秘書検定の難易度はどれくらい?各級の合格率から合格点まで徹底調査!
「秘書検定の難易度や合格率はどれくらい?」
「勉強法や勉強時間を知りたい!」
こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
秘書検定は人気の検定ですが、初めて受ける方にとってはわからないことも多いですよね。
そこでこの記事では秘書検定の合格率や合格点をはじめ、級別の勉強方法や時間なども徹底的に調べてまとめました。
読み終わった頃には秘書検定に向かってどのように勉強に取り組むべきか、明確にイメージできるようになっているはずです!
秘書検定の難易度についてざっくり説明すると
- 秘書検定の難易度は各級によって異なる
- 3級は初心者級で誰でも合格できるレベル、1級は上級者向けで合格率も低い
- 履歴書には3級から記載できるができれば準1級以上を持っておきたい
- 2級までは独学も可能
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秘書検定とはどんな資格?
秘書検定は、正式名称を「秘書技能検定試験」といいます。公益財団法人 実務技能検定協会が主催している検定です。
秘書検定は主に、「会社の役員や経営者の秘書」として活躍するための資格です。秘書として必要な能力や知識、技能が問われます。
就活を行う時に秘書検定を持っていると有利になると言われており、学生さんにも非常に人気がある資格の一つです。
どんな資質が求められる?
秘書検定は「秘書としての能力や技能」を問われる試験内容ですが、具体的にどのような知識・能力を問われるか気になりますね。
秘書検定では以下の5つの項目を満たすことが、合格の基準となります。
- 秘書としての資質:身だしなみから人柄まで秘書業務を行うための要件
- 職務知識:上司の仕事や秘書の仕事の機能を守るための知識
- 一般知識:経営や財務などの知識
- マナー・接遇:敬語などのマナーに関する知識や技能
- 技能:会議の準備から業務の管理
どれも役員や経営者サポートを行うには必須の資質です。これらの能力があるかどうかをテストするのが秘書検定となります。
試験についての情報
秘書検定はいつ、どのように行われているのでしょうか。
秘書検定の試験情報をご紹介します。
試験日、試験地
まずは秘書検定の試験日や実施場所から解説いたします。
試験日
秘書検定は年に3回、試験が行われます。2023年度試験について、受付から筆記、面接までの流れは以下のようになっています。
内容 | 日程(期間) |
---|---|
受験受付 | 2023年4月6日(木)~ 5月16日(火) |
筆記(全級) | 2023年6月18日(日) |
面接(1級・準1級) | 6月下旬~8月上旬 |
内容 | 日程(期間) |
---|---|
受験受付 | 2023年9月4日(月)~ 10月10日(火) |
筆記(全級) | 2023年11月12日(日) |
面接(1級・準1級) | 12月上旬~1月上旬 |
内容 | 日程(期間) |
---|---|
受験受付 | 2023年12月4日(月)~ 2024年1月16日(火) |
筆記(2級・3級) | 2024年2月11日(日) |
2024年2月11日は2級と3級のみの実施です。2級と3級には面接がありません。
試験地
秘書検定の試験は、全国各地100ヵ所以上で行われています。お住まいの地域から一番近い場所を探してください。
試験場所を決定する時は、会場を直接選ぶのではなくブロック指定で申し込むことになります。
例えば「15A 川崎・横浜ブロック」の地域で申し込みますと、「外語ビジネス専門学校」や「横浜きもの専門学校」など複数の会場から一ヵ所が指定され、試験当日はそちらへ出向くことになります。
ブロック内で特定の会場をこちらから指定することはできませんのでご注意ください。
試験会場の一覧は公式HPの「秘書検定受験要項」から「筆記試験会場一覧」で確認できます。
試験形式
秘書検定の試験形式は、級によって異なります。
簡単に表にまとめましたので、まずはこちらをご覧ください。
級 | 試験内容 | 制限時間 |
---|---|---|
3級 | 選択問題31問・記述問題2問 | 100分 |
2級 | 選択問題31問・記述問題2問 | 90分 |
準1級 | 選択問題14問・記述問題9問 | 130分 |
準1級・二次試験 | 3人1組の面接試験 | 10分 |
1級 | 記述問題17問 | 140分 |
1級・二次試験 | 2人1組の面接試験 | 10分 |
なお、3級と2級、2級と準1級は併願受験が可能となっています。
ここからは各級ごとの試験内容を詳細にご紹介いたします。
1級
秘書検定1級は筆記試験と面接が行われます。筆記試験は全て記述となり、選択問題はありません。
筆記試験では、「上司の仕事を理解し、秘書がすべきことを判断する能力」がテストされます。上司が動きやすいように先を読んでサポートするための、上級の秘書能力が求められます。
