管理業務主任者の仕事内容は?年収や求人の実情・業務のきつさまで徹底解説!

「管理業務主任者の仕事内容や大変さを詳しく知りたい!」

「仕事ってどんな魅力があるの?」

管理業務主任者という資格の名前は聞いたことあるけど、実情を知らない人は多いのではないでしょうか?

資格を目指すときには、取得後にどのような仕事を行うのか知っておきたいですよね。

資格Timesでは管理業務主任者の業務内容や年収、やりがいまで詳しく解説します!

管理業務主任者の仕事についてざっくり説明すると

  • マンションのフロント業務や業者の手配などが主な仕事
  • 平均年収は400万円前後
  • マンション管理業者の求人が多い
  • マンション管理士とのダブルライセンスで独立も可能

管理業務主任者の仕事内容は?

仕事の風景

管理業務主任者は、あくまで資格の名前であり職業名ではありません。

マンション管理を委託する会社に一定数の設置が義務付けられており、また独占業務が認められているため不動産業界で活躍することができます。

そもそも管理業務主任者とは

そもそも、管理業務主任者という資格は平成13年施行の「マンション管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)で定められた比較的歴史の浅い国家資格です。

マンションが増えたことと、管理組合のメンバーの高齢化や後継者不足などが背景でこの資格が社会的に求められるようになったのです。

マンション管理業者が管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や、管理事務報告を行うことは独占業務になっており、社会的にも存在価値が高く各方面から必要とされる資格なのです。

また、独占業務があることで、法律的に管理業務主任者の仕事が保障されていることになります。

フロントマンとして働くことが一般的

管理業務主任者はフロントマンとして働くことが多いです。

また、マンション運営のサポートを行うこともメインの仕事となっています。

フロントマンの仕事はきつい?

フロントマンの業務と聞くと楽なイメージを持たれるかもしれませんが、実はこの仕事にはきつい側面が少なからず存在します。

まず、顧客との打ち合わせ・事務処理を片付けるためにサービス残業は多くなりがちです。

また、残業代についてですが、業務によりまちまちです。

理事会・総会に出席するために休日出勤をした場合は、多くの会社で残業代が出るでしょう。

また、打ち合わせに出席した場合も残業代はきちんと出るケースが多いです。

一方、こなすべき事務処理が終わらない場合は残業代が出ないケースが多く、注意が必要です。

具体的な業務内容

管理業務主任者の業務としては、フロントマン以外には次のようなものが挙げられます。

  • 事務所での仕事

具体的には資料作成・活動の記録・ルールの作成などを行います。

多くの人が暮らすマンションにおいて、ルールの作成は非常に重要です。

  • 理事会・総会のサポート

マンションに住んでいる人であれば「組合の総会」など、聞いたことはあるのではないでしょうか?

管理業務主任者もそれに深く関わっており、具体的には理事会・総会の会場手配・出席してアドバイスすることなども業務に含まれます。

  • 顧客との折衝業務

具体的には地域住民・業者・マンション住人への対応があります。

管理業務主任者のやりがいは?

せっかく価値のある資格を取っても長続きしなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

管理業務主任者は自然災害が発生したときは夜中でも呼び出しがあったりするため、仕事が大変だったりきつい面があるのは事実です。

しかし、大変な分やりがいのある仕事であるのも事実です。

マンションと住民と深く接する中で、直接お礼の言葉だったりトラブルを解決したときにお褒めの言葉を貰えたときはやはり嬉しいものです。

このように、直接住民と接して機会が多いことで感謝の言葉をダイレクトにもらえることが一番のやりがいと言えます。

また、評判が良いと昇給などにもつながるため、意識的にコミュニケーション能力を磨くと良いでしょう。

管理業務主任者になるには

ハイタッチのシーン

管理業務主任者になるためには、まず試験に合格することが必要です。

合格後は、登録して管理業務主任者証の交付を受ければ管理業務主任者を名乗ることが出来ます。

試験難易度はどれくらい?

