ITパスポートの難易度は難しい?合格率からおすすめ勉強法・勉強時間まで解説!
「ITパスポートの難易度が知りたい!」
「ITパスポートの合格率ってどれくらい?」
ITパスポート試験は多くの企業が採用時に、資格の有無や合格時の点数について確認する機会の多い国家資格として注目を集めています。
そのため在学中に合格することを目指し、最近では高校生はもちろん、中学生・小学生の受験者も増えつつある人気の資格です。
そこでITパスポート試験の難易度や合格率とやこれまでの過去問の出題傾向に基づいたおすすめ勉強法・合格までの目安となる勉強時間についてまで幅広く解説します。
ITパスポート試験の難易度についてざっくり説明すると
- 合格率は約50%と比較的高く、誰でも受験できる国家資格
- 100問中の92問が過去問と同等内容で出題される
- 未経験分野がある人でも約100時間の勉強で合格できる
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ITパスポート試験の難易度は易しめ
ITパスポート試験は合格率が約50%(学生30〜40%、社会人55〜65%) と高く、社会人であれば受験者の2人に1人以上が合格する試験です。そのため、国家資格の中では比較的難易度の低い試験と言えるでしょう。
ITパスポート試験は通称「Iパス」とも呼ばれ、情報処理技術者試験の『ITを利活用する者』区分の中でも【全ての社会人】を対象とされており、難易度はレベル1に位置付けられている国家試験です。
未経験者が勉強を通して知識を身につけ、IT分野で活躍するための機会を広げるために、基礎的な知識が主な出題内容となっています。
このような理由から、情報処理技術者試験の中でも入門編の資格として挑戦しやすく、前身である『初級アドミニストレータ試験』と比べても、難易度は易しめの試験として知られています。
また、実務に即した知識の確認を目的とした問題が多く出題されることでも有名で、過去問を通して不得意分野や未経験分野の知識を憶えることで、誰でも合格を目指すことができる国家資格となっています。
問題の難易度は年度関わらず一定
ITパスポート試験の設問には、二つの特徴があります。
一つ目の特徴は、100問の出題のうち8問は社会の変化に対応するため、これまでの過去問とは異なる傾向の問題が出題される仕組みになっています。
ただし、この新傾向の問題は、評価点数には含まれません(次回以降の試験問題を評価するために使用されると説明されています)。
二つ目の特徴として、残りの92問は前回までの試験問題を踏襲する形で、設問の言葉使いや視点の変更を通して解答に変化を与えているものの、問題内容そのものは同等内容の問題が繰り返し出題されています。
そのため難易度に大きな変化が生じるとは考え難く、過去問を通して出題傾向と解答手順を学ぶことで、十分合格を狙うことができます。
ITパスポートの偏差値はいくつ?
ITパスポート試験は他の代表的な情報処理技術者試験と比べると、約50%という高い合格率を誇り、その偏差値は45程度と言われています。
これに対して、ITパスポート試験と比較され易い、同じ情報処理技術者試験の国家資格である基本情報技術者試験の偏差値は、少し高めの49程度と言われています。
このことからITパスポート試験は、IT分野未経験の方でも、独学で合格を目指すことができる魅力的な国家資格であると言うことができます。
ITパスポート試験に受験資格は必要ない
気になるITパスポート試験の受験資格についてですが、特別な資格は不要で、ITパスポート試験は、誰でも受験することができます。
独立行政法人情報処理推進機構(通称、IPA)では、今後の社会環境において重視される『一般的な社会人に身につけてほしい情報技術の習得』と言う表現がなされており、これからIT分野での活躍を望む入門者向けの資格と言えます。
実際の試験会場では、小学生から社会人まで、幅広い層の受験者が集まる人気の国家試験です。
ITパスポート試験の難易度が高くない理由
ITパスポート試験が比較的難易度が易しめと言われている一番の理由はその合格率の高さにあります。しかし「合格率が高いから簡単!」とだけで考えてしまうのはやや安直とも言えるでしょう。
そのため、ここではその高い合格率の原因となっているこの試験の特徴をまず簡単に紹介します。
〈ITパスポート試験の特徴〉
- 年度ごとの問題のレベル差がない
- 受験資格が必要ない
- 4択の選択問題という出題方式
- 6割の正解率という合格基準
- 広いが深くはない試験範囲
