ITパスポートってどんな資格?試験内容・難易度からメリットまで詳細に解説!
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「ITパスポートってどんな資格なの?」
と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
ITパスポート試験は、IT関連の基礎知識が幅広く学べる資格です。今や超人気資格となっています。
今回は、ITパスポート試験について、試験内容や難易度、メリットなどを詳しく解説します。
これを読めば、ITパスポート試験の魅力がよく分かるはずです。
ITパスポート試験についてざっくり説明すると
- 全ての社会人を対象にした、ITの基礎知識が学べる資格
- 2人に1人は合格できる簡単な試験
- これからの時代に必要なIT関連の知識が身につくのは大きなメリット
ITパスポートの概要
ITパスポートとは、一体どんな資格なのでしょうか。
ITパスポートは超人気資格
ITパスポート試験、通称Iパスは、ITを利活用する上で必要な知識や技能の証明となる資格です。全ての社会人・学生を対象としています。
情報処理技術者試験の1つであり、同試験群の中では、最も簡単な試験になります。「情報処理の促進に関する法律」に基づき、経済産業省より認定される国家資格です。
最近では、職種を問わずIT関連の知識が求められるようになっています。日本経済界におけるIT知識は、今後グローバル化における英語のように、重要な位置付けになってくると予測されます。
ITパスポートは、平成21年の4月に初めて実施された、比較的新しい試験です。令和3年度までに総応募者数は100万人を超え、今では超人気資格の一つのなっています。
そもそもITとは?
ITとは「information technology」の略称となります。情報技術の総称を表す言葉です。
パソコンやスマホをはじめ、情報処理やセキュリティなどもITという言葉で表現ができるため、かなり広い意味の幅を持つ言葉だと言えます。
ITとよく似た意味の言葉として、IoTやICTがありますが、これらは広義のITを細かく分類するために定義された言葉と言えるでしょう。
ITパスポートの主催団体
ITパスポート試験をはじめとする情報処理技術者試験は、独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)の主催で実施されます。
情報処理推進機構は、日本のIT国家戦略を反映した経済産業省所管の政策実施機関です。情報セキュリティ対策など技術面の推進に加え、IT人材の育成にも取り組みます。
IPAは、ITに関わる様々な政策を実施する機関です。具体的には、サイバーセキュリティー強化に向けた人材育成や、社会保護のための情報セキュリティー対策指針の策定、IT活用のための基盤構築などを行います。
IPAの実施する情報処理技術者試験には、ITパスポート試験以外にも、情報セキュリティマネジメント試験や基本情報技術者試験、応用情報技術技術者試験などがあります。
ITパスポートはIT化によって注目を浴びている
ITパスポート試験の受験者数は、以下のように推移しています。
年度 | 受験者数 |
---|---|
平成25年 | 67,326人 |
平成26年 | 71,464人 |
平成27年 | 73,185人 |
平成28年 | 77,765人 |
平成29年 | 84,235人 |
平成30年 | 95,187人 |
令和元年 | 103,812人 |
令和2年 | 131,788人 |
令和3年 | 211,145人 |
令和4年 | 231,526人 |
上記から、ITパスポート試験の受験者は、年々増加していることが分かります。
受験者数が増えている要因としては、ビジネスや社会全体におけるIT化の進行が挙げられます。
また試験の認知度が上がっていることや、学校などの教育機関でIT教育が促進されていることも受験者増加の要因の1つといえるでしょう。
ITパスポートの難易度
今や超人気資格であるITパスポート試験ですが、その難易度はどのくらいなのでしょうか。
ITパスポートの試験範囲と出題形式
ITパスポート試験は、CBT方式で実施されます。CBT方式は、コンピューターを使って解答を行う試験のことです。ちなみにCBTとは、「Computer Based Testing」の略称になります。
CBT方式では、コンピューターによって問題が出題され、解く問題は受験者ごとに異なります。
問題は、四肢択一式で100問出題されます。試験時間は120分です。
出題分野は、ストラテジ系とマネジメント系、テクノロジ系の3つが主になります。
