ITストラテジストの年収はどれくらい?転職事情から取得メリットまで解説!

「ITストラテジストの年収はどれくらい?」

「ITストラテジストは転職できるの?」

「ITストラテジストの資格取得のメリットは?」

このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。そこで今回はITストラテジストの資格や仕事内容などについて解説します。

この記事を読むことで、ITストラテジストとは何かという基本的なことからITストラテジストの転職状況や他の業種との年収比較などを詳しく紹介していきます。

この記事を読み終えた頃には、ITストラテジストの具体的な仕事内容やITストラテジストの資格取得で得られるメリットなどを理解してITストラテジストの資格を取得したくなるでしょう。

ITストラテジストについてざっくり説明すると

  • ITストラテジストは企業などで課題発見や戦略策定を行う
  • ITストラテジストの資格を取得することで転職の際に有利になることが多い
  • ITストラテジストは高い収入が期待できる

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そもそもITストラテジストとは?

パソコンと乗せられた手元

ここでは、そもそもITストラテジストは何なのか、どのような資格なのかを紹介します。

ITストラテジスト試験は2009年に始まった国家資格です。システムアナリスト試験と上級システムアドミニストレター試験が統合された試験がITストラテジスト試験になります。

システムアナリストはシステム開発や設計の際にシステムの大枠を決める基本構想や企画などを行う担当者を指します。

システムアナリスト試験は2008年に終了しましたが、この試験の合格率は6から8%とかなり難しい試験でした。

そして上級システムアドミニストレターは企業内のエンドユーザーの立場から情報システムを活用して業務の改善などを行います。

上級システムアドミニストレター試験も2008年に終了しましたが、システムアナリスト試験と同じく難易度の高い試験でした。

そんな2つの試験を統合して作られた試験であるITストラテジストは企業の経営戦略に基づきITの知見から戦略を策定します。

更に、IT技術を高度に活用し、業務改革や競合を圧倒するサービス・製品などを新しく作り出すように企画や推進を行うのがITストラテジストです。

公式ホームページで掲載されているITストラテジストの対象者は上記のような職務を遂行しビジネスを成功に導く人です。

また、IoTや組み込みシステムを利用してシステム企画や開発を構成し、新たな価値を実現させるための戦略を策定、推進する人が対象となっています。

そのため、ITストラテジストはCIO、CTO、ITコンサルタントのような、ビジネスで成功の鍵になる役割を目指す人は取得しておくべき資格と言えるでしょう。

さらに、この資格は情報処理技術者試験の中でも高度情報技術者試験に位置付けられ、尚且つIT系国家資格の最上位に位置しています。

ITストラテジストの難易度は最高峰

ITストラテジスト情報処理技術者試験の中で最高峰のレベル4になっています。情報技術系の資格試験の中でも最難関であると言えるでしょう。

更にITストラテジストの資格は高度情報技術試験に区分されていて難易度はプロジェクトマネージャと並ぶほどに高いです。

また、合格率は2019年度試験では15.4%、ここ最近は大体14%と低めの合格率になっていて難易度が高いことが分かります。

さらに、試験は午前と午後共に2種類あり、合計4つの試験に分かれています。特に、記述や論述の出題が中心の午後試験は難易度が高く、合格率を大きく下げる要因となっています。

ITストラテジストの年収は高い

紙の上に置かれたコインとボールペン

難関資格であるITストラテジストの収入はいくらぐらいなのか気になる人も多いと思います。

ITストラテジストの平均年収は約650万円です。一方、システムエンジニアの平均年収は約550.8万円、サラリーマンの平均年収は454.5万円となっています。

これらの職業と比較して分かるように、ITストラテジストの年収が高いことが分かります。

ITストラテジストは企業のビジネス戦略を立てる際の主軸になることや、資格取得の難易度が高いことなどがあり資格を持っている人の平均年齢が高いです。

さらに、ある程度出世している人が資格取得者に多いことなども収入の高い要因になっています。

情報技術者試験全体でみても年収が高い

ITストラテジストは情報技術者試験の全体と比べても平均年収が高めになっています。

以下で実際に比較して、みていきましょう。

資格 平均年収
ITパスポート 380~500万円
情報セキュリティマネジメント 510~600万円
基本情報技術者試験 350~600万円
応用情報技術者 450~650万円
ITストラテジスト 670万円
システムアーキテクト 480~701万円
プロジェクトマネージャ 500~1000万円
ネットワークスペシャリスト 400~800万円
データベーススペシャリスト 400~600万円
エンベデッドシステムスペシャリスト 400~600万円
ITサービスマネージャ 500~600万円
システム監査技術者 500~700万円

