管理業務主任者に必要な勉強時間は?独学時の注意点や勉強方法まで徹底解説!

「管理業務主任者ってどれくらい勉強すればいいの?」

「独学で勉強ってできるの?」

管理業務主任者に興味のある人の中にはこのような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。管理業務主任者はマンション管理業には必須の国家資格です。

この記事では管理業務主任者に必要な勉強時間、独学での勉強法や注意点を紹介します。初学者でも狙いやすい難易度なので、ぜひ挑戦してみましょう。

管理業務主任者についてざっくり説明すると

  • 合格率20%、必要勉強時間300時間程度と比較的取得しやすい。
  • 法的な設置義務があり、仕事上のメリットが大きい。
  • マンション管理士や宅建士との併願も多い。
  • マークシート式の試験で50問出題される。

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管理業務主任者の勉強時間の目安は?

管理業務主任者の勉強時間表

管理業務主任者は2001年につくられた比較的新しい国家資格です。マンション管理業を営むためには取得が義務付けられている資格です。

結論を先に述べると、管理業務主任者試験に合格するためには約300時間の勉強時間が必要です。

一日当たり3時間の勉強時間を確保した場合は、合格までの学習期間は約3カ月が目安となります。

資格試験を受験する時には、勉強時間だけでなく資格についての基本情報なども気になりますよね。そこで、ここでは管理業務主任者の基本情報、形式や傾向、勉強時間について詳しく説明していきます。

管理業務主任者の概要

管理業務主任者はマンション管理業には必須の資格です。

管理業務主任者は、マンションの管理組合の数に応じた人数を設置する法的義務があります。

試験そのものの難易度の割にはメリットが大きいため、管理業界を志望する人や従事している人から人気を集めています。

資格取得には試験合格だけでなく、2年以上の実務経験が必要です。ただし、試験を主催しているマンション管理業協会の講習に参加することで実務経験なしでも登録できます

また、管理業務主任者には有効期限があります。5年に1度講習会に参加し資格を更新しなければいけません

管理業務主任者試験の形式と傾向

管理業務主任者の試験は全部で50問出題されます。問題は全て4択の選択問題です。

問題は法律、会計・税務、建築の分野から出題されます。最も出題数が多いのは法律系の問題で50問中28問とおおよそ60%程度を占めています。会計・税務系は9問、建築系は13問出題されます。

問題のレベルは比較的高く、多くの人にとってはなじみのない問題が多いです。建築や法律など暗記量が多い科目が多いのも難しい点の1つです。

とはいえ、問題は全てマーク式なので記述式の問題がありません。暗記量が多いということは勉強量を増やすことで対応できる試験であるとも言えます。

勉強時間は300時間程度

先ほども述べたように管理業務主任者に合格するには300時間程度の勉強が必要と言われています。

他の不動産業界の国家資格と比べても短い部類に入ります。

例えば人気資格の宅建士の勉強時間も管理業務主任者と同じく300時間程度です。宅建士を取得している人なら十分狙えるレベルです。

また、試験範囲の重複が多く、何かと比較されることの多いマンション管理士の勉強時間は500時間程度です。マンション管理士よりも管理業務主任者の方が取り組みやすい資格と言えるでしょう。

