管理業務主任者の平均年収は低い?仕事の給料の実態や求人状況まで徹底解説!
「管理業務主任者の年収っていくらくらい?」
「管理業務主任者で高年収は狙えるの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
管理業務主任者は不動産系資格の代表的なものの1つですが、あまり具体的な業務内容や年収は知られていません。
こちらの記事では、管理業務主任者の資格を生かして高年収を狙えるのか?求人は多いのか?などの疑問を解決していきます!
管理業務主任者の年収についてざっくり説明すると
- 管理業務主任者の給料・年収は一般的な水準
- 資格そのものの歴史が浅い
- 稼ぐチャンスは多く、将来性は十分である
管理業務主任者の平均年収っていくら?
管理業務主任者は不動産系の国家資格であり、しっかり勉強時間を確保しないと合格は難しい資格です。
難易度が高い割には、年収が意外と低いと感じる方も多いのが実態です。
以下では、管理業務主任者の年収の額について解説していきます。
年収は400万円とも言われる
管理業務主任者の年収については、過去にある企業により統計が取られています。
その時の調査結果では、平均的な年収は400万円ほどでした。
つまり、一般的なサラリーマンよりも同じか、やや低い水準であると言えます。
実際、管理業務主任者の求人を調べても、ばらつきはあるものの月給が28~30万円となっており、平均すると年収400万円前後になります。
しかし、ここには開業した人の収入は含まれておらず、いわゆる勤務型の管理業務主任者しか反映されていません。
また、こういった統計は政府による正式なものではないため、信憑性については疑問があります。
管理業務主任者の年齢階層別年収
上のグラフは管理業務主任者の年齢階層別の年収推移の一例を示しています。 グラフを見てわかるように、年収は50代の500万円前後をピークとしており、そこから遠ざかるほど低くなっています。
このグラフはあくまで国税庁及び厚生労働省の統計データに基づいて、一般的な年齢別の年収推移を元に作成した一例です。管理業務主任者の年収を調べて算出したものではないので、参考程度にご確認ください。
管理業務主任者の年収が低いのはなぜ?
管理業務主任者の平均年収が400~500万円程度というのは、正直低く到底満足できる額とは言えません。
この原因としてどんなことがあるのでしょうか?
高い年齢の人が多い
管理業務主任者の特徴に、資格を持っている人の年齢幅が広く、従事している人の年齢層が高い傾向にあることが挙げられます。
これは、どれだけ会社に貢献できるかが人それぞれ異なるからだと考えられます。
例えば、若年層は職場定着率が低いため、会社のノウハウを手取り足取り教えても、すぐやめてしまう人が多いです。
会社としては、このような人が来ると教育する手間やコストパフォーマンスを勘案すると割に合わなくなってしまうため、求人の段階ではあまり高い金額を提示できないという背景があるのです。
一方、社会人経験が豊富な人達は職場定着率が高い傾向にあります。
会社としては手間がかからない人を求めるため、経験者限定・50歳未満限定などの条件の求人では、400万円を大きく超えるものも存在しているのです。
まだ出来てから日が経っていない
管理業務主任者は2001年の試験により初めて有資格者が生まれた資格で、まだ歴史が浅いのです。
つまり、まだまだ業界そのものが発展途上であるため、各社ともどんどん業務を拡大しようとするよりも業務が安定してくればそれで満足というような雰囲気があるのです。
宅建などのように、歴史があり知名度が高い資格であれば高収入に直結するのですが、管理業務主任者はまだその域まで達していません。
このような理由もあり、今のところ高い年収を見込むのは難しいでしょう。
管理業務主任者で高い年収を目指すには
ここからは、管理業務主任者で高年収を狙う方法を解説します。
開業は少ない
独立開業すれば高収入も狙えるのではないか?と考える人は多いと思います。