面接はロールプレイング形式となっており、主に人柄や表現力が問われます。
課題内容は「上司への報告と来客への応対」で、複数人に役を振り分け、現実に起こる場面を疑似体験します。
その中で起きた出来事やトラブルに対して、適切に対応していくのが受験者の役割となります。
準1級
秘書検定準1級は、筆記試験(マークシート・記述)とロールプレイング形式の面接が実施されます。
準1級では秘書として「物事の判断力や対応力」があるかどうかを測ります。中堅の秘書としての能力が求められる試験内容です。
面接(ロールプレイング)は「あいさつ、報告、状況対応」と、3つの内容がテストされます。
「あいさつ」は面接番号や名前を答える、いわゆる自己紹介です。そこまで身構える必要はないでしょう。「
報告」は50文字程度の文章を書く課題が出されます。「状況対応」は課題がパネルで示されますので、それに従ってください。
2級
秘書検定2級は、主に上司の身の回りの世話や手助けを適切に行えるかどうかをテストする内容となっています。
試験内容は筆記のみで、マークシートと記述問題です。(面接はありません)
上司のサポートをするためには優先順位を考えながらこなす必要がありますので、そういった思考力があるかどうかを試されます。
3級
3級は、秘書検定の中で最も初歩的な内容です。マークシートと記述問題のみで面接はありません。
秘書検定3級で求められるのは「上司が効率よく仕事を遂行するためのサポート力」です。
秘書としてどのようなことに気を利かせる必要があるかを考える力が問われます。
秘書検定2級の出題範囲と例題
ここでは一例として、秘書検定2級の出題範囲と例題をご紹介いたします。
出題範囲
秘書検定の筆記試験は、「理論」と「実技」に分類されます。それぞれ60%の得点率が合格ラインです。
秘書検定は、配点が公開されていません。つまり配点が高い分野に絞って勉強することができなくなっています。
全体的にまんべんなく攻略していくことが秘書検定合格の鍵となるでしょう。
出題範囲は「必要とされる資質」「職務知識」「一般知識」「マナー・接遇」「技能」の5つで、それぞれの例題は以下のようになります。
- 「必要とされる資質」の例題
秘書A子は部長会議から戻った上司(部長)から,「しばらく考え事をしたいので,電話や来客は取り次がないでもらいたい」と言われた。次はこのときA子が行ったことである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
1)不意に訪ねてきた上司の友人に,今取り込んでいるが確認してくると言った。
2)他部署の課長から部長はいるかとの電話に,今手が離せないので後にしてもらえないかと言った。
3)尋ねたいことがあると言って来た部下の課長に,上司から取り次がないよう言われていると言った。
4)確認したいことがあるという取引先からの電話に,今は考え事をしているので後で連絡すると言った。
5)確認したいことがあると言って来た他部署の部長に,その場で少し待ってもらって,上司の都合を聞きに行った。 出典:公益財団法人 実務技能検定協会
- 「職務知識」の例題
10 秘書A子は上司の指示で,社外から関係者を招いて行う会議の案内状を作成し郵送した。ところがあらためて文面を見ると,会議の終了時間が1時間遅く書かれていた。このような場合A子は上司に報告してわびた後,関係者に対してどのようにするのがよいか。次の中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
1)はがきで,終了時間が違っていたことをわびて知らせる。
2)大人数ではないので,電話で終了時間を訂正してわびる。
3)終了時間を訂正した文書を作り,わび状と一緒に再度郵送する。
4)開始時間は間違っていないので,当日会議前に知らせてわびる。
5)終了時間を訂正した文書を作り,送信状にわびの言葉を添えてファックスで送る。 出典:公益財団法人実務技能検定協会
- 「一般知識」の例題
次は略語とその省略されていない語の組み合わせである。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
1)都銀 = 都市銀行
2)時短 = 時間短縮
3)定昇 = 定期昇給
4)約手 = 約束手形
5)国保 = 国民年金保険 出典:公益財団法人実務技能検定協会
- 「技能」の例題
3 次は手紙の前文で用いるあいさつの言葉である。中から下線部分が不適当と思われるものを一つ選びなさい。
1)貴殿ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
2)貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
3)貴店ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。
4)上田様には,ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
