【最新版】中小企業診断士の関連資格と関連度まとめ
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中小企業診断士
平井東
- 「中小企業診断士の関連資格は何があるの?」
- 「ダブルライセンスのメリットが知りたい!」
中小企業診断士を目指している人の中には、ダブルライセンスを検討している人も多いのではないでしょうか?
この記事では、中小企業診断士の関連資格とダブルライセンスのメリットを分かりやすくまとめました。
この記事を読めば、中小企業診断士の関連資格についての知識は完璧です!
中小企業診断士の関連資格をざっくり説明すると
- 中小企業診断士の関連資格には、取得が直接試験に影響するものと、学んだ内容が間接的に役立つものの2種類が存在する
- 関連度の高い資格は診断士の様々な科目と学習分野が被っている
- 学習内容に直接関係はないものの、ダブルライセンスのメリットが大きい資格も存在する
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中小企業診断士の関連資格
科目免除になる資格
中小企業診断士の一次試験では、基本的に7つの科目を受験しなくてはなりません。
しかし、特定の国家資格等を有している場合は、申請するといくつかの科目が合格扱いとなり、該当科目の受験が免除されます。
様々な条件がありますが、「公認会計士」「税理士」「不動産鑑定士」「応用情報技術者」の4つの資格を保有している場合に免除となる資格を表にまとめました。
資格 | 免除科目 |
---|---|
公認会計士 | 経済学・経済政策 財務・会計 |
税理士 | 財務・会計 |
不動産鑑定士 | 経済学・経済政策 |
応用情報技術者 | 経営情報システム |
勉強や仕事で役に立ちそうな資格【関連度順】
中小企業診断士試験は、出題範囲が広い難関資格です。
しかし、科目によっては出題範囲が同じような関連資格があります。
関連資格の取得によって中小企業診断士試験の勉強はもちろん、実務においても役立てることが出来ます。
今回は、関連度が高い順に関連資格を9つまとめました。
経営士
経営士は、中小企業診断士と同様に経営コンサルティングを行うための資格です。
そのため、中小企業診断士との関連度が極めて高いです。
経営士試験概要
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受験資格/大卒程度の学識を有する者・経営管理の実務経験5年以上
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出題分野/経営・生産・販売マーケティング・人事・財務・情報(6つの専門科目より2科目選択)
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中小企業診断士試験の関連科目/企業経営論・運営管理・経営情報システム・財務会計
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試験頻度/年2回
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必要勉強時間/1000時間
経営士の試験は、平均合格率70%前後となっており中小企業診断士と比べると比較的取得しやすい試験です。
経営士は、経営管理に関する高度な専門知識を有し、経営指導や研究、調査などのコンサルティングを行います。
試験内容は中小企業診断士との関連度が高いため、中小企業診断士とのダブルライセンスがしやすいです。
中小企業診断士とのダブルライセンスによって、経営に関するスペシャリストとしてより顧客からの信頼も寄せられるでしょう。
簿記
簿記は、中小企業診断士試験の1次試験と2次試験両方で出題される「財務会計」に特に関連度が高い資格です。
簿記は、3級から1級までありますが、中小企業診断士試験における「財務会計」の学習内容と絡めると、簿記2級までの学習が望ましいです。
日商簿記検定2級
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受験資格/なし
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出題分野/商業簿記・工業簿記
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中小企業診断士試験との関連科目/財務・会計
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試験頻度/試験会場による。年中申込み可
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必要勉強時間/200時間
簿記2級は決して簡単な資格ではありませんが、中小企業診断士試験の1次試験と2次試験に関連のある資格です。
特に2次試験の事例IVにおいては簿記の知識が必要です。
簿記2級は、財務諸表の基本的な作り方をしっかりと学ぶことができる資格です。
中小企業診断士にとってはもちろん、就職活動の際にも企業に求められる最重要資格の1つですので、取得しておいて損はないでしょう。
簿記資格についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定では、ビジネスの際に必要な「コンプライアンス・法令遵守」の基本となる実践的法律知識を学べます。
民法、商法、会社法、独占禁止法、個人情報保護法、消費者保護法などビジネスに関わる法律知識を広く浅く勉強します。
これは、中小企業診断士試験の1次試験の経営法務と関連度が高いです。
ビジネス実務法務2級を取得すると、「ビジネス法務エキスパート」という称号を名乗れるため、名刺等に記載できます。
ビジネス実務法務検定2級
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受験資格/なし
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出題分野/ビジネス法務の実務・取引主体・会社取引の法務・会社財産の管理と法律・企業活動の関わる法規制・会社と従業員の関係・ビジネスと個人の関わり・紛争解決法・国際法務
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中小企業診断士試験との関連科目/経営法務
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試験頻度/年2回
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必要勉強時間/100時間
ビジネスを行う上で、法律に関する知識は必要不可欠です。
コンプライアンスがますます厳しくなっている近年、この資格を取得していると、就職や転職では間違いなくアピールポイントになります。
