公務員に学歴は関係ある?高卒と大卒の年収や出世、試験難度も徹底比較
「公務員に学歴って関係あるの?」
「中卒や高卒でもしっかりキャリアは築いていけるの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
公務員は、採用や年収の面で学歴による差が付くことはあまりありませんが、公務員試験の難易度には学歴種別で差が存在します。
試験の難易度ごとにその後のキャリアが決まってくるため、自分がどのような公務員になりたいのかをしっかりと決めておく必要があるのです。
こちらの記事では、学歴による試験の難易度や出席に関する差について解説していきます!
公務員の学歴についてざっくり説明すると
- 試験の合否に学歴はほとんど関係ない
- 統計的には給与などは学歴ごとに差が出る
- 民間企業は学歴重視
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公務員に学歴は関係あるの?
「公務員になるためには学歴が必要なのか」という議論が盛んに行われています。
その話題に決着をつけるべく、本記事では公務員になるためには学歴が必要なのか、というテーマについて徹底解説していきます。
公務員試験の難易度は?
公務員試験は、出題範囲が非常に広く対策に時間がかかることが特徴です。
難易度の序列は、上から順に以下の順番になります。
- 国家総合職
- 都庁・人口上位県庁・人口上位指定都市
- 国家一般職・県庁・指定都市・特別区
- 市役所専門試験
- 市役所教養試験だけ
- 消防・警察
市役所の専門試験+教養試験で受験をすることと、教養試験のみで受験をすることでは試験難易度が大きく異なります。
専門試験は出題範囲が広いため勉強の負担が大きくなってしまうのです。
しかし、どちらの市役所試験に受かっても給与待遇は同じです。
国家公務員は東大京大(偏差値70~)
国家公務員総合職に関しては、キャリア官僚を目指す人が受験するため、殆どが東大卒・京大卒(なかには東大院卒・京大院卒も)で占められています。
国家一般職も地方旧帝大や早慶上智などが多いです。
このように国家総合職や国家一般職になる人は、高学歴である場合が多いようです。
これは、難関大学出身者は公務員に必要な能力である「難解な制度や法律を素早く理解する力」であったり、「前例をもとに新たな制度を構築する力」が既に身に付いている、あるいはそのセンスがあったりするためです。
国家公務員総合職は公務員試験の中で最も難しい試験であると理解しましょう。
県庁は旧帝大や早慶が多い(偏差値60~70)
都庁や県庁の試験を受ける人のボリュームゾーンとしては、早慶上智出身者や地方の旧帝大出身者が多くを占めます。
また、地元の中堅国公立も一定数おり、データを見ると高卒や短大卒は内定者の1割にも満たない状況です。
最近では東日本大震災の影響や地方創生ブームもあり、東大京大出身者でも地方県庁を志望する学生が多い傾向にあります。
県庁の試験は国家公務員総合職よりも難易度が低くなり、比較的取り組みやすいでしょう。
ただし、志望する人も多いためライバルも必然的に増え、周囲と差を付けるような勉強を心掛けなければなりません。
市役所は地方国立大(偏差値50~60)
地方都市の市役所の職員の学歴は地元の中堅国公立大学の出身者がメインになります。
その自治体の出身者や隣接する自治体に縁がある人による受験が必然的に多くなり、最近ではふるさとに戻って就職する人も増えています。
人口が少ない自治体ではさらに出身大学の偏差値も下がる傾向にあり、あまり有名でない地方大学出身者も増えます。
したがって難易度は比較的落ちていると言えるでしょう。
公務員試験の難易度と学歴
公務員の中でも、学歴別の階層が形成されていることが先ほどのトピックでお分かりいただけたと思います。
それでは、なぜこのような差が生じてしまうのでしょうか?また、そもそも公務員試験に学歴フィルターはあるのでしょうか?