5)佐藤様におかれましては,ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 出典:公益財団法人実務技能検定協会
なお、各例題の解答は実務技能検定協会の公式ページから確認することができます。こちらも合わせてご覧ください。
※右の「問題を解いてみよう」に例題と回答があります。
受験資格や受験料
秘書検定の受験資格や受験料についても解説します。
受験資格
秘書検定は、どの級を受験する場合でも受験資格はありません。学歴や年齢、性別などに関わらず、どなたでも受験することができます。
なお準1級と1級の面接試験については、各級の筆記試験に合格した方のみ受けることができます。
受験料
秘書検定の受験料は以下の通りです。
級 | 受験料 |
---|---|
1級 | 7,800円 |
準1級 | 6,500円 |
2級 | 5,200円 |
3級 | 3,800円 |
準1・2級 | 11,700円 |
2・3級 | 9,000円 |
表の下段2つにある通り、準1級と2級、2級と3級は併願受験が可能です。割引はありませんが、同時に受けたい方には便利なシステムです。
片方が滑り止めにもなりますので、自信がない方はぜひ併願で申し込んでみましょう。
秘書検定の合格率
秘書検定の合格率推移の状況は以下の通りです。
データ出典:ビジネス系検定 受験者状況
こちらを見ますと、秘書検定2級に関しては受験者がやや減ってきていることがわかります。
ただし、それでもなお7万人以上もの受験者がいますので、人気の資格であることには変わりありません。
試験の級別難易度
秘書検定の級別の難易度はどのようになっているのでしょうか。
1級・準1級は難易度が高い
秘書検定1級と準1級は、例年合格率が4割以下となっています。半分も合格できないことを考えますと、難易度はかなり高いと言えるでしょう。
秘書検定1級と準1級は、現役の秘書や大手秘書課への就職を目指す方が受けるレベルの検定内容です。
秘書検定はどの級にも受験資格は特にありません。しかし1級もしくは準1級を受ける場合は、それなりの心構えが必要になることを心に留めておきましょう。
おすすめは2級
秘書検定2級は、1級や準1級とは違い、独学でも十分合格できると言われています。
大学生や一般の社会人が受けるのにはちょうど良い難易度となっていますので、秘書の資格を取るには一番おすすめの級と言えます。
試験の内容についても、例えば「この状況なら優先順位はどうなる?」というような、実際の社会で使える一般常識が多く出題されます。
「できる社会人」になるためのスキルが身に付きますので、秘書の業務をしない方にもおすすめです。
合格率も約50%~60%ですので、ごく一般的な資格試験の難易度と言えるでしょう。
3級は比較的簡単
秘書検定3級は比較的簡単な内容になっており、高校生など秘書検定を初めて受ける方にも非常におすすめです。
もし2級どちらを受けるか迷っている方は、3級との併願制度がありますので両方受けてみると良いでしょう。試験範囲は2級と同じですので、3級用に特別な対策をする必要がありません。
併願受験をすることで、仮に2級が不合格でも3級が滑り止めの役割を果たしてくれます。
試験対策方法
秘書検定の試験対策は、各級で異なる内容が必要になります。それぞれについて解説いたします。
3級の対策方法
秘書検定3級は、合格率が77.2%程度と比較的易しい試験です。しっかり勉強すれば誰でも合格できるレベルですので、独学でも十分、対策が可能です。
市販の独学用テキストを購入し、しっかり網羅しておけば試験対策は十分と言えます。
もしご自身にとって独学はどうしても無理だと思う場合のみ、通信講座などを活用してみてください。
2級の対策方法
秘書検定2級の合格率は50~60%くらいです。およそ半分の方が合格できていますので、難易度としては中程度の資格試験となります。
独学できるかどうかは個人の選択による部分が大きいでしょう。
参考書などを使ってご自身で勉強することも可能ですし、通信講座を活用する方もおられます。
勉強法
秘書検定2級の対策を独学で行う場合は、まずテキストを一通り読み進め、知識を頭に入れていきます。
その上で過去問を解き、どのような問題が出るかをざっと把握し、もう一度テキストに戻って足りない知識を補填すると良いでしょう。
過去問は実務技能検定協会の公式サイトの「問題を解いてみよう」の項目から確認することができます。
1級・準1級の対策方法
秘書検定1級と準1級については、独学は難しいと言えます。
合格率は例年40%以下ですし、3級や2級に比べますと難易度は飛躍的に上がります。
かなり高レベルの知識が求められる上、筆記試験だけでなく面接の対策も必要になります。
こうしたことから、秘書検定1級・準1級については通信講座での勉強がおすすめです。どのような講座があるかは次の項目でご紹介いたしますので、参考にしてください。
おすすめ通信講座はユーキャン