ストラテジ系では、経営の基本からマーケティングまで経営全般の知識が、マネジメント系では、開発の手法や流れ、プロジェクトの管理方法など、IT管理に関する知識が問われます。
また出題のメインとなるテクノロジ系分野は、アルゴリズムやセキュリティーなどのIT技術を扱う分野です。
ストラテジ系から35問程度、マネジメント系から20問程度、テクノロジ系から45問程度がそれぞれ出題されます。
各分野の詳しい出題範囲は以下の通りです。
- ストラテジ系
大分類 | 中分類 |
---|---|
企業と法務 | 企業活動 |
法務 | |
経営戦略 | 経営戦略マネジメント |
技術戦略マネジメント | |
ビジネスインダストリ | |
システム戦略 | システム戦略 |
システム企画 |
- マネジメント系
大分類 | 中分類 |
---|---|
開発技術 | システム開発技術 |
ソフトウェア開発管理技術 | |
プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント |
サービスマネジメント | サービスマネジメント |
システム監査 |
- テクノロジ系
大分類 | 中分類 |
---|---|
基礎理論 | 基礎理論 |
アルゴリズムとプログラミング | |
コンピュータシステム | コンピュータ構成要素 |
システム構成要素 | |
ソフトウェア | |
ハードウェア | |
技術要素 | ヒューマンインタフェース |
マルチメディア | |
データベース | |
ネットワーク | |
セキュリティ |
ITパスポートの合格率・合格ライン
ITパスポートの評価方法は2つあります。1つは総合評価点、もう一つは分野別評価点です。
100問ある試験のうち、92問が総合評価の対象で、1000点満点中600点が合格ラインになります。
分野別評価は、ストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問が対象です。各分野で1000点満点中300点以上が合格ラインとなります。
分野別評価については、1分野でも合格ラインに満たないものがあれば、不合格です。
つまり、総合評価点と分野別評価点のそれぞれで合格ラインを上回れば、合格となります。
合格の目安としては、各分野の正答率が60%以上なら、総合評価点の合格ラインを超えることが可能です。
また、過去のITパスポート試験の合格率は、以下のように推移しています(年度ごとに平均)。
年度 | 合格率 |
---|---|
平成21年度 | 59.4% |
平成22年度 | 47.4% |
平成23年度 | 51.0% |
平成24年度 | 41.0% |
平成25年度 | 47.6% |
平成26年度 | 47.9% |
平成27年度 | 47.4% |
平成28年度 | 48.3% |
平成29年度 | 50.4% |
平成30年度 | 51.7% |
令和元年度 | 54.3% |
令和2年度 | 58.8% |
令和3年度 | 52.7% |
令和4年度 | 51.6% |
合格率は例年50%前後であり、2人に1人が合格できる試験だということです。
よって比較的多くの人が合格できる試験であることがわかります。
ITパスポート合格までに必要な勉強時間
ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の中でレベル1に位置付けられます。つまり難易度が最も低い試験ということです。
ITパスポートの出題範囲はITを活用する上での基礎知識に限定されるため、難易度が低いのです。
ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間は、IT関連知識の有無によって異なります。
全くのIT初心者がITパスポート試験に臨む場合、必要な勉強時間は100時間程度です。100時間とは、1日3時間勉強すると1ヶ月強で達成できる数字になります。
短期集中型の勉強であれば、30時間程度で合格する初学者もいるようです。
IT関連の事前知識を持っている受験者であれば、20時間程度の勉強で十分でしょう。
IT関連のことを経験しておく必要はある?
IT関連の試験は学習内容が専門的で、初心者では無理だと思っている人も多いはずです。
しかし、試験範囲の内容をテキストを中心に学習するという基本は、どの資格試験でも変わりません。
ITパスポートを取得したいという熱意さえあれば、IT関連の知識がない初心者でも十分に合格は可能です。
これからは技術者に限らず、あらゆる職業において、ITの知識は必要となってくるでしょう。そのため今は初心者でも、積極的に受験することをおすすめします。
特にITに対するアレルギーのある方は、難易度の低いITパスポート試験での克服が良いでしょう。
ITパスポートを取ることをおすすめする人
ITパスポート試験は、なんと言ってもIT関連の知識をこれから勉強したい人におすすめです。この試験は、IT関連知識のいわば入門編となるため、今話題のITに興味のある人には向いていると言えます。
またITパスポートは、ITに関する基本的な知識を持っていることの証明となる国家試験です。就職や進学の際に、アピールになることは間違いないでしょう。
ITパスポートの勉強法
ITパスポート試験に合格するには、どのような勉強方法が良いのでしょうか。
勉強法の基本
ITパスポートの勉強法は、他の資格試験同様、インプットとアウトプットが基本になります。この勉強法では、二つのバランスが重要です。
基本的なバランスとしては、インプットとアウトプットを、7:3の比率で勉強するのが良いでしょう。
ちなみにインプットとは、テキストを読み込んで知識を蓄えることで、アウトプットは問題演習など、その知識を実際に使いこなす練習のことです。
勉強の流れですが、まずがテキストを1回読んで、全体の流れを把握しましょう。その後、何周か読み込むことで、試験範囲の内容が大まかに理解できるようになります。
知識がある程度身についたら、過去問演習に移行しましょう。過去問によって頻出範囲や出題傾向を把握できます。
分からない問題はテキストに戻って復習し、試験に必要な知識を確実に増やしていきましょう。
分野別対策法
ITパスポート試験には、総合評価に加え、分野別評価もあるため、苦手分野を作らないことが重要です。
ストラテジ系
ストラテジ系では、企業活動や経営、法務などの知識が問われます。
戦略の種類や法規制の内容など、暗記量がものをいう分野です。そのため、どちらかというと文系向きの分野になります。
理系出身者やエンジニアは、例年苦労する受験者が目立つ試験です。そのため、ストラテジ系では、暗記をより重視した勉強プランを立てるようにしましょう。
100問中35問がストラテジ系で、60%以上の正答率を目指さなければいけません。早いうちからテキストを入念に読み込み、知識の定着を図りましょう。
マネジメント系
マネジメント系では、プロジェクトマネジメントやサービスマネジメントなど、顧客に対する経営的な対応力が問われます。
計算問題など、数学的な観点の問題も出題されますが、どちらかというと経営学や経済学的な考え方が重要となる分野です。
そのため、マネジメント分野も文系向きと言えるかもしれません。
テキスト内容を記憶することも重要ですが、問題演習を中心に対策するのが良いでしょう。
マネジメント分野は、100問中20問程度しか出題されませんが、分野別評価があるため、油断は禁物です。
テクノロジ系
テクノロジ系は、ITパスポート試験の半分程度を占める分野です。IT関連知識の中でも、特にエンジニア向けの内容と言えるかもしれません。
そのため、テクノロジ系の内容は理系向きの数学問題です。とは言え、そこまで難易度の高い問題は出題されないため、文系の人でも十分対応できます。
テクノロジ系は出題傾向が顕著なので、過去問対策が特に有効です。問題の決まった解法パターンを体得してしまえば、楽に突破できるでしょう。
おすすめテキスト・問題集
ITパスポート試験の勉強におすすめのテキストは、「栢木先生のITパスポート教室」です。
著者は栢木厚で、技術評論社から出版されています。
頻出範囲を豊富なイラストや図によって分かりやすく解説しているため、IT初心者から絶大な支持を得る1冊です。出題されやすい重要ポイントを的確に押さえることができます。
問題集のおすすめテキストは、「いちばんやさしいIT パスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集」がおすすめです。
著者は高橋京介で、SBクリエイティブの出版となっています。
この本の特徴として、問題解説の丁寧さに定評があります。また過去問を徹底研究し、頻出の過去問のみを厳選して収録しているため、得点アップに特化した効率的な学習が可能です。
過去問はある
ITパスポート試験の過去問は、ネットや書籍から入手可能です。
過去問演習を行うことで、頻出問題や出題傾向が把握できます。試験内容における重要ポイントが分かるようになるため、積極的に活用しましょう。
過去問題集を使う際には、「かんたん合格 ITパスポート過去問題集」がおすすめです。
著者は間久保恭子で、インプレスから出版されています。
ITパスポートの過去問題集で売り上げナンバー1を誇り、受験生には定番となっている1冊です。
5年分の過去問と分野別に274問の頻出問題が収録されています。アウトプットはこれ1冊あれば十分という、充実した内容です。
ITパスポートは独学できる?
ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の中でも最も簡単な部類であり、独学での合格は十分可能です。実際の合格者の中でも、独学で勉強した人が数多くいます。
独学では、スケジュール管理やモチベーション維持など、勉強面以外のことも重要になります。
試験日から逆算して、学習スケジュールを立てましょう。長期のスケジュールだけでは間延びしやすいので、短期でノルマを設けるのも、モチベーション維持には有効です。
通信講座もいくつか存在
独学での勉強に不安を覚える方や、多忙で勉強時間が満足に取れない方は、通信講座を活用するのも良いでしょう。
ITパスポート試験の通信講座を提供する会社は多くありますが、今回は「フォーサイト」、「スタンディング」、「ユーキャン」、「たのまな」の4つを紹介します。
フォーサイト
フォーサイトのITパスポート通信講座」は、実績のある講座の一つです。これまでに8,800名超が受講する人気講座となっています。
受講期間の想定は半年で、受講料は16,800円です。おすすめポイントとしては、記憶に定着に有効な5色のフルカラーテキストが手に入ることです。
また要点を押さえた分かりやすい講義がハイビジョンで楽しめ、通信講座でありながら、マンツーマン講座のような感覚で講義が受けられるのも魅力の一つです。
フォーサイト受講生の合格率は96.2%を記録しています。これは全国平均51.6%の1.86倍の水準です。
スタディング
スタンディングの「ITパスポート合格コース」もおすすめの通信講座の一つです。
スタンディングの魅力は受講料の安さにあります。受講料7,920円は、他の通信講座に比べ、圧倒的な安さです。
講義は全部で66回あり、1回あたりの時間が短いため、集中しやすい動画です。
また動画とは別に、アウトプット用の問題集が貰えます。問題集は問題量が豊富で、動画で身に付けた知識をしっかりと定着させることが可能です。
受講料が安いため、独学の一助として取り入れるのも良いでしょう。
ユーキャン
資格試験対策で有名なユーキャンも、「ITパスポート講座」を開講しています。
受講期間の想定は4ヶ月〜半年で、受講料は26,800円です。今回紹介する他の通信講座に比べれば受講料は高めですが、2,680円×10回で支払えるため、月々の料金はそれほど高くありません。
ユーキャンの大きな魅力はテキストであり、初心者に向けた分かりやすいレイアウトになっています。
また、1冊で全ての内容が収録されていることも大きな魅力の一つであり、会社や学校に持っていき、スキマ時間に勉強ができます。
たのまな
たのまなでは、「ITパスポート試験対策講座eラーニングコース」という講座が実施されています。
受講期間の想定は3ヶ月で、受講料は18,700円です。e-ラーニングとは、オンラインを用いた学習方法のことですが、ここでは通信講座というような意味で用いられています。
パソコンだけでなく、スマホやタブレットでも講義が視聴できるため、スキマ時間を使った勉強がはかどるでしょう。
各講義の後には、確認テストも付いているため、理解度をその都度確かめることができます。
ITパスポートの勉強から得られるメリット
ITをこれから学びたい人におすすめなITパスポート試験ですが、試験勉強にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ITに関する幅広い知識を習得できる
ITパスポートという名の通り、IT関連の知識が学べることはもちろん、その他にも社会人として必要な教養を身に付けることができます。
IT関連の知識とは、情報システムやネットワーク、データベースなどのことです。これらはIT関連の仕事をする上で必須な基礎知識になります。
また、情報セキュリティや情報モラルに関する知識も習得可能です。ITを駆使して働く上での、リスク管理が身につきます。
さらに、ITパスポート試験では、法務的な知識や経営に関する知識も学べます。法務的な知識とは、昨今注目度が増しているコンプライアンスや知的財産権などの法律的内容を指します。
経営的な知識とは、「SWOT分析」などの経営戦略に関するものです。他にも財務諸表など、会計・経理分野の知識も学べます。
就職などでのアピールにつながる
ITパスポートは、経済産業省から認定される国家試験です。そのため、信頼度や権威性の高い資格だと言えます。
ITパスポートの資格を有していることは、IT関連の基礎知識を持っている社会的な証明です。就職・転職時には、良いアピールとなるでしょう。企業のみならず、官公庁でもこの資格は評価されます。
また就職に限らず、進学においてもこの資格は有用です。最近では、大学などにもITパスポートを活用する動きが見られます。
ITパスポートを持っていることで、入試の際に優遇を受けたり、大学の単位が認定されることもあります。
企業で受験する場合には全体のIT力向上に
ITパスポート試験を社内全体で受ければ、企業全体のIT力のレベルを底上げすることに繋がります。
実際、多くの企業でITパスポートの活用がなされているようです。ITの知識が身に付けば、顧客に対するITサービスの説明が捗ります。
また、視野が広がることによって、顧客のニーズを把握しやすくなるでしょう。
さらにITパスポートでは、情報セキュリティやコンプライアンス、知的財産権など、社会人に必要な教養的知識も身につきます。全社員にITパスポートを取得させることは、会社のリスクマネジメントにもなるでしょう。
そのため、ITパスポートは新人研修や社員研修に有用だと言えます。
ITパスポートの試験日程・会場・申し込み方法
ここからはITパスポート試験の受験に必要な情報をお伝えします。