また、中小企業診断士試験の経営法務は、1次試験7科目の中でも合格率が低い難しい科目です。
ビジネス法務の勉強をしていれば、中小企業診断士の試験勉強では過去問から入ってもよいくらいのレベルですので、検討してみてもよいのではないでしょうか。
ビジネス実務法務検定についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
販売士
販売士は店舗経営に関する資格で、店舗経営をする会社で特に重宝されます。
消費者のニーズの把握から、商品企画、仕入れ、在庫管理、販売など販売のプロとしての知識を学びます。
これは中小企業診断士試験の運営管理と関連度が高く、出題範囲はほぼ同じです。
販売士2級
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受験資格/なし
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出題分野/小売業の類型・マーチャンダイジング・ストアオペレーション・マーケティング・販売経営管理
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中小企業診断士試験との関連科目/運営管理
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試験頻度/年2回
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必要勉強時間/100時間
販売士資格は、中小企業診断士と同じく5年に一回資格更新があります。
これは3級から1級がありますが、中小企業診断士試験との関連を考えると2級の取得でも十分です。
ダブルライセンスして販売マーケティングに強い中小企業診断士となるためには1級が望ましいです。
販売士資格についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
ITパスポート
ITパスポートは、ITエンジニアを目指す人が「情報処理」について基礎から学べる資格です。
中小企業診断士試験の経営情報システムと関連が強く、ITパスポートの教科書を経営情報システムの勉強に使えます。
ITパスポート
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受験資格/なし
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出題分野/ステラジ系(企業と法務・経営戦略・システム戦略) マネジメント系(開発技術・プロジェクトマネジメント・ サービスマネジメント)テクノロジ系(基礎理論・コンピュータシステム・技術要素)
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中小企業診断士試験との関連科目/経営情報システム
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試験頻度/基本毎週(都道府県により異なる)
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必要勉強時間/約100時間
I関連する職種でない限り、ITに関して詳しく知っている人は少ないと思います。
しかしこれからの時代は企業のIT化がますます進み、中小企業診断士としてもITに関する知識は必要不可欠といえます。
実際はダブルライセンスとしてアピール出来るほどの資格ではありませんが、簡単な試験ですので経営情報システムの勉強として受けてみる価値はあります。
ITパスポートについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
経済学検定(ERE)
経済学検定はEREとも呼ばれている試験で、経済学の知識や理解度を図るためにある試験です。
経済学部の大学生が受験することが多い試験です。
通常のEREの他に試験範囲をもう少し絞った「EREミクロ・マクロ」という簡易版試験もあります。中小企業診断士試験の経済学と出題内容がほぼ同じで、とても関連性が高いです。
ERE
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受験資格/なし
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出題分野/ミクロ経済学・マクロ経済学・財政学・金融論・国際経済・統計学・ミクロ、マクロ経済学
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中小企業診断士試験との関連科目/経済学
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試験頻度/年2回
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必要勉強時間/不明
中小企業診断士試験の経済学は苦手な人が多い科目です。
この資格を持っていれば、他の受験生に比べて有利となることは間違いありません。
EREは、試験結果の偏差値で7段階の評価をされます。中小企業診断士としては、大学卒業レベルであるB+(偏差値55から60)以上が望ましいです。
経営学検定
経営学検定は、経営に関する基礎的知識、それを応用した経営管理能力や問題解決能力を学ぶための検定試験です。
中小企業診断士試験の企業経営理論との関連が強い試験で、主に「組織の運営」についてが問われます。
経営学検定
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受験資格/なし
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出題分野/企業システム・経営戦略・経営組織・経営管理・経営課題
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中小企業診断士試験との関連科目/企業経営論
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試験頻度/年2回
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必要勉強時間/不明
経営学検定は、初級・中級・上級の3つがあります。
初級は、4年生大学の2年生から3年生レベル。中級は、中堅社員レベルで、上級は経営幹部として経営能力が問われるレベルとなっています。
知名度が低いためダブルライセンスとしての効力は期待できませんが、中小企業診断士としての知識は中級以上が望ましいです。
ファイナンシャルプランナー(FP)
FPは、誰もが知っている人気資格です。
簿記同様に、財務・会計と関連性があります。
FPは個人向けの相談業務を学びますが、中小企業診断士も相手は企業ですが同じ相談業務が中心ですので、実務としての関連性もあります。