3ヶ月以上が目安

登録には実務経験が必要なこともあり、管理業務主任者の受験者は社会人が多いです。社会人が管理業務主任者を取得するには3か月以上かかることが多いです

社会人の場合、平日と休日で勉強に使える時間が大きく変わります。平日1時間、休日8時間とすると平均した勉強時間は1日当たり3時間ほどです。

1日3時間とすると、300時間の勉強を達成するには100日、つまり少なくとも3か月はかかります。

仕事の都合や健康状態によっては日々の勉強量が少なくなることもあるので、半年程度のスケジュールを見積もっておくとより安全です。

マンション管理士の勉強時間と比較すると

管理業務主任者と業務内容が似た資格として、マンション管理士が挙げられます。

マンション管理士の取得のためには、一般的に500時間程度の勉強が必要です。

一日3時間勉強したとしても、合格までに5〜6ヶ月必要となります。

また、マンション管理士の合格率は例年7%〜8%程度ですので、こちらの方が難易度が高い試験である、と言えるでしょう。

宅建等他の不動産資格取得者の勉強時間

宅建の試験と管理業務主任者の試験は、試験の出題科目の多くが被っています。

そのため、宅建取得者の場合は、1〜2ヶ月で合計150時間の勉強など、より短い勉強時間・期間で合格できる可能性が高いです。

また、マンション管理士試験との被りも多いため、マンション管理士取得者に関しても同様のことが言えます。

こういったことから、これらの資格をダブル受験して両方取得を目指す人も少なくないです。

ダブル受験については、以降でより詳しく解説します。

合格率は比較的高く初学者でも手が届く

次の表は直近7年間の管理業務主任者の合格率をまとめたものです。見てわかるように平均合格率は21.4%程度です。

年度 受験者数 合格者数 合格率 合格点
2022 16,217名 3,065名 18.9% 36点
2021 16,538名 3,201名 19.4% 35点
2020 15,667名 3,473名 22.2% 37点
2019 15,591名 3,617名 23.2% 34点
2018 16,249名 3,531名 21.7% 33点
2017 16,950名 3,679名 21.7% 36点
2016 16,952名 3,816名 22.5% 35点

国家試験の多くは合格率が1桁台です。中には相対評価のものもあります。そういった試験と比べても合格率が20%を超えているというのはかなり高めです。

勉強時間も標準的のため、初学者でも十分合格できる試験と言えます。

ただし、合格率20%ということは4人から5人に1人しか合格できない試験であるということです。簡単だと甘く見ていると何年も合格できない事態も起こり得ます。

よって試験は十分に対策を練ったうえで臨むようにしましょう。

管理業務主任者で問われる内容

「LEARN」の文字

管理業務主任者の試験では、マンション管理に必要な法律やマンションの構造などの知識が問われます。具体的にどのような問題が出題されるのか、以下の見出しで頻出事項を紹介します。

また、スケジュールを立てるときには、それぞれの分野でどのような内容を学習するのか、どのくらい詳細な知識が必要なのかを考えましょう。

出題数が多い分野や難易度の高い分野に時間を割き、重要度の低い分野に深入りしないよう注意しましょう。

区分所有法

区分所有法は日常生活ではまず耳にしない言葉ですが、区分所有とはマンションなど構造上および利用上区分けにされた建物の一部を所有することを指します。

詳しく説明すると、マンションの一部屋一部屋には別々の住人が住んでいるので、それぞれ別々の所有権があります。このように各人が建物の一部を独占している状態が区分所有です。

区分所有法はマンションに関することが中心なので、勉強を始めたばかりでも比較的取り組みやすい科目です。また出題数も多く大事な科目なので、初めのうちに勉強してしっかり覚えましょう。

マンション管理適正化法

次がマンション管理適正化法です。この法律は管理業務主任者とマンション管理士の二つの科目について定めている法律です。行政書士法の管理業務主任者版といった位置づけです。

このから分野からは毎年必ず5問出題されます。また、マンション管理士を取得している場合は満点を取得しているとみなされるため、解答が免除されます。難易度は高くないので、免除されていなくても満点を取るのは難しくありません

会計・税務

会計・簿記の分野では、管理業務を行うために必要な基本的な簿記の知識が問われます。

しかし、管理業務主任者は税理士や公認会計士のような税の専門家ではないため、高度な内容まで問われません。日商簿記でいえば3級程度の内容です。

問題そのものの難易度は低いのですが、他の科目とのつながりがほとんどないのが厄介です。後回しにした場合など、漏れや抜けがないように気を付けましょう。

この科目のために簿記3級を取得する必要はありませんが、簿記3級の参考書を利用する勉強法もおすすめです。簿記試験には良いテキストや問題集が多いです。

独学で苦労している方は利用してみると良いでしょう。

民法などの契約に関する法律

民法などの契約に関する法律も出題されます。民法だけでも1000条以上ある上に「など」に含まれる法律が出題されるので、膨大な量を学習しなければいけません

また、法律特有の難しさもあるため法律に関する知識がない人には理解するのが難しい科目と言えます。そのうえ、出題数が多いので捨てるのもリスクが高いでしょう。

先に区分所有法などで法律に慣れておき、その上で取り組むのがおすすめです。分量が多いので早い段階から勉強し始めたいところですが、法律に慣れるのを優先した方が効率よく勉強できます。

建物と設備について

建物と設備に関する問題は業務主任者の試験でも特に難易度の高い科目です。普通に勉強しているような受験生には解けないような問題も多く出題されます。

その一方で、一般的なテキストでも対応できるような問題も何問かは出題されます。この科目が無得点だと合格は難しいので、完全に捨てるよりは半分程度を目安として勉強しましょう。直前期にどれだけ点数を伸ばせるかが勝負です。

