公務員は税理士への転職可能?転職の理由から免除制度の詳細まで徹底解説!

更新日時 2020/03/22

「公務員から税理士に転職できる?」

「税理士資格を取るとどんなメリットがあるの?」

公務員の方の中には、このような疑問を持っている方がいるのではないでしょうか。

この記事では、公務員から税理士に転職するにあたり、知っておくべきことをご紹介しています。

例えば、公務員が税理士試験を受ける際、一定の条件にあてはまると科目が一部、もしくは全て免除になります。

その他にも、公務員が税理士に転職するとさまざまなメリットがあるのです。

この記事を読み必要な知識を得て、税理士への転職を目指してみましょう!

公務員から税理士へ転職することについてざっくり説明すると

  • 公務員から税理士への転職は可能
  • 公務員から税理士に転職すると、年収がアップするなどさまざまなメリットがある
  • 公務員試験での経験が役立ち、税理士試験で有利になれることがある
  • 公務員は税理士試験で科目が免除されることがある

地方公務員から税理士に転職は可能

封筒と木地方公務員は他の職業と比べると待遇がよく安定している職業です。定年までの雇用が約束されており、安定性が極めて高い仕事だと言えます。

しかし、そのようなメリットを捨ててでも税理士になりたい公務員の人は少なくありません。

転職の理由

公務員は安定性の高い仕事であるにもかかわらず、税理士に転職したいと思う人がいるのはなぜでしょうか。次に転職したいと思う理由を解説します。

役所での税務経験を生かせる

役所の税務課に配属され仕事をすることで、だんだん税務関連の仕事に興味を持ち始めるパターンは多いです。

ただ、役所では数年に一度部署の異動があることが一般的です。ようやく税務関連の仕事を覚えたところで、他の部署に異動し税務とは全く関係ない仕事をしなければならなくなることもあります。常に税務関連の仕事ができるわけではないのです。

そのため、税務関連の仕事を今後もしていきたいと考えて、税理士を志すようになるというわけです。

クレーム処理から解放されたい

税務課は税金の徴収、市町村が集める地方税・住民税の管轄、確定申告の受付を行っている部署です。

このような部署はお金に関する業務をする部署であるため、市民からのクレームを受ける数が他の部署よりも多くなります。

また、税金滞納者に対して納税申告を促したり財産の差し押さえをしたりすることも業務の一環であるため、市民と対立する機会も多いです。

こうしたクレームからの精神的負担を軽くしたいと思い、同じ税を扱う職業として税理士への転職を考えるようになるのです。

税理士になるメリット

公務員から税理士に転職すると、さまざまなメリットがあります。

年収アップも望める

公務員の平均年収は、国家公務員が約692万円、地方公務員である県庁職員は約654万円です。

一方税理士の平均年収は、税理士事務所などに勤務するいわゆる勤務型の税理士は700万円、開業型税理士は3000万円と言われています。

勤務型、開業型どちらの選択肢を取っても公務員時代より収入がアップする可能性が高くなります。

ただ、開業型税理士の年収は分布のばらつきが大きいため、開業型税理士が全員3000万円前後の収入があるというわけではないことには注意が必要です。

人生を変えることができる

公務員はとても安定している職業であるため、辞める決断をすることは簡単ではありません。

しかし、税理士を目指すという目標を作ると、安定した公務員とは違う人生を歩む決心ができます。

特に、公務員の組織形態が合わないという人は、税理士資格を取ることで労働環境を変えることができ、心機一転できます。

公務員も素晴らしい仕事ですが、公務員から税理士へ転職すると人生を変えることができるという大きなメリットがあるのです。

元公務員から仕事を頂ける

税理士として勤務したあと独立すると自分で営業をして仕事を得なければなりませんが、公務員の経験があると、仕事を得やすいというメリットもあります。

元公務員の顧客から、同じ元公務員という共通点により仕事をもらえる機会は多いのです。

同じ道を歩んできた人だと親近感がわきやすく、依頼に繋がる可能性があります。プロフィールなどに元公務員であることを書いておくと、思わぬ縁に遭遇する機会が増えていくため、元公務員であることは積極的にアピールしていくのがよいでしょう。