これらはそれぞれこれまでに触れていたり、以下で詳しく解説して行きますが、まずはこのあたりが特徴であることを抑えておきましょう。
ITパスポート試験の合格率・合格基準
ITパスポート試験の合格率は、開始当初に10%を超えるブレを記録したものの、最近5年間の間、大きな変動を迎えることなく、とても高い水準で維持されてきました。
この傾向は特に珍しく、独立行政法人情報処理推進機構(通称、IPA)が実施する他の報処理技術者試験となる数ある国家試験の中でも一、二を争う高い合格率を維持しています。
合格率は50%と比較的高い
ITパスポート試験の最近の合格率は50%と比較的高い状態を維持しています。
参考までに、近年の合格率の表を掲載します。
年度 | 合格率 |
---|---|
令和4年度 | 51.6% |
令和3年度 | 52.7% |
令和2年度 | 58.8% |
平成31年(令和元年)度 | 54.3% |
平成30年度 | 51.7% |
平成29年度 | 50.4% |
平成28年度 | 48.3% |
平成27年度 | 47.4% |
平成26年度 | 47.9% |
平成25年度 | 47.6% |
平成24年度 | 41.0% |
平成23年度 | 51.1% |
平成22年度 | 47.4% |
平成21年度 | 59.4% |
年度毎に多少のブレはありますが、大多数の設問が前年の問題をアレンジした形で出題されるため、過去問を演習して合格点を超えるように学習を進めることで十分合格を狙える合格率であるといえるでしょう。
また近年では、詳細に出題傾向が分析されたテキストや、自分の苦手分野をピンポイントで補強することができる通信講座を利用することで、費やした勉強時間に比例した高い合格率が実現されています。
この合格率は数ある情報技術試験の中でも特に高く、比較対象に上がりやすい基本情報技術者試験の合格率が、20~30%程度であることと比べても、難易度は易しめであると言うことができます。
社会人と学生で合格率は大きく違う
ITパスポート試験の特徴として、学生と社会人では合格率が大きく異なる点があります。
年度 | 社会人の合格率 | 学生の合格率 |
---|---|---|
令和4年度 | 55.0% | 40.0% |
令和3年度 | 57.3% | 41.2% |
令和2年度 | 64.6% | 47.9% |
平成31年(令和元年)度 | 63% | 41% |
平成30年度 | 61% | 38% |
平成29年度 | 60% | 38% |
平成28年度 | 58% | 34% |
平成27年度 | 57% | 36% |
平成26年度 | 57% | 36% |
平成25年度 | 59% | 34% |
上の表からも分かるように、どの年度においても社会人は学生よりも高い合格率になっています。
これは、ストラテジ系やマネジメント系の分野などではビジネスに関わる学習範囲も多く、学生には馴染みがないため難易度が高くなっていることが原因と言われています。
逆に社会人にとっては、日常的に使うビジネス・ITの知識で対応できる部分もありその点では易しい試験と言えるのでしょう。
社会人・学生の中でも経験や学歴による違いも
社会人・学生というくくりだけでなく、例えば社会人の中でもIT経験者か否かによっても合格率が変わるかどうかというのも大切な情報です。
実際に以下でそれぞれ見ていきましょう。
〈社会人の合格率(2022年4月〜2023年3月)〉
IT系の合格率 | 非IT系の合格率 |
---|---|
52.6% | 55.4% |
基礎的な試験ということもあり、社会人に関してはIT系の職種に就いているかどうかで合格率が変わることはあまりないようです。
〈学生の合格率(2022年4月〜2023年3月)〉
大学院 | 大学 | 短大 | 高専 | 専門学校 |
---|---|---|---|---|
67.5% | 48.6% | 29.9% | 34.4% | 24.8% |
学生では学歴によって違いが見られ、大学以下と以上で大きく合格率が変わっていることがわかります。
ITパスポート試験の合格基準点
ITパスポート試験の合格基準点には、二つの基準が存在します。次の両方の条件を満たさなければ、合格することはできません。
- 各分野の合計点が1000点満点中の600点を超えること(総合評価点の計算)
- それぞれの分野での1000点満点中で、300点以上を超えること(分野別評価点)
各分野の合計を計算(総合評価点の計算)する場合には、IRT(項目応答理論)が採用されているので、各分野の具体的な数値がそのまま加算されている訳ではありません。