FP
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受験資格/2級…3級合格者・AFP認定研修修了者・FP実務経験2年以上・金融渉外技能審査3級合格者のうちいずれか1つ
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中小企業診断士試験との関連科目/財務・会計
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試験頻度/年3回
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必要勉強時間/200時間
FPは、3級から1級までありますが、中小企業診断士とのダブルライセンスとしての効果があるのは2級以上です。
FPは、転職や就職にも有利になるほか、日常生活でも役立つ資格なので、持っていて損はないでしょう。
FP資格についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
社労士
社労士は、会社の人事に関する手続きの代行や会社の労働環境についてアドバイスを行うことの出来る資格です。
試験科目としての関連は大きくはありませんが、企業経営論の組織論で出題される労働に関する法律問題では共通するところがあります。
社労士
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受験資格/学歴・実務経験・特定の国家資格のいずれかに該当(詳しくは省略)
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出題分野/労働基準法及び労働安全衛生法・労働者災害補償保険法・雇用保険法・労務管理その他の労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識・健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法・(労働保険料徴収)
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中小企業診断士試験との関連科目/企業経営論
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試験頻度/年1回
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必要勉強時間/1000時間
社労士と中小企業診断士は、ダブルライセンスとしての相性がとてもよく、実際にこの2つを取得して活躍している人が多いです。
企業へアドバイスする上で経営面も労働環境についてもアドバイスができ、さらに人事に関する手続きも行うことが出来ればかなり強みになり、重宝されるでしょう。
社労士と中小企業診断士のダブルライセンスについては、以下の記事を参考にしてください。
中小企業診断士の関連資格を持っていることのメリット
ダブルライセンスで仕事が増える
関連資格の社労士のところでも記述しましたが、ダブルライセンスは、1人で出来る業務の幅がぐんと広がります。
企業側としても、本来はそれぞれ2人の専門家に依頼しなければならないところを1人に頼むことが出来るので、データを重複して提供しなくて済みます。
それだけでなく、複数の資格の切り口から総合的に見たうえで企業についてアドバイスできるため、重宝されます。
このように、ダブルライセンスをもつ中小企業診断士は、企業側にとっても、メリットがたくさんあります。
たくさんいる中小企業診断士の中でも、強い分野を持つことで他の中小企業診断士との差別化を図ることも出来るでしょう。
中小企業診断士として失敗しても無駄にならない
残念ながら中小企業診断士としてはうまくいかず、メインの仕事を中小企業診断士ではなく他の資格で出来るものに切り替えすることがあるかもしれません。
その場合でも、中小企業診断士として勉強したことは無駄にはならず、それぞれの資格を生かしながら仕事することが出来ます。
また、中小企業診断士の資格も持っていることで、メインの資格で顧客となった中小企業から、補助金の申請やコンサルティングといった中小企業診断士としての仕事を任せられる機会もあることでしょう。
これから中小企業診断士試験を受ける場合
これから中小企業診断士試験を受験する場合には、関連資格の取得をすることで科目免除という恩恵を受けることが出来ます。
また、免除とならない場合でも、出題範囲が被っていたり似ていたりするため、その後の試験勉強が楽になります。
中小企業診断士試験は1次試験で試験科目が7科目もあり範囲も広いため、この恩恵は多くの資格で受けることが出来ます。
また、他資格の勉強をすることで中小企業診断士試験のテキストだけでは得られない視点で勉強できますし、合格体験を得ると中小企業診断士試験で不合格が続いてもモチベーションを保つことができるでしょう。
中小企業診断士の関連資格まとめ
中小企業診断士の関連資格まとめ
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中小企業診断士試験では関連資格の中には、取得することにより科目免除になるものもある
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関連資格の勉強をすることで、その後の中小企業診断士の試験勉強が楽になる
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合格体験を得ることで、中小企業診断士試験のモチベーション維持に繋がる
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ダブルライセンスを持つことで出来る業務の幅を広げることが出来る
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複数の資格をもつ立場として企業へ複合的なアドバイスを行うことが出来る
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中小企業診断士を挫折しても、他の資格を中心として活動することも出来る。顧客が中小企業の場合には、中小企業診断士としての業務を行うことも可能
中小企業診断士は、試験範囲が広範囲に渡るため関連資格が多くあります。
それらを取得することにより、受験生の場合にはその後の試験勉強が楽になったりモチベーションの維持に繋がるというメリットがあります。
得意な分野を持つと、他の中小企業診断士とは違うアドバイスができ、業務の幅も広がり、企業からも重宝される存在になれます。
このように、受験生にも中小企業診断士として活動していく上でも、ダブルライセンスのメリットはたくさんあります。
是非一度、関連資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか?