ビジネス実務マナー検定の1級・2級・3級の試験日程や難易度について解説

更新日時 2020/05/22

「こんなこと、今さら人に聞くのも恥ずかしいよな…」

要点をおさえた文書の書き方や相手に応じた言葉遣い、また、会議の運営など毎日の業務をこなすうえで、さまざまな悩みがあるのではないでしょうか?

そのようなときに役に立つのが今回ご紹介するビジネス実務マナー検定です。学んでおくと、職場での柔軟な対応力や必要な技能が身につきます。

ビジネス実務マナー検定についてざっくり説明すると

  • ビジネスで必要な資質やマナー・実務知識があるのか測る検定である
  • 2級と3級は受験者の約6割が合格しており、難易度は必ずしも高くない
  • 知名度はまだ低い資格ではあるものの、日常業務の役に立つのでおすすめ

ビジネス実務マナー検定とは

積まれた本

ビジネスマナーに関する資格試験は数多く行われていますが、今回とりあげる「ビジネス実務マナー検定」は文部科学省が後援し、公益財団法人実務技能検定協会が主催する民間の検定試験です。

社会人としてどのように行動するか、物事に対してどう判断をするかといった資質やコミュニケーションスキル・実務など、ビジネス上知っておくべき「職場常識」が備わっているかを測るための検定試験です。

具体例を挙げると、取引先へ訪問する際のマナー・電話応対の方法・文書の作成法など、どの企業に勤めても役立てることのできる知識を習得できます。

ビジネス実務マナー検定は高校生や大学生・専門学生、社会人生活を始めたばかりでどのように働けばいいのかわからない人にとって役立つのはもちろん、自分の知識を再確認する意味で、ある程度経験を積んだ人にも有益です。

ビジネス実務マナー検定の概要

人のいない教室

ビジネス実務マナー検定がどのような資格であるかを把握したところで、具体的な試験の日程や受験場所・受験料・申し込み方法、試験内容などを確認しましょう。

試験日・試験地・受検料・受検申し込み方法

ビジネス実務マナー検定は下の表にあるとおり、年2回行われます。受験資格はなく、誰でも受検できます。詳しい日時は実務技能検定協会の「ビジネス系検定」公式サイトで確認しましょう。

検定 試験日 申込期間 1級面接試験日程
1回目 6月下旬頃 4月上旬~5月中旬頃 7~9月
2回目 11月中旬頃 9月上旬~10月中旬頃 12月~翌年2月

1級の面接試験は、筆記試験合格者のみを対象としています。申し込みの際に面接希望地を選びますが、筆記試験当日に改めて確認されて最終希望地が決まります。1級を受検する際には、面接日程を確認して申し込みましょう。

試験会場は札幌・仙台・東京・横浜・上越・松本・名古屋・大阪・広島・福岡・熊本・那覇地区といった全国各地にあります。

また、1級の筆記試験合格者を対象にした面接試験は札幌・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡の8ヵ所で行われます。

ただし、社会情勢などで試験が中止される場合もありますので、公式サイトの最新情報を確認しましょう。

受検料は以下のとおりで、1級・2級または2級・3級の併願が可能です。

受検料
1級 6,500円
2級 4,100円
3級 2,800円
1級・2級併願 10,600円
2級・3級併願 6,900円

ビジネス実務マナー検定はインターネットや書店・大学生協、または郵送での申し込みができます。

ビジネス実務マナー検定の試験内容

ここでは、ビジネス実務マナー検定の3級を例に出題範囲を見ていきましょう。級が上がるに従い、より高度なことを求められます。

領域 内容(3級)
I:必要とされる資質 (1)ビジネスマンとしての資質 ①適切な行動力、判断力、表現力が期待できる
②明るさ、誠実さを備えている
③身だしなみを心得ている
④自己管理について理解できる
(2)執務要件 ①平易な仕事を確実に実行できる能力がある
②良識を持ち、素直な態度をとることができる
③適切な動作と協調性が期待できる
④積極性・合理性・効率性について理解できる
II:企業実務 (1)組織の機能 ①業務分掌について、一応理解している
②職位、職制について一般的に知っている
③会社などの社会的責任について知っている
III:対人関係 (1)人間関係 ①人間関係への対処について、一応理解している
(2)マナー ①ビジネス実務としてのマナーを心得ている
②ビジネス実務に携わる者としての服装について、一応の知識がある
(3)話し方 ①話の仕方と人間関係との結びつきがわかる
②基礎的な敬語を知っている
③目的に応じた話し方について、一応理解している
(4)交際 ①慶事・弔事に関する作法と服装について、一般的な知識を持っている
②一般的な交際業務について、初歩的な知識がある
IV:電話実務 (1)会話力 ①感じのよい話し方について、一応理解している
②整ったわかりやすい話し方について、一応の知識がある
(2)応対力 ①用件や伝言の受け方について、一応の知識がある
②用件や伝言の伝え方について、一応の知識がある
③電話の特性について、初歩的な知識がある
④電話の取り扱いについて、基礎的な知識がある
V:技能 (1)情報 ①情報について、一般的な知識がある
②情報の整理について、基礎的な知識がある
③情報の伝達について、基礎的な知識がある
(2)文書 ①文書の作成について、初歩的な知識がある
②文書の取り扱いについて、基礎的な知識がある
(3)会議 ①会議について、基礎的な知識がある
(4)事務機器 ①事務機器の基本機能について、一応知っている
(5)事務用品 ①事務用品の種類と機能を知っている

※電話実務は「ビジネス電話実務検定」の終了に伴い、2020年度から新たに加わった出題領域です。

1級では上記のほか、面接にてビジネスマンの適性を測る口語表現審査が行われます。出題形式は、2・3級ではマークシートと記述問題ですが、1級の場合はすべて記述問題です。