合格点の目安としては、それぞれの分野でおよそ6割の正答率を獲得できれば総合点と分野別評価点の2つの基準を満たすことができるでしょう。
未経験者の合格には100時間の勉強が目安
ITパスポートの合格のために必要となる勉強の目安の時間は、およそ100時間ほどと言われています。
しかし、これは未経験分野に費やす時間を加えたものであり、広い出題範囲のすべてが未経験という状態での話です。
そのため実際の勉強時間は、この目安の時間よりも少なくて済む傾向にあります。
例えば、技術分野(テクノロジ系)と、法律分野(ストラテジ系)が未経験であっても、座学を通して、サービス提供のあり方について過去に学んだ経験のある人であれば、マネジメント系に割く勉強時間は、少なくとも問題を解けるかもしれません。
また、ほとんどの分野を経験している場合には、30時間ほど(それぞれの分野を10時間ほど)の勉強で合格基準に達した人の話もあります。
得意か不得意の違いもありますので、まずは過去問を通して自分の知識量を把握すると良いでしょう。
ITパスポートの勉強時間は下記の記事で詳しく解説しています。
ITパスポート試験の合格者年齢層
ITパスポート試験は、最近の人気の反映して、様々な世代から受験者が集まっています。
特に、最年少合格者は8歳の小学生であることからも幼少期の教育にもIT教育が普及していることが伺えます(2020年度試験で8歳の小学3年生が合格し、それまで9歳だった最年少合格者が更新されました)。
参考として、2021年までの受験者の年齢層を掲載します。
開催年度 | 合格者平均年齢 | 最年少合格者 | 最高齢合格者 |
---|---|---|---|
令和3年 上期 | 30.9才 | 11才 | 75才 |
令和2年 下期 | 28.7才 | 10才 | 74才 |
令和2年 上期 | 28.7才 | 11才 | 75才 |
令和元年 下期 | 28.4才 | 10才 | 73才 |
令和元年 上期 | 28.3才 | 10才 | 75才 |
平成30年 下期 | 28.6才 | 10才 | 74才 |
平成30年 上期 | 28.4才 | 10才 | 75才 |
平成29年 下期 | 28.1才 | 10才 | 75才 |
平成29年 上期 | 28.0才 | 9才 | 75才 |
平成28年 下期 | 28.1才 | 13才 | 72才 |
平成28年 上期 | 28.1才 | 11才 | 75才 |
平成27年 下期 | 28.4才 | 13才 | 73才 |
平成27年 上期 | 28.4才 | 12才 | 75才 |
平成26年 下期 | 28.7才 | 13才 | 75才 |
平成26年 上期 | 28.7才 | 13才 | 71才 |
平成25年 下期 | 29.3才 | 12才 | 72才 |
平成25年 上期 | 29.3才 | 12才 | 75才 |
平成24年 下期 | 28.7才 | 10才 | 75才 |
平成24年 上期 | 28.7才 | 10才 | 75才 |
平成23年 下期 | 31.2才 | 12才 | 75才 |
平成23年 秋期 | 28.2才 | 13才 | 75才 |
平成23年 特別 | 30.9才 | 13才 | 75才 |
平成22年 秋期 | 38.9才 | 12才 | 75才 |
平成22年 春期 | 30.5才 | 12才 | 75才 |
平成21年 秋期 | 30.1才 | 13才 | 75才 |
平成21年 春期 | 31.0才 | 13才 | 75才 |
ITパスポート試験の勉強のし易さと人気の高まりを受けて、受験者層の若年齢化はしばらくの間は続くものと考えられます。
とは言え、全体に占める合格者の割合は、IT分野の業務に触れる機会の多い社会人の方が多い傾向にあることが表中の「合格者平均年齢」から伺えます。
今後は小学生へのプログラム教育の流れを受けて、中学生・高校生からの受験者も増加することになるでしょう。その結果、未経験者でも合格できる国家資格として浸透していくことになるのかもしれません。
試験範囲は大きく分けて3種類
ITパスポート試験の試験範囲は、大きく分けて3種類あります。
それぞれが、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系と呼ばれており、試験時間120分の間に、合計100問を四肢択一式で解答することになります。
実際の試験では、120分と言う限られた時間の中で、設問の意味を読み解きながら答える必要があるため、試験での時間配分を意識した学習が必要となります。
試験範囲 | 問題数 |
---|---|
ストラテジ系 | 35問 |
マネジメント系 | 20問 |
テクノロジ系 | 45問 |
ストラテジ系
大項目 | 小項目 |
---|---|
企業と法務 | 企業活動 法務 |
経営戦略 | 経営戦略マネジメント 技術戦略マネジメント ビジネスインダストリ |
システム戦略 | システム戦略 システム企画 |
経営全般について出題されます。いわゆる、社会における常識と良識についての質問が多く、企業活動や法務に加えて、事業運営に関わるマネジメント能力や、システム戦略についての出題されます。
実務経験があれば短時間での勉強でも十分な評価点を得られる分野ですが、情報の取り扱いについての法律とそれに基づく運営方法についても出題範囲に含まれるため、最新の情報を学び、暗記する必要があります。
法律については、正確な知識を憶えていれば、自信を持って解答することができるため、評価点獲得に向けて、時間を割いて暗記すると良いでしょう。
システム企画、システム戦略については、考え方を過去問を解きながら学ぶことで、出題傾向を把握することができます。
マネジメント系
大項目 | 小項目 |
---|---|
開発技術 | システム開発技術 ソフトウェア開発管理技術 |
プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント |
サービスマネジメント | サービスマネジメント システム監査 |
こちらは具体的な業務進行に関わるマネジメント能力についての設問です。主に、プロジェクトマネジメントと、サービスマネジメントについて出題されます。
また、システム開発技術とソフトウェア開発技術者についての設問も、ITパスポート試験ではマネジメントとして出題されています。
システム監査の方法など、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)に基づく、工数管理の必要性や、顧客サービスの実現へ向けた考え方について学んでいると、正答率があがる傾向にあります。
システム監査については、自社での内部監査者相当の学習が求められるため、未経験の場合には、テキストを読み込み、過去問からの出題傾向を把握すると良いでしょう。
テクノロジ系
大項目 | 小項目 |
---|---|
基礎理論 | 基礎理論 アルゴリズムとプログラミング |
コンピュータシステム | コンピュータ構成要素 システム構成要素 ソフトウェア ハードウェア |
技術要素 | 情報デザイン 情報メディア データベース ネットワーク セキュリティ |
コンピュータシステムそのものから、技術要素の根幹を成すハードウェアやソフトウェアの名称や分類、構造、使い方、セキュリティ、ネットワーク、マルチメディアと、幅広い分野が対象となります。
ITパスポート試験の中で最も比重が重いのがテクノロジ系であることから入念な対策が必要になります。
基礎理論として、アルゴリズムやプログラム、計算機科学に基づく問題も出題されるため、まずは参考書やテキストを確認しながら、自分の知識量を増やすように努めると良いでしょう。
特に、日常ではあまり使わない正式名称と、略称については、この機会に暗記し、使い分けて説明できるくらいの理解力が求められます。
ある程度、学習が進んでから過去問と解くと、実際の試験での時間の使い方を体験することができるでしょう。
他の資格と難易度を比較
ここでは、ITパスポートに出題傾向の近い他の情報処理技術者試験やIT系の資格と難易度を比較して紹介します。
同じ情報処理技術者試験の資格と比較
情報処理技術者試験は、それぞれの区分とレベルに分けられています。
今回は、『ITを利活用する者』の分野から、レベル1となる「ITパスポート試験」を基本として、レベル2にあたる「情報セキュリティマネジメント試験」と、同じくレベル2にあたる『情報処理技術者』分野の「基本情報技術者試験」を比較します。
ITパスポート試験に合格し、勉強を重ねることで、よりレベルの高い試験への合格を目指すことができるようになります。
基本情報技術者試験
経済産業大臣が行う国家試験の一つで、「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能を持ち、実践的な活用能力を身に付けた者」を受験対象としています。
難易度については、ITパスポート試験の合格率が、およそ50%であるのに対して、こちらの基本情報技術者試験は、合格率が高い年でも30%と、ITパスポート試験と比べて難易度は高いと言えます。
