資格を活かして働きたい!司法書士として就職する方法と採用のポイント

更新日時 2020/01/07

司法書士として就職する方法について知っていますか?

司法書士は独立開業系の資格といわれ、合格後に研修を受け、開業することが可能です。

しかし、開業の前に司法書士事務所などに就職する方も多くいるという現状があります。

ここでは司法書士として就職する方法や採用されるポイントを解説します

司法書士の資格をお持ちの方、あるいは資格取得を考えている方の参考になれば幸いです。

司法書士の就職についてざっくり説明すると

  • 司法書士は独立開業が一般的な働き方だが、独立前に一度就職する人も多い
  • 就職先としては士業事務所や法律事務所、一般企業がある
  • 勤務司法書士は下積みであることが多いので、平均年収は高くない
  • 採用されるためにはいくつか意識しておくべきポイントがある

司法書士の求人の探し方

一本道

司法書士として就職するための方法として、まずは求人の探し方を説明します。

司法書士は司法書士事務所に所属することが一般的です。一般企業ではないため、大学の就職サポートセンターなどでは情報が不十分であることも少なくありません。

さらに、司法書士事務所は一般企業のように、毎年求人を出すわけではない事務所も多いです。

「魅力的な求人があったのにタイミングを逃してしまった」という事態にならないよう、事前に求人の探し方を知っておく必要があります。

求人の探し方は大きく分けて5つ。それぞれの方法の特徴について順番に説明しますので、自分に合った方法はどれか考えてください。

司法書士会のWebサイトで探す

1つ目の方法は、司法書士会のWebサイトを利用する方法です。

各都道府県の司法書士会がWebサイトを運営しており、事務所からの求人情報を掲載しています。

この方法で求人に応募する場合、応募者自らが求人情報を見て事務所にコンタクトを取る必要がある場合がほとんどです。掲載されている情報には時差がある場合もありますので、注意しておきましょう。

また、司法書士会によってはその会に登録している司法書士のみが利用可能としているところもあります。

合同説明会に参加する

2つ目の方法は、合同説明会に参加するというものです。法律系の予備校が主催していることが多く、一度に複数の司法書士事務所と面談をすることができます。

基本的に参加している事務所は大手と呼ばれるような事務所です。複数の事務所を比較できる貴重な機会だといえますので、予備校に通っているという方は、開催情報を確認し参加することをおすすめします。

また、予備校によってはそこの生徒でない場合も参加可能な合同説明会を行っているところもあります。一度Webなどで合同説明会を探してみると良いでしょう。

エージェント会社を利用する

3つ目の方法は、エージェント会社を利用することです。

こちらの方法では、希望条件などを登録しておくことで条件に見合う求人を紹介してもらうことができます。

面接のセッティングまで会社が行うため、就職活動の手間を省きたいという方におすすめの方法だといえるでしょう。さらに、基本的に費用は無料です

ハローワークで探す

4つ目の方法は、ハローワークを利用するというものです。ハローワークに登録するためには、求人を掲載する側にも一定の基準をクリアすることが求められます。

そのため、ハローワークの利用は、基準を満たした求人を紹介してもらえるという点で安心できるでしょう。

自分自身で求人を検索する必要がありますが、所有している端末などを利用してインターネットから探すことも可能ですので一度試してみると良いかもしれません。

知り合いに紹介してもらう

5つ目の方法は、知り合いに紹介してもらうという方法です。縁故採用ともいわれます。

先に司法書士事務所に所属している先輩や、家族や親せきと付き合いのある事務所などを紹介してもらえる場合、採用率は高くなる傾向にあるようです。

また、事前に事務所の詳しい様子を聞くことができるのもメリットだといえるでしょう。

ただし、採用された場合は紹介者の顔をつぶさないように十分な配慮が必要です。

司法書士の一般的な就職先

花とかぎ ここまで、司法書士の求人を探す方法について説明してきました。ここからは、司法書士の一般的な就職先について紹介します

司法書士の就職先は大きく分けて3つです。就職先によって業務内容や給与が異なります。それぞれについて詳しく確認しましょう。

司法書士事務所

1つ目に紹介するのは司法書士事務所です。司法書士の就職先としてはもっとも一般的だといわれています。

ただ、一口に司法書士事務所といっても、大手と呼ばれるような司法書士法人や少人数の個人事務所など実態は様々です。

また、事務所ごとに主となる取扱業務が異なります。当然、自分がしたい仕事に合った事務所を選ぶべきでしょう。

加えて注目したいのが、事務所の方針です。

「資格取得のための支援制度があるか」、「独立開業に理解があるか」なども事務所ごとに異なりますので、自身の今後のキャリア形成を考えたうえで選ぶことがポイントです。

法律事務所

2つ目に紹介するのは法律事務所です。特に、簡易訴訟に関わることを希望する場合は、法律事務所で弁護士をサポートするという道があります。

法律知識がある司法書士は、弁護士のサポートスタッフとして適しているといえるでしょう。

また、簡易裁判所での少額訴訟案件に対応できる認定司法書士は、法律事務所からも求められています。

一般企業の法務

3つ目に紹介する就職先は一般企業です。

一般企業での司法書士の業務内容は、企業活動で起こり得るトラブルを未然に防ぐための準備や規制を設けること。また、実際に起こってしまったことに対応することなどです。

大企業の場合は法務に弁護士を採用することが多いですが、司法書士は中小企業に需要があります。

コンプライアンス遵守の意識が高まってきたことで、中小企業でも企業法務に取り組む企業が増えているのです

司法書士の平均年収は?

