P検2級ってどんな試験?おすすめの問題集から合格率等の難易度まで詳しく解説!
「P検2級ってどんな試験なの?」
「難しい試験なの?合格率はどのくらい?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
P検はパソコンスキルを幅広く試される検定で、特に2級以上を取得すれば就職・転職でも有用です。
しかし、MOS資格や日商PC検定などの類似資格もあるため、P検に関しては不明な点も多いでしょう。
今回はP検2級について、試験の合格率や難易度、試験対策におすすめの問題集などを解説します。
これを読めば、P検2級にあなたも挑戦してみたくなるはずです。
P検2級についてざっくり説明すると
- 試験の合格率は50%程度
- 過去問はないため問題集で代用するべき
- 2級以上は対策講座を活用するのがおすすめ
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P検2級ってどんな試験?
ICTプロフィシエンシー検定、通称P検は、総合的なパソコンスキルを測る民間資格です。株式会社ベネッセコーポレーションが主催しています。
P検には1〜5級までの6等級(準2級を含む)が存在し、パソコン初心者からプロフェッショナルまで様々なレベルに対応した検定試験です。また若い受験者が多いことも特徴になります。
P検2級の試験内容は文部科学省の「情報」の学習指導要領に準拠しており、中学・高校の情報授業の延長上に位置する試験です。
しかし、2級となると知識問題だけでなく発展的な実技テストも課されるため、入念な対策が必要になります。
ちなみにP検2級に合格すれば、ビジネス上の問題を解決できる高度なパソコンスキルを証明することが可能です。
2級はレベルが高く会社内でも生かせるスキルが身につく
P検2級はビジネスシーンにおいてもパソコンを応用的に活用できるというレベルです。
そもそもP検は、MOS資格やCAD利用技術者試験のように特定の製品や技術を対象にした試験ではなく、パソコンスキル一般が幅広く問われる試験になります。
そのため、エンジニアというよりも一般人向けの資格です。パソコンに関する知識や技術を広く浅く身に付けたい人にとっては持ってこいと言えるでしょう。
特にP検2級を持っていれば、非エンジニアの中ではかなりパソコンやITに詳しい部類に入ります。そのため、一般企業に務める者なら胸を張って良い資格です。
ちなみにワードやエクセルなどマイクロソフトオフィス製品のスキルを高めたいという場合は、P検ではなくMOS資格を取得しましょう。
難易度は高いといえる
P検2級以上になれば比較的難易度の高い試験だと言えるでしょう。以下では合格率や合格ライン、勉強時間からP検の難易度を解説します。
合格率は50%前後
P検では等級が上がるごとに合格率が低下していきます。2021年度におけるP検の合格率は以下の通りです。
社会人(大学生を含む) | 中学生・高校生(※P検アプリ使用なし) | 中学生・高校生(※「P検アプリ」を使用した場合) | |
---|---|---|---|
2級 | 65.1% | 48.4% | - |
準2級 | 82.3% | 48.7% | 78.6% |
3級 | 85.8% | 50.3% | 74.2% |
上記を見ると、P検2級における大学生・社会人の合格率は65.1%です。準2級や3級に比べると、難易度の高い試験だということが分かります。そのため、問題集を繰り返し解くなどの徹底的な対策が必要です。
また中学生・高校生に関しては「P検アプリ」を使用した場合の方が、合格率が高くなることが分かります。
ちなみに「P検アプリ」とは公式の合格支援制度のことで、4〜準2級の実技テストにおけるワープロ・表計算が事前受験できるというものです。
それらの科目に関しては、「P検アプリ」で合格すれば試験本番では受験が免除されます。
2級の合格ラインの点数は7割以上
P検2級の合格基準点は以下の通りです。
級 | 満点 | 合格基準点 |
---|---|---|
2級 | 700点/総合実技100点 | 490点/60点 |
P検2級は700点+100点の合計800点満点です。合格するにはそれぞれで合格基準点を上回る点数が必要です。
前者では700点中490点の得点が必要で、つまり70%以上の正答率で合格基準を満たすことになります。
ただし700点は5項目に分けて出題されますが、各項目ではボーダーラインの設定もあります。具体的にはそれぞれで30%以上の正答率がなければ不合格です。
また総合実技(後者)では100点中60点という点数が必要になります。合格するにはそれら全てを満たさなければならないため、合格のハードルは高いと言えるでしょう。
勉強時間は50時間以上確保したい
P検2級に合格するには、パソコン初心者の場合、70時間程度の勉強が必要と言われています。
ある程度のパソコンスキルを持っている場合は、50時間程度の勉強でも合格が可能です。
また、P検準2級まで取得している人であれば、2級の基礎となる知識や技能が身についているため、さらに短い時間で合格することもできるでしょう。
P検ではパソコンスキル一般が幅広く出題されるため、普段からパソコンに慣れている人であってもそれなりの試験対策は必要です。
パソコンに自信があるからといって、全く対策なしで臨むのは得策ではありません。
そもそもP検ってどんな検定なの?