その名称の通り、情報処理技術者の職務に就くにあたり、身につけておきたい基礎的な内容が出題範囲とされており、エンジニアの登竜門的役割を果たしている試験となっています。
基本情報技術者試験の難易度は以下の記事を詳しく参照してください。
情報セキュリティマネジメント試験
2016年度より開始された新しい国家資格です。
インターネットの普及によって社会の環境が目まぐるしく変化する中で、巧妙化するサイバー攻撃に対して、適切な情報管理はもちろん、技術的分野においても必要とされる知識と対応の手順を確認するための試験と言えます。
現在は、春と秋の年2回、試験が行われています。平成28年度の春の初回試験では88%の合格率という高い数値を示しましたが、その後は低下し現在は50%台の合格率となっています。
ITパスポートとの合格率を比較する限り、合格率はほぼ同じくらいですが、新試験制度のスキルレベル2に該当し、レベル1とされるITパスポート試験よりも、難易度は高いと言うことができます。
情報セキュリティマネジメントの難易度は以下の記事を詳しく参照してください。
他のIT系の資格と難易度を比較
現在、日本ではIT分野を対象とした、いくつかの民間資格が人気を博しています。
それぞれの特徴と現在の傾向に触れ、出題範囲が重なる資格試験については、ITパスポート試験との難易度の比較を示しながら紹介します。
実用性を求められる具体的な知識を確認するための資格として、ITパスポート試験と合わせて、計画的な受験を検討する際の判断材料としてください。
J検定
J検定とは、情報検定の略で、元々は『文部科学省認定の情報処理活用能力検定(通称、J検)』と呼ばれていました。
今日では、以前のような公的な資格という立場を失い、完全な民間資格として扱われていますが、略称をJ検定としているところに、当時の名残りを感じることができます。
特徴として、J検定は3つに分かれており、それぞれが「情報システム試験」、「情報活用試験」、「情報デザイン試験」と呼ばれています。
「情報システム試験」については、より具体的な技術者を対象とする試験のため、知識性の高いITパスポート試験との比較は困難ですが、「情報活用試験」と「情報デザイン試験」と難易度を比較すると同程度と言えます。
J検定については以下の記事で詳しく解説しています。
マルチメディア検定
マルチメディア検定は、1級から3級まで分類されており、入門的位置づけである3級の試験対象範囲は、ITパスポートと重複するため、どちらかの試験勉強を通じて、互いに取得を検討することができる資格と言えます。
出題傾向も、ITの活用を効果的に行うことを目的としており、検定3級については、同程度の難易度と言うことができます。
一方、2級以上については「マルチメディアに使用するシステムを目的に応じて選択し活用できる」より専門的な実務知識が求められることから、試験の難易度は高くなります。
そのため、ITパスポート試験よりも難易試験全体としての難易度が高い資格と言えます。
マルチメディア検定については以下の記事で詳しく解説しています。
MOS
MOSは、米国のパソコン最大手企業であるマイクロソフト社の業務用ソフトOfficeシリーズについて、その利用技術を習得していることを示す民間資格です。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(Microsoft Office Specialist)の頭文字をとって、通称『MOS』と呼ばれています。
知名度は高く一般的な企業で日常的に使用されているソフトであることもあり、取得していると喜ばれる資格です。
特定のソフトの使い方についての習熟度を確認することが目的の試験のため、マルチメディア検定のようにITパスポート試験と難易度比較はできませんが、力量を証明する試験であり、履歴書に表記することができます。
社会に出てからの取得を目指すのであれば、就活に向けて、在学中に合格しておきたい資格と言うことができます。
MOSの難易度については以下の記事で詳しく解説しています。
簿記3級と難易度比較
商業高校では必須とまで言われる簿記3級と並び、今日ではITパスポート試験への受験も、高校生が多く参加する時代となっています。
両者は、その必要性から社会人としての活躍を期待される上で、どちらも取得しておきたい資格と言われています。
残念ながら、内容が異なるため難易度の比較は一概にはできませんが、1級から3級まで分類されている簿記の中でも、入門的意味合いの強い簿記3級とITパスポート試験は、合格率で見ると、近しい結果を残しています。