しかし、管理業務主任者は社会保険労務士や司法書士など他の国家資格とは異なり、資格を生かして独立開業することは一般的ではありません。
一方、独立して大金を稼ぐのは難しいものの、比較的高年収を安定させやすいというメリットはあります。
管理業務主任者として多くの顧問契約を獲得できれば、安定的に収入を得ることが出来るためです。
なお、開業した管理業務主任者のサンプルは少なく、参考になるデータや既に独立して活躍している情報収集は得にくいことに注意してください。
また、開業直後は仕事が得られずに年収が非常に低い時期がありますので、預貯金を多く確保しておくなど仕事以外にも注意する必要があります。
他の資格でも開業後すぐは稼げない
管理業務主任者に限った話ではなく、他の士業なども開業して間もない頃は稼げない時期があります。
社会保険労務士や司法書士などの士業で「開業して数年で年収1,000万円を達成!」といった成功例を目にすることがあります。
このような情報と比較してしまう気持ちはよく分かりますが、成功する人がいる反面、開業して失敗した人がいることを忘れてはいけません。
開業までの苦労に見合わぬ稼ぎしか得られないまま、競争に敗れて止むを得ず廃業する人もいるのです。
つまり、独立開業が中心の資格もメリットが多く魅力的ですが、管理業務主任者と同様に資格を手にしてすぐに高収入を得るのは一般に難しく、実現できる可能性は低いのです。
実績とともに年収増
一般的な転職市場では、40代での転職は難しく希望の条件を満たせないケースが圧倒的に多いです。
しかし、管理業務主任者では、こういった年齢ありきの求人も少なくありません。
初期の年収は低い水準であっても、転職のハードルそのものは高くないのです。
また、どの企業でも初年度の年収は低くなりがちなので、特段気にする必要もありません。
長く勤めるに連れて年収も上がっていくものなので、コツコツとキャリアを構築していくことが重要となります。
ダブルライセンスが良い
管理業務主任者などの不動産系の資格には、試験分野が共通する資格が多くダブルライセンスが狙いやすいという特徴があります。
実際に、宅建やマンション管理士など、多くの人がダブル受験を目指し勉強している資格となっています。
特に、同じ「マンション管理適正化法」により新しく創設されたマンション管理士のダブル取得がオススメです。
試験範囲の大部分が重複しているマンション管理士を取得すれば、コンサルティング業務ができるようになり、自分の視野が広がるだけでなく開業の選択肢が生まれます。
もちろん、転職の際にもダブルライセンスを生かしてより好条件を引き出せるメリットもあります。
管理業務主任者とマンション管理士に加えて宅建も取得できれば、不動産業界では貴重な人材となることができ、仕事に困ることは無いでしょう。
管理業務主任者の仕事内容
管理業務主任者は、以下のような独占業務があります。
- 住民が管理会社と管理契約を結ぶ前の重要事項の説明
- これらの契約書への記名・押印
- 管理事務の報告
これらは管理業務主任者にしか行うことができないため、資格を有しない人が行うと処罰の対象になります。
独占業務があることにより、制度に守られながら安定的に仕事をしていけるわけです。
管理業務主任者の業務を簡潔に言うと、「管理会社がマンションの住民は深い知識を持ってないのをいいことに、不正なことをすることを防ぐこと」「管理契約について分かりやすく説明する業務」です。
管理業務主任者は住民からなる管理組合に対する、マンション管理会社側の窓口となっています。
また、マンションの設備に関する修繕が必要になった時の業者の手配や、住民のトラブル解決なども業務に含まれます。
なお、管理会社は「成年者である専任の管理業務主任者を30管理組合につき1人以上の割合で設置しなければいけない」と法律で定められているため、管理業務主任者の需要は常にあると言えるのです。
管理業務主任者の詳しい仕事内容は下記の記事をご覧ください。
管理業務主任者の収入の将来性は?
