ITサービスマネージャってどんな資格?おすすめ参考書から難易度まで解説
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「ITサービスマネージャってどんな資格なの?」
と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
ITサービスマネージャは、IT系国家資格の最高峰である高度情報技術者試験の一つに数えられます。
しかし、比較的新しく専門性の高い資格のため、一般の人にとっては不明な点も多いはずです。
今回は、ITシステムマネージャ試験について、難易度やおすすめの参考書、勉強法などを詳しく解説します。
これを読めば、ITシステムマネージャ試験の概要と対策法がよく分かるはずです。
ITシステムマネージャ試験についてざっくり説明すると
- ITサービスを改善し顧客満足度を最大化することが使命
- 合格率は13〜14%前後の難関試験
- 独学でも合格は可能だが通信講座の活用もおすすめ
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ITサービスマネージャってどんな資格?
まずは、ITサービスマネージャの概要について、主催団体や仕事内容と合わせて解説します。
ITサービスマネージャとは?
ITサービスマネージャとは、顧客のニーズを把握し、自社のITサービスの提供を最適化することで、IT投資効果の最大化を実現できるような人材を指します。
具体的な仕事は、情報システム全体の稼働管理や品質改善を通して、安全で安心なサービスを提供することです。
情報処理技術者試験で最上位のレベル4に分類される高度情報技術者試験の一つに数えられます。
そのため、IT系国家資格では最上位に位置する資格だと言えるでしょう。
ITサービスマネージャの主催団体
独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)がITサービスマネージャ試験を主催しています。
ITサービスマネージャ試験は情報処理技術者試験の一種です。ITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験も同試験群に含まれます。
情報処理推進機構は、日本のIT国家戦略を技術面と人材育成面の両方から支える政策実施機関です。経済産業省が所管しています。
IPAの政策における技術面とは、社会を守ための情報セキュリティ対策・指針の策定やITを有効活用するための基盤を作ることなどです。
また人材育成面の政策とは、サイバーセキュリティの強化に向けた人材育成などを指します。
ITサービスマネージャを含む情報処理技術者試験の実施もその一環です。
ITサービスマネージャの仕事内容
ITサービスマネージャはその名の通り、主にITサービスマネジメント業務に従事します。
ITサービスマネジメント業務とは、顧客に対しコスト面と品質面の両方に優れたITサービスを提供することです。
そのマネジメント業務において、下位者を指導する運用リーダーとして活躍するのが、ITサービスマネージャになります。
サービスの改善を通して、顧客満足度を最大化することがITサービスマネージャの役割です。
また、情報セキュリティを効果的に運用・管理し、より良いITサービス活動を実現することも求められます。
ITが普及した現代においては、ITシステムの運用を主導できるITマネージャは重宝される存在です。
ITサービスマネージャとして身につけておきたい能力
ITサービスマネージャには、ITサービスマネジメントに関わる様々な能力が必要です。
具体的には、情報システムのパフォーマンスの管理やトラブルシューティングを行えるだけの技術が求められます。
その技術を用いて、システムの品質を維持しなければいけません。
また、顧客が常に満足するようなサービスの提供を続けるには、サービスを評価・改善できるだけの分析能力が必要でしょう。
さらに改善案を提案する際や顧客と接する際には、プレゼン能力やコミュニケーション能力があった方が望ましいと言えます。
ITサービスマネージャは情報セキュリティの運用・管理も行うため、情報セキュリティ対策に関わる知識や技能も必須です。
ITサービスマネージャの年収
ITサービスマネージャとして働く場合、その平均年収は530万円前後と言われています。
一般的なサラリーマンの平均年収は454.5万円のため、平均よりも高い水準です。
また、企業によっては資格手当が支給される場合もあります。
年収は特別高いとは言えませんが、資格手当も含めて平均以上の収入を安定的に確保することは可能です。
ITサービスマネージャの基本情報
ここからはITサービスマネージャの試験に関する情報をお伝えします。
ITサービスマネージャの試験形式・試験範囲
ITサービスマネージャ試験では、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱという4つの試験が実施されます。
