ネットワークスペシャリストの難易度はどれくらい?合格率から目安の勉強時間まで解説
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「ネットワークスペシャリスト試験って難しいの?」
と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
ネットワークスペシャリスト試験は、IT系資格では最難関とも言われる高度情報技術者試験の一つです。
ただし高度情報技術者試験の中でも難易度には差があるため、それらの難易度に関しては不明は点も多いはずです。
今回はネットワークスペシャリストの難易度について、試験の合格率から目安の勉強時間に至るまで、詳しく解説します。
これを読めば、ネットワークスペシャリスト試験の難しさと勉強法がよく分かるはずです。
ネットワークスペシャリストの難易度をざっくり説明すると
- 合格率は14%で偏差値は62
- 合格には数ヶ月から半年程度の勉強が必要
- 勉強法次第では独学での合格も可能
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ネットワークスペシャリスト試験の難易度
ネットワークスペシャリスト試験の難易度はどのくらいなのでしょうか。試験の概要と共に解説します。
そもそもネットワークスペシャリストって
ネットワークスペシャリストは、大規模で強固なネットワークシステムを構築・運用できる人材を指します。
ネットワークの技術からサービス動向まで、幅広い知識が必要な資格です。
ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアとして活躍したい人には最適と言える資格になります。
具体的な業務としては、情報システム基盤に関する一連の業務を主導することです。
基盤の企画・要件定義から開発・運用に至るまで、全ての作業で中心的な役割が期待されます。
また、その高度な専門性を活かして技術支援を行うのも、ネットワークスペシャリストの役割です。
現代はネットワーク社会のため、エンジニアとして活躍するには必須の資格と言えるでしょう。
ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験における高度情報技術者試験に分類されます。IT系国家資格の最上位に位置する難関資格の一つです。
ネットワークスペシャリストの難易度はどれくらい?
ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験のレベル区分において、最高のレベル4に分類されます。
そのため、情報技術系の資格の中でもトップレベルの難易度です。
高度情報技術者試験の一つであることから、ITストラテジスト試験やシステムアーキテクト試験などと肩を並べる難易度と言えます。
難易度が高い理由としては、論述の多さが挙げられるでしょう。問題文から的確に要点を見つけ出す読解力や、作文能力が要求される試験です。
また、ネットワークスペシャリスト試験は4つの試験で構成されているため、試験範囲が膨大であることも難易度が高い一因でしょう。
偏差値は62
ネットワークスペシャリスト試験の偏差値は62です。これは国家資格でも難関とされる社会保険労務士や中小企業診断士試験に近い水準になります。
他の情報処理技術者試験と比べると、レベル3の応用情報技術者試験の偏差値は61です。そのためネットワークスペシャリストの方が難しいと言えます。
一方で高度情報技術者試験の中で比較した場合、プロジェクトマネージャーが62、ITストラテジストが63のため、同試験の中では簡単な部類と言えるでしょう。
受験資格はない
ネットワークスペシャリスト試験に受験資格はありません。そのため誰でも受験することができます。
そもそも情報処理技術者試験には、レベルに関わらず、どの試験においても受験資格がありません。
幅広い受験者を抱える試験だと言えます。
難易度を上げている理由
ネットワークスペシャリスト試験が難関である大きな理由は、試験形式の多さです。
また問われる内容が高度に専門的であることも、難易度を押し上げる一因だと言えます。
試験は4種類
ネットワークスペシャリスト試験では、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4種類の試験が実施されます。
各試験の試験時間および出題形式は以下の通りです。
試験 | 試験時間 | 出題形式 |
---|---|---|
午前Ⅰ | 9:30〜10:20(50分) | 四肢択一式 |
午前Ⅱ | 10:50〜11:30(40分) | 四肢択一式 |
午後Ⅰ | 12:30〜14:00(90分) | 記述式 |
午後Ⅱ | 14:30〜16:30(120分) | 記述式 |
午後Ⅰに関しては3問中2問を、午後Ⅱでは2問中1問を、それぞれ選んで解答します。全ての試験が100点満点での実施です。