以降で詳しく解説します。
そもそも受験に中卒か高卒か大卒かは関係ない
公務員試験は「大卒程度」「短大卒程度」「高卒程度」などと受験区分が決まっています。
これは、あくまでも試験の名称が学歴別に分かれているだけであり、筆記試験の難易度を表しているにすぎません。
そのため、学歴による受験資格を設けているわけではないのです。(すべての自治体がそうとは限らないため、注意が必要です)
実際に大卒程度を受ける場合に大学を卒業している必要はないので、例えば最終学歴が中卒や高卒でも、大卒程度の試験を受けることに何ら問題はないです。
当然、高卒程度試験と比較すると大卒程度試験の難易度は格段に上がりますが、しっかりと勉強すれば全く歯が立たないわけではありません。
自分の学力や、確保できる勉強期間などを考慮して目標を定めると良いでしょう。
地方公務員はほぼ学歴フィルターはない
公務員試験において、学歴フィルターはありません。
そのため、最終学歴が原因でエントリーシートが通らないようなことはなく、基本的に筆記試験と面接試験の合計点で採用されるか否かが決まります。
エントリーシートで高学歴であることが一定有利に働くことはあってもそれは微々たるものであると心得てください。
面接試験で話す内容を工夫することで、簡単に評価をひっくり返すことが可能なのです。
また、最近では地方公務員の採用試験を中心に筆記試験やエントリーシートの点数だけではなく、面接で人柄や性格をじっくり評価してから内定者を決める傾向があるため、筆記試験の出来と合否は以前より関係が薄くなってきています。
そのため、学歴が低いからといって悲観的になる必要は全く無いのです。
今までの勉強経験が反映されている
それでは、公務員試験には学歴フィルターや学歴による受験制限は一切関係無いにも関わらず、なぜ国家公務員は東大京大、県庁は早慶上智、市役所は地方中堅大学というように序列が決まっているのでしょうか?
その理由は、学歴が高い人ほど試験に向けての勉強のやり方が確立されていたり、学習に対しての抵抗感が薄く長時間学習を苦なくこなすことができるため、結果として高学歴の方の方が成績が伸びやすいのです。
こういった理由から、出身大学ごとに受ける試験も異なる傾向にあり、上記のような分布になると推測できます。
早めに取り組もう
公務員試験に合格するためには、十分な勉強時間と効果的な対策を折り込んだ勉強方法です。
公務員試験は範囲は広いとはいえ出題範囲や形式がある程度決まっています。また、誰も解けないような難問が出題されることは稀です。
対策をしっかりとっておけば出来るようになる問題であり、早くから対策することで良い成績を収めることが可能になります。
つまり、自分の学歴に自信がなくても公務員試験の対策をしっかり行い、十分な勉強時間を確保すれば合格圏に到達することができるのです。
なお、効率的な勉強をしていく上では、予備校や通信教育の利用が非常にオススメです。
一人で勉強をしていくのが不安な方や、学力に自信が無い方は無理に独学にこだわらず、予備校や通信教育を利用することを検討してください。
公務員の学歴と出世や給料との関係
それでは、公務員合格後の待遇に学歴による差異はあるのでしょうか?
出世・給与には学歴が若干の影響
給与に関して言えば、公務員に採用されてすぐは出身大学の違いや、大卒か高卒かなどで給与の違いはあまりありませんが、初任給が学歴によって違う場合があります。(国家公務員は初任給で3万円程度の差があります)
50代を超えてくると大卒者と高卒者との間で月収にして2~5万円程度の違いが出てきます。
また出世に関していえば、部長級に出世する際には基本的に能力主義ですが、目安として偏差値60前後の大学卒であることが求められるという慣習があります。
それを除けば、大卒と高卒で与えられる仕事の量や内容に関して違いはなく、高卒の方が業務上では優秀であるということも多いようです。
その理由は、高卒で就職すると実務経験が大卒の人よりも多く積めるため、実務能力は大卒よりも高卒の方の方が高くなるためです。
大学を卒業したからといって仕事ができるとは限らないため、学歴はほとんど関係無いと言えます。
待遇や地位を求めるなら国家総合職をめざせ
公務員になってからの出世や給与待遇を求めるなら、学歴よりも国家総合職で採用されることが大切になります。
実際、国家公務員の中でもエリートコースで採用された総合職の方は、平均年収が1000万を越える場合もあり、30代前後で部長として地方自治体に出向することも多いです。