各試験の試験時間や出題形式、出題数は以下の通りです。
試験 | 試験時間 | 出題形式 | 出題数 |
---|---|---|---|
午前Ⅰ | 9:30〜10:20(50分) | 四肢択一式 | 30問 |
午前Ⅱ | 10:50〜11:30(40分) | 四肢択一式 | 25問 |
午後Ⅰ | 12:30〜14:00(90分) | 記述式 | 3問 |
午後Ⅱ | 14:30〜16:30(120分) | 論述式 | 2問 |
午後Ⅰに関しては3問中2問を、午後Ⅱに関しては2問中1問を、それぞれ選んで解答します。
午前Ⅰ〜午後Ⅰまでは100点満点です。午後Ⅱはランクによって合否が決まります。
午前Ⅰ
午前Ⅰ試験の出題範囲は応用情報技術者試験と同様です。すなわち、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3分野になります。
1問3〜4点の問題が出題され、合格点は60点以上の得点です。
テクノロジ系から17問、マネジメント系から5問、ストラテジ系から8問がそれぞれ出題され、問題は全部で30問になります。
午前Ⅰ試験の特徴は、同じタイミングで実施される応用情報技術者試験の午前試験から問題が全て選定されるということです。
考察問題が多く、文章題はあまり選ばれないという傾向があります。
午前Ⅰ試験を突破するには、問題数が多いテクノロジ系の攻略がカギとなるでしょう。
午前Ⅱ
午前Ⅱでは、午前Ⅰと同様の範囲から、以下の9分野が出題されます。
-
コンピュータ構成要素
-
システム構成要素
-
データベース
-
ネットワーク
-
セキュリティ
-
プロジェクトマネジメント
-
サービスマネジメント
-
システム監査
-
法務
午前Ⅱ試験の配点は、各4点×25問です。こちらも60点以上の得点で合格となります。
問題の半数以上が、サービスマネジメントからの出題であるため、この分野は重点的に対策しましょう。
プロジェクトマネジメントもITサービスマネージャにとっては重要な分野ですが、出題数としては少なめです。
そのほかの分野からはまんべんなく出題されるため、山を貼らずに勉強することがおすすめです。
午後Ⅰ
午後Ⅰ・Ⅱはどちらも以下の範囲から出題されます。
-
サービスマネジメントに関すること
-
サービスの設計・移行に関すること
-
サービスマネジメントプロセスに関すること
-
サービスの運用に関すること
-
情報セキュリティの運用・管理に関すること
-
ファシリティマネジメントに関すること
午後Ⅰでは3問から2問を選んで解答します。配点は各問50点で、60点以上の得点が合格点です。
長文を読み、その内容を記述させるような問題が出題されます。
記述における文字数は40字程度の問題が多いため、設問の要求に対して簡潔な解答を書くことが必要です。
長文の内容を的確に捉える読解力と共に、文章の要約力が求められます。
午後Ⅱ
午後Ⅱ試験では2問から1問を選んで解答します。短い文章に対する自分の考えを大論述形式で答えるという内容です。
午後Ⅱに関しては、独自の評価基準に基づき成績のランク分けがなされます。
IPAの公式サイトによると、評価基準とは以下のようなものです。
-
設問で要求した項目の充足度
-
内容の妥当性
-
論理の一貫性
-
見識に基づく主張
ただし、問題冊子にある「解答にあたっての指示」に反する解答を行った場合、論述内容に関わらず評価の程度が下げられる可能性があります。
これらの注意書きの内容は事前に理解したうえで、解答の方法を間違えないように注意しましょう。
ランクはA〜Dまでの4つで、ランクAのみが合格となります。
ランクによって評価されるため、配点や合格点の設定はありません。
出題形式としては、試験範囲に関する基本的な知識を活用しながら、設問の趣旨に合った解答を行うことが求められます。
設問の要求の中にはITサービスマネージャの立場から考えを展開することが多いので、趣旨をはき違えないように注意が必要です。
出題傾向としては、具体的な事例の知識がなければ解けないような内容の問題が多く出題されます。
具体的な事例を含めた幅広い知識に加え、論旨を上手く整理しながら長文を書く文章力や論理力が必要です。
そのため、ITサービスマネージャ試験で一番の山場と言えるでしょう。
合格率は13~14%
以下はITサービスマネージャ試験の各年度における合格率になります。
年度 | 合格率 |
---|---|
平成21年度 | 12.5% |
平成22年度 | 13.5% |
平成23年度 | 14.3% |
平成24年度 | 13.3% |
平成25年度 | 12.2% |
平成26年度 | 12.5% |
平成27年度 | 13.2% |
平成28年度 | 14.1% |
平成29年度 | 13.6% |
平成30年度 | 14.3% |
令和元年度 | 14.7% |