試験の合格率は平均で20%程度で毎回推移しています。

この合格率を見て難しいと感じるか、簡単だと感じるかは人それぞれだと思いますが、4~5人に1人しか合格することができない難易度が高い試験であることがわかります。

なお、2021年度の試験では16,538人が受験して、その内3,203人が合格して合格率は19.4%でした。

合格後には登録申請が必要

合格後は登録が必要ですが、登録申請は以下の流れで進んでいきます。

  1. まず申請に必要な書類を準備
  2. マンション管理士登録申請書に必要事項を記載する
  3. 収入印紙、郵便振替払込受付証明書を所定の位置に張り付ける
  4. 登録申請書類返信用封筒に申請手続き5点を同封、特定記録郵便で郵送する

登録までにはおよそ30日程度の日数を要すので、登録を急いでいる人は早く必要書類を揃える必要があります。

管理業務主任者に必要な能力は?

必要なスキル・能力はおおまかに2つあります。

まず一つ目はコミュニケーション能力です。

管理業務主任者は顧客との接待が多く、また管理組合やマンションの住民など多くの人と接する機会があります。

様々なトラブルや問題に対処するためには適度な落としどころを見つけて納得してもらうためのコミュニケーション能力が欠かせません。

2つ目は機械に関する知識です。

マンションの共有部分の設備の不良、点検を行う機会は案外多いものです。そのような際に対応するため、機械を直す技術があれば安心なのです。

法律知識

一定の法律知識も求められます。

特に、民法・区分所有法などは接する機会が多い法律であるため、基本的なの知識を押さえることが大事です。

色々と役立つ区分所有法は勉強しておいたほうが良いでしょう。

経理関連の知識

マンションの経理に関する情報を顧客へ報告することも仕事の一部です。

報告するだけではなく、分かりやすく解説しなければならないため、経理に関する知識も必須と言えます。

また、管理費の徴収・運営について知るためには、簿記の知識が必要となるため経理や会計の基本原則などは押さえておくべきでしょう。

管理業務主任者の就職・転職先は?

仕事の風景

マンション管理業者で働くのが一般的

不動産業界の中でも、マンション管理業者への就職が一般的です。

管理業務主任者の勉強を通じて学んだ知識を生かすことで管理組合における実務をスムーズ進めることが出来ます。

また、豊富な知識を生かしてプロパティマネジメント会社へ転職するケースもあります。

プロパティマネジメント会社とは、不動産を所有しているオーナーの代わりに不動産経営に関する管理業務を行うことです。

管理業務主任者としてはどのように収益を最大化していくかが腕の見せ所となります。

また、ビル管理会社でも活躍できる機会が多いです。

ビルメンテナンスは、マンションの住民が快適に生活できるように共有部分の管理やメンテナンスを行います。

電気設備・空調設備などの管理、不具合のある設備の保守点検や、不具合の度合いに応じて修理や専門業者の手配を行うことも業務の範疇となります。

マンション設備に関する内容も学ぶため、このように様々な企業で資格を生かすことができるのです。

管理業務主任者の求人の実態

管理業務主任者の資格を必須・歓迎要件にしている求人は非常に多く、需要の高さがうかがえます。

特に、パートやアルバイトなどの求人よりも正社員としての求人が圧倒的に多く、安定した雇用が期待できます。

月給の相場は24~28万円程度が多く、ほとんどの会社で資格手当の制度が整備されており、給与面も平均並と言えます。

また、未経験者であっても歓迎される求人は多く、やはりメインとなる業務は「自社マンションの巡回業務 ・管理物件を車で巡回し点検・現状確認」となります。

基本的には、現場の管理組合と連携して居住者が快適に暮らせるような環境を作っていくことが求められるため、コミュニケーション能力は必須でしょう。

管理業務主任者の年収

お金の画像

平均年収は300万~500万円であり、平均的なサラリーマンほどの年収です。

年収が高い会社であれば、600万円~800万円程度となります。

また、インセンティブなどもあるため、やればやるほど年収が上がる傾向にあります。

独立開業することも

資格を持っていることで、自らマンション管理会社を立ち上げて独立することも可能です。

独立することで、勤務しているときと違いすべて収入は自分の努力次第で増減するため、非常にやりがいを感じられるでしょう。

ただ、独立開業するための準備期間として、管理会社などで3~5年程度は下積みの期間を設け、実務経験を積むなどしっかりとした準備が必要となります。

また、具体的なトラブル事例などを見て、「実際に解決するためにはどのようにすればいいのか」などを勉強しておくと良いでしょう。

この業界は不動産需要がある限りビジネスチャンスが広がるため、今後も高い準備と将来性があると考えられるのです。

管理業務主任者の将来性

将来性は?

管理業務主任者は非常に将来性の高い資格です。

その理由は、毎年20万戸の新築マンションが建設されており、それに伴い管理組合と管理業務主任者の需要も増えていくためです。

「1戸建てよりもマンションの方が人気がある」という住宅情報誌によるアンケート結果もあるため、今後もマンションは増えていくでしょう。

マンションが増えることにより、マンションの管理・復旧・建て替えの諸問題に対応する必要があり、このような場面で専門家である管理業務主任者が必要となります。

老朽化したマンションを管理する場合に、管理組合だけで解決できるケースは少なく、やはり将来性は高いと言えるのです。

そのため、今後の需要に備えてしっかりと実務経験を積んでおくことで、将来独立したときにすぐ顧客を獲得できるようになります。

ダブルライセンスが仕事に与える影響

たくさんの要素

管理業務主任者の資格は、他の資格とダブルライセンスすることで更に効果を発揮します。

資格を複数とることで、仕事にどのような影響が与えられるかを解説します。

マンション管理士

マンション管理士は、管理業務主任者の仕事相手となります。

マンション管理士は、マンション運営をしていく中で発生する管理に関するトラブルの解決や健全な運営を行うための提案をすることができる資格で、同じく不動産系の資格です。

管理業務主任者と勉強する内容が重複している部分が多いため、ダブル取得を目指す人が非常に多いです。

立場がそれぞれ違う資格であるため、相手の仕事の観点が理解でき、また仕事の深みと幅が広がる意味でも取得できると有意義でしょう。

マンション管理士とのダブルライセンスは下記の記事をご覧ください。

宅建

宅建は不動産の売買・賃貸物件のあっせんなど、その土地や建物について専門知識を有していない顧客に説明をするための資格であり、不動産営業では欠かせない資格です。

民法・区分所有法・建築基準法などの知識が重複してくるため、こちらもダブル取得を目指す人が多いです。

宅建を持っていると不動産業界では即戦力と見なされることが多く、転職・就職活動に弾みがつき活躍の幅を広げることが出来ます。

また、顧客に対しても宅建の有無で与えられる信頼感が変わるため、是非取得を目指すべきです。

宅建とのダブルライセンスは下記の記事をご覧ください。

不動産鑑定士

マンション管理士・管理業務主任者のダブルライセンスを済ませた人におすすめなのが、不動産鑑定士の資格です。

不動産鑑定士は、土地や建物の時価を査定すること、また近隣の取引事例などから適正な地代や家賃を算出する資格で、「不動産鑑定評価書」の作成が独占業務となっています。

不動産系資格の中では最高ランクの資格であり、高い専門性を生かして幅広く活躍できるでしょう。

保有しているだけで周囲から一目置かれる、非常にグレードの高い資格です。

管理業務主任者の仕事まとめ

管理業務主任者の仕事まとめ

  • フロント業務にはきつい側面や大変なこともあるが、将来性の高い仕事である
  • 平均年収は300万から500万円だが、資格を生かして独立開業することも可能
  • 不動産業界の中でもマンション管理業者の求人が多い

管理業務主任者の仕事の実情としては実情を解説しました!

業務にはきつい側面もありますが、やりがいも大きく非常に魅力がある資格です。

今後も活躍が見込まれる資格なので、前向きに取得を検討してみてください!

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