市役所試験の難易度はどれくらい?採用試験対策の勉強法や倍率一覧も掲載

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「市役所試験に興味があるけど実際どれくらい難しいの?」

そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

市役所試験は公務員試験の中でも人気であり倍率が高くなりがちですが、その実態が明確でないことも多いと思います。

この記事では市役所試験の難易度をあらゆる面から分析して、その結果を分かりやすく解説していきます。

読み終わった頃には、市役所試験の難易度について明確に理解し、試験に対する正しい向き合い方まで分かるはずです!

市役所試験についてざっくり説明すると

  • 試験は筆記と面接の2種類
  • 1次試験の難易度は簡単~普通レベル
  • 重要なのは筆記
  • 難易度は自治体や日程によっても異なる

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市役所試験の難易度はどれくらい?

市役所試験対策をする人

市役所試験は他の資格と異なりそのまま就職、転職につながるため難易度を気にする人は非常に多いです。

この記事では市役所試験の難易度について、徹底的に解説していきます。

では実際にどの程度難しいのか、具体的に見ていきましょう!

筆記が普通~簡単、面接はやや難

市役所試験は会計処理や政策実行など行政業務を行う「事務系」と、土木や化学など専門的知識を活かして仕事をする「技術系」の2つに分かれています。

また試験レベルによっても区分されていて、大学卒業程度の「上級」、短大卒業程度の「中級」、高校卒業程度の「初級」の3つがあります。

このうち多くの人が受験先として選ぶ「事務系」全般における1次試験(筆記)の倍率は10倍程度、2次試験(面接)の倍率は5倍程度です。

公務員の試験として考えると1次試験が普通~簡単レベル、それに比べると2次試験はやや高いくらいのレベルであるといえます。

技術系や事務系の倍率

「技術系」の募集枠は大都市でなければ数人であることが多いです。募集人数の増減も激しいため一概には言えませんが、たいてい3~5倍くらいで安定しています。

3〜5倍と聞くと「枠が少ない割にあまり倍率が高くないな」と感じる人もいるかもしれません。

考えられる原因として、そもそも専門知識を持った人材が少ないこと、少ない枠に募集が集まるとすぐに高倍率になってしまい、他の受験者が敬遠して受けたがらないことなどが挙げられます。

記念受験も多数

市役所試験が10倍と聞くと、「10人に一人しか受からないのか・・・」「大学受験より厳しい・・・」といった印象を受ける方も多いと思います。

しかし実際は全員が全員「市役所試験に絶対合格する!」と考えて受験しているわけではありません

受験者の中には民間企業を本命とし、公務員試験を記念受験もしくは滑り止めと考えている人も決して少なくないです。

申し込みはしたが受験自体をやめてしまう人などもいる、と考えると実際の倍率は発表されているよりもっと低いと考えて良いでしょう。

実は筆記試験が一番大事

公務員試験の2次試験の倍率は、3~5倍程度です。1次試験の倍率である10倍と比べるとぐっと受かりやすくなることが分かると思います。

加えて公務員を受験する人は面接慣れしていない人も多いです。また聞かれる質問がある程度決まっていることも多く、民間企業の面接よりも対策しやすいです。

前に筆記試験のレベルは簡単~普通くらいだと述べましたが、公務員試験を突破するうえで本当に大事なのは「筆記試験を突破すること」であると言えるでしょう。

日程により倍率は変動する

公務員試験の日程にはA、B、C、D日程の4種類があります。ここではそれぞれの違いについて説明します。

まずは実施する時期が異なります。A日程は6月第4週の日曜日、B日程は7月第4週の日曜日、C日程は9月第3週の日曜日、D日程は10月第3週の日曜日に行われます。(日程が変わることもあります。)

それぞれの日程を用いる自治体も異なります。D日程で行う自治体は少ないですが、基本的にA日程は政令指定都市、B日程は地方中枢都市、C日程は二番手都市の試験が行われます。

試験の倍率という観点で見るとA日程では筆記試験の倍率が高く面接の競争率が低い一方、B、C日程では筆記の倍率は比較的低く面接の競争率が高いという違いがあります。

したがってA日程の市役所を受ける場合には筆記試験に注力し、B、C日程の市役所を受ける場合には面接対策に力を入れる必要があります。

政令指定都市以外は簡単?

政令指定都市はやはり志望者も多く、毎年倍率が高いです。

さらに東京特別区やその周辺の関東の政令指定都市になると優秀な人たちが数多く受けるため、全く歯が立たない場合もあります。

しかしそれ以外の普通の市区町村レベルの公務員であれば基本的にはその地域の人が出願するのみですから、倍率もそこまで高くなることもありません。

あくまで比較の問題ではありますが、一般の市区町村は政令指定都市に比べれば簡単であると言えるでしょう。

地元ではない市役所を受けるのは不利?

市役所試験では、外部からの受験者も地元の受験者も対等に評価されます。「地元の受験者だから優先的に採用しよう」ということはありません

しかし当然ですが地元の自治体であれば問題点や魅力を肌間隔で理解していますから、面接で聞かれた際に説得力のある回答をしやすくなります。結果的に合格しやすくなると言って良いでしょう。

もし地元ではない自治体を受験する場合には、「ここの自治体でどうしても働きたい」という思いをしっかり伝えて面接官を納得させる必要があります。

すなわち地元の自治体を受けるよりも二次試験対策を十分に行ってから面接に臨むことが重要です。

受験資格はある?

多くの自治体が日本国籍の保持や一定の年齢以下であることを受験の条件にしています。

ただし、年齢制限に関しては自治体ごとに様々で、30歳前後を制限にしている自治体もあれば40代、50代でも受験可能な自治体も存在します。

希望する自治体の募集要項をよく確認しましょう。

また、試験区分の「大卒程度」「高卒程度」というのはあくまでも学力の目安なので、必ずしも卒業資格が必要ということではありません。

学歴は関係ない

市役所試験を受ける際、「学歴で判断されることはあるの?」と気になる方も多いと思います。「大学名で落とされてしまうのでは?」と不安な方もいるでしょう。

しかし市役所試験に限らず公務員試験では、基本的に法令で「採用における学歴による差別」を行うことを禁止しています。

さらに最近の市役所試験では、「学歴よりもむしろその人の人格や人柄をしっかり見て採用しよう」という風潮があります。以上の点から合否と学歴は一切関係ありません

公務員試験と学歴の関係については、以下の記事で詳しく解説しています。

市役所採用試験の対策法は?

面接試験を受ける人

ここまで市役所試験の概要について説明してきました。では実際に市役所試験の対策はどのように行えばいいのでしょうか?

1次試験は筆記と論文

先ほども言ったように市役所試験は1次試験と2次試験に分かれます。1次試験では教養試験と専門試験のどちらか、または両方と論文を課されます。

ほとんどの自治体では教養試験のみですが、県によっては大半の自治体に専門試験を課すなど地域によって異なるため、自分の受けたい自治体の形式を確認してみると良いでしょう。

それに合格すれば2次試験となり、面接が課されます。自治体によってはグループディスカッションを行うところもあります。

繰り返しになりますが、その中でも力を注ぐべきなのは教養試験や専門試験といった筆記試験の課される1次試験になります。

教養試験は数的処理が鍵

1次試験で課される筆記試験の一つである教養試験は一般的に高校生までの知識で解くことができます

しかし下記の表の通り出題範囲が非常に広く、数1Aや古文など幅広く確実な知識が求められます。

科目 A日程 B日程 C日程
現代文 3問 3問 3問
英語 3問 3問 3問
古文 1問 1問 1問
判断推理 7問 8問 8問
数的推理 5問 4問 4問
資料解釈 1問 1問 1問
政治 1問 1問 1問
法律 2問 2問 2問
経済 2問 2問 2問
社会 2問 2問 2問
日本史 2問 2問 2問
世界史 2問 3問 2問
地理 2問 2問 2問
文学、芸術 1問 0問 0問
思想 0問 0問 1問
数学 1問 1問 1問
物理 1問 1問 1問
化学 1問 1問 1問
生物 2問 2問 2問
地学 1問 1問 1問

膨大な範囲である教養試験の対策を行う上で大切となるのは、メリハリをつけて勉強することです。

特に「数的処理」(判断推理、数的推理、資料解釈の3つ)の分野は対策に時間がかかる上に理解している人とそうでない人で大きな差が付きます。ここに力を入れるのが合格への近道です。

公務員試験の数的処理や数学についての勉強法については以下の記事で詳しく解説しています。

専門科目を抑えよう

専門科目は法律や経済など主に大学レベルの知識を問われます。「専門というくらいだから難しいのでは?」と思う人もいると思います。

しかし実は問われる内容は毎年傾向が決まっており、特殊な形式の問題は少ないです。そのため問題のパターンを暗記すれば確実に得点することが可能です。

それゆえライバルと差をつけるためには教養試験の数的処理をしっかり対策したうえで専門科目に力を注ぐことが重要です。

くれぐれもどちらか一方を捨てるなどということが無いようにしましょう。

論文は書き方を覚えよ

1次試験では教養試験と専門試験以外にも論文試験が出題されます。一般的にはある課題に対して60~90分で800~1200字程度の文章を書く必要があります。

論文試験と聞いて「文章を書くのが苦手だから論文は無理…」と諦めてしまう受験生はとても多いです。この記事を読んでいる方の中にもいるかもしれません。

しかし実は市役所試験の論文は書き方のテンプレートが存在しており、それを知るだけで簡単に得点できてしまいます。対策の有無によって確実に差が生まれるため、絶対に対策すべきです。

公務員試験の論文対策については以下の記事でとても詳しく解説しています。論文試験の特徴・注意点や、どうしたら良い論文が書けるのかがすっきり理解できます。

2次試験は面接

2次試験は面接試験である自治体がほとんどです。面接官は大抵の場合は市長や副市長、もしくは部長級の職員など重要な役職の方が行います。

公務員試験の面接は民間企業の面接とは異なり、コミュニケーションに長けている人が集まっているわけではありません。

面接官から聞かれることも決まっていることが多く、事前に答えを自分で考えておき、本番の面接で堂々とミスなくしゃべることが出来れば基本的に落とされることはないと考えて良いでしょう。

