公務員ってどんな役職があるの?年齢と昇進の関係性から階級との違いまで徹底解説!

更新日時 2021/01/06

「公務員の役職ってどんなものがあるの?」

「公務員ってどうやって昇進していくの?」

公務員の仕事に興味がある方は、このような疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。

この記事では、公務員の役職の種類や役割、昇進の基準など、公務員の役職について解説しています。

役職によってどのように仕事の違いがあるのか、出世はできるかどうかなどをあらかじめ知っておくことは職業を選ぶ際に重要なことですので、現在公務員への就職に関して情報を集めている方はぜひ参考にしてみてください。

公務員の役職や昇進の仕組みを知り、公務員に興味を持った方は公務員試験を受験してみましょう。

公務員の役職についてざっくり説明すると

  • 国家公務員と地方公務員では役職名や昇進の仕方に違いがある
  • 地方公務員は、主査くらいまでは年功序列で昇進できることが多い
  • 地方公務員の場合、部長になれる人はあまりいない

公務員にはどんな役職があるの?

男性と矢印

役職とは、いわゆる部長や課長などのことです。役職は下から細かくランク分けされており、実力や勤務年数によって昇進していくことが可能です。

役職の種類は地方公務員と国家公務員でそれぞれ名称が異なっています。

この記事では、地方公務員、国家公務員両者の役職の名称と、それぞれのランクについて解説します。

国家公務員の役職

国家公務員の役職はとても細かく分かれています。

文部科学省などの省庁以外にも、国家公務員が働く機関は法務局、労働基準監督署など種類が多いです。それぞれの機関で役職名が異なる場合もありますが、一般的には役職は以下のようになっています。

  • 係員
  • 主任
  • 係長・主査
  • 課長補佐・専門官
  • 室長・調査官
  • 課長・参事官
  • 次長・審議官
  • 部長・総括審議官
  • 官房長・局長・政策統括官
  • 省名審議官
  • 事務次官

この順番で言うと、下に行くほどランクが上がっていきます。つまり、最低ランクの役職は係員、最高ランクの役職は事務次官です。

省庁の場合、事務次官の上は大臣政務官・副大臣・大臣と続きますが、このポジションは国会議員にならないと就けない役職です。つまり、国家公務員での最高の役職は事務次官ということになります。

また、国家公務員は採用枠として一般職と総合職に分けられており、どちらの採用枠で入るかによって昇進のスピードが異なることも特徴の一つです。

地方公務員の役職

地方公務員と一口に言っても、都道府県庁、市町村役場、警察署、消防署、図書館・税事務所などの出先機関というようにさまざまな勤務先があります。

また、公務員試験では高卒は初級、大卒程度は上級と呼ばれるように、公務員としてのレベルの違いもあります。また、地方公務員の職種としては、行政事務から技術職まで幅広い職種があります。

このように、地方公務員にはさまざまな業態があるため一概には言えないのです。

次からは、多くの人が気になる地方公務員の役職について詳しく紹介していきます。

地方公務員の役職を詳しく紹介!

メモ帳

地方公務員は、公務員の中でも大多数の人がつくポジションとなっています。

今回は地方公務員の中でも、従事する人数の割合が高い行政事務の役職について詳しく取り上げます。

なお、自治体によって役職の扱いは多少異なるため、今回は一般的なパターンを紹介します。

最初のポジションは主事

新卒で入職すると、主事からスタートすることになります。主事という役職名が付きますが、主事は、一般企業で言うところの平社員の扱いです。主事は、さまざまな経験を積みながら下積み時代を送っていきます。

主事を務める年数の目安としては、6年目くらいまでの職員を指すことが多いです。高卒で入職した場合は24歳程度まで、大卒で入職した場合は28歳程度までを主事として過ごします。

また、主事の仕事はマニュアルに従った定型的なものが多く、上からの指示に従って仕事をするのが一般的です。主事のレベルでは年功序列である場合が多く、出世の差はあまり出ません。

異動のサイクルは2~3年で、早いサイクルでいろいろな仕事を経験していきます。年収は300~450万円ほどです。

経験を積んでくると主任に昇進

主任は、東京都など、都道府県によっては昇格試験を設けているところも多少はあるものの、一般的には公務員として6,7年勤務すると、年功序列で昇進できる役職です。

主任とは、普通に仕事をこなしてくれば誰でもなれるポジションだと言えます。年齢、勤務年数によって昇進できるのが主任で、主に30代目前、30代前半で主任になる人が多い傾向にあります。

