やプライベートでのコミュニケーション能力の基本が学べます。
ただし、ここでの内容そのものが検定に直結しているわけではありません。出題傾向を研究したカリキュラムというよりも、コミュニケーションの全体像をマスターするのに適しているということです。
コミュニケーション検定についてまとめ
コミュニケーション検定についてまとめ
- 初級を取得してから上級を受験することが望ましい
- 上級はテキスト中心ながらも面接での実践力が問われる
- 就職や日常生活で活かされる資格
コミュニケーション検定とは、ビジネスシーンを代表するコミュニケーションに関する基本的知識を得ることと、さまざまな場面に応じながら状況判断をして対応力を身につけるための、客観的な測定をするための資格試験です。
出題する傾向や範囲は決まっていますが、コミュニケーション能力そのものは社会生活において重要な基本スキルであることは言うまでもありません。
仕事が成功するか否かも、コミュニケーションの力は大きいでしょう。自分のコミュニケーション能力を確かめる意味でも、あるいは向上させる意味でも、この資格の受験をしてみてはいかがでしょうか?