この表からも分かるように、ITストラテジストの年収は情報技術者試験のレベル1から3の資格よりも高いのが分かります。

さらに、同じレベルである高度情報技術者試験の中でも、ITストラテジストの年収は高い部類に入ることが理解できます。

これらのことから、IT資格の中でも、取得によって大きく収入を上げることのできる資格であると言えるでしょう。

資格手当で給料が上がる

IT企業の中にはITストラテジストの有資格者に資格手当を与えている企業も多く存在します。

ITストラテジストの資格手当は20,000円前後が一般的なので、年収にして24万円も昇給が狙えることがわかります(基本情報技術者の資格手当の相場は5,000円、応用情報技術者は10,000前後)。

さらに資格を取得したタイミングで数十万円を支給する企業もあるので、資格を手に入れるだけで収入増加が狙える資格だと言えるでしょう。

ITストラテジストの仕事内容

机の上に置かれた万年筆とノート

続いてはITストラテジストの仕事内容について紹介します。ITストラテジストはITの専門的知識を駆使して企業戦略に貢献し、更に経営面と技術面の両方で業務の効率化を促すことです。

また、その役割を果たしながら企業などでリーダーとして一般の従業員を指揮することも仕事です。主には、課題の発見と戦略の策定を行います。

課題発見は主に企業に直接出向いて現場を観察したり、社員からヒアリングを行うことで課題点や改善点を見つけることを行います。

戦略策定の業務では様々な課題や改善点を把握した上で、IT技術者の知見を活かして業務改善や革新のためのシステム導入やITの活用などの検討を行い、経営者への提案を行います。

ITストラテジストは情報技術者試験に区分されていますが、技術者の仕事と言うよりもビジネスに寄り添って、IT技術の導入や戦略を策定するコンサルタントのような仕事になります。

ITストラテジストの具体的な働き方

ITストラテジストの仕事における役割を紹介しましたが実際に働く場合、具体的にはどのような仕事内容になるのでしょうか?

続いてはITストラテジストが一般企業で働く場合と、ITコンサルが中心の会社で働く場合の仕事内容を詳しく紹介します。

一般企業で働く場合

一般企業の社員として働く場合は、ITに関する専門的な知識を活かし、自社環境を踏まえた上でIT戦略に携わるような仕事を行います。

社内の中での業務効率を改善できないかといった、現場の課題や状況を把握した上で、改善方法などを提案していくことが大切な仕事内容になります。

ITストラテジストはIT知識に疎い人が多いような経営層にも、その技術を導入することでどのような効果が期待できるのかなどを具体的に説明することが大切です。

ITストラテジストが多く働いている会社の場合

ITストラテジストが多く働いているような会社では他の会社から技術の導入を依頼されることがあります。

このような依頼はまず依頼先の事業環境を聞き出すことから始まります。

事業環境を把握し、その会社の環境の中にIT技術をどのように組み込めるのかを検討することが大切です。

依頼先の会社がIT業界の知識がない場合には、まずITについて基礎的な知識を身に付けてもらえるように説明することが大切です。

ITストラテジストは転職に使える?

手に乗せられた疑問符

ITストラテジストは将来的な需要も大きく、これから更に求人が増える職業であり転職もしやすい業種で取得する価値のある資格です。

ITストラテジストの仕事内容は企業経営を左右する大事なポジションであり、採用が多い職業になっています。

具体的には会社総体として様々なサービスを提供するコンサルファームや政策立案や政策提言を行うシンクタンクでの活躍においてITストラテジストは転職の際、有利に働くことが多いです。

ITストラテジストの資格を取得した後、転職を希望するときは転職サイトに登録し資格取得を提示することでスカウトが多くの会社から来るでしょう。

もしITストラテジストの資格を持っていることを提示するなら、資格取得の理由や目的など資格について聞かれることが多いので、あらかじめ資格取得理由など整理して面接で話せるようにしておきましょう。