これまでの合格率を比較すると、ITパスポート試験の合格率が、およそ50%と言われているのに対して、簿記3級の平均合格率は46.6%であり、ややIパスの方が、合格率が高いと言えます。
しかし、簿記はパソコン等の設備を要する情報技術についてではなく、会計や財務に関わる会計科目の仕分けや、その元となる帳票の扱いに関する知識を問う資格であり、性質の異なる要素を持っています。
いずれも、企業での業務に欠かせない知識を獲得していることを証明する資格として有用であり、就活に有効な資格と言うことができます。
簿記3級の難易度については以下の記事で詳しく解説しています。
ITパスポート試験が人気の理由
ITパスポート試験は、人気の高い国家試験です。
合格することで、就活に有利に働くことはもちろんこと、今日の社会基盤であるIT(Information Technology:情報技術)について、基礎となる知識と、実務的な素養を身につけていることを証明することができます。
また、大学や省庁でもITパスポートに合格していることを条件に優遇処置を行う体制が整いつつあり、具体的な導入の流れは以下のようになっています。
- ITパスポート試験を採用している企業での就活に有効
- 一部の省庁では採用時にiパスの合格を確認している
- 全国の多数の大学で入試優遇措置や単位認定を受けられる
- ITコーディネータ(ITC)試験で一部が免除される
就職で有効活用できる
入社後にITパスポート試験を社員教育として導入している企業では、すでにITパスポートに合格している新卒者を優先的に採用する傾向が高いと言われています。
そのため、在学中にITパスポート試験に高得点で合格し、さらにITコーディネータ(ITC)試験で一部が免除される制度を利用して、より多くの資格を取得することを目指す学生が増えています。
大学内でも、ITパスポート試験に合格することで一部の単位認定を受けられる制度の採用が進められていることから、高校在学中の合格を目指す流れも生まれつつあります。
企業のIT能力向上に
ITパスポート試験はこれまでの資格制度と異なり、実務に即した知識を優先しているため、企業で求められる即戦力としての知識を客観的に評価することができます。
具体的な対応策や行動手順・模範とすべき考え方についても身に付けることができるため、業務に関連する部署のみならず、企業全体での取得を目指すことで、従業員全員の知識水準を引き上げ、顧客の信頼を得ることに繋がります。
特に、顧客の情報を預かる業務に関わっている事業では、最低限求められる知識を幅広く習得することができるため、顧客と接する営業職に至るまで、ITパスポートを通して得られた知識を役立てることが期待されます。
IT知識を身につけられる
今日の社会情勢では、コンピュータとスマートフォンは密接に関わりを持ち、切り離せない存在となりつつあります。
また、どのような職場であったとしても、ITと無関係である職種を見つけることは困難な状況にあると言うことができます。
ITパスポートは、それらの情報資源を扱うために求められる知識と、技術、法律、具体的な行動手順について、総合的な知識が求められる国家試験です。
Iパスに合格すると言うことは、より専門的な知識を獲得するためのスキルアップの基礎を学んだと言うことだけでなく、すぐに役立つIT知識を身につけられたことを意味します。
ITパスポートは独学でも十分合格できる
ITパスポート試験では、独学のみでも充分に合格することができる難易度の問題が出題されています。しかし、勉強法を間違えると、複雑な問題として目に飛び込んで来るように感じられるかもしれません。
ここでは独学の際に押さえておきたい勉強法について詳しく解説していきます。
勉強法のポイント
独学でも充分に合格を目指すことのできるITパスポート試験ですが、試験勉強を行う上で、押さえておきたいポイントについて説明します。
- 言葉の意味を考えた学習法
- 時間内に解く習慣を身につける勉強法
- 試験時間内に難問を解き直す余裕を生む読解法
ITパスポート試験は、四肢択一式の解答形式の問題です。
正解となる選択肢は必ず示されており、その選択肢を見つけられるか否かは運次第の問題が並んでいるように誤解されてしまうことがあります。
しかし、単純な消去法で答えられる問題は少なく、仮に二択まで絞り込むことができたとしても、設問で示されている内容を誤解していたために、解答を間違えてしまったと言う結果に陥ることも珍しくありません。