ビジネス実務マナー検定に合格するには、理論領域・実技領域のそれぞれで60%以上正解する必要があります。理論領域は「I:必要とされる資質」と「II:企業実務」で、残りが実技領域です。

ビジネス実務マナー検定の例題

ビジネス実務マナー検定の例題をここでご紹介します。

企業の社会貢献について、その一例を挙げたものです。不適当なものを1つ選んでください。

  1. 台風に見舞われた地域の支援
  2. 慈善活動を行う市民団体への支援
  3. 自社の実業団スポーツチームへの支援

解答:3

これは、領域II・企業実務「組織の機能③会社などの社会的責任について」の例題です。

ビジネス実務マナー検定の難易度

新聞を読む人

ビジネス実務マナー検定の合格基準は理論と実技でそれぞれ60%以上正解することですが、実際の難易度はどのぐらいなのでしょうか。

ビジネス実務マナー検定の合格率

2019年11月17日に行われた、第58回ビジネス実務マナー検定の合格率を表にしました。

受験者数 合格者数 合格率
1級 68人 26人 38.2%
2級 1,307人 767人 58.7%
3級 2,770人 1,752人 63.2%

この表でわかるように2級・3級の合格率はどちらも約6割で、比較的合格しやすいと言えます。

しかし、1級の筆記試験はすべて記述問題であるため、マークシートの多い2級や3級よりも難しさが増す上、合格後には二次試験として面接もあります。その結果、合格率も4割弱と低くなっています。

秘書検定との違い

色違いの時計

ビジネス実務マナー検定の主催である実務技能検定協会が実施している検定には、「秘書検定」もあります。ともに文部科学省が後援しているビジネス系検定です。

秘書は上司が仕事を行いやすいように来客への対応などといった補佐をする役目であるため、秘書検定の内容には一般常識やマナー・接遇などが多く含まれます。

一方、ビジネス実務マナー検定は、ビジネスパーソンとして必要な技能を習得していることと、同僚・上司・取引先に対するコミュニケーション能力が問われる資格です。

秘書検定では仕事の性格上、取引先や上司との人間関係を中心としていますが、ビジネス実務マナー検定では、ビジネスで関わるすべての人と良好な関係をつくることを目的とするのが大きな違いです。

おすすめ参考書・テキスト

目当ての本を探す

この章では、おすすめのテキストと問題集をご紹介しましょう。

まずおすすめするのは、早稲田教育出版による公式テキスト「ビジネス実務マナー検定 受検ガイド」です。高校生から社会人まで幅広い年齢層が受検するため、領域ごとにわかりやすくまとめられています。

また、内容のわかりやすさから資格取得に留まらず、企業の新人研修や社員教育用テキストとして使うこともできます。受検ガイドは級ごとに出版されており、それぞれの販売価格は以下のとおりです。

  • 3級:税込価格 1,080円(本体価格 1,000円)
  • 2級:税込価格 1,296円(本体価格 1,200円)
  • 1級:税込価格 1,728円(本体価格 1,600円)

次は、実務技能検定協会が出版する問題集「ビジネス実務マナー検定 実問題集」です。

この問題集には過去5回分の問題が収録されているので、どのような問題がよく出ているのかという傾向をつかむことができます。間違えやすい問題を繰り返し解いて対策するのにおすすめです。

  • 3級:税込価格 1,296円(本体価格 1,200円)
  • 1・2級:税込価格 1,620円(本体価格 1,500円)

ビジネス実務マナー検定はどのように役立つ?

問う人と答える人

最後に、ビジネス実務マナー検定はどのような人に役立つ資格なのか、メリットなどを挙げておきましょう。

ビジネスパーソンに役立つ

学生のうちにビジネス実務マナー検定を取得しておくと、就職活動の際、企業に対してビジネスパーソンとしての基礎知識があるとアピールできることが大きなメリットです。

また、企業に就職したあとも、実務に関わる知識と身につけたビジネスマナーを活かして、取引先や上司・同僚たちとのスムーズな関係を築きやすくなります。

公務員を目指す人に役立つ

庁舎の窓口勤務や公立図書館の司書など、多くの公務員は不特定多数の人とコミュニケーションを取る必要があります。行政職や事務の区分で採用された人はさまざまな部署に配属され、異動ごとに人間関係も変化します。

ビジネス実務マナー検定で覚えたことは、どの部署に行っても応用が利きます。公務員試験の面接においても、ビジネス実務マナー検定を取得していることは評価に繋がるでしょう。

履歴書に書く時の注意点

ビジネス実務マナー検定は、秘書検定などと比べるとまだ知名度の低い資格です。そのため、エントリーシートや履歴書には正式名称を書くことをおすすめします。

資格の正式名称は「文部科学省後援 ビジネス実務マナー検定」です。履歴書には3級から書いてもかまいませんが、評価を受けやすいのは2級以上であることが多いです。

ビジネス実務マナー検定についてまとめ

ビジネス実務マナー検定についてまとめ

  • 検定は年2回の開催で、1級・2級または2級・3級のダブル受験が可能
  • 1級に挑戦するなら筆記試験のほかに面接試験の対策もしておこう
  • 履歴書に書く場合、2級以上を持っていると企業にアピールしやすい

今回はビジネス実務マナー検定の試験内容を中心に、取得後のメリットなどを解説しました。

営業などの外回りやオフィス勤務の人に限らず、さまざまな職種で応用できる知識が多いので、これから就職活動を行う学生はもちろん、社会人になって間もない方、改めて実務マナーを知りたい方にもおすすめの資格です。

ぜひビジネス実務マナー検定を学んで、スキルアップしましょう。