公務員の出世コースとは?異動の詳しい内容から出世する人の特徴まで徹底解説!
「公務員の出世コースはいったいどのようなものなの?」
そんな疑問を持っている方も実は多いのではないでしょうか?
実は公務員の世界でも、民間企業と同様に「出世コース」と言われるものがあります。
今回は出世コースとされる部署の紹介から、公務員として出世しやすい人のタイプまで詳しくまとめてみました。
これから公務員として出世コースに乗りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください!
公務員の出世コースについてざっくり説明すると
- 公務員には決まった出世コースがある
- 出世コースは「 財政課」「人事課」「企画課」の3つが代表的
- 出世する人は責任感があり冷静なタイプが多い
- 出世コースの仕事の内容は、やりがいはあるが非常に激務
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公務員の出世にはどんなコースがあるの?
公務員には決まった出世コースというものが存在しています。このルートに載りながら移動することで、より責任感ある仕事を任されることになるのです。
ここでは代表的な出世コースについて解説をしていきます。
財政課は出世部署の代表格
財政課は出世コースの代表格です!理由としては、自治体の事業の予算配分をすべて決める部署であるからです。
財政課は自治体の事業の方向性を決めるため、特に優秀な人材が必要とされます。
また予算配分には限りがあるため、関係各所との調整力が求められた時には、しりぬぐいのようなこともしなければなりません。
そのため判断力はもちろんのこと、高度なコミュニケーション能力も求められるため、優秀な人がかき集められることになります。
財政課の仕事は極めて責任重大であり、予算分配を間違えるとメディアからたたかれることにもなりかねません。
よって業務内容は事業を成功させるために過酷を極め、同時に体力面でのハードワークも求められる次第です。
人事課は組織全体の機能性を左右
人事課は組織全体の構造や機能性を決める役割を果たす部署です。よって、適材適所の人材配置が求められます。
人事に関わる仕事だけに、高度な思考能力と円滑なコミュニケーション能力が高い人が選ばれる傾向にあり、出世コースの一つに数えられやすいことが特徴です。
具体的には各部署の特徴をよく把握して、それぞれに必要な人員配置を考え出さなくてはなりません。
適材適所の構想を基に最適な人を選び出すため、コミュニケーションを通じてそれぞれのキャラを把握する必要があります。
財政課と同様に組織が機能するかどうかは、人事課によって左右されると言っても過言ではありません。非常に責任重大な部署であると言えます。
企画部署は組織の進むべき道を照らす存在
企画課は組織の具体的な道筋を示していく課です。政策を考えたり、業務の整理などをすることが主な仕事となっています。
企画課にとって必要な人材は、計画を立てる際に各所へのヒアリング能力や意見をまとめ上げる力に優れている人物です。
その際には各部門の専門的な知識が必要になってくることもあります。
以上のような理由から、人の本音を引き出せる巧みな話術を持つ人や、それらを基に論理的に意見をまとめていける思考力を持つ人が配属されることになります。
そのため企画課は財政課や人事課と並び、出世コースの一つと言われており、組織の中心的な存在として活躍している部署なのです。
自治体ごとに出世しやすい課が存在
自治体によっては上の3つ以外にも、力を入れている事業に関する部署があります。そのような課へ配属される人は、ある程度実力がなければ務まりません。
具体例として観光に力を入れている場合には、観光課が出世コースになることもあります。
ただそういった部署に関しては、時期的な要因によっても変化する可能性もあります。
また知事や副知事、市長や副市長といったトップの秘書業務を行うための秘書課も出世コースの一つです。
秘書課は知事や副知事の右腕となる存在ですから、庁内の中でも特に優秀で出世が期待されている人が配属される傾向にあります。
出向という形での出世もあり
出向とは現在所属している役所から、県庁や国、民間などへ配属されることを指します。
出向の理由としては、将来的に出世させたい人を外に出し、経験を積ませる場合が多いようです。
実際に課長以上などの出世している職員や昇進が早い職員は、ほぼ全員出向を経験しています。
特に上位機関への出向は出世に大きく影響し、出向して帰ってきてからは、先述した「出世コース」の3つの部署に配属されるパターンが多くなります。
ただし出向は自己申告書に書く欄がなく希望が出せないため、必ずしも自分が望む配属先とはならないことを留意しておきましょう。
公務員の出世には学歴はさほど関係ない
基本的に公務員の出世に学歴はさほど関係ありません。どれだけ仕事ができるかということが重要視されるのです。これから詳しく見ていきましょう!