令和2年度 | 15.0% |
令和4年度 | 13.6% |
上記を見ると、合格率は例年13〜14%前後で推移しています。これはかなり低い数字と言えるでしょう。
ちなみに他の高度情報技術者試験の合格率に関しても、これと同水準の値です。
また、ITサービスマネージャは、IT業界である程度経験を積んだ者が多く受験します。
受験者のレベルが高い中で上記の合格率のため、試験の難易度は相当高いと考えられます。
難易度は最高峰
ITサービスマネージャ試験は、情報処理技術者試験のレベル区分で最上位のレベル4に分類されます。
その難易度は、情報技術系の資格でも最高峰と言えるでしょう。
資格偏差値も68という高い水準です。
難易度が高い理由としては、出題内容が高度に専門的であることが挙げられます。
ITサービスマネージャは現場のリーダー格であることから、相当高いレベルの知識や技能が求められるのです。
また午後試験の記述式・論述式も、難易度を上げる一因でしょう。
それらの試験では専門知識に加え、論理的な思考力や読解力、作文能力などの複合な能力が必要です。
勉強時間は100時間~150時間
ITサービスマネージャ試験に合格するには、100時間〜150時間程度の勉強が必要と言われています。
仕事の合間を縫って勉強すると想定して、平日は1日1時間、休日に1日3時間ずつ勉強したとしましょう。その場合は2ヶ月〜3ヶ月程度の勉強期間が必要です。
多忙な社会人であれば、毎日勉強することが困難な場合もあるため、勉強期間はこれより長くなる可能性もあります。
自分の実力や環境を考えながら、適切な勉強時間を設定しましょう。
ITサービスマネージャの勉強法
ITサービスマネージャ試験の勉強法としておすすめしたいのが、インプットとアウトプットを徹底することです。
これは4つの試験全てに有効な方法となります。
インプットはテキストを使って基本的な知識を記憶することなのに対し、アウトプットは問題集や過去問を使って演習を行うことです。
インプットで意識すべきことは、基本用語をメインに暗記しつつ、試験内容の全容をざっくり捉えることを心がけることになります。
特に午前試験では知識量が得点能力に直結するため、テキストの読み込みを通して知識を網羅的に習得することが必要です。
知識量に不足を感じるならは、インプットをたくさん行うことをおすすめします。
さて、アウトプット作業では、問題の形式に慣れるために演習を繰り返し行いましょう。
演習を通して自分の弱点を発見したら、テキストで復習するなどして弱点克服を図ってください。
ITサービスマネージャは、演習量がものをいう試験です。アウトプットには特に力を入れて取り組むことをおすすめします。
各試験ごとの具体的対策法
ITサービスマネージャには4つの試験があるため、各試験ごとの対策を考えることも必要です。
4つの試験それぞれに味があり、有効な対策法も異なります。
午前Ⅰ
午前Ⅰ試験の問題は、そのほとんどが応用技術者試験や基本情報技術者試験の午前試験から流用されています。よって、基本的な問題が多いのが特徴です。
そのため、それらの過去演習を行うことで、午前Ⅰ試験は攻略することができます。
演習量としては直近3〜5年分が目安です。過去問を解くことで出題傾向を把握し、基本的な知識を万全にしましょう。不安な部分があれば、テキストでその都度確認して下さい。
演習で7、8割以上得点することができれば、本番でも合格点を突破できるでしょう。
午前Ⅰ試験の勉強は、基礎固めのタームになります。試験全体に応用可能な基盤を作ることを心がけて、基本知識の定着を図りましょう。
午前Ⅱ
午前Ⅱ試験では、過去問と同様の問題や類似問題が半数以上を占めます。そのため、ITサービスマネージャの過去問対策が大変有効です。
ITサービスマネジメントやプロジェクトマネジメントは出題比率が高いため、この分野に関してはより重点的な対策を行いましょう。
知識量に不安を覚える分野に関しては、インプット作業に時間をかけることがおすすめです。
午後Ⅰ
午後Ⅰ試験では長文問題が出題され、解答を短い文章にまとめる力が求められます。
前提として、まずは長文の内容を正確に読み取れるだけの読解力が必要です。
その上で設問の要求に合うような解答要素を文中から見つける能力も重要となります。
それらの能力を培うには、ここでも過去問演習が有効です。文章の内容を的確に読み取り、解答に必要となる要素を見つける練習を繰り返しましょう。
文書の要約力に関しても練習を積む中で身に付けなければなりません。
午後Ⅱ
午後Ⅱ試験は大論述形式で、作文能力が必要です。
基本的な書き方としては、まず設問に沿った論述の構成を考え、その構成に沿って書いていくという流れになります。この流れを何度も反復して練習することが重要です。
時には他人に解答を見てもらい、客観的な感想をもらうのも良いでしょう。
論述の際は以下の2つのポイントが大切です。
-
論理構成を意識
-
