電子ファイリング検定ってどんな資格?合格率や過去問・電子化の意味まで全て解説!

さまざまなオフィスにてドキュメントが取り交わされている現状です。今までは紙媒体による書類が大半を占めていましたが、そこにWEB上でのファイルやドキュメントもプラスされるような時代です。

そこで誕生したのが「電子ファイリング検定」という資格試験です。今回は電子ファイリング検定の内容をお送りする特集です。

電子ファイリング検定についてざっくり説明すると

  • 電子データを取り扱う専門家を見出す資格
  • A級とB級のグレードで難易度が違う
  • A級はeラーニングとの併用が合格のポイント

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電子ファイリング検定ってどんな資格?

パソコンの画像 電子ファイリング検定という資格があるのをご存知でしょうか?きっと、耳にすることが少ないため初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか?

現在の一般的なオフィスの状況では、既存の紙媒体だけではなく、WEB上でも処理されているファイルなども多く活躍しているはずです。それらも含めた管理や取り扱いに卓越した資格を認定しているのが電子ファイリング検定です。

電子ファイリング検定とは

電子ファイリング検定とは、インターネット上などでイメージファイルやHTMLで記述されている情報や、XMLやPDFといった形態の電子データについて、どのように管理をし適切に使えるかというスキルを測る資格です。

電子ファイリング検定にて資格認定する基準は、ペーパーレス志向による電子データのライフサイクル管理を主眼にしています。さらにはパソコンやインターネットでのセキュリティにも関わり、オフィスでの情報技術全般をカバーした内容です。

電子ファイリング検定は平成10年からスタートしているため、そこそこ回数も開催されています。毎年2回のペースで、一般社団法人「日本経営協会」によって主催されています。

電子ファイリング検定の主催団体

電子ファイリング検定を主催する一般社団法人日本経営協会本会は、昭和24年(1949年)に「日本事務能率協会」という名称で創立され、現在の経済産業省により認可されています。

経営の近代化と効率化をテーマにし、経営およびオフィス・マネジメントの革新、社会資産の創出、新しい価値創造の推進によって、経済の発展と豊かな社会を実現させることをビジョンとしています。

そもそも電子ファイル・電子化とは

そもそも電子ファイルとは何でしょうか?この定義が理解できていないと資格所有できません。電子ファイルとは、文書情報について電子的な形式で保存できる大容量記憶システムのことを指します。

もっと簡単に言ってしまえば、紙状の書類ではなく、無形のウェブ上にて書類管理できるものを言います。

具体的には、各種オフィスでも恒常化しているイメージファイルや、HTMLにて記述されている情報といった、多様で膨大な電子データ全般です。

もはやペーパーレスの時代です。紙の情報から電子ファイルに置き換えて電子化を推進する企業のほうが圧倒的に多くなっています。そのため、電子ファイルに関する正しい認識と知識を持った人材も求められつつあります。

電子ファイリング検定の難易度

机の画像 電子ファイルの需要が高まり日常化している現代です。ますます電子ファイルの取り扱いについての専門的知識も要求されていきます。

そこで登場した電子ファイル検定は、どのくらいの合格難易度なのでしょうか?ここではさらに、電子ファイル検定の詳細を追いながら、試験の出題範囲やレベルなどについてご紹介します。

電子ファイリング検定の試験範囲と出題形式

電子ファイル検定のグレードは、A級とB級の2種類があります。各グレードにより若干の試験様式に違いがあります。

A級の場合、試験時間90分で、ITでネットワーク化されて、コンピューターで試験を実施するCBT試験方式がほとんどで、多少の文字入力もあります。

合格基準は70%以上の正答が要求されます。B級試験の場合もほぼ一緒ですが、試験時間は60分となっています。

レベルごとの解説

電子ファイル検定の各グレードごとに、その出題範囲や形式を見てまいりましょう。

まずA級の場合、組織内での電子ファイリングシステムの企画、立案、導入、推進に関する管理と実務指導に至るレベルの知識や技能を有することが条件です。

出題範囲としては、トータルファイリングシステムの概念、イメージファイル、拡張子、SGML、HTML、XML等の記述や電子化文書の知識、インターネットの基礎知識などの全般にかかわります。

他にも電子政府、電子商取引の動向、国際標準化動向、電子公文書作成の実務知識、IT関連法規、文書の電子保存関連法規、ネットワークセキュリティの知識、暗号化と公開鍵認証基盤に関する実務知識などあげられます。

B級の場合、電子化文書の実務知識を備えた上で、電子ファイリングシステムの企画や導入、推進をリードできる人材であることが条件です。

出題範囲は、トータルファイリングシステムの概念、オフィス文書管理の基礎知識、イメージファイル、拡張子、SGMLやHTML、XMLなどの知識、電子化文書の実務知識、インターネットおよびグループウエアの基礎知識が中心です。

その他には電子化文書の国際標準に関する基礎知識、文書の電子保存関連法規の基礎知識、セキュリティと認証に関する基礎知識、日本語コードとブラウザの基礎知識などに至っています。

電子ファイリング検定の合格率、合格ライン

電子ファイリング検定を受験した場合の合格ラインはどのくらいなのでしょうか?

