管理業務主任者は就職に有利?年齢・経験の影響や求人の特徴まで徹底解説!
「管理業務主任者を持っていると就職で有利になるの?」
「管理業務主任者の具体的な業務や求人が知りたい!」
このようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
管理業務主任者は不動産系の資格で、主にマンションの管理組合などに求められる資格です。
「仕事がない」と言われることもありますが、そもそも具体的な仕事や就職先などをよく知らないという方も多いのではないでしょうか?
そこで資格Timesでは管理業務主任者の仕事や、就職で有利になるケースについて解説します。
これを読めば管理業務主任者についてはばっちりです!
管理業務主任者の就職についてざっくり説明すると
- マンション管理会社への就職が中心
- 独占業務をもつことができるので、仕事がないという事態は滅多にない
- 独立開業も可能だが、未経験の状態では難しい
- 求人数も十分にあり、将来的は高い
管理業務主任者資格は就職に有利?
管理業務主任者資格を取得していると、就職の際に有利に作用するケースが多いです。
主にマンション管理会社に就職する際に生かすことができ、その理由としては「事務所ごとに管理業務主任者資格の保有者を、30管理組合に1人以上設置しなければならない」というルールが法律で明文化されているためです。
つまり管理業務主任者は、多くのマンション管理組合から常に需要がある資格であるということです。
また、マンション管理会社はもちろんのこと、不動産会社やディベロッパーなどの一般企業での就職においても資格が評価されることがあります。
「何か資格を取って就職活動を有利に進めたいなぁ」と何となく考えている人でも、とりあえず管理業務主任者を目指すことには大きな意義があると言えるでしょう。
管理業務主任者の就職先
ここからは、管理業務主任者の主な就職先について見ていきましょう。
マンション管理会社がメインの就職先
管理業務主任者の主な就職・転職先は、マンションの管理会社です。
管理業務主任者の独占資格に「管理組合との契約締結時における重要事項の説明」や「管理業務を定期的に管理組合へ報告すること」などがあります。
この業務は管理業務主任者しか行うことが出来ないため、資格が重宝されることになります。
その他の業務としては、
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入居者からの問い合わせ対応や、共用部分の管理・修繕業務
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管理組合が主催する総会、理事会などの運営サポート
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長期修繕計画の作成
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保守点検の外注の企画や調整
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賃貸マンションにおける入居希望者への対応
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オーナーに対しての入居者増加のための提案
などマンションに関するさまざまな業務を行うことができるため、求人も多いのです。
不動産業界
また、不動産業界などでも資格を生かすことが出来ます。
マンション管理に必要なマンションの構造や設備に関する知識は、不動産業界においても欠かせないものであるためです。
また、前述した独占業務も不動産業界では重宝されます。
それでは以下で独占業務について詳しく見てみましょう。
- 管理受託契約前の重要事項説明
管理組合からマンション管理事務を受託するにあたり、管理会社は契約前に所定の事項について説明しなければなりません。
この説明は管理業務主任者でなければ行うことができない決まりとなっています。
- 重要事項に関する書面への記名・押印
上記1つ目の重要事項説明について、「責任を持って説明しました」という証拠となります。
- 管理受託契約にかかる契約書への記名・押印
重要事項説明の後に、管理会社は契約内容について記載した書面を交付する必要があり、この書面にも管理業務主任者の記名押印が必須となります。
- 管理事務に関する報告
事務を受託した管理会社は、定期的に報告する義務を負います。この報告も管理業務主任者でなければ行うことができません。
以上4点が主な独占業務とされており、これらは不動産業界でも活かすことができます。
独立するケースもある?