逆に最近では面接の比重を挙げている自治体も多いため、対策ゼロで受験してしまうと一次試験の出来が良くても結局落ちてしまうこともあります。

論文や面接対策では自己流は避ける

市役所試験の対策を独学で進めようとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、試験に論文や面接が用意されていることを考えると独学での対策は避けた方が良いでしょう。

参考書などで自己流で対策しても自分の回答のどこがよくないのか、どういった回答が評価されるのかの判断が極めて難しく、最悪の場合的外れな対策を行ってしまうことになります

人生を左右する大切な試験なので、予備校や通信講座を利用してプロの指導のもとで対策を行うべきでしょう

通信講座を使った対策がおすすめ

面接対策を見据えて講座を受講するのであれば、スタディングの通信講座(オンライン予備校)がおすすめです。

スタディングでは教養試験対策から面接対策まで一貫して行ってくれる上に、講座費用が極めて安いので無駄にお金をかけすぎてしまうこともありません

また、スマホを使っていつでもどこでも講義を聞いたりテキストを読んだりできるのも非常に魅力的です。

市役所勤務を目指される方であれば、正しい対策法を学ぶためにもぜひ受講されることをおすすめします。

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市役所試験の倍率一覧

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政令指定都市の市役所試験倍率

以下が政令指定都市における市役所試験(地上上級)の事務職の倍率になります。

都市 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5
札幌市 9.1倍 7.3倍 8.0倍 7.2倍 5.1倍 6.0倍 3.9倍 4.3倍
仙台市 7.7倍 8.3倍 8.4倍 7.8倍 6.4倍 5.8倍 4.9倍 6.4倍
さいたま市 5.4倍 5.4倍 4.9倍 5.8倍 3.2倍 5.2倍 3.5倍 3.5倍
千葉市 10.5倍 12.8倍 - 4.8倍 5.3倍 7.2倍 4.8倍 3.8倍
横浜市 5.6倍 6.6倍 5.3倍 4.2倍 5.0倍 5.2倍 6.1倍 8.1倍
川崎市 4.5倍 6.4倍 - 4.9倍 4.3倍 3.3倍 5.9倍 4.1倍
相模原市 7.2倍 10.2倍 7.0倍 5.4倍 9.0倍 9.2倍 7.1倍 6.2倍
新潟市 5.6倍 6.2倍 6.7倍 9.4倍 13.5倍 13.6倍 5.1倍 3.8倍
静岡市(A) 10.1倍 10.2倍 7.2倍 5.1倍 5.3倍 4.1倍 4.8倍 4.3倍
浜松市(A) 5.4倍 3.9倍 4.9倍 3.9倍 2.9倍 4.2倍 3.0倍 2.8倍
名古屋市(行政一般) 11.9倍 12.1倍 8.1倍 6.4倍 5.0倍 4.4倍 4.8倍 10.1倍
京都市(行政) 6.5倍 6.7倍 6.8倍 6.7倍 5.4倍 7.3倍 23.0倍 3.4倍
大阪市 14.9倍 11.2倍 8.1倍 5.5倍 2.6倍 4.0倍 3.3倍 4.3倍
堺市 9.5倍 9.6倍 10.3倍 9.3倍 4.3倍 4.9倍 4.7倍 9.0倍
神戸市 7.4倍 5.9倍 - 4.5倍 4.8倍 5.2倍 8.8倍 5.0倍
岡山市 5.3倍 5.3倍 4.9倍 4.7倍 4.4倍 3.7倍 3.9倍 2.9倍
広島市 5.8倍 5.9倍 4.9倍 4.0倍 5.2倍 2.9倍 3.5倍 3.3倍
北九州市 - 9.2倍 8.6倍 7.7倍 7.2倍 6.2倍 6.1倍 3.9倍
福岡市 18.5倍 17.6倍 18.6倍 8.1倍 7.4倍 9.3倍 8.3倍 7.9倍
熊本市 6.6倍 6.2倍 6.5倍 4.9倍 8.3倍 6.3倍 4.2倍 4.3倍

※名古屋市は令和2年度までは行政一般、令和3年度以降は行政Aで算出

※京都市は令和2年度までは一般事務職、令和3年度以降は行政で算出

※北九州市は令和2年度までは行政総合、令和3年度以降は行政ⅠAで算出

見ての通り、やはり大都市や地方の中心的な都市ほど倍率が高いことが分かります。

市役所試験の難易度まとめ 

市役所試験の難易度まとめ

  • 倍率は1次試験で約10倍、2次試験で約5倍である
  • 政令指定都市でなければ受かる可能性は高い
  • 最重要視すべきは筆記
  • 論文や面接もしっかり対策するべき

市役所試験について様々な側面から解説してきました!

倍率の高いと言われている市役所試験ですが、しっかりと対策をすれば十分に合格を目指すことが可能です。

就職まで直接つながる市役所試験、ぜひ受験を検討してみてはいかがでしょうか。

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