まず概ねでの正答率は70%と見なせます。A級の場合の合格率は全体の25%、B級で55%となっています。

特にA級については、やや難易度が高いことが言えます。他にあるビジネス資格と比べても、合格率が低いという現状です。

なぜなら、コンピューターの専門知識についての出題も多く、実務経験者向けな内容だからです。

もし未経験者でA級を受験するのであれば、講座やスクールを利用した準備も検討する必要があります。それに、学生が独学で合格するのは意外と厳しいようです。

一方、電子ファイリング検定B級の難易度については、市販されている公式テキストを理解することによって90点くらいは獲得が可能です。

企業による団体受験やスキルアップを狙う社会人の方々が多く受験しています。

まずはB級の対策を練ってからステップアップするとよいでしょう。平均勉強時間は、1ヶ月程度の方が多く見受けられます。

電子ファイリング検定を取ることをおすすめする人

もし可能であれば、電子ファイリング検定を取得しておくとよいタイプとしては、やはりオフィス業務にかかわることが恒常的、あるいは目指している方が理想です。

具体的には「将来的なスキルを身につけておきたい学生」「職場でファイリングシステムを実務にしている方」「ファイリング・デザイナー検定の受験も考えている方」などがあげられます。

ちなみにファイリング・デザイナー検定とは、オフィス文書の発生から廃棄に至る流れで、ライフサイクル全般を管理する人材育成が目的の試験です。この資格とダブルライセンスにするという方が増えています。

電子ファイリング検定の勉強法

勉強中の画像 電子ファイル検定はA級とB級の両方ともマークシートによる試験が中心です。ただしA級は記述式も加わります。

そのため、一定の対策を練って準備しておくことで、合格に達する可能性も高まります。では電子ファイリング検定の受験準備、勉強方法はどのように行えばよいのでしょうか?

電子ファイリング検定の勉強法は?独学は可能?

電子ファイリング検定の取得を目指す場合、最も適した勉強法は公式テキストを使って何度も刷り込み式に学習を重ねることにあります。特にB級を受験するのであれば、それで十分だといえます。

問題はA級受験する場合です。やはり実務経験がある方は有利に働きます。実務経験者クラスならば基礎的内容として受け取れるはずです。

未経験からいきなりA級を独学で受験するのは、かなりハードルが高いと覚悟しておく必要があります。

また電子ファイリング検定のB級もA級も、合格対策講座である「eラーニングポータルサイト」があり利用することをおすすめします。

いづれも公式テキストに沿った365日パックになっていて、B級合格対策講では2時間5,000円、A級合格対策講座で2時間6,000円となっています。

おすすめテキスト・問題集

電子ファイリング検定を受験する場合、独学で勉強する時のテキストとしては、「電子ファイリング検定 B級用」「電子ファイリング検定 A級用」の2つがあります。

B級に関しては、基礎的な要素が網羅され、一般的な企業に勤める社会人なら大部分は理解できるレベルで構成されています。

A級取得を目標にしている方にとっては、ほぼ理解してて当然な内容なので、あまり必要性はないかもしれません。

一方、A級テキストの場合は、経営と情報管理、卜一夕ル・ファイリングシステムについての専門性が問われています。

電子ファイリング検定の過去問はない

電子ファイリング検定はまだ制定されてから歴史が浅いこともあり、今までの試験出題に関わる過去問題集が発売されていません

今の段階では、過去問での傾向や対策を練るのが難しいとも言えます。

まずは指定の公式テキスト巻末にある参考問題を例題にしながら過去問のつもりで取り組み、徐々に理解を深める学習を進めることがポイントです。

いずれ回数を重ねていくことで、過去問題集も発売されると予想されますが、まずB級受験者は、公式テキストを徹底的にマスターし、A級受験者はテキストと実務とを比較しつつ、オンライン学習も併せることをおすすめします。

電子ファイリング検定の勉強をするメリット

はてなマークの画像 電子ファイリング検定は、オフィス内での文書管理、ファイリングについての専門性が問われる資格です。

その特性を考えると、この資格を取得することのメリットはどのようなタイプの人々に有効的なのでしょうか?