管理業務主任者として独立開業するケースはあまり多くありません。
管理業務主任者の資格を持っているだけでは独立開業することはできません。
独立開業するためには、準備期間としてマンション管理会社での勤務経験が必須であり、自身の経験を生かしてマンション管理会社を立ち上げることが必要になります。
独立する場合には、自分でマンションを管理する会社を設立して業務を請け負っていくことになりますが、実際行おうとすると様々な苦労があります。
事務手続きが煩雑であったり、個人事業主と違い法人だと利益が出ていなくてもコストがかかってしまったりするためです。
以上のように独立開業はあまり一般的ではありませんが、独立開業という働き方をゴールに見据えて就職する人もいますので、よく検討することが大切です。
管理業務主任者の就職先の年収
主な就職先のマンション管理会社では、年収平均は400万円程度となっています。
なお、業績が良く年収の高い会社であれば資格手当も含め600~800万円のところもあります。
大手不動産企業のグループ内に属するマンション管理会社は福利厚生が手厚い傾向にあるため、安心して働きたい人は大手不動産企業グループの求人を見てみると良いでしょう。
一方で独立開業した場合は勤務型とは違い、年収は完全に自分の努力次第です。
営業活動や集客活動で様々な工夫をこらせば仕事を多く受注できますが、逆に何もアクションを起こさなければ当然仕事は降ってきません。
そのため、地道に信頼関係を築いて人脈を広げることを意識しながら独立の準備をすると良いでしょう。
管理業務主任者の求人の実態
管理業務主任者の資格が必要な求人数は多いと言えます。
その背景には、管理業務主任者はマンション管理会社で直接必要となる独占業務を持っていることが挙げられます。
つまり、マンション管理会社が即戦力を求める場合に、管理業務主任者の資格を持っているとかなり有利に働くのです。
実際、ハロワーク資格別求人数データを見ると、平成31年度の平均求人数は109件とそれなりの数の求人があります。
資格によっては30件に満たないものも多くあることから、管理業務主任者は狙い目の資格だと言えるのではないでしょうか。
需要はないという意見はホント?
インターネット上などでは「需要の少ない資格」などと言われ、その噂を真に受けた人たちから勘違いされることがあります。
しかし実際には需要・将来性ともに高く、早期の取得が非常にオススメなのです。
現在、毎年20万戸の新築マンションが建設されており、それに伴い管理組合と管理業務主任者の需要が増えています。
マンションは年数の経過によって当然老朽化します。
そこで、管理・復旧・建て替えなどの諸問題に対応する必要があり、専門家が必要となることから、管理業務主任者の需要と将来性は高いのです。
なお、現状4戸に1戸の割合でマンションは大規模修繕のタイミングを迎えようとしています。
マンションが増えていくにつれて、管理業務主任者が活躍できる機会も増えるので、早期の取得がオススメなのです。
年齢による不利は小さい
管理業務主任者を取得する人の大半が40代から60代以上の、いわゆるミドル~シニア層です。
若い管理業務主任者の数は少ないため「今更資格取ってもなぁ~…」などと、資格取得の際の年齢をそこまで気にしなくても問題ありません。
働きながらコツコツ勉強する形でも十分に合格が狙えるということもあり、特にシニア層から需要の高い資格となっています。
ただし、管理業務主任者に限らず、一般的に就職・転職は若いほど有利な傾向がある点には注意が必要です。
若い内に管理業務主任者の資格を取得できた場合は、それを前向きにアピールすることで大手不動産企業などに就職できる可能性は高まります。
資格があれば選考が有利になることは間違い有りませんが「資格がある=すぐに就職できる」と、安直に考えないようにしましょう。
管理業務主任者として就職する流れ
管理業務主任者として業務を行うためには、いくつかのステップがあります。
そのステップについて解説します。
まずは登録をする必要がある
試験に合格した後、登録をしなければ管理業務主任者の資格を名乗ることはできません。
毎年、試験のおよそ1カ月半後くらいに合格発表日が設定されていて、その日かその次の日に合格関係書類が届きます。
具体的には、合格すると合格証書と管理業務主任者登録申請書・誓約書が届くため、これらの書類を記入・提出することで登録が完了します。
合格に関しては生涯有効ですが、登録後は5年に一度更新が必要になるため注意が必要です。