そのため、何を身につけるために、どんな方法を選んでいるのかと言う具体的な目的を示しながらの勉強を意識すると、ポイントを重視した身に付く学習を進めることができます。
特に、過去問を何度も繰り返して設問を解き直すことで、試験時間中の時間の使い方を体に覚え込ませることができるようになります。
スケジュールは入念に立てる
ITパスポート試験を受験するにあたっては、スケジュールを入念に立てると良いでしょう。合格を目指すのであれば、段階を踏んだ、継続的な学習が欠かせません。
特に、IT技術系の問題では、基礎となる知識の上に、体験を重ねることで、自信を持って解答の選択肢を選ぶことができるようになる問題が多く出題されています。
希望する試験日までに、出題範囲のすべてを網羅して学習に使うことができる時間を把握するためにスケジュールを立てた勉強法を意識しましょう。
苦手分野や、未経験分野がある場合には、他の分野よりも多めの学習時間をとることも必要と言えます。特に、技術分野についての出題は、未経験分野を想像で補うことなく、確実な知識として解ける勉強法を目指しましょう。
インプットとアウトプットのバランスを大切に
学習に時間的な制限がある場合、必要な知識の吸収と、設問の読解力、求められる解答手順の把握を中心に学習を進めていくことが大切になります。
一般的には、テキストを読み込み知識の幅を広げることが重要とされていますが、設問の形式を把握せずにいると、思わぬ落とし穴にハマってしまうことがあります。
そこで、情報を取り込むインプットに7割、設問を読み解き、求められる解答形式で答えを示すアウトプットに3割の時間を当てることを意識した学習法が有効と言われています。
実際の試験では、120分の試験時間中に100問を解くことが求められるため、アウトプットを通して学習した内容を身につけるためにも、過去問を活用すると良いでしょう。
過去問を有効活用しよう
最近の出題傾向をみると、これまで出題されてきた過去問の内容について、別の視点から問い直している問題を数多く見つけることができます。
これらの問題は、基本的には同じ内容についての質問でありながら、設問そのものが別の視点からの問いかけとなっているため、解答となる選択肢の正解が変化している問題と言うことができます。
そのため、出題傾向への理解を深める意味合いからも、過去問を丁寧に解く練習を繰り返すことで、グッと合格率を高める勉強法へと変えることができます。
ITパスポート試験対策におすすめのテキスト
ITパスポートの知識は今まで触れてなかった慣れないものも多いでしょう。
特に独学だとそのような知識を理解しにくいので、テキストは知識の解説が充実しているものをお勧めします。
今回紹介するテキストは「栢木先生のITパスポート教室」です。
この本はIT初心者から絶大な支持を集めているテキストとなっており、評価の高い1冊となっています。
出題されやすい分野に的を絞り、多くのイラストや図を用いてポイントを解説しています。
よって、文章だけの説明よりもより内容をイメージしやすくなり、学習がはかどること間違いなしの1冊となっています。
ITパスポート試験対策には通信講座もおすすめ
ITパスポート試験では、独学での合格も多いですが、通信講座での学習もおすすめです。
通信講座の最大の魅力として、わかりやすい講義や充実の学習サポートが挙げられ、独学時につまずいた部分を克服しやすいカリキュラムが整えられています。
今回資格Timesではそんな通信講座の数々の中でも特にフォーサイトのITパスポート講座をおすすめします。
フォーサイトはフルカラーテキストのわかりやすいテキストと、eラーニングシステムManaBunによる学習サポートが大きな売りとなっており、1人でも充実の学習を行える体制が整っているのです。
合格率も圧倒的で、2022年度は96.2%と全国平均を大きく上回る数字をたたき出したことからもその素晴らしさが伝わってきます。
ITパスポート試験の難易度まとめ
ITパスポート試験の難易度まとめ
- 合格率は約50%と比較的高く、誰でも受験できる国家資格
- 100問中の92問が過去問と同等内容で出題される
- 未経験分野がある人でも約100時間の勉強で合格できる
- 小学生の合格者も輩出しており、努力が報われる国家試験である
ITパスポート試験は、高い合格率を維持している人気の国家資格です。
約50%の合格率を誇り未経験であっても、テキストや参考書・通信講座を活用することで、勉強に費やした時間に比例して合格を飛躍的に高めることもできる資格であるといえます。
初めてのIT分野の資格としてITパスポート取得を目指してみてはいかがでしょうか。