基本情報技術者の科目A免除とは?午前免除との違いや免除の基本的な流れを紹介!
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「基本情報技術者試験の科目A試験免除(午前免除)って何?」
そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
実は基本情報技術者試験には試験の前半戦である科目A試験を免除する方法があります。今回はこの科目A試験免除制度の、利用方法や流れ、注意点、使うメリット・デメリットについて調査しました。
この記事を読めば、基本情報技術者試験の科目A試験免除について把握できるでしょう。
またどんな人に向いているのかもまとめているため、自分に合っているか判断できるはずです。
基本情報技術者試験の科目A試験免除をざっくり説明すると
- 認定された講座を修了し、修了試験に合格すると科目A試験の免除が受けられる
- 基本情報技術者試験申し込み時に申請が必要
- 科目A試験が免除されるのは1年間
- 修了試験が開催されるのは、6月、7月、12月、1月の年4回
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基本情報技術者試験の科目A試験免除制度とは?
基本情報技術者試験には通常、科目A試験(旧:午前試験)と科目B試験(旧:午後試験)があり、両方で基準点以上とることが合格の条件です。
しかし、科目A試験を免除してもらえる「科目A試験免除制度」というものが存在します。
この科目A試験免除制度を利用するには、試験を開催している独立行政法人情報処理推進機構が認定した講座を受講して、講座を修了後修了試験に合格する必要があります。
科目A試験が免除となるのは、修了認定日から1年間です。
免除対処となる講座は、専門学校や大学、通学講座、通信講座で開かれています。
科目A試験免除の流れ
科目A試験を免除する場合の流れを紹介します。
- 免除対象の講座を受講する
- 講座を修了する
- 修了試験に合格する
- 基本情報技術者試験の申込時に申請をする
- 基本情報技術者試験の科目B試験に挑戦する
まずは科目A試験免除対象の講座を受講し、修了条件を満たす必要があります。
講座を修了しなければ、修了試験に挑戦することはできません。
免除試験を受けられる講座の費用は、免除試験がついていない講座よりもおおむね20,000円~30,000円程度高額です。
修了試験は例年、6月、7月、12月、1月の年4回実施されます。そして合格すれば修了認定日から1年間科目A試験が免除されます。
修了試験の申込みは修了試験日のおよそ1ヵ月前ごろに締め切られることが多いため、注意が必要です。
修了試験の実施方法・内容
修了試験の実施方法や内容について調査しました。
実施方法は主に3種類
修了試験の受験方法には、主に
- IPAに認定された講座の受講項目を全て受講し、IPA提供問題・IPA審査問題のどちらかにより修了試験を受ける方法
- 民間資格(IPA審査問題)の取得によって受講項目の一部免除を受け、IPA提供問題により修了試験を受ける方法
- 民間資格(IPA審査問題)の取得によって受講項目の一部免除を受け、IPA審査問題により修了試験を受ける方法
があります。
1のIPAの認定を受けた講座は、全国47都道府県すべてにあります。
2、3は国の制度である構造改革特区を利用したものです。
参照:情報処理推進機構「基本情報技術者試験(FE)の科目A試験が免除される制度について」
出題内容は過去問が中心
修了試験の問題は、過去の基本情報技術者試験から出されることが多いです。
問題のうち95%以上が過去問から出された回もあるので、過去問題対策は必須でしょう。
また基本情報技術者の科目A試験より難易度が低く、合格者が多いのが特徴です。
修了試験の過去問、基本情報技術者試験の過去問ともに、情報処理推進機構(IPA)の公式ホームページに掲載されています。
問題の雰囲気が気になる人は確認してみるとよいでしょう。
参考:情報処理推進機構「基本情報技術者試験(FE)の科目A試験が免除される制度について」
参考:情報処理推進機構「過去問題(問題冊子・配点割合・解答例・採点講評)」
科目A試験免除に関する注意点
基本情報技術者の科目A試験免除が受けられるのは、1年間と定められています。
そのため、受講後無駄なく本試験に挑めるようスケジュール調整しておきましょう。免除を申請した場合は、その回の基本情報技術者の科目A試験は受けられません。
また、基本情報技術者試験の申込時に申請しなければ、条件を満たしていても免除が受けられません。
申込書の一部免除申請番号欄に、修了認定者管理番号を記入します。忘れないよう気を付けましょう。
修了試験にチャレンジできるのは、最大2回までです。
受講する講座によっては、1回しか修了試験がついていないこともあるので、講座を受講する前に確認しておくとよいでしょう。
科目A試験を免除するメリット・デメリット
科目A試験の免除には、どのようなメリット、デメリットがあるのか調査しました。
メリットは豊富
当然、科目A試験免除におけるメリットはたくさんあります。
メリハリをつけた勉強ができる
科目A試験免除が受けられる講座では、規定時間以上の学習が修了試験を受ける条件となっていることもあり、まずは科目A試験対策のみ行うことが多いです。
一度に両方勉強するよりメリハリがつき、集中して知識を身に着けられます。
そして修了試験合格後は、科目B試験だけに時間を使えます。範囲が狭まるため、勉強も行いやすいでしょう。
特に、勉強時間の確保が難しい社会人にもおすすめの方法です。