ITパスポートの基本情報
ITパスポート試験はCBT方式で行われるため、決められた試験日程はありません。全国のCBT会場で、随時実施されています。詳細な日程については、各会場のスケジュールに従ってください。
試験会場は、全国47都道府県に多数存在します。最寄りの試験会場で受験しましょう。
ITパスポート試験の申し込み時期ですが、試験希望日の3ヶ月前から申し込みが可能です。申し込みは試験希望日の前日まで受け付けており、直前でも申し込みできます。
申し込み方法はネット経由となっており、ITパスポート試験の公式ホームページから申し込みます。
利用者登録を行い、利用者メニューにログインしたら、受験会場と希望日を選択して完了です。希望日の他に、希望の時間帯も選択できます。
CBT方式のため、試験結果は受験終了後、その場で確認が可能です。試験結果レポートは、公式ホームページから1年間ダウンロードできます。
合格発表に関しては、受験月の翌月の発表です。
ITパスポートの受験資格と受験料
ITパスポート試験に受験資格はありません。学歴や年齢、性別などを問わず誰でも受験できます。
ちなみに、ITパスポートもその中に含まれる情報処理技術者試験には、全て受験資格が存在しません。そのため、ITパスポートより上位資格であっても、いきなり受験できます。
受験料は7,500円で、クレジットカードもしくはコンビニ決済、バウチャー(前売り受験チケット)で支払うことが可能です。
ITパスポート取得後のおすすめ資格
ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の中では最も簡単な部類です。ITパスポートを取得後、他の情報処理技術者試験に挑戦するのも良いでしょう。今回はおすすめを2つ紹介します。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、新人エンジニアの登竜門と言われる試験で、情報処理技術者試験では、レベル2に分類されます。
合格率は例年20%〜30%の間を推移しており、ITパスポートよりも難易度が高い試験です。
ITパスポート試験と同じく、テクノロジ系・マネジメント系・ストラレジ系の3分野から出題されます。ただし、試験内容は基本情報技術者試験の方が難しいです。
基本情報技術者試験は、IT業界で働く上では必須となる知識や技能を身に付ける資格であり、その取得は就職や転職で役に立ちます。
IT企業では、新人社員に受験を義務付けていることも多く、この資格を取得しておくことで、業務上の意思疎通など、エンジニアの仕事が円滑に進められるでしょう。
一般企業からの転職においても、基本情報技術者の資格を持っていれば、経験の浅さをカバーすることができます。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験が始まったのは2016年で、ITパスポート試験よりもさらに新しい国家資格になります。
インターネットの普及に伴う、サイバー攻撃の増加および巧妙化に対抗するために、セキュリティ人材の育成を目的として設立された試験です。
情報セキュリティマネジメント試験も、情報処理技術者試験においてレベル2に分類されるため、ITパスポート試験よりも難易度が高いと言えます。
試験内容は、情報セキュリティがメインです。関連分野として、テクノロジ・マネジメント・ストラテジからも出題されます。
この資格は、ITエンジニアというよりも、「IT使用者向け」の試験内容になっているため、あらゆる人にメリットのある試験です。情報セキュリティに関する教養は、どんな職種の人においても有用でしょう。
さらなる上位資格について
ITパスポート試験から始めて、本格的にエンジニアを目指したい場合は、情報処理技術者試験のより上のレベルに位置する試験を受けることが必要になります。
応用情報技術者試験
情報処理技術者試験の中でも、特に「情報処理技術者」を対象とした試験は大きく3つのレベルに分類されます。
具体的には、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、高度試験の3段階です。
応用情報技術者試験は、レベル3に分類され、基本情報技術者試験の上位資格になります。
ある程度経験を積んだエンジニアが、もうワンランク上を目指すために受験する試験です。
高度試験
高度試験はレベル4に分類され、情報処理技術者試験の最高峰です。応用情報技術者試験のさらなる上位資格になります。
高度試験は、以下の9種類です。
-
ITストラテジスト試験
-
システムアーキテクト試験
-
プロジェクトマネージャ試験
-
ネットワークスペシャリスト試験
-
データベーススペシャリスト試験
-
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
-
ITサービスマネージャ試験
-
システム監査技術者試験
-
情報処理安全確保支援士試験
上記の通り、高度試験は専門分野に特化した内容です。レベルが高い分、それだけ取得のメリットも大きくなるでしょう。
自分の進みたい分野と相談したうえで受験を検討することをお勧めします。
ITパスポート試験についてまとめ
ITパスポート試験についてまとめ
- 情報処理技術者試験におけるIT知識の入門編
- 合格率は50%を超える、易しい試験
- あらゆる社会人に役立つ知識や教養が身につく資格
ITパスポート試験について詳しく解説しました。
これからの時代、ITに関する知識は職種を問わず必要となってくるでしょう。
ITパスポート試験は入門的な内容で、試験自体も簡単なので、気軽に受験してみてはいかがでしょうか。