ここでは、電子ファイリング検定取得によるメリットについて触れていきましょう。

電子ファイリング検定を取ることでスキルアップに

あらゆる企業内において、必ずトータル・ファイリングシステムというのは効率よく行えることが望ましいと考えられているはずです。

ファイリングの実務知識があると、どの業種・業界のビジネスにも通用するといえます。

どうしても縁の下の仕事という印象なので軽視されがちですが、必ずなくてはならない分野だといえます。

また、簿記などの他の資格と併合して取得していれば高く評価されますし、取得を目指し手学習すること自体は、スキルアップにも繋がります。

一般企業内にて、重宝されていく資格に成長するだろうと言われています。

電子ファイリング検定の取得により就活でアピールできる

電子ファイリング検定の資格を取得することで、就職活動の際のアピールに役立ちます

この資格があるというだけでは、強力な採用条件に至ってはいませんが、個人情報保護法施行されて以降、企業内にて資格取得の奨励が活発です。

既に所持しているということは、先見の明があるとみなされアピールに役に立つはずです。

特に図書館や情報系企業、商社総合職、企業の人事部や総務部、秘書部などでの就活を志すのであれば、ぜひチャレンジしてみるとよいでしょう。

電子ファイリング検定の試験日程・会場・申し込み方法

ペンケースの画像 電子ファイリング検定は、いつどのような形式で実施されているのでしょうか?また会場や受験料などはどうなっているのでしょうか?

ここでは、電子ファイリング検定の日程やその他詳細についてご紹介します。

電子ファイリング検定の日程や会場

電子ファイリング検定の試験は、年2回ほど実施予定とされています。毎年7月と11月ごろに実施されています。

実施会場に関しては、全国のテストセンターである約170会場で行われます。申し込みをする場合には、試験の約1ヶ月前から受け付けています。

なお合格発表はB級は即日、A級の場合は試験日より約30日後となっています。

電子ファイリング検定の受験資格や受験料は

電子ファイリング検定を受験する際は、どのような制限があるのでしょうか?実は受験資格については、一切の制約がありません。

国籍、年齢、性別などに関係なく誰でも受験が可能です。なお受験料は、A級の場合で8,800円、B級の場合で6,600円掛かります。

他の資格と比べると受験料は若干安めなので、ぜひチャレンジしてみてください。

電子ファイリング検定と合わせて取りたいおすすめ資格

封書の画像 電子ファイリング検定は、まだ日も浅いこともあり広く認知されていない検定資格でもあります。

徐々に裾野を広げていくことにはなるのでしょうけど、そうなる前に受験しておくことも一つの方法です。

また、電子ファイリング検定と併合しながら受験しておくとよい資格試験もいくつかあります。その中でもとくにおすすめできる資格試験を2つご紹介します。

ファイリング・デザイナー検定

ファイリング・デザイナー検定は、電子ファイリング検定と同じ一般社団法人日本経営協会ファイリングデザイナー検定事務局が主催する民間資格です。

オフィスワークでの生産性を高めるための効率的なファイリング技術を確かめるための試験です。

1級から3級までのグレードがあり、学生や未経験者も幅広く受験が可能です。難易度もさほど高くはないため、比較的に受験しやすい資格です。

文書情報管理士

文書情報管理士とは、公益社団法人「日本文書情報マネジメント協会」が主催している民間資格です。

従来当たり前だった紙ベースの書類を電子化する時代になり、それらのデータをパソコンやネットワーク上にて安全な保存をするための専門家という位置づけになっています。

資格は上級、1級、2級までの3つのグレードに分かれます。

近年では多くの官公庁や自治体にて、この資格を所持した企業について入札の条件とするケースが増えています。

まだ歴史的にも浅い資格ですが、今後注目される可能性が高まっています。

電子ファイリング検定についてまとめ

電子ファイリング検定についてまとめ

  • トータルファイリングシステムの概念など幅広い知識が必要
  • 合格率はグレードによりけりなのでB級からステップアップが望ましい
  • 近い将来の就活のためにも今から取得するほうが有利

電子ファイリング検定は、特に企業のオフィス内で事務管理などを行う部署に所属する方に向いている資格と言えます。

ますますネット社会が定着し、情報が紙ベースから無形の電子書式へと変換していく時代です。

安全で効率のよいファイリング管理ができることが望ましく、そのための専門家の育成が必要になりつつあります。

まだ一般的に認知度は低いものの、やがて一般企業のどこでもこの資格の有無を問うような時代になると言えます。ぜひ興味あればチャレンジしてみてください。

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