午前Ⅰ試験は免除可能
午前Ⅰ試験に関しては免除制度が存在します。具体的には以下のいずれかを満たせば免除の対象です。
-
応用情報技術者試験合格
-
高度情報技術者試験に分類される試験に合格
-
高度情報技術者試験に分類される試験の午前Ⅰ試験で合格基準点をクリアする
平成30年度の試験では、受験者の57.4%がこの免除制度を利用しています。
多くの受験者が午前Ⅰ試験を免除となっていることが分かります。
ネットワークスペシャリスト試験は長丁場となるため、少しでも負担を軽減できるこの制度を積極的に活用したいところです。
試験内容について
各試験の出題内容は以下の通りです。4つの試験の中でも午後試験は特に難易度が上がります。
午前Ⅰ
午前Ⅰ試験の出題範囲は応用情報技術者試験と同じで、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3分野から出題されます。
配点は1問3〜4点で、60点以上の得点で合格です。
テクノロジ系17問、マネジメント系5問、ストラテジ系8問の計30問という出題構成になります。
問題は全て、同時期に実施される応用情報技術者試験の午前試験から選定されたものです。考察問題が多く選ばれ、文章題は少ない傾向にあります。
出題数の多いテクノロジ系でいかに得点できるかが、合格のカギとなるでしょう。
午前Ⅱ
午前Ⅰと同様の試験範囲から、以下の6分野が出題されます。
-
コンピュータ構成要素
-
システム構成要素
-
ネットワーク
-
セキュリティ
-
システム開発技術
-
ソフトウェア開発管理技術
午前Ⅱ試験の配点は、各4点×25問です。こちらも60点以上の得点で合格となります。
ネットワークの新傾向問題が減少しており、ネットワークとセキュリティの2つを押さえれば、合格が可能な試験です。
午前Ⅰと出題範囲は同じですが、問われる内容は高度になるため、難易度は上がります。
午後Ⅰ
午後Ⅰ・Ⅱはどちらも以下の範囲から出題されます。
-
ネットワークシステムの企画・要件定義・開発に関すること
-
ネットワークシステムの運用・保守に関すること
-
ネットワーク技術・関連法規・標準に関すること
-
ネットワークサービス活用に関すること
-
ネットワーク・アプリケーション技術に関すること
午後試験Ⅰでは3問から2問を選んで解答します。配点は各問50点で、60点以上得点すれば合格です。
長文を読んだ上で語句を答えたり、論述を行う問題が主になります。
設問数が多いので、問題文を素早く読解し、適切な解答を即座に見出す能力が必要です。
午後Ⅱ
午後試験Ⅱでは、2問から1問を選んで解答します。長文を読解し、設問に論述式で答えるという形式です。
こちらも大問の中に多数の設問が含まれるため、時間内に文章を読解し、素早く解答することが求められます。
長文の10ページ以上のわたる分量のため、ざっと読んで文書の外観を押さえられる能力が必要です。
標準的レベルの問題をミスなくこなしていくことが、合格のカギとなるでしょう。
難易度を合格率・合格点の観点から考察
ネットワークスペシャリストの難易度を、合格率や合格基準、勉強期間などの観点から考えてみましょう。
合格率は14%前後
ネットワークスペシャリストにおける各年度の合格率は以下の通りです。
年度 | 合格率 |
---|---|
平成21年度 | 14.9% |
平成22年度 | 13.6% |
平成23年度 | 14.7% |
平成24年度 | 13.8% |
平成25年度 | 14.3% |
平成26年度 | 13.9% |
平成27年度 | 14.6% |
平成28年度 | 15.4% |
平成29年度 | 13.6% |
平成30年度 | 15.4% |
平成31年(令和元年)度 | 14.4% |
令和3年度 | 12.8% |
令和4年度 | 17.4% |
上記によると、合格率は例年14〜15%前後で推移しています。これはかなり低い数字だと言えます。(令和2年度試験はコロナウイルスの影響で中止)
ちなみに他の高度情報技術者試験の合格率に関しては、これと同程度の水準です。
このような低い合格率から難易度の高い試験だと言えます。
ネットワークスペシャリストは4つの合格点を超える必要がある
ネットワークスペシャリスト試験は4つの試験から構成されますが、資格を取得するにはそれら全てに合格する必要があります。
合格点は各試験60点以上です。一つの試験で不合格になると、それ以降の試験に関しては採点がなされません。
つまり、午前Ⅰ試験を不合格となった場合は、それ以降の3つに関しては採点されないということです。
午前Ⅱと午後Ⅰ試験でも同様で、不合格となればそれ以降の2つもしくは1つの試験に関しては、採点が行われません。
この合格に関するシステムが、試験の難易度をさらに高めていると言えるでしょう。
目安の勉強時間はどれくらい?