主任の仕事は、前の役職である主事のようにまだマニュアル的な仕事が多く、主事より若干難易度が上がる程度であり、仕事の内容が大きく変わることはありません。

しかし、実力次第では少し大きめな仕事を任されることも出てきます。そしてそのことにより、少しずつ同期の間で差が生まれてくこともあります。

年収は450~550万円ほどです。

ボリュームゾーンの主査

30代後半から40代前半では主査という役職になります。主査までは年功序列で、一律に昇格させる役所が多いです。

そして、主査以降は徐々に実力の違いによって出世の差が生まれ始めます。

具体的には、主査からずっとポジションが動かない人もいれば、30代半ばで早めに主査になり、それ以降出世街道を歩む人もいるということです。

主査の仕事内容は、人事関係や自治体の所属課に関する計画などを立てることがメインです。

主査は役所の中でもボリュームゾーンにあたるポジションであり、役所の仕事を大きく動かしていく重要な役割を果たしています。

異動サイクルは3~5年で、年収は550~700万円となり、高水準に突入していきます。

係長からは実力次第

係長のポストは限られているため、係長になる年代からは実力による出世競争が始まっていきます。

係長は、40代半ばでなるのが一般的な役職です。係長になる年齢には多少の違いがあり、早い段階でなれる人、そうでない人がいるものの、係長にまではなれる職員が多いです。

年齢が上の人でもまだ係長止まりだという人は、仕事があまりできずに出世できずにいる人も含まれます。

仕事内容としては、4~6人程度からなる係の総括がメインとなります。係内での業務がスムーズに進んでいるかを把握し、後輩への指導を行うなどマネジメント面での業務がメインです。

また、上司との連携も重要で、コミュニケーション能力が求められます。実務をバリバリこなしながら多様な仕事をこなしていくことが求められるのが係長です。

異動サイクルは3~5年程度が基本で、年収は700万円以上になります。

管理職の課長代理

課長代理はいわゆる管理職と呼ばれるポジションであり、課長代理までくると出世したと言えます。

課長代理からは管理職であるため、手当は残業手当ではなく管理職手当が付くようになり、課長代理未満の役職とは扱いが若干違います。

課長代理のポジションからは、出世は年功序列ではなく能力によるものになっていきますので、役職に就く一般的な年齢に関しては一概には言えなくなっていきます。そのため、課長代理には何歳からなれるとは言えません。

課長代理は課長補佐が主な仕事で、課内の係全体をまとめ上げて指示を出したり、案件をこなしたりすることが主な仕事です。また係長の上司としてのアドバイスも中心的な業務です。

異動サイクルは1~3年とかなり短く、短期間でさまざまな仕事にあたります。年収は管理職ということもあり800万円を突破することが多く、かなり高い水準になっていきます。