数ある秘書検定の通信講座の中でも、資格Timesがイチオシするのが「ユーキャンの秘書検定講座」です。
ユーキャンの秘書検定講座では、3級~準1級までの3階級を同時に学ぶことができます。
また、丁寧な添削や専任スタッフによる質問対応サービスなど受講者へのサポート体制が充実していますので安心して勉強を進めることができます。
初めて秘書検定を受ける方には非常におすすめですので、ぜひ検討してみてください。
おすすめテキストと問題集
秘書検定2級
の対策を独学でしたい方は、以下のテキストを購入すると良いでしょう。
- 秘書検定集中講義 2級(早稲田教育出版)1,430円
こちらのテキストは、ケーススタディで学ぶことができる点が魅力です。短期間に集中的に勉強したい方にもおすすめですので、1冊手元に置いておくと便利です。
- 秘書検定2級パーフェクトマスター(秘書検定公式受験参考書)1,430円
秘書検定の公式参考書としてはこちらがおすすめです。要点がしっかりまとめられているので、時間がない方でもサッと勉強することができます。試験直前の仕上げにも活用できますよ。
目安となる勉強時間
秘書検定を受ける際の勉強時間の目安は、2級で「30時間~50時間」と言われています。
試験日の約1ヵ月前から「1日1時間」程度ずつ勉強していくと上記の時間を満たすことができますので参考にしてください。
社会人の方はまとまった勉強時間を取れないこともあると思いますので、通勤時間のような「スキマ時間」を活用していくのがおすすめです。
できる限り多くの問題に触れることで、知識を増やしていきましょう。
受験者割合
秘書検定の、職業ごとの受験者の割合も知っておきましょう。
受験者割合表
第130回秘書検定試験の受験者の割合を表にしましたので、まずはこちらをご覧ください。
職業 | 割合 |
---|---|
大学生 | 35.9% |
短大生 | 4.9% |
専修・各種学校生 | 12.8% |
高校生 | 20.8% |
会社員等 | 17.8% |
秘書 | 1.5% |
その他 | 6.3% |
データ出典:ビジネス系検定 受験者状況
上記を見ますと、秘書検定の受験者は半分以上が学生であることがわかりますね。
秘書検定の受験者は男女比が1:9と、圧倒的に女性が多くなっています。女子高校生や女子大学生に人気がある資格だと言えます。
ただ、学生だけでなく現役の秘書、会社員の方にも秘書検定は人気があります。最近は時代の流れもあり男性秘書も活躍の場が広がっています。
仕事や就活でどう活かすか
秘書検定は仕事や就活においてどう活用すれば良いのでしょうか。
日本では、大企業と呼ばれるような会社には大抵、秘書課が存在します。
こうした企業の秘書課への就職を希望する方であれば、秘書検定はストレートに役立つ資格と言えるでしょう。
もし大企業の秘書課を狙う場合は、最も難易度が高い「秘書検定1級」を取得しておくことをおすすめいたします。
履歴書に書いて有利になるのは何級?
特に秘書課への就職を希望しない方の場合、秘書検定のどの級を取得しておけば良いのでしょうか。
3級から記載することが可能
秘書検定は3級から履歴書に記載することができます。
ただし3級は、持っているからと言って評価が格段に高くなるわけではありません。書かないよりは書いたほうが有利というレベルです。
秘書検定3級に合格しているということは、ビジネスにおけるコミュニケーション能力や職場でのマナー、立ち振る舞いを身に付けているという証明になります。
秘書検定そのものについて評価されないとしても、受験したという意識の高さが評価される場合もあります。
受けるかどうかを迷っている学生さんは、3級の資格だけでも持っておくようにしましょう。
準1級もしくは2級からかなり有利に
秘書検定は準1級からは難易度が格段に上がりますので、履歴書においてかなり評価されます。
準1級以上は面接試験もありますし、ビジネスマンとしてのマナーを身に付けている証明になります。
実践的な力を持ち、即戦力として期待される人材になるためには、秘書検定準1級以上を取得しておくことをおすすめします。
2級を持っておくだけでも、敬語や振る舞いについて評価される材料になるでしょう。
いずれにしても、秘書検定はご自身が合格できる限りの級を持っておくようにしましょう。就職や転職において有利になることは間違いありません。
秘書検定の難易度まとめ
秘書検定の難易度まとめ
- 秘書検定の合格率は1級で4割以下となっておりかなり難易度が高い
- 3級は誰でも合格できるレベルなので、高校生には3級からの受験がおすすめ
- 即戦力の人材になるためには準1級以上に合格しておいたほうが良い
- 配点は公開されていないのでまんべんなく勉強しておくこと
秘書検定は社会人としてのスキルも評価されることから非常に人気の検定です。
できれば準1級以上を持っておきたいところですが、まずはご自身に合った級からチャレンジしてみてくださいね。
一歩ずつスキルアップして、未来をどんどん良くしていきましょう!