ネットワークスペシャリスト試験に合格するには、午前Ⅰ試験を免除されたとして、数ヶ月から半年の勉強時間が必要です。
これは、試験範囲全体に関する基本的な知識はあるものの、ネットワークに関する専門知識はないため、それを習得するのにある程度の時間を要します。
仮にネットワークに関する知識がある場合は、30〜60時間程度の勉強で合格できるでしょう。事前知識があることは試験勉強における大きなアドバンテージとなります。
その場合は論述問題の対策や試験形式に慣れることに、ある程度の時間が必要です。過去問演習が中心の学習となるでしょう。
ネットワークスペシャリストの勉強時間の詳細は以下の記事をご覧ください。
他の資格と難易度を比較
続いては他の資格と比較することで、ネットワークスペシャリストの難易度を考察してみましょう。
同じ情報処理技術者試験の資格と比較
同じ情報処理技術者試験と比べた場合、難易度にはどのような違いがあるのでしょうか。
応用情報技術者
応用情報技術者試験は、情報処理技術者試験のレベル3に分類される試験で、ネットワークスペシャリストのワンランク下の資格になります。
応用情報技術者試験の合格率は20%前半であることから、14〜15%のネットワークスペシャリスト試験と比較すると、ネットワークスペシャリストの方が難しいと言えるでしょう。
応用情報技術者試験の試験内容は、テクノロジ系・ストラテジ系・マネジメント系の3分野から多くが出題されます。これはネットワークスペシャリストの午前試験と同様です。
IT関連の知識に不足を感じる人は、まず応用情報技術者試験から受験することをおすすめします。
基本的な知識を身に付けることができるため、スムーズにネットワークスペシャリストの試験勉強に移ることが可能です。
応用情報技術者の難易度については下記の記事をご覧ください。
ITストラテジスト
ITストラテジスト試験も、レベル4の高度情報技術者試験の一つです。
ITストラテジストは、企業の経営方針に沿ったIT戦略の策定を行います。
また高度なIT技術を駆使した業務改革や競合を圧倒するようなサービスおよび製品の創出を企画・推進することもITストラテジストの仕事です。
その合格率は14%前後で、ネットワークスペシャリストと大差はありません。
しかし偏差値で見ると、ITストラテジスト試験の方が難易度が高いと言えます。
ネットワークスペシャリストの偏差値は62でしたが、ITストラテジストは63です。
ITストラテジストの難易度については下記の記事をご覧ください。
情報処理安全確保支援士
情報処理安全支援士も同じく高度情報技術者試験の一つです。そのためレベルは4になります。
情報処理安全確保支援士はサイバーセキュリティの専門家です。
高度な知識を活かして、組織の情報システムの設計・運営を支援したり、サイバーセキュリティ関連の調査を行います。
ネットワーク構築とサイバーセキュリティは親和性が高いため、情報処理安全支援士をダブルライセンスとして狙う人も多いです。
近年の合格率は17〜19%であり、ネットワークスペシャリストよりも高い水準になります。
そのため、ネットワークスペシャリストの方が難易度が高いと言えるでしょう。
情報処理安全確保支援士の難易度については下記の記事をご覧ください。
他のネットワーク系資格と比較
他のネットワーク系資格で代表的なものは、シスコ技術者認定資格です。
5段階のレベルで実技面の能力が試されます。また、専門分野ごとに試験が細分化されていることも特徴です。
シスコ技術者認定資格の中で特に有名なのが、CCNAになります。同資格の中では下から2番目のレベルであるアソシエイトに分類される試験です。
この試験に関しては、ネットワークスペシャリストに比べ、難易度は低くなります。
CCNAの難易度については以下の記事で詳しく確認してください。
また真ん中のレベルであるプロフェッショナルに分類されるCCNPも、ネットワークスペシャリスト試験よりも簡単です。
しかし、それ以降のエキスパートやアーキテクトになると、ネットワークスペシャリストよりも難しくなります。
これらのレベルに来ると、難易度は大幅に上昇するからです。
ネットワークスペシャリストを取るメリット
資格を取得するメリットを知ることは大切です。それは試験勉強における大きなモチベーションになります。
高年収を狙える
ネットワークスペシャリストとして働く場合、その平均年収は450〜800万円程度です。
これは、システムエンジニアの平均年収は550.8万円、サラリーマンの平均年収は454.5万円と比較すると高い水準となっています。
また、企業によっては資格手当が出る場合もあります。具体的な額としては、毎月5000〜10000円程度でしょう。
