公務員試験の数学対策決定版!地方上級や市役所の数的処理の過去問も詳しく紹介!
更新
「公務員試験の数学ってどれくらいのレベルの問題が出るの?」
「数学が苦手なので、対策を知りたい!」
このような疑問やお悩みをお持ちの方、いらっしゃいませんか?
公務員試験の中でも、数的処理などの数学科目は出題数が多いものの、苦手とする人が多いようです。
しかし、いずれの試験でも出題パターンや解法を理解できれば得点源とすることは可能です。
こちらの記事では、公務員試験における数学科目の特徴や勉強方法などについて解説していきます!
公務員試験の数学についてざっくり説明すると
-
数学は範囲が広い割には出題が少ない
-
数的処理は必ず対策しておくべき
-
どうしてもわからなければ数学は捨てるのもアリ
このページにはプロモーションが含まれています
数学は教養試験で出題される
国家公務員でも地方公務員でも、公務員試験では択一式の「教養試験」「専門試験」が実施されています。
このうちの「教養試験」はさらに「一般知能」と「一般知識」に分かれています。
公務員試験で数学の力が問われるのは「一般知能」に含まれる「数的処理」および「一般知識」に含まれる「自然科学」の二つの科目です。
自然科学の中には「数学」という科目が設けられており、中学や高校の数学の授業で習ったような内容が出題されています。公務員試験で最も「THE 数学」と言えるような問題が出ていると言えるでしょう。
自然科学の数学
自然科学で出題されるのは、「数学」「物理」「化学」「生物」「地学」の5つです。
各科目の出題内容は以下の表の通りです。
科目 | 出題内容 |
---|---|
数学 | 関数やグラフに関する問題など |
物理 | 力学・電磁気学・波動(ドップラー効果等)に関する問題など |
化学 | 理論化学と無機化学に関する問題など |
生物 | 動植物の恒常性・遺伝・生態系に関する問題など |
地学 | 気象・天文・地震・火山に関する問題など |
上記の表からわかるように「数学」ではもちろんのこと「物理」や「化学」といった科目においても数学の基礎力は必要になり、多くの受験生が苦手としています。
一方、生物と地学は計算力が求められる問題は少なく、暗記で解ける問題が多いです。
理数系科目が苦手な人は生物と地学で確実に得点できるように心がけましょう。
数的処理でも数学の力は必要
数的処理とは、「数的推理」「判断推理」「資料解釈」のことを指します。
各科目の出題内容は以下の表の通りです。
科目 | 出題内容 |
---|---|
数的推理 | 仕事算や鶴亀算・流水算・相対速度に関する問題など |
判断推理 | 読解力や論理的思考が問われる問題など |
資料解釈 | 分布図や棒グラフなどの与えられた資料から計算する問題など |
数的処理でも数学の力は問われますが、上で述べたような自然科学の数学とは少し違いひらめきが重要になります。
数的処理の出題パターンには、「論理的思考力が試される文章問題」と「計算問題」の二種類があります。
数的処理は出題数が多く、難易度も問題により「普通」〜「難しい」の間のレンジであるため差がつきやすいと言えます。
数的推理と判断推理に関しては、初めて取り組む人にとっては理解しづらいかもしれません。
しかし、数的処理においてもある程度出題パターンは決まっているため、何年分か過去問を繰り返し解けば自然と解法が身に付いていきますので安心してください。
また数的処理の問題では解法は1つだけではないことも多く、何通りかのやり方があるので(特に数的推理の相対速度や仕事算など)、自分が最もやりやすい解法を見つけて身に付けるようにしましょう。
資料解釈に関しては、計算が面倒くさいことが多いですが丁寧に時間をかけて取り組めば確実に得点できる問題が出題されます。
しかし、公務員試験は時間が限られているためいつまでも資料解釈に取り組むわけにもいかないので、正確かつ迅速にグラフを読み取り計算するクセをつけましょう。
これらの数的処理の問題は出題数が多く得点のウェイトも重くなるため、多くの受験生はしっかり対策をしなければならない科目となります。
数的処理の文章問題例
文章問題では、職務に必要な論理力があるかどうかが試されると言えます。
例えば、過去問には以下のような出題例があります。
問題
景気に関するアンケート調査を行い、対象者全員に「良い」「あまり良くない」「悪い」の中からいずれか一つを選んで回答してもらった。結果を集計したところ、「良い」と回答した人が全体に占める割合は、「悪い」と回答した人の全体に占める割合より10%少なく、「あまり良くない」と回答した人は「良い」と回答した人の3倍であった。このとき、景気が「悪い」と回答した人の割合は全体のどれだけか?
- 22%
- 24%
- 26%
- 28%
- 30%
このようなちょっとややこしい文章問題から簡単な計算を行って答えを導き出すという問題が出されているのです。
この問題の解答例は以下のようになります。
解答
答えとして求めたいのは「悪い」と回答した人の割合なので、これをx%とする。
「良い」と回答した人が全体に占める割合は、「悪い」と回答した人の全体に占める割合より10%少ない
ということから、「良い」と回答した人の割合は(x-10)%となる。
「あまり良くない」と回答した人は「良い」と回答した人の3倍であった」
ということから、「あまり良くない」と回答した人の割合は3(x-10)% である。
以上から
回答 | 割合(%) |
---|---|
良い | x-10 |
あまり良くない | 3(x-10) |
悪い | x |
全体で100%なので、
(x-10) + 3(x-10) + x = 100
式を整理すると
5x = 140
よって x = 28 (%)
「悪い」と回答した人の割合は28%なので、答えは4番. 28%
数的処理の計算問題例
計算問題では、基本的な計算力が問われます。
数的処理の過去問には以下のような出題例があります。
問題
xy平面上で、y = |2x+2|+2およびy=6のグラフで囲まれた領域の面積は次のうちどれか。
- 2
- 4
- 6
- 8
- 10
この問題で要求されている数学の力は中学校一年生レベルなので、決して難しい内容であるとは言えませんが、グラフを描いて領域の面積を求める過程ではミスが発生しやすいので落ち着いて丁寧に計算することが求められます。
この公務員試験の問題の解答は以下の記事で詳しく紹介されています。
公務員の数学で頻出テーマとなっている関数・グラフに関する問題の解法を図を使って1からわかりやすく解説しています。
「絶対値のついた関数のグラフの書き方」が少しでも不安だという受験生は頻出問題なので必ず確認しておきましょう!
数学は捨てても大丈夫?
数学の出題数はわずか1~2題程度
数学は地方上級・市役所上級/中級のみ
国家総合職 | 国家一般職 | 国家専門職 | 特別区 | 地方上級 | 市役所 | |
---|---|---|---|---|---|---|
数学の出題数 | - | - | - | - | 1 | 1 |
実は2014年以降、数学は地方上級・市役所上級/中級・国立大学法人でしか出題されておらず、さらに国家公務員一般職などの試験からは2012年を最後に姿を消しているのです。
その一方で出題範囲は極めて広く、多くの受験生にとって対策しにくい科目になっていることは間違いありません。
出題範囲は広い
論点 | 具体的な出題 |
---|---|
式と計算 | 数の計算、平方根の有理化、因数分解など |
方程式・関数 | 二次方程式、関数、二項定理など |
図形と式 | 2点間の距離、直線の方程式、円の方程式、不等式と領域 |
数列・指数・対数・三角比 | 階差数列、logを用いた計算など |
微分・積分 | 極大と極小、不定積分、定積分 |
図形の計量 | 面積、体積、相似 |
上記の表の中でも「式と計算」「方程式・関数」は頻出テーマとなりますが、全体的な出題範囲は広く、十分な試験対策にはそれなりの時間が必要です。
数学を捨てたい人は捨ててもOK
数学は合否への影響は少ないので、苦手意識が強ければ捨てても問題ないでしょう。ただし、他の科目で確実に得点するという覚悟が必要になります。
実際、多くの受験生の間で「捨て問」と呼ばれることも少なくなく、受験生に避けられがちです。
捨てた時間を数的処理やそのほかの比重が大きい科目に回した方が効率的に得点できるようになるでしょう。
新教養試験のLogicalでは自然科学は出題されない
主に市役所などで平成30年度から実施されている新教養試験は自治体・日程によって出題タイプが違います。
- Standard
- Logical
- Light
出題タイプは以上の3つに分かれており、このうちのLogicalでは「自然科学」が出題されないことに注意しましょう。
数的処理の出題数は多い
数的処理は数学とは違い、出題数が多く(「18題/40題」程度の比重がある)難易度的にも差がつきやすい科目となっています。
数学が苦手な人は「数学っぽいから」という考えで捨ててしまいがちですが、これは良くありません。
むしろ重点的に勉強し、苦手でもある程度は克服することが求められてくる科目です。出題数が多いということは、出題側が受験生に数的処理をこなす能力を求めているということを示唆します。
数的推理で失点を重ねてしまうと合格するのは非常に難しくなるため、苦手な人は丁寧に勉強して少しでも苦手意識を無くしていきましょう。
数学の対策方法
自然科学の数学の難易度は、高くても高校数学レベルまでと言われています。
数的処理には高校数学の微分・積分のような高度なテーマは含まれないため、数学が苦手な人も得点できるような問題となっています。