この更新をしないと管理業務主任者としての登録が失効し、一時的に管理業務主任者を名乗れなくなってしまいます。
実務未経験でも大丈夫
管理業務主任者の登録をするときの条件として管理業務主任者の登録をするには、「マンションの管理事務に関し2年以上の実務経験」が必要となります。
実務経験が2年に満たない人は、マンション管理業協会などが行っている「管理業務主任者登録実務講習」を受けると良いでしょう。
この講習を受講し修了試験に合格することにより、2年以上の実務経験を有するものと同等以上の能力を有すると認められ、登録の必要条件を満たすことができます。
つまり、合格後に実務未経験でも全く問題ありません。
実際に資格を取ったばかりの人は実務未経験者がほとんどであり、みんな実務講習を受けて登録の条件をクリアしているのです。
ダブルライセンスで就職の幅が広がる
管理業務主任者などの不動産資格は親和性が高く、ダブルライセンスを目指しやすいメリットがあります。
ダブルライセンスをする資格にもよりますが、関連資格を併せて持っておくことは大いに役立つケースが非常に多いです。
管理業務主任者とダブルライセンスの相性が良い資格として代表的なものが、マンション管理士や宅建などの不動産系資格です。
また、民法の知識も併せて深められる資格の行政書士もオススメです。
マンション管理に携わるときは、民法の知識が役に立つこともあるのです。
以下では、これらの資格との両取得が好ましい理由について詳しく見ていきましょう。
マンション管理士はセット取得最多
マンション管理士と管理業務主任者は非常に似た資格であり、試験範囲の大部分が被っているため勉強もしやすく、真っ先にダブルライセンスを目指すべきセットです。
またマンション管理士はマンション管理会社に必須の資格であり、業務の幅を広げることができるほか、独立開業を目指す際にも非常に有意義です。
マンション管理士はマンションの住民の側に立って業務を行いますが、管理業務主任者は管理会社の立場で行います。
このように、違う立場にある資格を学ぶことにより、視野を広げることができ自分のスキルアップに直結します。
そのため、管理業務主任者とマンション管理士のダブルライセンスは、就職・転職だけでなく独立にも有利になるため、将来的な独立を考えている人には非常にオススメです。
マンション管理士とのダブルライセンスの詳細は下記の記事をチェック!
圧倒的な人気の宅建資格
宅建は不動産の売買に関する資格で、主に営業職では必須の資格です。
宅建も不動産に関わる資格であり、試験範囲も大きく重複しているため勉強しやすいでしょう。
宅建士として企業で働いていた経験があれば、お客さんに寄り添った営業を身に付けることができ、独立してからそのスキルを生かしていけます。
また、宅建士にも独占業務が存在する上、不動産業者には宅建士の設置義務があるので極めて需要の高い資格であると言えます。
そのため、管理業務主任者と組み合わせて宅建も取得できれば、不動産業界で引く手数多の存在になることができるのです。
宅建士とのダブルライセンスの詳細は下記の記事をチェック!
就職にあたって身に付けておくべきスキル
マンションは多くの人が暮らす場所であるため、当然様々なトラブルや問題が起きます。
また、老朽化したマンションの管理などは多くの労力を必要とします。
そのようなときに、管理すべき立場の管理業務主任者は様々な手段で解決しなければなりません。
そこで重要なのは、知識よりもコミュニケーション能力や、相手の立場を理解しようとする姿勢です。
そのため、資格を取るだけでは即戦力になることはできず、実務経験を積みコミュニケーション能力が高い人の方が実務能力が高いのです。
独立を目指しているのであれば、営業活動するときにもコミュニケーション能力は生かせるため、日頃から人付き合いを意識し、実務を想定してみると良いかもしれません。
管理業務主任者の働き方に関するまとめ
管理業務主任者の働き方に関するまとめ
- マンションの数だけ仕事がある
- 年齢に関係なく、40代以上でも取得すると転職で使える
- ダブルライセンス以上を目指すとより良い
- 需要も将来性も高い!
管理業務主任者は「仕事がない」と言われることがありますが、この言葉には信憑性がないことがお分かりいただけたと思います。
簡単ではないものの、比較的取得はしやすい資格なので「とりあえず」目指してみるのも良いでしょう。
取得することで様々な面でメリットがあり、いずれ独立開業を目指す人にとっても非常にオススメの資格です。
是非前向きに取得を検討して、自分の可能性を広げてみてください!