ここでは、改めてP検の基本情報を確認してみましょう。
正式名称は「ICTプロフィシエンシー検定」
P検の正式名称はICTプロフィシエンシー検定です。かつてパソコン検定試験といた名残からP検と呼ばれています。
P検は「ICTを活用した問題解決力」を測る資格試験です。この能力は、OECDの国際成人力調査で「読解力」や「数的思考力」と共に測定対象に選ばれる能力になります。
ICTの活用スキルはこれからの時代に必須の能力と言えるでしょう。そのため、P検は取得の価値が大きい試験です。
P検ではICTに関する基本的な知識や技能に加え、それらを総合的に活用する能力を身に付けることができます。
表計算ソフトの活用やプレゼン資料の作成などが円滑に行えるようになるため、ビジネスパーソンにとっては実用的な検定だと言えます。
1996年から実施されている
P検は1996年より開始された検定試験です。主催団体はICTプロフィシエンシー検定協会という任意団体になります。
同団体の事務局である株式会社ベネッセコーポレーションが運営している検定です。
2012年4月まではパソコン検定という略称で実施されていましたが、それ以降はICTを活用した問題解決力を「見える化」する資格試験として生まれ変わりました。
受験者は多く常に注目度は高い
P検は、1996年12月から2019年3月までの累積受験者数が約1,953,000人に及ぶ人気の検定試験です。
これはP検タイピングやP検アプリ受験者を除いた数字であるため、実質的にはそれ以上の受験者がいることになります。
この圧倒的な受験者数がP検の注目度と信頼性の高さを物語っています。
ちなみにP検タイピングとは、無料で何度も受けられるP検免除テストの一つです。合格すればP検アプリ同様、P検本試験におけるタイピングが免除となります。
2021年度のP検における受験者数のデータは以下の通りです。
受験者数 | |
---|---|
P検本試験 | 約100,000名 |
P検タイピング | 約81,000名 |
P検アプリ | 約20,000名 |
合計受験者数 | 約201,000名 |
上記より、P検定本試験だけでも約100,000名が受験していることが分かります。受験級の内訳としては3〜5級までが多いため、準2級以上は希少価値の高い資格です。
P検2級取得のメリット
P検2級は取得するメリットの豊富な資格です。それらメリットを知れば、試験勉強の大きなモチベーションになるでしょう。
就職・転職での強みに
P検では、一般的なパソコンスキルを幅広く身に付けることができます。現代ではあらゆる職場でパソコンが活用され、その基本操作ができることはもはや前提になりつつあります。
P検を取得すればパソコン操作が問題なくできることの客観的な証明となるため、就職や転職では高評価を得られるでしょう。特にP検2級以上を取得していれば強いアピールになります。
P検2級はパソコンスキルを証明するIT資格の中では比較的合格しやすい試験のため、積極的な受験がおすすめです。
またスマホ世代の若者はパソコン操作が苦手という見方もあるため、P検を取っておけば就職・転職で採用側を安心させることができます。
履歴書にも自信を持って書ける
先述したように、P検は圧倒的な受験者数を誇る知名度の高い資格です。P検の社会的信頼度や権威性は十分であるため、自信を持って履歴書に書くことができます。
特に2級以上を取得していれば、ビジネスシーンで実用的なパソコンスキルを有していることを証明することが可能です。
P検を履歴書に記載することに恥じらいを覚える人もいるようですが、2級以上であれば企業は一定の評価をしてくれます。取得しているのであれば、ぜひ記載するべきです。
事務職や営業職などへの就職・転職には良いアピールになるでしょう。
ちなみに履歴書にP検2級を記載する場合は、「ICTプロフィシエンシー検定協会主催 P検2級 合格」と書きます。
正式名称で書きたい場合は「P検」ではなく「ICTプロフィシエンシー検定試験」と記載しましょう。
P検2級のスキルは仕事でも即戦力に