一方、地方の自治体に地方公務員として採用された場合は平均年収680万円程度で、50代で部長になれるかどうか、というケースがほとんどです。
公務員としてキャリア官僚を目指したいのであれば、国家公務員総合職を目指しましょう。
ただし、国家公務員総合職試験は公務員試験の中でも最難関であり、簡単には受かることが出来ないため、相当な勉強期間が必要になります。
それでも、就職後のキャリア展望や収入を考えるとメリットが非常に大きいため、目指す価値は十分にあります。
同窓会はあるが有利には働かない
高学歴の公務員は、出身大学による学閥が形成されて出世に有利に働くというような噂がありますが、実際はそんなことはありません。
出身大学の同窓会のようなものが開かれることもあるようですが、実際は頻度も年1~2回程度で若手を中心に行かない職員も多くいるようです。
つまり、同窓会のつながりが出世やポストに影響するとは考えにくいと言えます。
そもそも、同窓会などに参加しても有意義な情報を得られることは少ないです。
それよりも所属している部署の上司や先輩などと友好を深めて身になるアドバイスをもらった方が遥かに有意義と言えます。
学閥や同窓会などがあったとしても、「参加するメリットがあるか」を冷静に判断して出欠を決めると良いでしょう。
実際には個人の能力や実績、職場での人間関係の構築がキャリアの成功に大きな影響を考えることが多いことを念頭に置きましょう。
民間企業の学歴による差
前のトピックで公務員と学歴の関係についてはお分かりいただけたと思います。
では、民間企業の場合学歴がどのように影響するのでしょうか?以下で詳しく解説します。
民間企業には学歴フィルターが存在
民間企業は、公務員試験とは違い採用試験に際して学歴によるフィルターをかけていることが多いです。
その理由として、民間企業は利潤を求める集団であり、企業存続のためにも社員の採用にあたっては人柄や性格ではなく、会社の利益拡大に貢献できるような能力のある優秀な人材を採用したいと考えているためです。
また、大企業となると応募者数がとてつもなく多い場合もあるため、選考の手間を省くために学歴別にエントリーシートを提出した時点で選別をかけていることもあるようです。
このような選考方法であれば、当然高卒以下の人は不利になってしまうため、面接までたどり着けないケースも出てきてしまうのです。
大卒と高卒で年収の差は200万近い
民間企業の平均年収は高卒男性で481万円(44.8歳)、大卒男性で669万円(42.4歳)、高卒女性で318万円(44.8歳)、大卒女性463万円(35.8歳)となっています。
男性にせよ女性にせよ、平均年収にして200万円近い開きがあり、このように学歴による影響は公務員に比べて非常に大きくなる傾向にあります。
営業職など、実力主義でインセンティブ重視の業界だと話は異なりますが、一般的な職種であれば学歴の差がそのまま年収の差になってしまうケースが非常に多いです。
公務員も民間も学歴は関係なくなるかも
最近のAIの進展や機械化の進展により、あと数十年後には事務処理的な仕事や過去の事例の分析・統計処理等の業務は機械が行う時代が来ると推測されています。
そうなると、事務仕事が速いという人や、記憶力の高い人はもはや評価されなくなるため、民間企業でも公務員でも学歴は関係なくなるという時代が来ます。
AIは事務処理のめんで人間よりも優れていますが、発想力や独創的なアイデアの提案などはできません。
つまり、やがて来るであろうAI時代では、前例にとらわれない独創性や発想力に富んだ提案ができる人が重宝されるでしょう。
学歴やシンプルな事務的なスキルを前提としたよりクリエイティブで幅広いスキルが求められるでしょう。
AIにはできない強みを持つ人間が今後活躍できるようになると予想されます。
公務員の学歴に関するまとめ
公務員の学歴に関するまとめ
- 公務員試験の合否には学歴はほとんど影響しない
- 出世や給与は学歴によって差が出ている
- 民間企業では依然として学歴は重視される
- 自分の学力に合わせた試験を受けよう
公務員は学歴や出身大学で差別を受けたり不利益を受けることは少ないため、多くの人が受験します。
そのため、倍率が高くなってしまう傾向にあるので試験対策には十分な準備が必須となります。
公務員になることができれば、その後のライフプランの設計が非常に立てやすくなるため、長く安定して働きたい人はぜひ公務員を目指しましょう!