自分の頑張り次第で出世できる
公務員は出世において学歴は関係ありません。東大出身の人もいれば早稲田出身の人、地元の国立大学出身の人もおり、部長や次長クラスでも出身大学は様々です。
したがって上に行けるかどうかは、「仕事ができる能力」と「上司からの評価が高い」という点で決まります。
一流大学を出ていなかったとしても、自分の頑張り次第で出世できるため、非常にやりがいのある職業なのです。
高卒は大卒より出世のスピードが遅いことも
基本的に公務員は、出世をするのに学歴は関係ありませんが、高卒区分で入庁した人と大卒区分で入庁した人だと、出世のスピードに若干差があります。
若手のうちは大卒と同じように昇格していくのですが、係長よりも上の役職になるにつれて、大卒の方が少し出世が早くなるのです。
ただ仕事上で高卒と大卒が差別されることは一切ありません。高卒でも仕事ができる人は出世する人もいますので、あくまでも仕事の能力で決まります。
出世コースには大きな特徴がある
出世コースには、それぞれ共通点が存在します!ここではその特徴について、詳しく解説をしていきましょう。
他の部署の仕事を理解する必要がある
出世コースの部署は、役所全体を見ながら業務を推進していくことが必須です。組織全体のことを考えて運営していくことが求められることになります。
例えば財政課なら部署の事業の重要性や予算制約・相手方の希望金額など、総合的に状況を勘案して判断を下すことなどです。
出世コースの部署はすべての部署に対して、あらゆる観点から適切な処置を行わなければならないため、他の部署と比較すると非常に責任が重いと言えます。
したがって他の部署に関しても、自分の部署同様に理解がなければいけません。 よって、相手方の部署の人員配置や仕事内容などの理解を済ませておくことは必須であると言えます。
激務であることが多い
このように出世コースの部署は、責任の伴う重責を担う仕事となっていることが特徴です。
したがって必然的に他の部署よりも仕事量は、どうしても多くならざるを得ません。非常に激務であると言えるでしょう。
しかし汗をかいてたくさんの場数を踏む経験は、キャリアアップをするためには必要な経験なのです。
長時間労働や強いプレッシャーの中で職務を遂行していくことはとても大変ですが、着実に仕事をこなしていくうちに自然と実力が身についていきます。
そのため調整能力や向上心が上がるため、期待される人材として出世コースに入りやすくなるのです。
正解のない課題に対して取り組む必要あり
出世コースの部署に配属されると、予算の最適な使い道や組織における適材適所の配置などを決定する業務があります。
一概に一つの答えにたどり着けるとは言えない問題に対して、取り組む必要があるのです。
常にレベルの高い課題に向き合うようになるため、どの観点を大事にしながら業務を遂行していくかということを、あらかじめ決めることが大切になります。
したがって様々な前提や条件などを吟味してから、最適な答えを絞り出す高い思考能力がなければなりません。
これからは与えられた課題に対して柔軟に取り組める、対処能力に優れた人材が抜擢される傾向が多くなるようです。
出世する人の主な特徴
公務員で出世する人には、ある程度共有する特徴があるものです。
ここでは出世する方々が持っている特徴や心構えを確認していきましょう。
責任感が強い人
まずは「責任感が強い人」が挙げられます。公務員の仕事内容は行政に関するものであり、人々の生活に密着したものです。
そのため間違いがあってはならず、完全に業務を遂行しなくてはなりません。
また公務員は業務が区切られており、それぞれ明確に担当者が割り振られていますから、その仕事を確実にこなせる人が出世しやすいと言えます。
これはほかの職業でも同様ですが、仕事には信頼関係が必要です。多少の困難が訪れても業務をこなしきる責任感が強い人材が認められやすくなります。
冷静な判断を行える人
また「冷静な判断を行える人」も出世しやすいタイプの人です。プレッシャーに強いことも重要になります。
公務員の仕事には、大事な判断を要するような場面は数多く訪れるため、いちいち慌てふためくようでは仕事が先に進みません。
たとえイレギュラーの事態でも冷静に判断を下せて、重要場面の意思決定をスムーズに行えれば、「仕事ができる人」として高い評価を得られるのです。
常に最善の処置を考え、実行に移す処理能力が問われます。
他者との調整能力が高い人
他者との調整能力が高いのも重要なポイントの一つです。公務員は周囲の人と業務を分担しながら仕事をこなしていきます。
そのためにも仕事関係者のスケジュールをしっかり把握し、日程を立てられるようなきめ細かい調整力が必要なのです。
役所内だけでなく、業務に関連する外部の人に至るまで、仕事がスムーズに行くように上手く調整していける人が、出世しやすいタイプの人とみなされます。
調整力は人事側が昇進を判断する際の基準として、重要になることが多いので、しっかり身につけておくと良いでしょう。
心身ともに体力のある人
先述の通り、出世すると残業が増えたり責任が重くなったりなど激務であることが多いです。
よって、長い労働時間やプレッシャーに耐え得る心身の体力がなければ更なる出世は望めません。
出世する人には、相応の体力やメンタルの強さが備わっていると言えるでしょう。
物事をわかりやすく説明できる人
上記のように関係各所と調整して連携したり、自分が考えた企画を通したりするには、物事の要点や理論を相手に理解してもらう必要があります。
その時に、的を射ていてわかりやすい説明ができる人とできない人では、相手からの印象や相手の理解の深さが全く異なってきます。
主語を抜かない、段階を踏んで話すなど、普段から相手にとってわかりやすい話し方を意識するのが良いでしょう。
フットワークの軽い人
フットワークが軽い人も出世しやすいタイプとして挙げられます。思いついたらすぐに行動を起こせるような人は経験が多彩で、対応が柔軟な人が多いです。
仕事を後回しにすることもなく、迅速に処理を進めていきます。行動力が高い人は物事の切り替えも早いため、方向転換が素早いのが特徴です。
仕事をしていると様々なトラブルに見舞われ、精神的にストレスを抱えこんでしまう人も少なくありません。
フットワークが軽い人はいつまでも問題に引っ張られず、正しい解決方法に向けて取り組むため、事後処理能力にも優れている人が多いです。
仕事を進んで引き受ける人、上司に認められる人
仕事を進んで引き受ける人も意欲が感じられるため、上司や周囲の人から可愛がられ重宝されます。
朝一番に出社して、バリバリと一生懸命に仕事に取り組む姿勢は、得てして評判の良いものです。
人が嫌がるような仕事もどんどん引き受けるような、スケールの広い度量を見せると、職場の仲間からも信頼されるようになります。
解らないことは事前に上司に確認するなど、ただやみくもに仕事をするのではなく、きちんと処理ができる人が出世しやすいタイプと言えるでしょう。
この他にも、上司に仕事の成果や人当たりの良さなどできっちり評価を得られる人は出世しやすいでしょう。
出世の具体的なコースとは?