役所の求めていることがわかる

税理士は役所とかかわる機会が多い仕事です。仕事をする上で役所と思うようにやり取りできないこともあります。

しかし、公務員の経験があれば、役所からの要望を理解できたり、役所の大変さを実感したりすることができるため、役所とのやり取りの際に気配りをすることができます。

未経験でも事務所への転職はできる

税理士事務所では税理士補助の職種を中心に中途採用を行っている場合が多いです。

このような求人では実務経験を必要とする場合も多いですが、未経験者でも入れる事務所はあります。未経験でも税理士事務所への転職は可能なのです。

税理士になりたければ、まずは未経験可の税理士補助の仕事に採用され、働きながら税理士を目指すという方法もあります。

ただ、注意点として、人材育成の観点から年齢が高いと採用の面で不利になるということは言えます。転職を考えるなら、なるべく早いうちに実行に移すのがよいでしょう。

転職活動は在職中から

転職活動は公務員に在職しているときから始めることをおすすめします。生活費に困ることなく最適な転職先を見つけることができるからです。

退職してから転職活動を始めると、生活費の余裕がなくなって焦りが生まれやすくなります。その結果、最適な選択ができず、妥協して再就職をすることになってしまうという点がネックになります。

ただ、在職中に転職活動をすると職場の人に転職希望であることを知られ、気まずくなってしまう可能性があることには注意が必要です。

場合によっては裏切者扱いをされたり、評価を適切に受けられなくなったりする恐れもあります。

在職中に転職をすることのメリット・デメリットをよく考えた上で転職活動をすることが大切です。

公務員は税理士試験を有利に進められる

空と手公務員の業務内容は多岐にわたります。

例えば市役所職員の主な業務は、市政を滞りなく行い、市民の生活の質の向上に貢献することが主な業務です。

一方、税理士の仕事は確定申告、個人事業の決算書作成などの税務業務、財務諸表の作成を行う会計業務がメインです。場合によってはコンサルティング業務も行います。

このように公務員と税理士では仕事内容に違いが多いですが、市役所の場合は課税や徴収といった税務関連の業務も行われており、税の取扱という共通点もあります。

また、公務員と税理士は試験の面でも共通点があります。

公務員試験の専門科目で会計学の科目がありますが、これは税理士試験の簿記論と範囲が似ています。

公務員試験で勉強した簿記の知識は、税理士試験の簿記論の勉強の際基礎知識となるため、公務員試験で会計学を選択した人は税理士試験のときに有利になるのです。

公務員試験と税理士試験はどっちが難しい?

公務員試験の会計学の分野と税理士試験の簿記論の分野は内容がかぶっているところが多いです。

しかし、公務員試験の会計学と税理士試験の簿記論では違いも勿論あります。

公務員試験の会計学は簿記2級の知識があれば十分であることが多いですが、税理士試験の簿記論は簿記1級と比べても難易度が高いという点が違うところです。

そのため、公務員試験の会計学と税理士試験の簿記論では、税理士試験の方が難しいと言えます。

公務員試験の種類にもよりますが、基本的には税理士試験の方が難しい場合が多いです。一方、国家公務員試験の場合は、税理士試験よりも難しい場合もあります。

公務員試験にもいろいろレベルがありますので、公務員試験と税理士試験はどちらが難しいと言い切ることはできません。

公務員は税理士試験の優遇を受けられることも

公務員は、一定の条件を満たす場合には税理士試験で一部もしくは全ての科目を免除されるという優遇を受けられることがあります。

例えば、国税の賦課か国税の立法に関する業務に10年以上従事すると、税法に属する科目のうち国税に関するものが免除されます。

また、地方税の賦課や地方税の立法に関する事務に10年以上従事すると、税法に属する科目のうち地方税が免除されます。

その他、税務署の国税業務に23年間従事すると、全科目が免除されます。

税理士試験は合格が非常に難しい試験であるため、この科目免除制度は公務員にとって非常に大きなメリットです。

免除制度を使うのは難しい

科目免除制度を使える人は、国税に従事した人などであり、公務員の中でも限られた人であると言えます。

また、科目免除の条件として指定の業務に従事した年数が定められていますが、この年数も10年、15年、20年、23年などと長いため、科目免除制度を使うことは難しいのです。