ちなみに、修了試験を受ける条件とされている勉強時間は講座によって若干異なりますが、68~70時間以上とされていることが多いです。
難易度が本番と比べて易しい
修了試験は、基本情報技術者の科目A試験と異なり、およそ95%多くの問題が過去問題から出題されるのが特徴といえます。
そのため、試験対策を行いやすく、合格率も高いです。
平成30年秋に行われた基本情報技術者の科目A試験の合格率はおよそ41%です。
対して、受ける講座にもよりますが、修了試験の合格率が80%以上ある講座も多いです。
修了試験に合格できるようカリキュラムが組まれているため、まじめに取り組めば高い確率で合格できるのが魅力といえるでしょう。着実に合格したい人におすすめの勉強法です。
本番が楽になる
科目A試験免除の大きなメリットは難易度の高い科目B試験に集中できることです。
科目B試験では長文問題が出されます。また科目A試験より合格率が低く、難易度の高い試験であるため、正解するにはよりエネルギーが必要でしょう。
また基本情報技術者試験は通常、1日の間に科目A試験と科目B試験が続けて行われます。
1日かけて行われる長時間の試験で集中力を保つのは難しい人も多いことでしょう。
科目A試験を免除することで、集中力やエネルギーを残したまま難しい科目B試験に挑めるのは、大きなアドバンテージとなります。
デメリットもきちんと押さえておこう
何事にもデメリットはあります。 デメリットも知って、納得したうえで選択することが大切です。
勉強期間が長くなる場合も
基本情報技術者試験の勉強にかかる時間は、科目A・B合わせて200時間程度といわれています。
もちろんスタート時点の知識に差があり個人差も大きいですが、仮に200時間とすると、1日2時間の勉強をおよそ3か月続けることになります。
一方、科目A試験免除制度を利用する場合は、3か月以上かかるケースがほとんどです。それは、
- 修了試験から本試験まで期間が空く
- 修了試験を受けるには、決まった時間以上時間しなくてはならない
ためです。
例えば7月の修了試験を合格しても、直近の基本情報技術者本試験は10月です。また修了試験を受けるためには、68~70時間以上勉強しなくてはなりません。
必要な時間数は、受ける講座によって若干異なります。
受験費用がかさむ
科目A試験免除を受けられる講座は、通信講座の場合、免除制度が追加されていない講座と比べて2万円~3万5千円程度料金が上乗せされて発売されていることが多いです。
なるべくお金をかけず突破したい人には不向きといえるでしょう。
スケジュールが合わない場合も
修了試験が実施されるのは、例年6月、7月、12月、1月の年4回です。
通年開催されているわけではないため、受けたい本試験が近い場合は間に合わないことがあります。
また修了試験の申込みは開催日のおよそ1ヵ月前に締め切られます。
例えば、7月に科目A試験免除を利用して10月の本試験を受けたいと思っても、修了試験の申込みに間に合わないため不可能です。
科目A試験免除を利用する場合は、本試験の申込期限だけでなく、修了試験の申込期限を考慮してスケジュールを立てる必要があります。
受けたい本試験まで日数がない場合は、注意しましょう。
科目A試験免除をおすすめする人
どんな人が科目A試験免除に向いているのかまとめました。
自分に当てはまるか、確認してみるのもよいでしょう。
1回で確実に合格したい人
科目A試験免除は「確実にこの回に合格したい」という目的のある人におすすめの方法です。就職活動に利用したい場合などが当てはまります。
科目A試験を事前にクリアしておくことで、科目B試験の対策に集中できます。範囲が狭まるため、試験前の復習もしやすくなるでしょう。
また緊張しやすい人、プレッシャーが苦手な人にもおすすめです。
科目A試験をパスすることで、リラックスして挑みやすくなるのではないでしょうか。
時間のない社会人は特におすすめ
「仕事で忙しくてまとまった時間が取れない」という社会人の方も多いでしょう。 科目A試験免除の利用は、そんな社会人にもおすすめの方法です。
デメリットとして、「修了試験の申込期限などを考えると勉強期間が長くなる傾向にある」と紹介しましたが、科目A試験を免除して合格しやすい状況をつくることで、1回で合格でき結果的に取得時間を短くできる面もあります。
ネックである受講費も、学生と比べると社会人は捻出しやすいでしょう。学生と違い、短期間でまとめて勉強しにくい社会人には特に活用がおすすめです。
おすすめできない人
講座費用の支払いが厳しい人にはあまりおすすめできません。
便利な分どうしても割高な面があるため、無理して利用する必要はないでしょう。
また、IT系の基礎知識がある人は、科目A試験の合格ラインである60%以上の正答を比較的容易に超えられる可能性があるため、あまりおすすめできません。
修了試験に必要な勉強時間以下で本試験に合格できそうな人には、あまりメリットがないでしょう。自分の金銭事情や基礎知識を鑑みて、活用するか検討しましょう。
基本情報技術者の科目A試験免除まとめ
基本情報技術者の科目A試験免除についてまとめ
- 科目A試験免除は認定講座を修了し修了試験に合格することで受けられる
- 基本情報技術者試験申し込み時に申請が必要
- 確実に合格したい人には特におすすめ
- 費用がかさむ選択肢なので、よく相談したうえで決断するべき
これまで基本情報技術者の科目A試験免除について説明してきました。
科目A試験免除を受けると、本試験までの間科目B試験のみに集中でき、また試験当日の負担を減らせるというメリットがあります。
利用に向いている人は、ぜひ科目A試験免除制度を有効活用してみてください。