実際のキャリアパス

実際、転職の際にキャリアパスするには転職前にシステムエンジニアやプロダクトマネージャーなどを経験している場合が多いです。

このような職種を経験した後、ITコンサルや事業システム開発部のリーダーとして転職することができます。

ITストラテジストの資格取得後の転職では給料が大幅に上昇するケースも多いです。

まとめると、ITストラテジストの資格を取得することで

  • 転職の際に給料が上がったる
  • 職種の選択肢が広がる
  • 高く評価され、企業にスカウトされやすくなる

といったメリットがあるのです。

ITストラテジストのメリットは他にも存在

黒板に乗せられた電球

ITストラテジストの資格を取得すると転職が有利になったり年収が上がったりと評価が高いことを紹介しましたが、他にもたくさんのメリットがあります。

他にはどのようなメリットがあるのか、以下で詳しく紹介します。

市場価値が高まる

現在、ITの活躍領域が広くなっていることもあり、多くの企業でIT戦略を立案できる人が求められています。

そのため、ITストラテジストの需要が高まっている傾向があることを考えると、資格を取得することで市場内で価値の高い人材になることが可能です。

またIT業界のみならず、それ以外の企業でもITは必要不可欠になっています。

それらの企業へのITコンサルタントとして活躍することも期待できるので、ITストラテジストの知識が多くの企業で必要とされているのが現状であると言えるでしょう。

中小企業診断士と比較して有利になる場合も

中小企業診断士はITストラテジストの試験と同様で企業へのコンサルタント能力を試す試験です。

中小企業診断士とITストラテジストの違いは、中小企業診断士企業経営のコンサルタントを専門とするのに対して、ITストラテジスト企業のIT戦略のコンサルタントをメインとして行います。

同じコンサルタントでもIT業界で活躍したい場合はITストラテジストの方がITへの専門性が高く、優遇されるケースが多いです。

特にシステムの設計や開発を行うシステムエンジニアとして働くには、ITへの知識が高いITストラテジストの方が中小企業診断士よりも大きく有利に働きます。

しかし経営のコンサルタントとして働きたい場合は、中小企業診断士の資格を取得している方が高く評価され、優遇されやすいです。

希望の職種をしっかりと考えた上で、ITストラテジストか中小企業診断士のどちらの資格を取得するかを決めるのが良いでしょう。

国家資格の免除にも使える

ITストラテジストの資格を取得することで国家資格の一部が免除される場合があります。

先ほど紹介した中小企業診断士の第1次試験科目の一部免除、弁理士試験の論文式筆記試験選択科目の理工Vの免除です。

更に、技術士試験では第一次試験の専門科目である「情報工学部門」の免除、またITコーディネータ試験の一部が免除される専門スキル特別認定試験を受験することが可能になります。

このようにTストラテジストの資格を取得しておくと多くの試験において免除が受けられてこれらの資格を取得する際に負担が少し軽減されます。

特にITストラテジストと同じくコンサルタントを行う中小企業診断士はITストラテジストの資格とダブルライセンスする人も多いです。

ITストラテジストの資格を取得してから中小企業診断士の試験を受けることで少し楽に資格を取得すること可能です。

ITストラテジスト中小企業診断士の資格を取得することで経営のコンサルタントとIT業界でのコンサルタント、どちらの職種にも転職しやすくなり転職先の幅が広がります。

ITストラテジストについてまとめ

ITストラテジストについてまとめ

  • ITストラテジストの需要は高く資格を取得することで転職の際に優遇されやすい
  • ITストラテジストの平均年収は約650万円と高め
  • ITストラテジストの資格を保持することで一部の国家試験が免除される

ITストラテジストは現在、ITの広がりとともに需要が高まっている注目度の高い資格です。

ITストラテジストの資格を取得することで転職の際に優遇されたり、高い収入が得られたり、国家試験の一部が免除されたりと多くのメリットがあります。

ITストラテジストの試験は難易度が高いですが、努力して資格を取得することで多くの恩恵を受けられる資格と言えるでしょう。

皆さんもぜひチャレンジしてはいかがでしょうか。

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