基本情報技術者試験のJava分野とは?対策法のコツから難易度まで解説!
「基本情報技術者試験のJavaはどんな科目なの?」
「Javaはどのように対策するといいの?」
基本情報技術者試験でJavaを選ぶ予定の人なら上記のようなお悩みを抱いていることでしょう。
基本情報技術者試験では午後試験の選択科目の一つとしてJavaが出題されます。
ここでは、基本情報技術者試験におけるJavaについて紹介します。試験科目としての特徴や出題範囲、対策法、おすすめの参考書などを解説いたします。
試験でJavaを選ぶつもりの人にお勧めの内容となっているので、ぜひ読んでみてください!
基本情報技術者試験のJavaについてざっくり説明すると
- 選択科目の中でも特に難易度が高い。
- object指向とAPIは必須で、例外処理も押さえておく。
- 実際にプログラムを書いて勉強するとよい。
基本情報技術者試験のJavaってどんな科目?
Javaは基本情報技術者試験では午後試験の選択科目の一つとして出題されます。
以下では試験科目としてのJavaの詳細を紹介していきます。
午後試験の出題内容
基本情報技術者試験の午後試験では長文形式の問題が出題されます。大問一つの中にも複数の設問があり、それぞれ配点が異なります。
試験問題には必須科目と選択科目があり、それぞれ出題範囲が決まっています。
必須科目は第1問の情報セキュリティ、第6問のデータ構造とアルゴリズムの2科目です。受験者全員が必ず解答しなければいけません。
第2問から第5問までのソフトウェアやデータベース、システム戦略は選択科目です。ここでは2科目を選んで解答する必要があります。
また、第7問から第11問までにも選択科目があります。
ここではc言語・Python・アセンブラ・Javaの5つのプログラミング言語が出題され、ここから1科目を選択して解答します。
プログラミング言語の問題では問題文の指示に従ってプログラムを組みます。
複数ある候補の中から正しい処理を行うものを選ぶ穴埋め形式で解答します。
午後試験の配点は次のようになっています。特に、第7問から第11問までのプログラミング問題の配点はかなり高く、午後試験全体の4分の1を占めています。
ここでの出来具合が試験結果に大きな影響を与えると言えるでしょう。
問い番号 | 解答数 | 配点 |
---|---|---|
1 | 1問 | 20点 |
2~5 | 2問 | 各15点 |
6 | 1問 | 25点 |
7~11 | 1問 | 25点 |
午後試験の詳しい内容は以下の記事をチェックしてください。
Javaの難易度は特に高い
Javaの出題範囲は以下のようになっています。
- javaの基本的なプログラム(クラス、メソッドなど)
- 数値の計算(データ型、配列など)
- 選択型のプログラム(if文、switch文など)
- 反復型のプログラム(while文、for文など)
- クラスとインスタンス(クラス変数、インスタンスメソッドなど)
- 差分プログラミング(継承、スーパークラスなど)
- 例外処理(try文、throw文など)
- 並列処理(スレッド、waitなど)
- コレクションと総称(add、Mapなど)
- 入れ子クラス(メンバクラス、メンバインタフェースなど)
- 列挙(列挙定数、final変数など)
基本情報技術者試験におけるjavaの特徴として、難易度が高いことが挙げられます。
プログラミング言語での選択科目にはC言語やPython、アゼンブラなどがありますが、javaは頭一つ抜けた難易度です。
言語構造、オブジェクト指向、APIなど難易度が高い理由はいろいろありますが、javaという言語そのものがもつ難しさと固有の内容からの出題が多いことが原因と言えます。
よって、javaでのプログラミング未経験者や初心者などにはあまりおすすめしません。
プログラミング言語ではない表計算、初心者でも勉強しやすいPythonやアゼンブラなどを選ぶ方が良いでしょう。
プログラム量の多さには要注意
javaは他のプログラミング言語と比べてプログラム量の多い言語です。よって基本情報技術者試験でも読解量が多くなりがちです。
もちろん、ループ処理や分岐処理なども発生するのでただ単純に上から下に読んでいけばよいというものではありません。
状況を整理したり解答するために時間がかかるので、時間配分にも注意しましょう。
Javaの対策方法のコツ
基本情報技術者試験のjava対策では重要な出題内容を押さえてから問題演習をすると実力を身に着けやすいでしょう。
ここでは学習のコツを紹介します。
object指向の理解が必須
プログラミング言語としてのJavaにはobject指向という特徴があります。javaを理解するにはこの考え方を理解することが重要です。
object指向とは開発の効率を高めるための考え方です。
これによって、プログラムの独立・再利用性・拡張性という3つの要素を実現しています。
object指向を理解するにはある程度の慣れが必要となってきて、次のようなキーワードを押さえておくとobject指向をスムーズに理解できます。
- クラス
- インスタンス
- object
- カプセル化
- 継承
- ポリモーフィズム
特に、継承やコントラクタ、抽象クラス、抽象メソッドなどは試験でも問われやすい内容です。
object指向がテーマの問題でも出題されることがあるので、必ず理解しておきましょう。
APIも必ず理解しよう
java対策ではAPIについても理解しておく必要があります。APIとは「Application Programming Interface」の略称です。
javaでのアプリケーション開発する際に必要になる標準機能を提供するインターフェースです。
基本情報技術者試験で出題されるAPIは説明が記載されているので、すべてを暗記していなくても解答できます。
