マンション管理士の独立は難しい?開業資金や年収・よくある失敗まで徹底解説!

更新日時 2020/02/19

「マンション管理士って独立開業できる資格なの?」

「独立開業するにあたってどんな準備をすればいいの?」

このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?

マンション管理士は独立開業できる資格ですが、そこで気になるのは準備すべきことや年収ですよね。

しっかりとした準備をしないと利益を上げることができず早々と挫折してしまいます。

こちらの記事では、マンション管理士として独立開業するにあたり気をつけるべき点や年収の目安について解説していきます!

マンション管理士としての独立開業についてざっくり説明すると

  • 自己資金は多めに準備しておくと安心
  • 固定費の負担に注意
  • 都会でも地方でも仕事はある
  • 幅広い人との信頼関係が重要

マンション管理士資格で独立開業する手順

キャリアの芽

独立開業を目指すのであれば、当然の事ながらまずマンション管理士試験に合格する必要があります。

また、合格後はマンション管理士としての登録が必要となり、登録しなければマンション管理士として働くことはできません。

独立開業前に準備する金額の目安は、テナント家賃や機材などの準備を含めて概ね300万円です。

無収入期間が長引いても安心して活動するためには、500万円ほど準備できれば安心でしょう。

開業には事務所開設が一般的

試験合格後、登録をするとマンション管理士として活動できるようになります。

登録するにあたり実務経験は不要なので、実務未経験でも登録することができます。その際には誓約書の提出などの手続きなどをするだけで良いため、大した手間はかかりません。

実務経験が登録要件で必要な管理業務主任者などと比べると、マンション管理士は登録のハードルは低いと言えます。

マンション管理士として開業するには、事務所を開設する形をとるのが一般的で、実際に多くの開業者が自宅を事務所として活動しています。

事務所を借りて活動している人もいますが、このような場合は注意が必要です。

仕事がない時期でも事務所の家賃は払わなければならないため、金銭的なリスクが大きいためです。

そのため、コンサルティングを担当するマンション管理組合等との結びつきができるまでは無収入の期間が発生してしまうため、余裕を持った資金計画が必要となります。

独立費用は300万円からが相場

コツコツと貯めよう

開業のために必要な費用として、「事務所や設備の設置費」「マンション管理士協会加入料」「広告費」などが必要になります。

事務所や設備の設置費

事務所を賃貸する場合は敷金・初期賃料・事務家具・PC・電話・インターネット開設費などなど事務所自体や事務所の設備に準備費用がかかります。

物件の初期費用が100万~300万円、機器費用を20万~100万円、通信費を5万~10万円程度とすると、最低でも200万円前後は必要となります。

自宅を事務所として開業する場合はもう少し安く済みますが、事務所の立地などを勘案しながら決めると良いでしょう。

マンション管理業協会加入料

マンション管理士として独立開業する場合には、各都道府県のマンション管理士協会に加入する場合がほとんどです。

入会金や年会費は都道府県により異なりますが、入会金は20,000円ほど、年会費は2~4万円ほどとなっています。

コストがかかる反面、メリットもあります。

マンション管理士協会に加入することで、各都道府県の現状に合った講習を受けることができ、マンション管理士としてのスキルを高めたり、同業者と有益な情報共有ができたりするため、かけたコスト以上のリターンが期待できるのです。

特に開業したばかりだと実務経験が無く不安要素が多いため、このような講習会に積極的に参加すると有意義です。

広告宣伝費がかかることも

独立開業後は、営業活動をして集客しなければなりません。

そこで、自社ホームページの制作や広告掲載などを依頼すると様々な広告費用がかかってきます。

仕事を得るためには広告もある程度必要になりますが、だからといって広告費をかけ過ぎると経営が厳しくなるため加減が必要です。

広告費を抑えるためには人づてで顧客を紹介してもらうことが最も効率的であるため、日頃から人脈作りを大切にすると良いでしょう。具体的には、開業したばかりだと、融資してもらう銀行に顧客を紹介してもらうことも多いようです。

これまで挙げた4つの費用には生活費が含まれていないため、経営が軌道に乗るまでの生活費も含めて多額の費用が掛かることにも留意する必要があります。

生活費も忘れずに

事業に関する費用だけでなく、生活費も最低で半年~1年分を目安に貯めておくと安心です。

生活費は家族構成などで異なりますが家賃などを含めて一般的に一人あたり月20万円ほどがかかるといわれています。

つまり、年間200万円程の生活費を想定しておくと安心でしょう。

生活費の貯蓄は多ければ多いほど安心です。ギリギリの予算だと早く集客しなければ早々に廃業に追い込まれてしまうというプレッシャーがかかるため精神衛生上よくありません。

しっかりと腰を据えて事業をしていくためにも、ゆとりを持った資金計画を立てましょう。

都会ほど収入はいいの?