公務員は異動の多い職種です。基本的に一定の周期で異動を繰り返しながら出世するようになっています。
異動の周期としては平均3~4年が一般的で、出世のパターンとしては、本庁での出世部署の移動を繰り返すのが特徴です。
出先へ出向するのも1回程度であり、回数は多くありません。あまり多い場合は本庁での仕事をさせてもらえないわけですから、期待されていない場合も残念ながらあるようです。
出世する際の具体的パターンとしては、3回の移動のうち出世部署は2回ほどあることです。出世部署ではないパターンの時は、将来出世することが厳しい見込みになります。
異動の基本的な流れ
異動の流れとしては、まず自己申告書を提出して、現在の状況に加えて異動先の希望を出すようになります。提出は10~1月と自治体によってまちまちです。
このように文書で希望を出すことができますが、最終的な決定は人事課で下されるので、完全にコントロールすることは難しいと言えます。
人事課は主に自己申告書の理由の中でも、人間関係や出産などの理由で選択肢に制限がある場合は、自己申告書の内容を考慮してくれる場合もあるようです。
逆にそれ以外の理由ではほとんど通らないことも多く、最終的な結果は運も絡んでくることになります。
出世によるメリット・デメリット
出世によるメリット
公務員が出世するメリットとしては、世間体がよくなることが挙げられます。社会的な地位が増し肩書がつくため、自分のことについて語りやすくなるようです。
周囲からも「彼は出世してすごい」「彼女は仕事ができるんだ」というように、一目置かれるようになります。
また自治体を動かしているという自負心から、やりがいを感じられることもメリットと言えるでしょう。
出世すれば、役職手当がつくことから年収が上がるというメリットもあります。退職金も役職が高い方が多くなるので、出世するのとしないのとでは生涯年収に大きな差が出てきます。
出世によるデメリット
上述のメリットがあるとはいえ、公務員が出世する場合は圧倒的にデメリットのほうが多いです。
例えば出世すると言われている部署に配属されると、たいてい仕事の内容が激務になり、仕事量が多くなってしまいます。
加えて、出世すると議会対応にも追われることとなり、仕事量の多さに拍車がかかります。答弁書の作成や関連部署との調整をしなければならず、夜遅くまで対応に追われることもしばしばあるようです。
これによって公務員のメリットである定時帰りなどの可能性は少なくなってしまい、民間企業と何ら変わりなくなってしまうのです。
また、出世して管理職になると管理職手当は出ますが、残業代が出なくなり、激務にふさわしい給料を得られなくなる可能性があります。年収が上がるとはいえ、納得する待遇を受けづらくなってしまうこともあります。
さらに責任が重くなってくると日々気を遣うことが増えるので、プレッシャーにさらされやすくなることもデメリットの一つです。
何か起こったときに批判の矢面に立たなければならないのが管理職ですから、精神的苦痛が増えるのは致し方ありません。
公務員の出世コースまとめ
公務員の出世コースまとめ
- 公務員の出世コースとなる部署は決まっている
- 出世する部署は「財政課」「人事課」「企画課」の3つが代表的
- 公務員で出世しやすいのは責任感があり冷静沈着なタイプ
公務員の出世コースについて、様々な視点から解説をしていきました!
公務員で出世するには民間企業と同様に、仕事ができる能力と人とのコミュニケーションが上手く取れる調整能力が必要です。
出世するほど仕事内容もハードになりますが、社会的地位も確立され安定した生活が約束されます。
公務員になるためにはある程度の年齢制限もありますので、公務員としてのキャリアを築きたい方は、なるべく早めに公務員試験の対策を進めましょう!