しかし、制限時間による制約もあるので使い方をマスターしておくとよいでしょう。APIは頻出問題なので、可能な限り勉強しておきましょう。
実際にプログラムを使ってみる
javaに限らずプログラミング言語の勉強では、ただ参考書やチュートリアルを読んでいても理解できないことが多いものです。
よりスムーズに理解するためにはeclipseのような統合開発環境を利用して、参考書に書いてあるような処理を実際に書いてみるのがコツです。
自分の手で処理を行うと、参考書や問題文で書かれていた論理関係やAPIの動きなどを体感できます。
ただ文章を目で追うよりも、はるかに理解しやすいので、ぜひ自分で記述してみましょう。
問題演習は必須
基本情報技術者試験では問題演習が必須です。出題傾向の把握や制限時間の意識という目的もありますが、出題形式に慣れることが特に重要です。
基本情報技術者試験はマークシート式なので、選択肢のプログラムを見て何が正しいのか選びだす能力が必要です。
javaの基本が理解出来たら今度は問題集と過去問を利用して演習に入りましょう。
最初は解答速度はあまり気にせず、論理関係を確認しながら正確に解答しましょう。
問題文で示されたプログラムをトレースしながら一つ一つ処理や分岐を追って確認することが大事です。
Java対策のためのおすすめ参考書
独学での勉強では参考書や問題集のチョイスが進捗や理解に大きな影響を及ぼします。
基本情報技術者試験向けの参考書もJavaの基本書も非常に種類が豊富なので、初心者や未経験者にはどれを選ぶべきかわかりにくいでしょう。
おすすめの参考書は「基本情報技術者 らくらく突破 Java」です。
基本情報技術者試験の午後試験対策の定番として長年親しまれてきた入門書で、試験範囲の変更に対応した改訂版が2018年に販売されています。
この本の特徴は情報がよくまとまっていることです。試験対策に限らず、Javaの入門書としても利用できるほどに使いやすい一冊です。
飛ばさずに読み終えればJava対策としては十分です。
ただし、まったくの素人が理解できるほど簡単な本ではありません。詳しく書かれている分、読み進めるのに時間もかかります。
そのため、ある程度基礎固めを行ってから取り組んだり勉強時間を長めに見積もったりしておくとよいでしょう。
実際の試験でどのように解くか
前半のミスはNG
Javaの試験では前半に選んだ解答をもとに後半の問題を解いていく形式になっています。
もし前半に間違った解答を選んだ場合、連鎖的に後半の問題でも間違えることになるでしょう。
そのため、絶対に前半の問題で間違えてはいけません。
ミスをしないで問題を解くには、問題文で示された内容を正確にトレースすることが重要です。
繰り返しの階層を間違えたり、分岐条件での判定を勘違いしたりすることのないように注意しましょう。
時間管理を徹底
基本情報技術者試験の午後試験は制限時間がややシビアです。
急がなければ時間が無くなるわけではありませんが、じっくりと考えていられるほど余裕はないと思ってよいでしょう。
問題ごとにかけられる時間に限りがあるので、どれだけ時間をかけられるかあらかじめ考えたうえで解き始めるとよいでしょう。
こうすることで問題ごとにかける時間のバランスを保って解答できます。
もし想定した時間がたっても問題を解き終えられない場合、一度その問題に見切りをつけて次へ進みましょう。
同じ問題で立ち止まっていては後半の問題が解答できないため、得点が最大化できません。
例外処理にも気を付ける
基本情報技術者試験では例外処理にも気をつけましょう。例外処理とはエラーのために用意されたobjectのことです。
試験の内容にもよりますが、実践的な内容ではエラーが起きた場合のことを考えて例外処理が組み込まれていることがあります。
そのため、例外処理はしばしば出題のポイントとなります。
例外処理で気を付けるべき内容は、まとめると次の二つです。
- 例外クラスを定義しているか
- throw・throws・catchがあるか
この二つの着目点を押さえることで、エラーの例外処理を把握することができます。問題文にこのような箇所がないか探してみましょう。
結局基本情報技術者試験でJavaを選択するべきか
ここまで紹介してきたように、Javaは基本情報技術者試験の午後試験で出題されるプログラミング言語の中でも特に難易度の高い科目です。
5つあるプログラミング言語のなかで難易度に順位をつけるとしたら、アゼンブラと表計算が非常に易しく、次いでPython、C言語、Javaと続きます。
プログラミングの未経験者や初心者はもちろんのこと、Javaを使ったことがある人でもJavaを選ぶよりはアゼンブラで受験した方が良いという意見さえもあります。
そのため、よほどJavaが得意な人でなければJavaを選ぶべきではないと言えます。
基本情報技術者試験に合格することだけを考えるならアゼンブラか表計算を選びましょう。
基本情報技術者試験のJavaについてのまとめ
基本情報技術者試験のJavaについてのまとめ
- 他のプログラム言語よりも難易度が高い。
- 参考書を読み、手を動かして問題演習をする。
- 本番では時間切れと連鎖ミスに注意。
ここでは基本情報技術者試験の午後試験で出題されるJavaについて紹介しました。
Javaは他のプログラミング言語よりも難易度が高いので、初心者にはあまりお勧めできません。
理解しやすさや試験対策だけを重視するなら表計算やPythonなどの方が良いでしょう。
しかし、JavaはIT業界ではよく使われているので身に着けておくと役に立つことも多いでしょう。エンジニアになった後のことを考えると悪くない選択です。
プログラミング言語は基本情報技術者試験でも配点が高く、合格を左右する重要科目です。しっかりと対策して確実に合格しましょう!