設問で想定されている立場をきちんと理解する
1つ目は論述の基本ですが、原因結果や主語述語といった論理関係が整った文章を書きましょう。
自分で見ても分からない場合は、他人に確認してもらうのがおすすめです。文章同士の関係性が適切かどうかをチェックしてもらいます。
2つ目ですが、論述はITサービスマネージャとしての立場から行うことが重要です。サービスマネジメントを主導するという役割を意識し、文章構成を考えるようにしましょう。
大論述の対策は1ヶ月程度かかる場合もあるため、勉強時間は多めに見積もり、余裕のあるスケジュールにしておくことをおすすめします。
ITサービスマネージャの独学で勉強可能
ITサービスマネージャは独学でも十分合格が可能な試験です。
ただし難易度は高いため、先述したような正しい勉強法を実践する必要があります。
独学で勉強する場合は、勉強以外の面が課題となることが多いです。それはスケジュール管理やモチベーションの維持などになります。
働きながら合格を目指す場合、限られた勉強時間の中で効率的に勉強することが必要です。
そのためには、勉強しなければいけない内容を1週間ごとのスケジュールに落とし込んでいくことをおすすめします。
スケジュールはノートやスマホでいつでも確認できるようにしておき、やるべきことが常に明確になっている状態をキープしましょう。
また、試験勉強にはモチベーション維持の工夫も必要です。長い勉強期間でもやる気がなくならないように努力しましょう。
具体的な方法としては、短期間のノルマを設定することがおすすめです。
目標点数や目標正解数などを決めておけば、毎日達成感のある学習ができるため、勉強が長続きします。
おすすめテキスト・問題集
ITサービスマネージャの独学におすすめのテキストは「うかる ITサービスマネージャ 2022~2023年版」です。
この本は合格に必要な知識だけを厳選して収録しているため、効率的な勉強が可能な参考書です。
更に、鬼門である午後Ⅱ試験の対策についても、充実した解説内容になっています。
論文の作成方法をはじめ、実際の構成例や添削付きの解答例も掲載されており、独学でも十分対策を行えるような内容です。
また、論文対策を徹底的に行いたいのであれば、「ITサービスマネージャ 合格論文の書き方・事例集 第5版」が良いでしょう。
論文対策に特化した内容であり、過去問やオリジナル問題を使って合格レベルの論文の作成方法が学べます。
専門家による論文が35本も掲載されていることも魅力的です。幅広い解答例を見ながら論文の書き方をマスターすることができます。
過去問の使い方が合格への近道
ITサービスマネージャの試験は、過去問演習の質および量が合格を左右すると言っても過言ではありません。
過去問演習を通して出題傾向や頻出問題を体得し、実力をつけていきましょう。
また間違えた問題や不安な箇所はテキストで復習し、確実に苦手を克服することも重要です。
過去問演習を中心とした対策が特に有効となるのは、過去問からの出題が多い午前Ⅱ試験になります。
また午後試験においても、記述式・論述式を攻略するには過去問演習が欠かせません。演習量を積むことによって解答のコツを掴めるので、積極的に活用しましょう。
ちなみにITサービスマネージャの過去問は、IPAの公式サイトや市販の過去問題集などから手に入れることが可能です。
過去問研究は徹底的に行うことをおすすめします。
通信講座も使おう
社会人や主婦の方など、多忙で勉強時間が満足に取れないという場合は、通信講座を活用するのもおすすめです。
iTECやTACなどがITサービスマネージャの通信講座を開講しています。具体的には以下のような講座があるようです。
会社 | 講座名 | 受講料 |
---|---|---|
iTEC | 2023 ITサービスマネージャ スタンダードコース | 57,200円 |
TAC | ITサービスマネージャ 本科生 | 60,000円 |
TAC | ITサービスマネージャ 本科生プラス | 70,000円 |
通信講座を利用する場合、予備校よりも安い受講料で講座が受けられます。
また、試験日に合わせてカリキュラムが設定されているため、その都度目標を持ちながら勉強を進めることが可能です。
通信講座を利用すれば、試験対策のプロから合格に必要なエッセンスだけを学ぶことができます。
独学で一から悪戦苦闘するよりも、はるかに効率的な勉強法だと言えるでしょう。
ITサービスマネージャの勉強をするメリット
資格を取得するメリットを知ることは大切です。それは試験勉強の大きなモチベーションになるでしょう。
実力をアピールしやすい
ITサービスマネージャは、IT関連の資格でもトップレベルの難易度を誇ります。そのため資格を保有していることは、IT人材としての実力の証明です。
取得すれば高度な専門性を有することを、周囲にアピールすることができます。
ITサービスは今後拡大が予想される事業であるため、ITサービスの運用・管理に関する実力を証明できれば、就職や転職では有利に働くでしょう。