課のまとめ役の課長

課長は名前の通り、課全体を取り仕切る役割を担っています。

課長までくると、同期の中でも昇進できる人はかなり限られてきます。そして、早めに課長まで出世した場合、その後もさらに出世が見込める可能性が高いです。

課長になれる年齢としては、主に50代以上の人が就くことが多い傾向があります。

課長は責任の重いポジションとなり、部下と上司との間で案件調整を行ったり、議会・委員会に出席して説明を行ったりするなど、政治的な仕事にも徐々に関わり出します。

つまり、部下たちのマネジメントをしながら、同時に首長や部長などへの説明責任も果たさなければならないという大変な仕事なのです。

年収は800万後半~900万円ほどであることが多いです。しかし、課長は激務であることが多いため、年収は割に合わないことも少なくありません。

部長まで来るとかなりレア度が高い

部長は、地方公務員の役職の中でも最高ランクです。部長は限られた優秀な人しかなることができず、部長まで出世できずに定年を迎える人は多いと言えます。

部長は各課を束ねる存在であり、部内の重要事務の承認や議会での答弁などが主な仕事です。

部内の承認の多くは課長がすることもありますが、予算に関わるものなどは必ず部長の権限のもとに承認されなければなりません。

また、部長は会合や式典へ招待されることも多く、そのような場所への出席や挨拶なども部長としての仕事の一つです。

関係団体との付き合いも増えるため、責任を伴う場面がこれまでの役職よりも多く、プレッシャーを感じることが多くなります。

待遇も変わり、秘書や部長車などが付くようになります。また、年収は1,000万円前後とかなり高額になります。

気になる昇進スピードについて

走る人々

地方公務員と国家公務員では出世のスピードは大きく異なります。ここからは、地方公務員、国家公務員それぞれの出世の仕方の違いについて解説します。

地方公務員は係長から差がつく

地方公務員の場合は、係長までは勤続年数と年齢という条件を満たしていれば自動で昇進することがほとんどです。

係長までの年齢は40歳前後です。つまり、40歳前後までは年功序列で出世していくのですが、その後は能力による出世に変わるため、昇進には個人差が出てきます。

係長のまま定年する人もいれば、40・50代で課長代理・課長とどんどん昇進していく人もいます。

つまり、公務員は仕事人生の後半から一気に実力社会になっていくということなのです。

しかし、どんどん昇進するとしても年収が急激に伸びるわけではないので、その点には注意が必要です。

国家公務員は入るルートで大きな差が生まれる

国家公務員は、入職する際には総合職として入るのか一般職として入るのかの2択になります。

総合職の場合には、本府省の場合以下のように昇進することが一般的です。

年齢 ポスト(本府省)
23 係員
25~30 係長
30~35 補佐
40 準課長
45 課長
50~55 審議官・局次長
55 局長
60 次官

また、一般職の場合は以下のように昇進します。

年齢 管区ポスト
30 係員
35 係長
50~55 課長補佐・専門官
55~60 部次長
年齢 出先ポスト
25~30 係員
30~35 係長
35~45 専門職
45~50 課長
50~55 副所長
55~60 所長

このように、総合職と一般職では出世に大きな差があることがわかります。総合職の方が採用試験が難しいため、その後の差も大きくなるのです。

なお、国家公務員は地方公共団体への出向もあるため、実際にはこの表のように単純ではなく、複雑に昇進と異動を繰り返しています。

厳しい採用試験を突破する必要のある国家公務員の総合職については、以下の記事で詳しく解説しています。

役職とは別に階級も存在

硬貨とお札

階級とは公務員の給料のランクを表す指標です。各役職にそれぞれ1~10級のどれかの数字が割り振られています。これに基づき給料の額が定められているのです。

国家公務員と地方公務員の階級について以下にまとめました。

【国家公務員】

階級 本省 管区機関 府県単位機関 地方出先機関
10級 課長(特に重要) 管区長(重要)
9級 課長(重要) 管区長・部長(特に重要)
8級 室長(困難) 部長(重要) 機関の長(困難)
7級 室長 課長(特に困難) 機関の長
6級 課長補佐(困難) 課長 課長(困難) 機関の長(困難)
5級 課長補佐 課長補佐(困難) 課長 機関の長・課長(困難)
4級 係長(困難) 課長補佐・係長(困難) 係長(特に困難) 課長
3級 係長・主任(困難) 係長・主任(困難) 係長・主任(困難) 係長(相当困難)・主任(困難)
2級 主任・係員(特に高度) 主任・係員(特に高度) 主任・係員(特に高度) 主任・係員(特に高度)
1級 係員 係員 係員 係員

【地方公務員】

階級 都道府県(本庁) 市町村
10級
9級 部長
8級 次長
7級 総括課長
6級 課長 部長
5級 総括課長補佐 総括課長
4級 課長補佐 課長
3級 係長 係長
2級 係長(特に高度) 係長(特に高度)
1級 係員 係員

階級が高いほど職務も偉くなり、給料も高くなります。

地方公務員の場合、本庁に行けばいくほど給料は高くなる傾向にあります。

これはあくまで傾向であるため、場合によってはこの表とは異なることもありますので、注意が必要です。

公務員の役職についてまとめ

公務員の役職についてまとめ

  • 公務員は階級に基づき給料の額が決められている
  • 地方公務員の場合、係長からは実力による出世競争が始まる
  • 国家公務員は総合職か一般職かで出世の差が生まれる

公務員の役職、昇進の仕組みなどについて解説しました。

地方公務員の場合、ある程度までは年功序列で昇進していきますが、係長クラスくらいからは実力が評価され、昇進するには実力があることが必須となります。

国家公務員の場合は、入職時に総合職だったか一般職だったかも昇進には大きく影響します。

総合職で本府省に入職した場合、最高の役職は事務次官ですが、一般職の場合は部次長や所長で終わることになるという違いがあるのです。

公務員として出世したいと考えている方は、公務員試験を受ける前に自分が将来どのように出世したいかを考慮して地方公務員を受けるか国家公務員を受けるかを決めてはいかがでしょうか。