マンションに住む人は現在ではおおよそ1,530万人おり、今後さらに増加することが予想されています。
マンションの数が増えれば管理業務主任者の仕事も増えるため、将来性も高いと言えます。
成長の余地が大きい
前述した通り、管理業務主任者のフィールドであるマンション管理業界初まだまだ発展途上なので成長の余地があります。
管理業務主任者のほとんどの人で企業勤務しており、顧客に売るべきものは会社にあることになります。
しかし、現状では営業がうまくできている訳ではなく、独占業務の内容程度しか売り込みができていません。
また、設置義務があるから管理業務主任者が置かれているという状況になりつつあり、重要性が理解されているとは言い難い状況です。
そこで、各社に徐々にノウハウが蓄積され、管理業務主任者が営業しやすい業務が増えていけば、業界そのものが発展していくでしょう。
また、独占業務という強みを生かすことで、より活躍できるようになると予想できるのです。
将来の安定さは抜群
管理業務主任者は、独占業務がある上に、設置義務により人数も確保されているため、法律的に守られている資格です。
加えて、勤めるマンション管理会社などは会社自体が倒産する可能性は低く、解雇されるリスクは他の業務に比べて非常に低いため、将来の安定性は抜群であることがわかります。
このため、高い年齢の人が転職先として選ぶことが非常に多く、年齢を問わずに活躍できる資格と言えます。
また、近年は相続税の基礎控除の減額などもあり、相続税対策として土地を活用してアパートやマンションを立てるケースや、都市部ではタワーマンションがブームになったりしているため、今後もマンションの建築数は増えていくでしょう。
マンションは年数が経過すれば老朽化するため、修繕や建て替えなどの問題が出てきます。
また、日本は自然災害が多いことに加え、最近は住民同士のトラブルなども増えていることから、管理業務主任者が活躍する機会も多くあるのです。
つまり、マンションが増えるだけ管理業務主任者の需要も高まるため、このような面からも将来性は非常に高いと言えるのです。
副業でも収入増加が目指せる?
近年は収入アップを目指す社会人が増えている背景もあり、副業を解禁する企業が多くなっています。
また、国も副業を後押しする動きもあって、世の中は副業ブームであり、非常に多くの人が本業以外でも収入を得ています。
そこで、何か副業を考えている人は、管理業務主任者の資格を取得することで副業につなげられる可能性があります。
例えば、管理業務主任者試験対策の塾講師や、管理業務主任者についての情報記事を書くライター業務などの副業が考えられます。
特にライター業務は在宅でできるため、スマホやパソコンさえあればどこでも副業できるのが魅力です。
副業ブームもあり、クラウドワークスやランサーズなど、最近は副業するためのサイトも充実しているため参考にしてみると良いでしょう。
もちろん、本業の就業規則で副業を禁止していないかや、本業に支障が出ないように抑える必要があるなどの制約はあります。
しかし、副業することで自分のスキルを磨けたり視野が広がるなどの金銭面以外のメリットも多くあるため、積極的に副業してみるのも良いでしょう。
管理業務主任者になるのは簡単?
一般的に、管理業務主任者試験に合格するためには300時間ほどの勉強が必要と言われています。
単純計算で一日あたり3時間勉強すれば、3ヶ月程度勉強すれば合格できるレベルに達することができます。
一日に3時間の勉強が難しいという人であれば、余裕を持って半年前くらいから勉強に着手すると良いでしょう。
合格するためのコツは、余裕を持った勉強計画を立てることと、質の高い勉強をコツコツ続けることです。
また、勉強期間は様々な誘惑があるため、それに負けないようにモチベーションを維持することも重要になります。
スマホの学習アプリなどを活用するなど、工夫をしながら勉強を続けていきましょう。
なお、試験の合格率は20%前後と決して簡単な資格ではありません。
四人に一人しか受かることが出来ない計算になりますが、それでも様々な取得メリットを考慮すればコスパの良い資格であると言えます。
ただし、管理業務主任者として働くには試験に合格するだけでは足らず合格後に、管理業務主任者として登録する必要があるので、忘れずに登録手続きを済ませるなど注意が必要です。
総じて言うと、管理業務主任者は難易度は比較的低く、かつ取得する価値のあるコスパの良い魅力的な資格なのです。
管理業務主任者の年収に関するまとめ
管理業務主任者の年収に関するまとめ
- 400~500万円程度で安定している
- 独立するならダブルライセンスも視野
- 需要と将来性は高いため、早めの取得がおすすめ
- 副業にも生かせる
管理業務主任者の給料や年収についてお分かりいただけたと思います。
業界がまだまだ発展途上なので、生かし方次第では今後大きなチャンスがあると言えます。
就活面や金銭面など、取得するメリットも大きいので単なる自己啓発だけでなくキャリア形成を見据えた上で取得を目指してみてください。
今後ますます注目される資格なので、ぜひ前向きに取得を検討してみてください。