税理士試験の勉強方法

三冊の本 税理士試験は全部で11科目あり、その中で会計学2科目、税法科目3科目の計5科目に合格する必要があります。

会計科目は2科目に合格する必要がありますが、会計科目は簿記論と財務諸表論しかないため、この2科目は必須科目となります。

税法科目は9科目ありますが、そのうち法人税法と所得税法選択必須科目としてどちらかを選ばなければなりません。

簿記論と財務諸表論の勉強方法にはコツがあります。

簿記論は問題がほぼ計算問題であるため、アウトプットをしっかりして解き方の流れを覚えることが合格に繋がります。

財務諸表論は計算問題と理論の分野があります。点数が取りやすい計算問題を完璧にし、内容が難しい理論についても範囲をしっかり覚えることが重要です。

簿記論と財務諸表論は、勉強時間はどちらも500時間の勉強時間が必要です。1科目ごとの負担は大きいと言えます。

公務員が有利な資格

複数の男女公務員は税理士試験で有利になることもあるとご紹介しましたが、他にも公務員が有利になる資格があります。それぞれの資格で公務員がどのように有利になるのかご紹介します。

司法書士

司法書士は、裁判所などに提出する書類の作成代行、不動産の登記の代行、遺産などの相続についての相談、手続き代行などを行っています。

また、法務大臣に認められた認可司法書士は、簡易裁判所での訴訟で代理人を務めることもできます。

公務員が有利になる点としては、裁判所事務官、裁判所書記官、検察事務官、法務事務官の仕事を10年以上続け、法務大臣から認定されると司法書士の資格が得られるということが挙げられます。

司法書士になるためにまずは裁判所事務官、裁判所書記官、検察事務官、法務事務官になり、10年以上勤務して司法書士を目指すという人もいるとのことです。

社労士

社労士は社会保険労務士の略です。企業の社会保険などの手続きを行ったり、労務管理のコンサルティングを行ったりする仕事です。

社会保険労務士の場合も公務員が試験の科目を一部免除される制度があります。さまざまな科目で免除対象となる職種があるため、他の資格と比べても有利になる公務員の職種は多岐にわたります。

例えば、国家公務員で労働基準法、労働者災害補償保険法、労働安全衛生法の施工事務の仕事に10年以上勤務すると、労働基準法、労働安全衛生法の科目が免除になります

また、国家公務員や地方公務員として雇用保険法や職業安定法の施工事務に10年以上勤務すると、雇用保険法の科目が免除されます。

その他にも、さまざまな公務員が科目免除の対象となっていることが特徴です。

行政書士

行政書士は、役所に提出する許認可に関する書類の作成代行、権利義務や事実証明などに関する書類作成代行などを行う仕事です。

公務員は、中卒の場合は20年、高卒以上の場合は17年、行政事務の仕事に携わってきた場合に行政書士試験を受けずに行政書士の資格が得られます。

行政書士が扱うような書類は、行政事務をする中でも扱うため、17年または20年の勤務歴があれば、行政書士と同等の知識が得られているとされ、試験がなくても資格が得られるのだと考えられます。

実際に、公務員を退職後に行政書士に転職するという人は少なくありません。

他の資格は、科目免除をされる業種が限定されていることが多いですが、行政書士の場合は行政事務ということで試験免除の対象となる公務員は他の資格よりも多いと考えられます。

弁理士

弁理士は、特許や商標などを特許庁へ代理で申請・出願する仕事を行っています。

弁理士の試験は短答式試験、論文式試験、口述試験と三つを合格しなければならず、内容としても専門的な知識が問われるため難易度が高い試験です。

しかし、公務員の中でも特許庁で審判官または審査官の業務に7年以上従事した人は、試験を受けることなく弁理士の資格が得られます。

試験を受けずとも資格が得られるのは、審判官や審査官の仕事をしている7年間の間に、弁理士に相当する専門的な知識を得ることができるということだと考えられます。

公務員から税理士へ転職することまとめ

公務員から税理士へ転職すること

  • 未経験でも税理士事務所への転職は可能
  • 転職活動は生活費の心配をしなくて済むように公務員在職中から始めるのがよい
  • 公務員の中には税理士試験で科目免除制度が使える人がいるが、条件に当てはまるのは限られた人のみ
  • 税理士以外にも公務員が有利になる資格はさまざまある

公務員から税理士への転職についてご紹介しました。

公務員は税理士試験において、公務員試験の勉強で学んだ知識を活かすことができたり、一部科目が免除されたりすることがあるなどのメリットがあります。

また、公務員から転職後にもさまざまなメリットがあると考えられます。

現在税理士への転職を考えている公務員の方は、ぜひ税理士試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。