いずれにせよ、特別難しい問題が出ることはなく、一般教養レベルのポイントを押さえた効果的な学習法が重要となります。
過去問演習から学習する
自然科学の数学は、出題範囲が広いわりに出題数は少ないのでとにかく効率的に対策する必要があります。
0から高校の数学教科書を読み込んでいくのではなく、過去問演習を行いながらわかっていない部分の周辺の知識を埋めていくというスタンスが効率的となります。
わからなければ、初級テキストの簡単な過去からをしっかりと取り組み、徐々に難易度を上げていくといいでしょう。十分な対策をした上で試験当日に過去問の範囲にない問題が出てしまったら仕方ないと割り切るしかありません。
頻出テーマから学習する
数学の勉強をする上では、頻出テーマである「方程式・不等式・式と計算・関数」を重点的に勉強すると良いでしょう。
数学は「二次関数」をはじめとしてxy平面に関する出題が多く、「二次関数」は「方程式」や「図形と式」などと内容が関連しているので学習には相乗効果があります。
「ベクトル」などはほとんど出題されないので優先度はかなり低いです。時間に余裕があれば過去問を取り組む程度でも対策方法としては問題ありません。
地方上級では関数に関する出題が多く、やや難しいと思われる問題も出題されるため、最低でも関数の問題はこなしておくようにしましょう。
数的処理を重点的に勉強する
数的処理を得点源にできると自然と高得点につながるため、合格に近付きます。
一方で、自然科学に出題される数学及び物理・化学の内容に含まれる数学については、多くの受験生が苦手とするのに加え、物理・化学については内容が限定的であるため、数的処理の方を重点的に勉強する方が効率的といえます。
しかし、当然ほとんどの受験生が参考書などを使って重点的な勉強を重ねてくるので、初級クラスの簡単な問題や周りが解けそうな問題は絶対に落とさないようにしましょう。
数的処理は勉強時間が結果に現れやすい科目と言えるため、できるだけ多くの勉強時間を割くようにしましょう。
毎日コツコツ勉強しよう
数的処理の問題を解くのに必要な論理的思考力は、一朝一夕で習得できるものではありません。
数的処理の問題には、短い時間でもいいので毎日取り組み、少しずつ力をつけていくことが大切です。最初は難しいかもしれませんが、コツさえ掴んでしまえば数的処理の問題はパターンに落とし込んで解けるようになります。
おすすめの参考書
公務員試験の数学のテキストはAmazonなどの通販サイトで探してみるとたくさんあり、書店でも多く並んでいるため、どれを選んだら良いの?と悩む受験生も多いと思います。
参考書の実際の使用感などは人それぞれなのですが、やはり本当に良い参考書というのは受験生の間で広く愛され、口コミで広がっていくものです。
ここでは資格Timesが厳選した、数学と数的処理のおすすめの参考書をそれぞれ紹介します。
こちらの高校の数学I・Aが1冊でしっかりわかる本は数学対策にうってつけの参考書です。
タイトルに「公務員試験」などは含まれていないのですが、問題ありません。数学は高校数学IAレベルまでをしっかり抑えておけば頻出テーマの対策は可能だからです。
一方で、数的処理の対策については、しっかりと「公務員試験向けの」参考書を選ぶ必要があります。
資格Timesがオススメする参考書は畑中敦子の数的推理の大革命! です。
この参考書の特徴は数的処理に必要な対策を30パターンにわけ、それぞれのパターンで例題を含めながら解き進めていく点です。
図解も適切に含まれているため、数学に少し苦手意識がある受験生でも問題なく取り組める内容となっています。
数的処理の対策はスタディングもおすすめ
公務員試験で最重要であるとも言える数的処理の対策をもっとしっかりやりたいと考えているなら、資格Timesはスタディングをおすすめします。
オンライン資格講座を開講しているスタディングであれば、スライドを用いたわかりやすい講義をスマホでいつでもどこでも受けることが可能です。
さらにスタディングの地方上級・市役所 一般知能速習コース[2023年合格目標]では数的処理の対策に重点を置いているほか、図形問題なども映像で学べるので、テキストよりも学習しやすいというメリットがあります。
受講料も38,000円からと予備校と比べて圧倒的に安いので、スタディングで数的処理に特化した対策をして、数的処理への不安を払拭しましょう!
公務員試験の数学に関するまとめ
公務員試験の数学に関するまとめ
-
自然科学の数学は要点を押さえて勉強する
-
自然科学の数学は苦手なら捨ててしまっても良い
-
数的処理は合否の分かれ目になりやすいので必ず得点源にできるようにする
数学系の科目は出題範囲が広く対応が非常に難しいため苦手とする人が多いです。
しかし、数的処理は出題数が多く、ここを得点源とすればかなり優位に立てます。
過去問を繰り返しやれば解くコツが掴めるようになるため、しっかりと反復練習するようにしましょう。
自分なりの数学の対策をきっちり練って、公務員試験の合格を掴み取りましょう!