管理業務主任者の登録・更新方法は?流れや費用・実務講習の内容まで徹底解説!
「管理業務主任者試験に合格したけど、登録が必要ってホント?」
「管理業務主任者登録ってどうやるの?費用はどれくらいかかるのかな…」
この記事を読まれているあなたはきっと上記のようなお悩みをお持ちなのではないでしょうか?
管理業務主任者は試験に合格しただけでは仕事に従事することはできません。「登録」を行うことではじめて管理業務主任者として働くことができます。
この記事では、登録の過程がわからない人に向けて、管理業務主任者登録の手順や更新手続きについて詳しく解説していきます。是非ご一読ください!
管理業務主任者の登録についてざっくり説明すると
- 管理業務主任者登録を行うには実務経験または登録実務講習の修了が必要
- 登録費用は11,150円である
- 登録後は5年に1度更新が必要である
管理業務主任者の登録のポイント
晴れて管理業務主任者試験に合格!早速管理業務主任者として働くぞ!と言いたいところですが、試験に合格しただけではまだ管理業務主任者として働くことはできません。管理業務主任者として仕事をするには、管理業務主任者の「登録」が必要となります。
管理業務主任者として登録するのには11,150円の費用がかかる点にも注意が必要です。
登録条件とは?
管理業務主任者の登録には以下の条件のいずれかに該当する必要があります。
- マンションの管理事務に関して2年以上の実務の経験を有する者
- 国土交通大臣の登録を受けた者が行う実務講習を修了した者
- 国、地方公共団体またはこれらの出資により設立された法人における管理事務に従事した機関が通算して2年以上ある者
つまり、2年以上のマンション管理実務経験か、定めた実務講習を修了しなければならないので、覚えておきましょう。
提出するべき書類とは
管理業務主任者の登録をするにあたり、提出しなければならない書類がいくつかあるので確認が必要です。
具体的には、以下の書類が必要となります。
必要書類
- 登録申請書が必要であること
- 本人の住民票で3か月以内のものが必要であること
- 試験合格証明書が必要であること
- 実務経験を有する方は実務経験証明書、実務講習を修了された方は実務講習修了証明書、または登録実務講習修了証が必要であること
- 本籍地の市区町村の発行する破産手続き開始の決定を受けて復権を得ないものに該当しない旨の証明書で発行日から3か月以内のもの
- 誓約書
実務経験または登録実務講習の修了が必要
管理業務主任者の登録において、マンション管理の実務経験が2年以上あれば問題ありませんが、2年に満たない場合は国土交通大臣の登録を受けた者が実施する登録実務講習を受講し、修了試験に合格しなければなりません。
登録実務講習を受ける方は、登録料とは別に講習代がかかるので注意が必要です。
その他の注意点
管理業務主任者の登録申請は郵送で行い、登録までの期間としては約30日ほどかかります。
無事に登録が完了したら、申請者へ登録通知書が送付されることになります。
管理業務主任者証が必要な場合、この登録通知が届いた後に別途交付申請の手続きが必要となります。※登録と交付申請を同時にはできません。
登録実務講習の内容
マンション管理の実務経験がない人が管理業務主任者の登録をする際に必要なのが登録実務講習です。
実務講習の受講資格は「管理業務主任者試験に合格しており、2年以上の実務経験が無いこと」です。
実務講習の実施期間は2月から6月の間に行われており、場所は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇といった全国の主要都市にて開催されています。
実務講習の申し込みの流れとしては、講習申込期間内に、必要な書類を揃えて受講料を払い込み、特定記録郵便で郵送します。申込が受理されたら受講票が協会から送付されてきます。
講習は2日間にわたり、おおむね15時間で実施されます。具体的な科目内容は下記表の通りです。
科目 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
法その他の関連法令に関する科目 | 管理業務主任者制度の趣旨、管理事務の委託契約及び法第 72 条第 1 項の書面の作成並びに管理事務の報告に関する事項 | 7時間 |
管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関する科目 | 管理組合の会計及び財産の分別管理に関する事項 | 3時間 |
マンションの建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関する科目 | 建物の維持保全及び長期修繕計画並びに大規模修繕に関する事項 | 5時間 |
上記科目を全て受講し、かつ修了試験に合格することが修了要件となります。修了試験は講義内容から出題され、合格基準は正答率60%以上となります。
管理業務主任者は資格の更新が必要
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」において、管理業務主任者証の有効期間は5年とする、と定められています。
よって有効期限が切れる前に更新をする必要があります。
資格更新には講習を受ける必要がある
管理業務主任者証の資格を更新するには講習を受講しなければならないとされています。講習の受講料として9,680円費用としてかかります。さらに別途振込手数料が費用として必要になります。
講習の実施期間は1年中行われています。有効期限の6か月前から受講することができるので、都合の良い時期を選んで受講するといいでしょう。