ダブル受験する人も多い

ジャンプする女性

上記のように、管理業務主任者は単体で取得する人よりも他の資格とセットで取得する人が多い傾向にあります。

試験範囲が共通しているマンション管理士や業務領域が離接している宅建士などでダブル受験する人が多いです。

マンション管理士と相性抜群

管理業務主任者とのダブル受験で最も相性が良いのはマンション管理士です。試験範囲や出題形式など共通する部分が多いので同時に対策できます。

実際、この記事で紹介してきた5つの分野にマンション管理士試験の出題範囲はほぼすべて含まれます。出題される観点が若干異なるものの、効率よく勉強できるでしょう。

また、実務における関連性もポイントです。管理業務主任者の知識をマンション管理士で役立てることも、その逆も可能です。両方の資格を取得していて無駄になることはないでしょう。

マンション管理士は今後の需要も期待される

マンション管理士と管理業務主任者のダブル受験をおすすめする理由の一つにマンション管理士の将来性があります。マンション管理士は今後需要が高まることが期待されています。

一つ目の理由はマンション数の増加です。マンション数は現在増加傾向にあり、今後も増加していくことが予想されます。マンションが増えれば、同時にマンション管理士や管理業務主任者の需要も向上していくと予想されます。

二つ目の理由が防災や法改正への対応です。昨今では地震や台風・大雨などの災害が多発しており、その対応が求められています。破損個所の修繕の他、耐震基準の見直しなどの法改正も考えられます。

これらの諸問題に対処するのもマンション管理士の役割です。確認や導入が必要なケースではコンサルタントとして頼られる機会も増えるでしょう。

社会的な重要性が認められた場合、高額なコンサルティング報酬が期待できます。

マンション管理士とのダブル受験については下記の記事をご覧ください。

宅建とのダブル受験も一定数いる

管理業務主任者と宅建士をダブル受験する人もいます。

管理業務主任者と宅建士は同じくらいの難易度であり、ダブル受験でも合格を目指せる水準です。

また、試験範囲の一部が重なっているのも追い風となります。マンション管理士と管理業務主任者ほどの一致度ではありませんが、比較的効率よく勉強できます。

実益を考えた場合、独占業務のないマンション管理士よりも設置義務のある宅建士の方が有益なこともあります。

今後のキャリアプランや業務内容次第ではマンション管理士よりも宅建士の方を優先しても良いでしょう。

なお、管理業務主任者との試験範囲の類似度は宅建士よりもマンション管理士の方が上です。現実の受験者でも管理業務主任者とマンション管理士のダブル受験者の方が多数派です。管理業務主任者とマンション管理士のダブル受験が基本と言えます。

宅建とのダブル受験については下記の記事をご覧ください。

管理業務主任者は独学可能?

板

ここまで試験範囲ごとの特徴や傾向を解説してきました。 では実際に独学での管理業務主任者試験の合格は可能なのでしょうか。

結論として、管理業務主任者は独学での合格も可能です。

ここでは、管理業務主任者試験の独学のメリット・デメリットを紹介していきます。

管理業務主任者試験独学のメリット

独学のメリットは、主に2点です。

1点目は、自分の都合の良い時間に勉強ができることです。自分の仕事や日常生活に合わせ、勉強のペースや量をコントロールできるのは、独学の利点です。

2点目は、合格までの費用を抑えられる可能性が高いことです。

予備校や対面の講座に通うと数十万円とかかるところが、独学だとテキストと受験料のみで抑えることも不可能ではありません。

ただし、様々なテキストに手を出し過ぎて思ったよりも費用が掛かることや、勉強時間が思ったより伸びることで費用面以外で非効率になるパターンもあるので注意が必要です。

管理業務主任者試験独学のデメリット

独学のデメリットも主に2点といえるでしょう。

1点目はモチベーション・スケジュール管理が困難な点です。

試験当日までの数カ月においての綿密な勉強計画やスケジュール管理は、難関大学受験など今までに長い試験勉強を経験してこなかった方には案外難しいものです。

プロや仲間のサポートがないと途中で挫折してしまうケースや仕事と並行できずに試験勉強からフェードアウトしてしまうケースが後を絶ちません。

また、勉強を進めていて不明点をなかなか解消できないのも独学のデメリットです。

プロの指導があれば受験生がつまづきやすいポイントを短い時間で解消できる一方で、独学では自分の疑問を解消するための情報をインターネットや書籍で探すのに多くの時間を費やされてしまいます。

通信講座の利用者も多い

ここでは独学に不安を持った方に、勉強スタイルの1つである「通信講座」を紹介します。

管理業務主任者の学習に通信講座を活用される方も非常に多いです。

通信講座では学習スケジュールや勉強のポイントなどの重要なノウハウを得られる上に、スマホでいつでもどこでも講義を受けられるということで、働きながら資格取得を目指す社会人の方を中心に高い人気を集めています