大きな疑問

都会・地方のどちらで開業してもそれぞれメリットがあります。

それぞれ検証してみましょう。

都心では利益率が良く他の業界も可能

都会では相続税対策の影響や土地の有効活用などもあってか、マンションの建築が盛んです。

そもそも都会にはマンションに住む人口が多いため、狭いエリアでもマンション管理士の仕事は非常に多く新規の案件を見つけやすいメリットがあります。

また、一般に都会のマンション管理士の年収の方が高い傾向にあります。

デメリットとしては、マンションあたりの人口が多い分、居住者間のトラブルなどが多く精神的な負担が大きいことが挙げられます。

さらに、当然都会の方が競合となる企業や独立マンション管理士が多くなるので、競争が激しくなるという点も見逃せません。

地方でもマンション管理士の需要増加中

地方でも、マンション自体の老朽化や、マンション管理組合の構成員の高齢化が進んでいるため、マンション管理士の需要増えています。

そのため、地方でもマンション管理士の重要性が認知され始めており、活躍できる場が多いです。

しかし、都市への人口流出は引き続き懸念されており、人口の減少と地域の高齢化などに伴い、マンションの住人自体がいなくなってしまうという危機は考えられます。

開業に失敗しやすい例と対策

男性の失敗

顧客獲得に時間がかかる

独立開業すると、これまでは会社のネームバリューなどの効果を使って集客していたものを、すべて自分の力で集客する必要があり大変な労力が必要になります。

マンション管理組合のメンバーである住民の方々との信頼関係を構築して、長期的にマンション管理組合の顧問となることができれば、順調に独立開業を展開できるでしょう。

そのための対策として、マンション管理士会の講習などに参加してマンション管理士としてのスキルを高めることが重要です。

また、知識面だけではなく、コミュニケーション能力も必要不可欠です。

実務では、管理規約を事務的に適用して住民トラブルの仲裁をするだけでなく、臨機応変に仲裁役を努めるなどのスキルも必要になります。

また、開業直後の1年間は、無収入でも耐えられるほどの開業資金を準備することがじっくりと開業する上で必要になります。

同業者との信頼関係が大事

同業者のマンション管理士は、仕事上競合相手となることもありますが、単に競い合うのではなく良好な関係を築くようにしましょう。

同じ地域で開業しているからこそ、共有できる住民トラブルもあり、解決策を教えてくれることもあるからです。

そうした場合は、ベテランの同業者の意見が役に立つことが多く、有益なアドバイスをくれる人もいるため多くの人と信頼関係を築くと良いです。

実務経験も大切

会社勤めの時は、基本的に割り当てられる担当の仕事のみしていれば給与はもらえます。

しかし、独立するとまず顧客を獲得し、その顧客との信頼関係を構築し顧客として定着してもらえなければ収入となりません。

また、事務所を開業した場合、マンション管理士の資格を持っているのは自分だけということがほとんどであり、事務作業などを任せるために何人か雇ったとしても、開業した経営者の実力次第で事務所の業績は大きく変わるため、非常に責任感が重いと言えます。

これらの不安を軽減させる対策として、数年間マンション管理士事務所や不動産会社、マンション管理会社などで勤務しマンション管理士としての実務経験を積むことが挙げられます。

また、マンション管理をする上ではトラブルに対処する能力も求められます

このような場合、臨機応変な対応が大切なことも多いため、人生経験の豊富な方が求められる業界でもあるのです。

固定費で苦しくなることも

独立の際に事務所の賃料などの固定費が高いと、経営が苦しくなるケースが多いので注意が必要です。

特に都会の場合は固定費が地方に比べて高くなり、収支を圧迫するリスクがあります。

そのため、業務が一時的に軌道に乗ったからと言ってすぐに社員を増やしたりすると、仕事が減った時に人件費により収支が圧迫される危険があるため固定費が事業に与える影響は常に注意を払う必要があります。

事務所の賃料に注意

都会にはマンションが多く仕事の案件も豊富にありますが、収益性を見込めるからと言って都会に事務所を構えると賃料が高額になってしまい固定費の負担が大きくなります。

現在は地方でもマンション管理士の重要性が認識されつつあるため、固定費を抑えて地方で開業するケースも増えています。

従業員が少数で広いスペースを必要としていないのであれば、自宅で開業するという選択肢も考えておくべきです。

社員数の増加は利益を考え慎重に

家賃やリース代以外で負担が大きくなりがちな固定費が人件費です。

現在は売り手市場でどの業界でも人手が不足しており、最低賃金の上昇などもあり地方でも時給1000円以上の仕事がほとんどです。

つまり、時給1000円で1日8時間勤務で月に22日出社してもらう場合、従業員1人あたり17万6,000円もの人件費がかかる計算になるのです。

そのため、固定費を最小限に抑えたいのであればすぐに人を雇うことは止めておくべきです。

顧問先が15件くらいまでであれば一人で対応することが可能なので、コスト管理を意識した経営をすることが大切です。

年収800万円以上も狙える

しっかりとした経営を

「マンション管理士は仕事がない」という評判や書き込みがあったりしますが、決してそんなことはありません。

マンションが存在する存在する限り、マンション管理士の需要は絶えずあると考えられるため、自分の努力次第では大きなチャンスがある世界なのです。

また、マンション管理士のような士業資格の最大の魅力は、独立開業することで自分の実力次第でどこまでも収入を増やせることです。

さらに雇用されていた頃と違って自由な働き方も可能となります。

実際、既にマンション管理士として開業して年収800万円以上を稼いでいる人もいます。

年収800万円以上も視野に入る

年収800万円という数字は一般的なサラリーマンよりも高い金額であるため、魅力的と感じる人も多いのではないでしょうか?

もちろん、独立後は営業力などにより年収の差が大きく開いてしまうため、すべての独立マンション管理士が800万円を稼げるわけではありません。

そのため、800万円以上稼いでしまうような人もいる一方で、会社勤めの時と変わらない程度の年収(400~500万円)でとどまっている人も多く、ばらつきが多いのです。

マンション管理士の顧問報酬の内、6割以上が一件あたり5万円未満と言われています。この金額は、安定して手に入れることできる分には十分ですが、これだけでは満足できる額とは言えません。

したがって、より単価の高い大規模修繕などのコンサルティング業務を行うことが大切なのです。

そして、より多くの契約を取るためには地道かつ効率的な宣伝と営業活動が欠かせないのです。

また、日頃から様々な人と接してコミュニケーション能力を磨いていくと良いでしょう。

住民間のトラブルなど、マンション管理士が板挟みになってしまうことは多々あるため、このようなときに円滑なコミュニケーションを取りつつトラブルを解決すると信頼感が得られます。

今後年収アップが期待できる

近年は相続税対策や土地の再開発、タワーマンションブームなどの影響もあり、多くの新築マンションが建てられています。

これに加えて、マンション居住人口の割合が高まることが予想され、マンション管理組合の高齢化やマンションの老朽化も進んでいくため、マンション管理士の需要はますます高まっていくことが予想されています。

また記憶に新しいところでは、武蔵小杉のタワーマンションが台風の影響で被害を受けました。

このような自然災害のトラブルの際に管理業者と連絡を取ったり修理業者を手配したりするときもマンション管理士は活躍します。

このように様々な面から、マンション管理士の評価が高まり、年収が増えていくことが予測できるのです。

ダブルライセンスでさらに高収入も

乾杯の写真

現在、マンション管理士取得者は年々減少傾向にあり、独立時の競争は緩和されていると言えます。

様々な背景もありマンション管理士自体の評価も高まっていますが、マンション管理士に加えてその他関連する資格も取得することで、他のマンション管理士との差別化を図れるようになるでしょう。

また、ダブルライセンスを持つことでマンション管理士の業務の幅も広げることができ、自然と年収も高くなります。

このように、ダブルライセンスがあると仕事上有利になり、年収もアップにも繋がるのです。

以下ではマンション管理士とのダブルライセンスの相性が良い資格を紹介します。

管理業務主任者

管理業務主任者は、マンションの管理業者が管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行う資格です。

住民側の立場で業務を行うマンション管理士に対し、管理業務主任者は管理会社側の立場から受託契約上の説明や管理状況のチェックなどを行います。

立場は違うものの、それぞれの試験対策で学ぶ内容はほとんど重複しており、効率的に勉強を進めることができます。

また、試験日も近いため1年でダブル取得も十分に狙えます。

マンション管理士に受かっていると、管理業務主任者の試験の際に一部免除が適用され、出題全体の1割にあたる5問の問題について免除してもらえるメリットもあります。

管理業務主任者をマンション管理士と一緒に取得しておくと視野を広げることができるため、土地や建物についての相談をより多面的な視点からアドバイスできるようになります。

またマンション管理組合のコンサルティングの仕事で大いに活躍できるようになるでしょう。

宅地建物取引士

宅地建物取引士は宅建士とも呼ばれ、不動産の売買などに関する専門家です。

宅建は試験範囲も「民法」「建物基準法」「区分所有法」など、マンション管理士と重複している項目も多いため、非常にダブルライセンスとして目指しやすいです。

宅建の専門領域である宅建取引関係の知識は、マンションの大規模修繕のときや工事業者の選定をしたりすることもあるマンション管理士の仕事にも生きることが多く、実用的な内容となっています。

不動産業界では宅建の保有がマストであり、また人の出入りも激しい業界なので宅建士の需要は非常に高いです。

資格手当なども期待でき給料も高い水準なため、宅建とのダブルライセンスは非常におすすめです。

マンション管理士の独立開業に関するまとめ

マンション管理士の独立開業に関するまとめ

  • 300万円程度の準備資金は必要になることが多い

  • 事業に悪影響を及ぼさないような資金計画を立てる必要がある

  • 都会でも地方でも、営業努力は欠かせない

  • ダブルライセンス以上を目指すとより高い年収を狙える

マンション管理士は需要が高いだけでなく将来性もある非常に魅力的な資格です。

独立開業すれば定年という概念が無くなるため、健康であれば生涯現役で稼ぐこともできます。

開業にあたり自己資金を準備する必要があったり開業直後はなかなこ仕事を受けられずに不安になったりと、困難はありますがメリットの方が遙かに多いと言えるでしょう。

マンション管理士は将来にわたって生かすことが出来る資格なので、前向きに取得を検討してみてください。