P検5級から準2級まではタイピングの試験があります。順番に受験していけば、初歩レベルからタイピングを鍛えることが可能です。
また2級以上ではタイピングができることが前提となるため、試験においてはタイピングは出題されません。
そのため2級以上を取得していれば、高度なタイピング技術を有していることの証明にもなります。
現代社会ではICTの活用スキルが必須の素養となりつつあります。ちなみにICTとは「Information and Communication Technology」の略で、インターネットを含めた情報技術一般を指す用語です。
P検2級までを取得すれば、ICTの知識や技能を網羅的に身に付けることができるため、企業に安心感を与える人材になれるでしょう。
エントリーシートや面接でも評価される
P検では基本的なパソコンスキルを幅広く習得できるため、パソコンを基礎から学びたい人におすすめできます。
またP検2級以上であればビジネスシーンでも大いに活用できるため、就職・転職の際には有利に働くでしょう。
これからのキャリアにおいて、パソコンをはじめとするITスキルを強みにしたいと思うなら、2級以上の取得を目指すべきです。
P検を取得すれば、エントリーシートや面接でも良いアピールが可能です。ただし、特に新卒の場合は資格の取得があまり重要視されない傾向にあります。
その場合は、P検を目指した動機やパソコンスキルと絡めた自分の長所なども含めながら、上手にアピールすることが重要になります。
P検2級合格者は高度なスキルの持ち主
P検2級の合格を通して様々なスキルを身に付けることが可能です。
例えば、P検2級では情報モラルや情報セキュリティに関する発展的な知識が問われます。そのため、通信傍受法やプライバシーマーク制度などの法令や制度について説明できるようになります。
またP検は「ICTの活用した問題解決能力」を身に付けるための試験です。P検2級に合格すれば、ICTの科学的な理解に裏打ちされた選択や決定が可能になります。
さらにプレゼン用のスライドショーの編集・実行やワードを用いた文書作成も高いレベルで出来るようになるため、仕事には大いに役立つでしょう。
もちろんエクセルなどの表計算ソフトの操作も上達するため、あらゆる職場で有用となるスキルを身に付けることができます。
大学・短大では入試優遇や単位認定も
P検に合格すれば、大学や短大において入試優遇を受けることができます。以下は直近6年間でP検に関する入試優遇を行った学校数及び学部数のデータです。
年度 | 学校数 | 学部 |
---|---|---|
2018年 | 447 | 1,106 |
2019年 | 449 | 1,078 |
2020年 | 452 | 1,071 |
2021年 | 429 | 1,017 |
2022年 | 428 | 1,022 |
2023年 | 427 | 1,019 |
このように例年400以上の大学・短大で入試優遇が行われてます。
また、大学・短大ではP検の取得によって単位認定がなされる場合もあります。単位認定に関するデータは以下の通りです。
年度 | 学校数 | 学部 |
---|---|---|
2017年 | 72 | 157 |
2018年 | 71 | 152 |
2019年 | 68 | 144 |
2020年 | 64 | 132 |
2021年 | 63 | 133 |
2022年 | 60 | 142 |
これらのデータから、P検は高校生や大学生・短大生にもメリットのある検定だということが分かります。
ジュニアマイスター・アグリマイスターの認定資格
ジュニアマイスター・アグリマイスターは、工業系学科及び農業系学科に在籍する高校生を対象とした顕彰制度です。
資格や検定を取得すれば、区分表に応じて点数が付与され、点数が一定以上になると称号が与えられます。具体的には以下のような称号があります。
点数 | ジュニアマイスター | アグリマイスター |
---|---|---|
30点以上 | ジュニアマイスターシルバー | アグリマイスターシルバー |
45点以上 | ジュニアマイスターゴールド | アグリマイスターゴールド |
60点以上 | - | アグリマイスタープラチナ |
P検定の区分表は以下の通りです。各等級に合格することで、上記二つの顕彰制度に有効な点数が獲得できます。
P検の級 | 得点 |
---|---|
1級 | 12点 |
2級 | 7点 |
準2・3級 | 4点 |
4級 | 2点 |
先述した大学・短大の入試優遇もあるため、高校生にとっては特にメリットの多い検定と言えるでしょう。
P検2級の試験範囲
P検2級の出題内容は以下の通りです。
-
コンピュータ知識
-
情報通信ネットワーク
-
情報モラルと情報セキュリティ
-
ICTを活用した問題解決
-
プレゼンテーション
-
総合実技(ワープロ、表計算)
先述したように、総合実技以外の5項目が700点満点で出題されます。
出題内容をさらに詳しくチェック
以下ではP検2級の出題内容を項目別に詳しく見ていきましょう。
コンピュータ知識
この項目ではコンピュータに関する技術用語が説明できるかどうかが試されます。
また、ICT関連の事象や身の回りの現象の物理量を把握する能力も必要です。さらには業務システムの開発及び運用方法の説明も求められます。
これらを問題なくクリアすることで、リスクマネジメントに優れた人材になることができるでしょう。
情報通信ネットワーク
この項目では、情報通信システムの関連用語やグループウェアの機能を説明できるかどうかが試されます。
また、ホームページの作成及び公開に関するスキルも必要です。
さらに、LAN・WANシステムやTCP/IPについての幅広い知識も求められます。そうした知識を活かしてネットワークのトラブルに対処できるかどうかも試される項目です。
情報モラルと情報セキュリティ
コンプライアンスの意識が高まりを見せる昨今では特に重要な項目です。情報に関する法令・制度や企業の個人情報・プライバシー保護に関する問題が出題されます。
また、情報セキュリティの3大要素や電子商取引の仕組みなども理解しておかなくてはなりません。
さらに秘密情報の取り扱いや管理に関するスキルも求められる項目です。
ICTを活用した問題解決
P検のコンセプトにもなっている最重要の項目です。ICTの科学的な理解や論理的な思考を元に、物事の選択や意思決定ができるかどうかが試されます。
その際は自ら収集した情報や与えられた情報を有効活用しなければなりません。
また対象をモデル化し設計を手順化することによって、新しい体系や方式、組織などを設計する能力も求められます。
さらに既存の体系や方式、組織における課題発見及び解決策の立案の能力も必要です。それと同時にトラブルを解決し、予防措置を考えられるかどうかも試されます。
ワープロ
ワープロを用いた文書の編集能力が試さる項目です。具体的にはテンプレートやフォーム、アウトラインの機能理解及び活用能力が求められます。
また異なるアプリケーションデータを高度に扱える能力も必要です。
さらには変更履歴の設定・活用やハイパーリンクの機能説明も問われます。実務に直結する科目のため、P検2級レベルのスキルを持っていればビジネスシーンで重宝されるでしょう。
テストはワードを用いて行われます。
表計算
この項目では表計算ソフトの操作ができるかどうかが試されます。具体的にはマクロの機能を使いこなせることが必要です。
また入力規則や集計機能、ピポットテーブルなどの活用スキルも求められます。
さらにはコメントの設定や計算式のエラーチェックなども出題範囲です。
エクセルを用いて与えられた課題に対する成果物を作成するというテストになります。
プレゼンテーション
パワーポイントの活用スキルが試される項目です。具体的にはスライドの編集及びスライドショーの実行に関する能力が必要になります。
また表や図の作成・編集や配布資料の作成・印刷設定に関するスキルも求められます。
テストに使用するパワーポイントのバージョンは、「2016」、「2013」、「2010」、「2007」のいずれかです。
タイピング以上に高度な知識問題から実技が問われる
P検2級の試験は以下のような構成になっています。
区分 | 出題カテゴリー | 出題形式 | 試験時間 | 出題数 |
---|---|---|---|---|
コンピュータ知識 | 8問 | |||
一般問題 | 情報通信ネットワーク | 四肢択一式テスト・その他 | 30分 | 8問 |
情報モラルと情報セキュリティ | 8問 | |||
プロフィシエンシー | ICTを活用した問題解決 | 10問 | ||
実技 | プレゼンテーション | 実技テスト | 10分 | 8問 |
プロフィシエンシー | 総合実技(ワープロ・表計算) | 複合成果物作成型実技テスト | 30分 | 1課題 |
出題数は全部で55問+1課題、試験時間は合計70分です。
各カテゴリーのボーダーラインは正答率30%以上なので、全てのカテゴリーで8〜10問中3問以上に正解しなければなりません。
併せてMOSの受験もおすすめ
P検では「ワープロ」でワード、「表計算」でエクセル、「プレゼンテーション」でパワーポイントを用いた試験を行います。
そのため、P検定でもマイクロソフトオフィスの活用能力を身に付けることは十分可能です。
いずれも「実技テスト」及び「複合成果物作成型実技テスト」で具体的なタスクが出題されるため、実用的な能力が習得できるでしょう。
ただしマイクロオフィス製品のスキルを極めたい場合は、MOS資格の方がおすすめです。
MOS資格はマイクロソフト社公認の国際資格で、オフィス製品の活用スキルを客観的に証明してくれます。
MOS資格にはスペシャリスト(一般)とエキスパート(上級)の二つがあり、前者ではAccessやOutlookの試験を受けることも可能です。
上級であるエキスパートでも合格率は60%を超えるため、比較的取得しやすい資格になります。
P検2級の試験制度の概要
ここからはP検2級の試験制度について、受験資格や申し込み方法、試験日程などを解説します。
受験資格はない開かれた試験
P検には基本的に受験資格はありません。ただしP検1級に限り、2級合格者しか受験できないという受験資格が存在します。
そのため、いきなり2級から挑戦することも可能です。ある程度のパソコンスキルを持っているのであれば、初めから2級を受けるのも良いでしょう。
2級はP検の最上位である1級への登竜門になるため、1級を目指す場合はまず2級をクリアしなければなりません。
電話かメールでの申し込み
申し込みの流れですが、まずは認定試験会場(PASS認定校)を選びましょう。P検は全国地にあるPASS認定校にて随時試験が行われいます。
申し込みの際は、こちらから最寄のPASS認定校を探してください。
希望の試験会場が見つかったら、電話もしくはメールで受験級及び受験日時を決定します。受験日は会場によって様々です。
試験は随時行われているため、申し込み期限などは特に意識する必要はないでしょう。
試験日・試験会場はともに選択肢豊富
P検は全国で約1,400箇所ある会場において随時試験が実施されています。そのため、試験日程は会場により異なります。
受験を希望する際は最寄りのPASS認定校を選びましょう。
試験日及び試験会場に関する問い合わせ先はP検事務局になります。
一般受験料金は6,220円・学割価格は4,180円
P検2級の受験料は一般価格(社会人・大学生)が6,220円、学割価格(高校生以下)が4,180円になります。
受験料は当日精算です。試験当日は受験料を忘れず持参しましょう。
また試験当日は本人確認のための「顔写真付き身分証明書」(運転免許証やパスポートなど)も必要になります。「顔写真付き身分証明書」がない場合は、健康保険証などでも構いません。
試験もコンピュータ上で解く
P検はCBT方式で行われます。CBTとは「Computer Based Testing」の略語で、コンピュータを用いて行う試験のことです。
CBT方式ではコンピュータ上で素早く情報が処理されるため、随時受験が可能になっています。