また、ITサービスマネージャは難関資格であるため、資格を取得するまでの努力や行動力なども高評価の対象になります。
ITILの知識を習得できる
ITILとは、ITサービスマネジメントの成功事例をまとめた書籍群のことです。「Information Technology Infrastructure Library」を略してそう呼ばれます。
ITサービスマネージャの試験勉強でITILに触れることは、今後のキャリアにおける価値ある財産となるでしょう。
その試験勉強では、ITサービス管理における基本的な考え方を習得することが可能です。
具体的には、ITサービスの運用に関する一連のプロセスの外観やサービス改善の方法などが学べます。
他の国家資格の一部免除も
ITサービスマネージャ試験に合格すれば、他の試験で以下のような免除を受けられます。
-
中小企業診断士の1次試験科目の一部免除
-
弁理士試験の論文式筆記試験選択科目の理工V免除
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技術士試験の第一次試験の専門科目「情報工学部門」が免除
-
ITコーディネータ試験の一部が免除される専門スキル特別認定試験を受験可能
このように多くの試験で免除を受けることが可能です。いずれも難易度の高い試験のため、少しでも負担を軽減できることは価値深いと言えます。
ITサービスマネージャの受験までの流れ
ITサービスマネージャ試験は年に1回実施されます。試験日は毎年10月の第3日曜日です。実施会場は全国主要都市に設けられます。
申し込み方法はインターネット出願と郵送出願の2種類で、受験料は7,500円です。
次のITサービスマネージャ試験は、2023年4月16日(日)に実施されます。合格発表は12月下旬に行われるようです。
ITサービスマネージャ試験に受験資格はありません。性別や学歴、年齢などを問わず誰でも受験できます。
ちなみに情報処理技術者試験には、全ての試験において受験資格がありません。
午前Ⅰ試験は免除可能
午前Ⅰ試験に関しては免除制度が存在します。以下のいずれかを満たせば2年間の免除を受けることが可能です。
-
応用情報技術者試験合格
-
高度情報技術者試験に分類される試験に合格
-
高度情報技術者試験に分類される試験の午前Ⅰ試験で合格基準点をクリアする
平成30年度の試験では、受験者の56.2%がこの免除制度を利用しています。受験者の半分以上が午前Ⅰ試験を免除されているということです。
ITサービスマネージャ試験は長丁場となるため、少しでも負担を軽減しておく方が良いでしょう。該当者は積極的に活用すべきです。
ITサービスマネージャと合わせて取りたいおすすめ資格
ITサービスマネージャの取得前には、他のIT資格で基本的な知識を身に付けることがおすすめです。
応用情報技術者
応用情報技術者試験は、ある程度経験を積んだエンジニアがさらに上を目指すための資格です。
高度なIT人材に必要な、IT関連の業務にまつわる発展的な知識や技能が試されます。
情報処理技術者試験の中でレベル3に分類され、ITサービスマネージャのワンランク下の資格です。
試験内容は、ITサービスマネージャの午前Ⅰ試験同様、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3分野からの出題となります。
基本的な知識に不足を覚える場合は、先に応用情報技術者試験を受けることがおすすめです。
基礎知識をおさらいした上で、スムーズにITサービスマネージャの対策に移行できます。
応用情報技術者については以下の記事も併せてご覧ください。
ITILファンデーション
ITILファンデーションは、ITサービスマネジメントの知識に関する世界共通の資格です。
ITサービスの運用管理に関する基本的な知識を学ぶことができます。
基礎的な内容を扱うため難易度の低い試験であり、例年受験者を多く抱える資格です。日本国内の累計取得者は17万人を超えており、大人気資格の一つと言えます。
こちらもITサービスマネージャの前に取得することで、試験に必要な基本知識を身に付けることが可能です。
ITシステムマネージャ試験についてまとめ
ITシステムマネージャ試験についてまとめ
- 顧客に対するITサービス提供の専門家
- 難関試験だが独学での合格も可能
- 短期間で効果的な勉強には通信講座がおすすめ
ITシステムマネージャ試験について、詳しく解説しました。
ITシステムマネージャは、ITサービスマネジメント業務を主導し、顧客満足度の最大化を目指します。
試験の難易度は高いですが、独学でも合格は可能です。その際はインプットからアウトプットという流れで勉強しましょう。
またスケジュール管理やモチベーション維持の工夫など、勉強以外の部分も重要です。
多忙な社会人や主婦の方には、通信講座を活用して効率良く学ぶことをおすすめします。