ネットワークスペシャリストを取得すれば、資格手当も含めて年収がアップする可能性が高いため、お金周りのメリットは大きい資格だと言えます。
転職の際のアピールに使える
ネットワークスペシャリストの資格は、ネットワークに関する高度な専門知識を有することの証明です。
企業にとっては即戦力としての活躍が期待できるため、転職時には高評価を受けることが多くなります。
実際に多くの企業がネットワークスペシャリスト取得者を求めているようで、大企業では資格の取得を採用の条件にしているところもあるほどです。
他のネットワーク関連資格を合わせて取得すれば、さらなるアピールが期待できるでしょう。
就職でも効果を発揮
新卒がネットワークスペシャリストを持っていることは稀なので、就職の際には有利になるでしょう。
ネットワークスペシャリストの取得者の多くは、ある程度経験を積んだエンジニアです。
もし学生のうちに取得することができれば、学習意欲やポテンシャルの高さを評価されるでしょう。
ただし企業は新卒を採用する際に、そこまで資格の取得を重視していません。
そのため、就活では資格を取得したもっともらしい理由を考えるなど、アピールの仕方を工夫する必要があるでしょう。
責任感あるポジションを任される
ネットワークスペシャリストは、高度な知識を有するネットワークの専門家です。
そのため、リーダーなどの責任あるポジションを任されることも多いでしょう。
このようなポジションにつくことは、出世コースに乗ることを意味します。役職が上がっていけば、年収や待遇も良くなるでしょう。
責任ある立場で働いてみたいという方には、おすすめできる資格です。
国家資格を一部免除される
ネットワークスペシャリスト試験に合格すれば、他の資格において免除制度の対象になる場合があります。
具体的には以下のような免除を受けることが可能です。
-
中小企業診断士の1次試験科目の一部免除
-
弁理士試験の論文式筆記試験選択科目の理工V免除
-
技術士試験の第一次試験の専門科目「情報工学部門」が免除
-
ITコーディネータ試験の一部が免除される専門スキル特別認定試験を受験可能
このように、かなりの資格試験で免除が受けられます。いずれも難易度の高い試験のため、少しでも負担を軽減できれば試験の際に有利です。
ネットワークスペシャリストは独学で合格できる?
ネットワークスペシャリスト試験では、情報処理技術者試験の中でも特に難易度の高い試験ですが、適切な方法で勉強すれば独学でも十分合格が可能です。
以下では独学で勉強を行う際に重要となるポイントをいくつか紹介します。
独学対策のポイント
独学での勉強においては以下の2点が重要になります。
スケジュールの徹底管理
合格には継続的な勉強が何より大切です。そのために、まずが学習スケジュールを立てましょう。
合格までの道筋をはっきりさせておくことで、勉強が継続しやすくなります。
スケジュールを立てる際は、試験範囲をきちんと把握した上で、自分に適切な勉強時間を設定するようにしましょう。
また、満遍なく勉強するのではなく、頻出範囲を中心に特訓するような計画にするべきです。
ネットワークスペシャリスト試験では、働きながら合格を目指す場合がほとんどでしょう。
よって、スケジュールをきちんと管理することで、日々やることを明確にしておくことが肝心です。それによってメリハリのある勉強が可能になります。
やる気を落とさない
ネットワークスペシャリストの勉強は長期に及ぶため、どうしてもやる気が落ちてしまう瞬間が出てきます。
独学での勉強にはモチベーション維持の工夫をすることが重要です。例えば、目標点数や目標正解数などのノルマを設定するのも良いでしょう。
日々に達成感が味わえる仕組みを作ることで、勉強が継続しやすくなります。
短期間のノルマをこなしていくことで、モチベーションを高いレベルで維持しながら勉強を続けることが可能です。
独学時の基本勉強法
ネットワークスペシャリストにおける4つの試験に共通して有効な勉強法は、インプットとアウトプットの徹底です。
インプットとは、テキストを読み込んで基本的な知識を蓄えること、アウトプットは問題集や過去問で演習を行うことを指します。
インプットを行う際は、基本用語を中心に記憶し、試験範囲の全体像を大まかに把握しましょう。
特に午前試験は知識量がものを言う試験のため、インプット作業がかなり有効になります。
IT関連の基本知識に不安を覚える人は、インプットにより多くの時間を使いましょう。
アウトプットでは、演習を通して問題の形式に慣れることが大切です。また自分の弱点を発見し、その部分を確実に克服していくことも重要になります。
分からない箇所はテキストに戻ってじっくり復習し、知識の穴を埋めていきましょう。