通信講座を選ぶ際は、2021年度試験にて全国平均の3.73倍という破格の合格率を叩き出しているフォーサイトの管理業務主任者講座を受講するのがおすすめです。

フォーサイトは価格・講師の質・eラーニングシステムなど、あらゆる面で優れた講座となっているので、是非ともチェックしておくと良いでしょう。

フォーサイトの公式サイトはこちら

独学勉強スケジュールと勉強方法

時計とコイン

ここでは実際に試験に合格するためにはどうすれば良いのか、独学でのスケジュールを紹介します。

ダブル受験に挑戦するかを決める

管理業務主任者の勉強を始める前にまず、ダブル受験に挑戦するかどうか決めましょう。

管理業務主任者だけを受験するのか、それとも他の資格と併願して同時に攻略するかで勉強時間やスケジュールは変わってきます

管理業務主任者だけを受験する場合、勉強時間は300時間程度です。前述のように3か月以上が目安です。

マンション管理士とのダブル受験の場合、勉強時間は500時間から600時間ほど必要です。これはマンション管理士単体での受験とほぼ変わりません。

宅建士とのダブル受験も500時間から600時間くらいと言われています。

ただし、宅建士は10月中旬に試験があり、管理業務主任者やマンション管理士の試験は12月実施とずれています。スケジュール管理には十分気を付けましょう。

ダブル受験は効率が良いのでおすすめです。とはいえ、負担が全くないわけではありません。今年は管理業務主任者、来年はマンション管理士と2年に分けて受験しても良いのです。よく検討して決めましょう。

勉強スケジュールを立てる

実際に勉強を始める前に勉強スケジュールを立てましょう。勉強開始日や勉強に取れる時間などは人によって異なるため、スケジュールは人によって変わります。

ただし、それぞれのステップにかける勉強時間はあまり変わりません。各分野の勉強時間の目安を考えて、無理のない計画で勉強することが大切です。

初学者が独学で勉強する場合、次のような時間配分が無難です。

  • 暗記に2か月。
  • 問題演習に1か月。
  • 直前対策に半月。

このようにスケジュールをたてたら、次は勉強サイクルを実際の勉強で作っていきましょう。

テキスト暗記と演習のサイクルをつくる

まず、最初の2か月は暗記やインプット学習に使用します

管理業務主任者は暗記の比率が多い資格なので、覚える時間を多めに取ります。

次の1か月は問題演習です。過去問や問題集を解いて理解不足の箇所を減らしていきます。アウトプットをこなすことでより暗記や理解が深まります。

このインプットとアウトプットは繰り返し行うことをおすすめします。過去問や予想問題を解いて、点数が取れなかった分野を重点的にインプットするというサイクルができれば合格にぐっと近づけるでしょう。

最後の2週間ほどは直前対策に充てます。ここでは試験形式や制限時間に慣れることが目的です。わかっているのに解けなかったということのないように本番の形式に沿って演習しましょう。

なお、ここで記事で紹介するスケジュールや勉強法あくまでも一例です。独学で合格を目指す方はこれを参考に自分に合った勉強法を探しましょう

例えば、テキストを読むのが嫌いな人なら問題演習を交えて進めても良いでしょう。実際の問題で出題される重要箇所を効率よく身につけることができます。

また、時間をかけて理解したい人なら暗記の時間をより多く取ってもいいでしょう。法律の条文などは独特の言い回しが多く、覚えるにも時間がかかることが予想されます。暗記の時間を多めにとっておけば安心です。

詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

管理業務主任者の勉強時間まとめ

管理業務主任者の勉強時間まとめ

  • 管理業務主任者単体では300時間は必要。
  • 社会人なら3か月以上のスケジュールで勉強する。
  • マンション管理士・宅建士との併願で600時間程度。
  • 基礎知識のインプットと問題演習が大事

この記事では管理業務主任者について紹介してきました。管理業務主任者はマンション管理業には必須の資格ですが、難易度は国家試験としてはあまり高くはありません。

初学者でも300時間ほどの勉強で取得できるので、頑張ればだれでも合格を目指せます。合格率も約20%と決して低くはありません。

また、マンション管理士や宅建士と試験範囲が一部重なっているのも特徴です。これらの資格とダブル受験するのもおすすめです。

資格取得のハードルに対して恩恵が大きいので、取得して損のない資格です。数ヶ月間の勉強が必要になりますが、コツコツ学習を進めて合格を目指しましょう!

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