また準2〜4級に関しては試験終了直後に合否を確認することが可能です。1級・2級では課題の出来を評価する必要があるので、合否は約2週間後に郵送で通知されます。
ちなみにP検5級は初心者向けの無料テストで、自宅のパソコンから受験することが可能です。
また、P検のCBT方式によるテストは、不正防止の面でも有効であるとともに、受験者にとっても手軽に受験を行えるメリットがあります。
P検2級の勉強方法
P検2級の試験対策には以下の内容を参考にしてください。
独学で合格できる人も
P検は独学でも合格が可能な試験です。特に準2級までは多くの受験者が独学で合格しています。
準2級まではタイピングが課されますが、毎日コツコツと練習を続けることで、スピード及び正確さを向上させることが可能です。
ただし、2級以上になると難易度が上がるため、独学では行き詰まる受験者もいるでしょう。
2級以上では「複合成果物作成型実技テスト」も行われます。そのためパソコンスキルに自信がある者でない限り、独学での合格は難しいと言えるでしょう。
独学で合格したいならば、難関試験を突破してやるという強い意志を持って勉強に励むことが必要です。
また、独学での合格を目指す際は、公式教材の活用やオンラインのサポートフォーラムなどをうまく利用することで、学習の進捗を確実にし、効率的にスキルを向上させることができるでしょう。
独学に役立つテキストを紹介
P検の独学には「P検合格シリーズ」のテキストを使うことがおすすめです。P検事務局が発行するP検オフィシャル教材で、1〜4級のそれぞれに対応したテキストが存在します。
出題カテゴリー別にセミナー形式で学習できる構成のテキストです。
完成物の作成を通してP検合格に必要なスキルが習得できるため、独学でも十分効率的な試験対策ができるでしょう。
対策講座の活用がおすすめ
P検の独学に限界を感じる人も少なくありません。特にP検2級以上になれば試験内容は高度になるため、独学での合格のハードルは高くなります。
そのため、独学での試験対策に不安を覚える場合は、P検対策講座を活用するのも良いでしょう。短期間で学習で合格を目指すにはおすすめの選択肢です。
独学での対策では勉強のペースが掴みにくいというデメリットがあります。ついついダラダラして勉強が進まないこともあるしょう。
一方で対策講座を利用すればカリキュラムに沿って学習できるため、勉強のペースをコントロールすることが可能です。
例えばアビバ(Aviva)では、P検2級対策を4ヶ月・21回の講座で効率的に行うことができます。
近くに校舎がない場合はオンライン校もあるため、あらゆる人におすすめのP検対策講座です。
過去問の代わりに問題集を活用しよう
残念ながらP検の過去問は存在しません。ただし、市販の問題集を活用することで十分問題演習は可能です。
また、公式サイトにて「P検(2020)無料模擬試験」をダウンロードすることもできます。P検2級では3回分の模擬試験が利用可能です。
さらにP検対策講座を活用するなら、講座の中で実践的な問題演習を行う機会もあるため、過去問がなくても特に心配ありません。
P検2級の独学におすすめの問題集
P検2級の問題演習には「よくわかるマスター パソコン検定試験2級総合実技テスト問題集 P検2010対応」を用いると良いでしょう。
少し古めの問題集ではありますが、十分役に立つ一冊です。
またP検2級では特に表計算が重要となるため、エクセルの強化に関してはMOS資格の問題集を用いるのも良いでしょう。
例えば「よくわかるマスター MOS Excel 2016 対策テキスト&問題集」なら、MOSの模擬試験も収録されているため、過去問がなくても充実した問題演習が可能です。
P検2級とほぼ同レベルの注目の資格試験
P検では受験する等級によって難易度が異なるため、合わせて狙うべき資格試験も様々です。
ちなみにP検2級と同レベルの試験としては、オラクルマスターBronzeなどが挙げられます。
P検2級を取得したら、以下の資格を合わせて取得するのも良いでしょう。
MOSスペシャリスト試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、ワードやエクセルなどのマイクロソフトオフィス製品に関するスキルを証明する資格です。
スペシャリストレベルに関しては、P検3級と同程度の難易度と言われています。そのため、P検2級の合格者なら比較的簡単に合格できるでしょう。
MOS資格に受験資格はないため、いきなりエキスパート(上級)を受けることも可能ですが、まずはスペシャリストから始めるのが良いでしょう。
ちなみに、ワードやエクセルなどのオフィス製品はあらゆる職場で利用されるため、MOS資格の方がP検よりも実用性が高いと言われることもあります。
MOSスペシャリスト試験の難易度詳細は以下の記事をご覧ください。
MOSエキスパート試験
MOSエキスパート試験はスペシャリストの上位資格です。WordとExcelに関する発展的なスキルが試されます。
MOSエキスパートの難易度はP検準2級に相当すると言われることが多いです。
公式の発表ではありませんが、合格率は60%程度と言われており、こちらもP検2級の合格者であれば比較的楽に取得できるでしょう。
MOSエキスパート試験の難易度詳細は以下の記事をご覧ください。
日商PC検定
日商PC検定もパソコンスキルに関する検定で、試験内容はP検とよく似ています。
検定試験の内容は、文書作成、データ活用、プレゼン資料作成の3つです。それぞれワード、エクセル、パワーポイントのスキルが試されます。
試験ではそれらのスキルに加え、IT機器やネットワークの利活用に関する知識などが問われます。
日商PC検定には1級、2級、3級、ベーシックの4等級があり、2級までは比較的合格しやすい試験です。日商PC検定2級の合格率は近年65〜70%前後を推移しており、P検2級よりも簡単な試験と言えます。
一方で日商PC検定1級の合格率は35%程度で、P検2級よりも難易度の高い試験です。
CAD利用技術者検定
CAD利用技術者試験は、コンピュータを用いた設計支援ツールであるCADの活用スキルに関する検定試験です。
IoTやAIが普及しつつある現代においては、専門性の高いCADのスキルを身に付けておくと就職・転職で有利に働きます。
CAD利用技術者試験は、3次元CAD利用技術者試験と2次元CAD利用技術者試験の2つです。
3次元CAD利用技術者試験には1級、準1級、2級の3等級があります。2級を取得すれば、3次元CADシステムを活用して機械のモデリングを行うことが可能です。
ワードやエクセルでは2次元的な設計しか行えませんが、3次元CADなら立体的な設計が可能になります。
一方で2次元CAD利用技術者試験では、CADを活用して2次元図面を効率的に作成する技能が試されます。
3Dプリンターなど3次元での設計・製造が進んでいる昨今ですが、2次元図面の広く利用されているため、こちらも有用な資格です。
ちなみに2次元CAD利用技術者試験には、1級、2級、基礎の3つが存在します。
CAD利用技術者試験の合格率は30%〜60%で、MOSよりも難しいと言われる試験です。合格率を見ると、上位の等級に関してはP検2級よりも難しいと言えるでしょう。
CAD利用技術者検定の詳細は以下の記事をご覧ください。
オラクルマスター Bronze
ORACLE MASTERは、データベース管理者向けの資格試験です。Bronze、Silver、Gold、Platinumの4つのグレードが存在します。
最も簡単なオラクルマスターBronzeは、データベース管理者の業務に必要な知識を証明する資格です。
資格を取得するには2ステップを踏まなければなりません。ステップ1は以下のいずれかのオンライン対象試験に合格することです。
-
Bronze SQL基礎I
-
11g SQL基礎I
-
12c SQL基礎
ステップ1ではSQLに関する知識が問われます。SQL(Structured Query Language)とは、リレーショナルデータベースの操作に必要なコンピュータ言語です。
ステップ2はBronze DBA12c試験に合格することになります。つまりオラクルマスターBronzeを取得するには、2つの試験に合格する必要があるということです。
試験はP検と同じくCBT形式で実施され、Brozeの難易度はP検2級と同程度と言われています。
オラクルマスターBronzeの難易度については下記の記事も併せて参考にしてください。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、ITを利活用するために必要な知識が問われる国家試験です。
パソコンスキルに限らず、IT関連の知識が幅広く習得できるので、P検2級と合わせて取得することをおすすめします。
出題範囲はストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野です。
ITパスポート試験の合格率は50%程度で、試験方式もCBT方式のため、P検2級と同じくらいの難易度と言えるでしょう。
ITパスポートの難易度詳細は以下の記事も併せて確認してください。
P検5級から順番に取得する
P検2級までは受験資格がないため、いきなり2級に挑戦することも可能ですが、パソコン初心者の方は低い級から受験するのも良いでしょう。
特に準2〜4級に関してはタイピングがあるため、どれか一つは受験してタイピングの基礎を身に付けることをおすすめします。
P検5級はWebの無料テスト
P検5級は自宅のパソコンから無料で受験することが可能です。初心者向けの基礎的な内容なので、気軽にチャレンジしてみましょう。
試験範囲はコンピュータ知識、情報通信ネットワーク、情報モラルと情報セキュリティの3分野で、各分野から10問ずつ計30問が出題されます。
終了後は即採点が行われるため、今すぐ受験するのも良いでしょう。P検5級は、こちらから受験可能です。
準2級から4級ではタイピングテストがある
P検準2〜4級ではタイピングテストが課されるため、パソコン初心者の方はいずれか一つは受験することをおすすめします。
タイピングテストは5分間で実施され、入力文字数は日本語の場合750文字、英語の場合1275文字です。
得点は「入力文字数」÷「出題文字数」で算出され、等級によって合格ラインが異なります。
タイピングテストにおける各等級の合格ラインは以下の通りです。
等級 | 日本語入力(750文字) | 英語入力(1275文字) |
---|---|---|
準2級 | 375文字以上 | 638文字以上 |
3級 | 300文字以上 | 510文字以上 |
4級 | 225文字以上 | 383文字以上 |
ビジネス・イノベーション・リーダーに最適の1級
P検2級に合格すれば1級の受験資格を得られるため、ぜひ挑戦してみましょう。
1級に合格できるレベルになれば、情報インフラやシステムの企画に携わったり、社内でのICT利活用の推進や教育業務で活躍することができます。
1級の出題内容の詳細は以下の通りです。
区分 | 出題カテゴリー | 出題形式 | 試験時間 |
---|---|---|---|
情報セキュリティ管理 | |||
プロフィシエンシー | 企業内ネットワーク構築 | 選択式テスト・その他・論述テスト | 90分 |
業務プロセス改革 | |||
ICTを活用した問題解決 |
1級では論述テストも行われます。試験時間は90分、出題数は10問で、70%以上の正答率で合格です。ボーダーラインの設定はありません。
P検2級についてまとめ
P検2級についてまとめ
- パソコンスキルは就職・転職でも役に立つ
- 試験はCBT方式で実施される
- 過去問演習ができないため対策講座の利用がおすすめ
今回はP検2級について詳しく解説しました。
P検はパソコンスキル一般に関する検定試験で、特に2級以上になるとビジネスシーンでも役に立つ資格になります。
社会人や大学生はもちろん、高校生にもメリットのある資格のため、あらゆる世代に有用な検定試験だと言えるでしょう。
独学でも合格は可能ですがややハードルが高いため、対策講座を利用するのがおすすめです。