開催地は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇といった全国の主要都市で行われています。
講習の申し込み方法について
更新講習を受けるためには、事前の申し込みが必要です。講習の実施期間は上記でも述べた通り、1年中開催されていますので、好きなタイミングで申込むといいでしょう。
受講申込書、受講整理票管理業務主任者証交付申請書等の書類を準備して、受講料を払い込み、特定記録郵便で送付します。
受講申込書類が受理されたら、申込者へ受講票が送付されます。受講票はICカードとなっており、講習当日は必ず持参するように注意してください。
講習内容はどのようなものか
本講習はビデオ放映による講義となっており、9:30~17:00までで講義時間はおおむね6時間となっています。
具体的な講習内容は下記の通りです。
科目 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
マンションの管理の適正化の推進に関する法律その他関係法令 | マンションの管理の適正化の推進に関する法律、同法施行規則及び通達等関係文書の概要並びに最近の改正内容等の解説、建物の区分所有等に関する法律その他関係法令で管理事務に関係する規定の概要及び最近の改正内容等の解説 | 1時間30分 |
管理事務の委託契約及び管理組合の機関と運営等に係る紛争事例 | マンション標準管理委託契約書及びマンション標準管理規約等の概要並びに最近の改正内容等の解説、管理事務の委託契約及び管理組合の機関と運営等に係る紛争事例等の解説 | 1時間 |
管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納 | 管理組合の会計処理の概要及び最近の実務動向の解説 | 1時間30分 |
マンションの建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整 | マンションの建物及び附属施設の点検及び検査の概要並びに最近の実務動向の解説、長期修繕計画の作成方法及び大規模修繕の実施方法の概要並びに最近実務動向の解説 | 2時間 |
登録・更新に必要な費用一覧
管理業務主任者の登録に必要な費用をまとめると次のようになります。
項目 | 費用 |
---|---|
登録手数料 | 4,250円 |
実務講習受講料 | 約20,000円 |
更新時の講習費用 | 9,680円 |
切手代 | 約400円 |
したがって、登録の際には24,000円ほど、更新時は10,000円ほどの出費を見込んでおくと良いでしょう。
なお、登録実務講習の料金は講習実施団体によって異なり、一般社団法人マンション管理業界のものを受講する場合は22,550円、その他民間企業実施の講習を受講する場合は16,000〜20,000円ほどで受講可能です。
管理業務主任者の登録をするのがおすすめな人
管理業務主任者の登録をすべき人はどういう人なのでしょうか?
まずマンション管理の業界に従事されるのであれば、確実に登録を済ませておいた方が良いでしょう。
マンション管理会社では、事務所ごとに管理事務の委託を受けた管理組合数30組合につき1人以上は管理業務主任者を配置させる必要があります。マンション管理のためにある資格であると言ってもいいでしょう。
また従事されるのがマンション管理の業界ではなかったとしても、例えば不動産業界のような関連業界の場合、管理業務主任者の登録をしておくことで名刺に載せることが出来るため、顧客からの信頼を得るという意味でも効果があると言えるでしょう。
管理業務主任者の登録や資格維持にかかる費用はせいぜい数万円なので、自己投資として登録する価値は十分あると言えます。
管理業務主任者登録の欠格要件に注意
管理業務主任者の登録条件を満たしたとしても、欠落要件に引っかかった場合は登録できません。欠落要件としては以下の内容になります。
- 成年被後見人と被保佐人と破産者で復権を得ない人
- 禁錮以上の刑に処せられ、執行終了、執行猶予あけ2年以内
- 適正化法違反で罰金刑を受けて、執行終了、執行猶予あけ2年以内
- マンション管理士登録を取り消されてから2年以内
- 管理業務主任者登録を取り消されてから2年以内
- マンション管理業登録を取り消されてから2年以内
この欠落要件ですが、「成年被後見人または被保佐人であること」と言う条件以外については、基本的に誠実に生きていれば引っかかることはありません。欠落要件については知っておくことが必要ではありますが、あまり過度に心配するようなものではありません。
申請書類に不備があったり、登録手数料が納付されなかったりした場合も登録することができないため、こちらについては誰しもが注意する必要があります。
管理業務主任者の登録についてまとめ
管理業務主任者の登録まとめ
- 管理業務主任者として従事するには「登録」が必要
- 登録には2年以上の実務経験か、実務講習を修了すること
- 資格期限は5年間。切れる前に更新手続きが必要
管理業務主任者の登録までの流れ、更新手続きの流れについて解説してまいりました。
登録や更新については手間こそかかりますが特に難しい内容ではありません。管理業務主任者として働いていくには必要不可欠な作業となりますので割り切りましょう。
資格には有効期限がありますので、気が付いたら資格期限が切れていた!なんてことにならないようにしっかりと管理しておきましょう。
管理業務主任者として活躍できますよう応援しています!