宅建士資格には更新が必要?有効期限や手続きの内容・費用を徹底解説!
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宅建士
関口秀人
「宅建士資格を取得した後には更新手続きが必要なのだろうか?」
資格取得後にも更新等の手続きが必要なのか、もしも必要ならば有効期限や費用はどうなのか、気になっている人も多いはずです。
この記事では宅建士資格の有効期限や更新手続きの内容・費用を分かりやすく解説していきます。
宅建士として活躍し続けるには更新手続きを適切に行うことが大切です。
資格取得後の更新手続きを理解することで宅建士資格をより具体的にイメージできて、資格取得に向けたモチベーションアップにもつながるはずです!
宅建士資格の更新手続きをざっくり説明すると
- 更新手続きをしなくても問題ないケースがある
- 更新するためには法定講習を受講しなければいけない
- 資格登録者のうち宅建士証の交付を受けている人は約半数
宅建士証には更新手続きが必要
宅建士として業務を行う際には宅建士証を携行する義務があります。
試験に合格して資格登録をした者が申請すると交付される宅建士証は5年ごとの更新手続きが必要です。更新せずに免許のない状態で業務を行うと処分の対象になります。
更新自体は任意ですが、宅建士として正しく業務を行うためにも、更新手続きが必要なケース・不要なケースを理解することが大切です。
更新手続きをしなくても問題ない場合
宅建士として業務を行わないのであれば免許は不要です。その場合には宅建士証の有効期限が切れていても問題ありません。
更新手続きにはそれなりに費用もかかるので、業務を行う予定がない場合には更新手続きをしないというのも自然な選択肢です。
再び宅建士として業務を行うことになったら、そのときに手続きをして宅建士証の交付を受ければ問題ありません。
資格試験の合格や資格登録は更新不要
試験に合格した宅建士試験合格者や資格登録をした宅建士資格登録者であれば、その状態は一生涯有効なので更新手続きは不要です。
その一方で試験合格・資格登録をした後に宅建士証の交付を受けて業務を行う 宅建士証交付者は宅建士証の更新手続きが必要です。
つまり宅建士証の更新をする際に再度試験に合格したり資格登録を行う必要はありませんが、更新の手続きは行わなければいけません。
宅建士証の更新手続きの流れ
宅建士証を更新するには、交付申請前6カ月以内に行われる法定講習を受講する必要があります。
登録している都道府県の宅建協会等から更新が必要である旨を知らせるハガキが5年に1度届き、このときに法定講習の案内もされます。
更新の際には以前の宅建士証を返納し、紛失している場合には紛失届の提出が必要です。
更新手続きに必要な法定講習の内容と費用について、以下で詳しく解説していきます。
法定講習の内容と費用
講習はあくまで講師の先生の話を聞くだけで、実習やテストはありません。5年の間にあった法改正の確認などが主な内容です。
なお平成27年に宅建が宅地建物取扱主任者から宅地建物取扱士へと士業になった結果、講習の内容や費用は以下のように変わりました。
- 科目:3科目から4科目に変更
- 時間:5時間から6時間に変更
- 受講料:11,000円から12,000円に変更
現在の更新費用は証紙代金4,500円と受講料12,000円を合計した16,500円です。更新手続きにはそれなりに費用がかかります。
講習科目
講習では以下の4科目を受講します。
- 改正法令の主要な改正点と実務上の留意事項
- 紛争事例と関係法令及び実務上の留意事項
- 宅地建物取引士の使命と役割
- 改正税制の主要な改正点と紛争事例及び実務上の留意事項
なお「宅地建物取引士の使命と役割」は以前にはありませんでした。士業への変更に伴って追加された科目です。
法廷講習についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
資格登録者に占める宅建士証交付者の割合
試験合格後に資格登録をして宅建士証の交付を受けるかどうか、また有効期限を迎えた際に更新するかどうか、これはあくまで任意です。
各自の事情に応じて決めるべき話ですが、その一方でどれ程の宅建士が宅建士証の交付まで行っているのか、気になる人もいるはずです。
以下では資格登録者に占める宅建士証交付者の割合を紹介します。費用をかけてでも宅建士証の更新をするかどうか、悩んでいる場合には参考にしてみて下さい。
資格登録者のうち約半数が宅建士証交付者
不動産適正取引推進機構の発表によると、令和3年度末時点の宅建士資格登録者数および宅建士証交付者数は以下の通りです。
宅建士資格登録者 | 宅建士証交付者 | |
---|---|---|
男性 | 836,490人 | 401,407人 |
女性 | 290,015人 | 146,608人 |
全体 | 1,126,595人 | 548,015人 |
(出典:宅建業者と宅建士の統計概要)
性別に関係なく宅建士資格登録者のうち宅建士証の交付を受けている人はおよそ2人に1人 です。
宅建士証の交付には費用がかかりますし、更新の場合には法定講習の受講費用も必要になります。宅建士証の交付手続きを行っていない人が一定数存在することが分かります。
宅建士証交付者割合は地域・年齢によって異なる
宅建士証の交付を受けている宅建士の割合は、地域や年齢によっても異なります。例えば29歳以下では約9割、30代では7割超 の資格登録者が宅建士証の交付を受けています。
「宅建業者と宅建士の統計概要」では都道府県別や年齢別の登録者数・交付者数のデータも公開されています。
宅建士証の交付手続きまで行うか迷っている場合には、ご自身の都道府県や年齢のデータを確認して参考にしてみると良いでしょう。
宅建士資格の更新手続きまとめ
宅建士資格の更新手続きまとめ
- 宅建士の業務を行わない場合は必ずしも更新する必要はない
- 更新手続きに必要な法定講習を受講するには費用がかかる
- 資格登録者のうち宅建士証交付者の割合は約50%
今回は宅建士資格の更新手続きについて紹介しました!
宅建士として業務を行う以上、自身が保有している資格の管理を正しく行うのは当然のことです。更新手続きへの理解は欠かせません。
資格の更新手続きを正しく行うことで適正な業務の継続につながり、顧客との信頼関係の継続にもつながるはずです!