過去問の使い方は大切
ネットワークスペシャリスト試験の過去問は、IPAの公式サイトや市販の過去問題集を通じて入手することが可能です。
過去問を繰り返し解くことで、出題傾向や頻出範囲が把握できるため、実力アップに効果的だと言えます。
また、自らの弱点を把握できるため、苦手克服にも繋がります。
午前試験Ⅱに関しては、過去問からの流用が多いため、過去問演習が特に有効です。
また午後試験でも、問題形式に慣れることができるので、過去問は重宝されます。
ネットワークスペシャリストは、過去問演習の量が合格に直結する試験です。そのため、積極的に過去問を活用しましょう。
ネットワークスペシャリスト試験対策におすすめの参考書
ネットワークスペシャリストの試験で独学を行う際には、どの参考書で勉強を行うかが非常に大事になってきます。
今回紹介するおすすめテキストは「うかる ネットワークスペシャリスト2023年度」です。
この本は基本的な知識はもちろん応用力もバランスよく身につけられる1冊となってます。
特に午後試験対策が充実しており、それぞれの共通点や違いを軸にして試験の攻略法をわかりやすく解説している1冊となっています。
他の情報処理技術者試験に挑戦する
ネットワークスペシャリスト試験の受験前後には、他の情報処理技術者試験を受けるのも良いでしょう。
特にIT系の資格を取得したことがない場合は、先に低いレベルの試験から受けることをおすすめします。
ネットワークスペシャリストを取得後は、他の高度情報技術者試験も取得すれば、仕事の幅を広げることが可能です。
そもそも情報処理技術者試験とは
情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、経済産業省が認定する国家資格です。
ITに関して一定水準以上の「知識・技能」を持つ情報処理技術者に与えられます。
主催団体は情報処理推進機構(IPA)です。ちなみにIPAは、経済産業省が所管するIT関連の政策実施機関になります。
日本のIT国家戦略を、技術面と人材育成面の両方から支えるために設立された機関です。
情報処理技術者試験は全ての試験で受験資格がなく、受験料は一律5,700円になります。
情報処理技術者試験の種類およびレベルは以下の通りです。
試験区分 | レベル |
---|---|
ITパスポート試験 | 1 |
情報セキュリティマネジメント試験 | 2 |
基本情報技術者試験 | 2 |
応用情報技術者試験 | 3 |
高度情報技術者試験 | 4 |
また、高度情報技術者試験は以下の9種類になります。
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- ITサービスマネージャ試験
- システム監査技術者試験
- 情報処理安全確保支援士試験
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、ある程度経験を積んだエンジニアがさらに上を目指すための試験です。
高度なIT人材に必要となる、IT業務における発展的な知識や技能が試されます。
高度情報技術者試験のワンランク下の試験です。そのためネットワークスペシャリストの受験前に取得することをおすすめします。
取得すれば基本的な知識を押さえられるだけでなく、午前Ⅰ試験の免除も受けられるので、メリットは大きいと言えるでしょう。
また、これからITエンジニアを目指したいとう方には、さらにワンランク下の基本情報技術者試験がおすすめです。
基本情報技術者試験は新人エンジニアの登竜門と言われます。
ITストラテジスト試験
ITストラテジストとは、いわば企業のIT戦略を専門にしたコンサルタントです。
エンジニアなど技術的な立場というよりは、むしろ経営陣に近いポジションでビジネスを主導する役割が求められます。
そのため、CIOやCTO、ITコンサルタントなどに興味がある方は、ITストラテジスト試験がおすすめです。
ITストラテジストとして働く場合、その平均年収は670万円程度と言われています。こちらも高収入が見込める職業です。
ネットワークスペシャリストの難易度まとめ
ネットワークスペシャリストの難易度まとめ
- 高度情報技術者試験の中では簡単な部類
- 事前知識によっては30〜60時間の勉強でも合格が可能
- 短期間で効率的に勉強するには通信講座を利用するべき
ネットワークスペシャリストの難易度について解説しました。
合格率が14%前後の難関試験ですが、高度情報技術者試験の中では易しい部類です。
正しい勉強法を実践すれば、独学でも十分合格が目指せます。
忙しい社会人には、通信講座を利用した短期間で効果的な勉強がおすすめです。