電卓の写真 司法書士の就職先について紹介しました。ここからは、司法書士の年収について紹介します。

司法書士の年収は、事務所などに勤務している場合と、開業している場合とで大きく異なります。

それぞれの平均年収について詳しく紹介しますので、参考にしてください。

勤務の場合

事務所や企業に勤務する司法書士の場合、平均年収は約240万円から360万円だといわれています。

これは、月収が20万円から30万円で、ボーナスなしで考えた場合です。ただし、このデータを見るときには、注意点があります。

司法書士の月収は勤務年数によって大きな差があり、入社して数年は一般の会社員と同じくらいの月収です。

また、司法書士は経験を積んだ後は開業するという方が多いという傾向があります。

つまり、この平均年収は開業前、下積み時代の司法書士のデータが多く集められている中で出された平均年収であるため、低い金額になっているということです。

企業に就職し、その後開業せず勤務を続けている場合は40代でこの倍くらいの年収になることもあります。

また、自分で仕事を獲得することができるような営業力などがあれば給与は上がりやすく、勤務先の規模や事業の内容、給与体系などによっては勤務でも年収が1000万を超えるケースもあります

開業の場合

司法書士全体の平均年収は877万円です。こちらは、2012年の司法書士白書のデータに基づいています。

勤務司法書士の平均年収が300万円前後ということを考えると、開業司法書士の平均年収は1000万円に迫ることが推察されます。

どこかに勤務している司法書士の平均年収と比べかなり高くなっていますが、開業司法書士は人によって収入に大きな差があります

開業しても営業力がなければ廃業に追い込まれてしまうこともあるでしょう。平均年収が高くなる分リスクを伴うことに注意してください。

司法書士として雇用されるメリット

人形の写真

ここからは、事務所や企業に勤務する場合のメリットやデメリットについて説明します。自身のキャリアプランを形成する際の参考にしてください。

それでは、司法書士として雇用されるメリットから説明します。

実務をしっかりと学べる

司法書士として雇用されている期間、実務をしっかりと学ぶことができる点は大きなメリットです。

まず、自分で営業する必要がないため案件に集中することができます。

経験が浅いうちは、先輩司法書士の仕事を見て学ぶことができるというのは心強いのではないでしょうか。

また、事務所が受注する様々な案件を担当することができるので、多様な経験を積むのにも適しています。

安定した収入が見込める

安定した収入が見込めるという点もメリットとして挙げられます。

勤務先との雇用契約で定めた収入が保証されますので、生活していくことができます。

また、法人に就職した場合は社会保険が完備されているという点も安心できるポイントだといえるでしょう。

業務に慣れないうちは特に、金銭的に安定することを重要視する方が多いようです。

司法書士として雇用されるデメリット

ネガティブなイメージ 司法書士として雇用されるメリットについて説明しました。

続けて、デメリットについても説明します。デメリットを知ることで、就職先の事務所選びの参考にすることができます。

業務が偏りがち

事務所によっては「登記専門」や「債務整理専門」など専門分野が決まっている場合があり、経験できる業務が偏ってしまうことがあります

さらに、分業制を取り入れている事務所では、ひとつの案件について最初から最後までの流れを学ぶことができない場合もあるようです。

開業を視野に入れる場合、経験できる業務が偏ってしまうと必要な力を身につけるのが難しくなります。

就職の際に事務所の業務内容などを十分に確認する必要があるといえるでしょう。

事務所によっては待遇に問題がある

司法書士として雇用される場合、事務所によっては待遇に問題があることがあります

社会保険やボーナスがなかったり、休日出勤や長時間労働が目立ったりして問題になっている事務所も存在するようです。

残念ですが、法律を扱う職種であるにも関わらずブラック事務所と呼ばれるような事務所があるということは知っておいてください。

知ったうえで就職する前に待遇面や評判などを調べることにより、問題のある事務所を避けることができるかもしれません。

司法書士の採用面接で注意すべきポイント

勉強机 ここまで、司法書士として雇用される際のメリット・デメリットを説明しました。

ここからは、司法書士の採用面接で注意すべきポイントを説明します。

司法書士事務所の採用面接は、一般企業とは異なり一次面接・二次面接などと段階を踏まないことが多いです

履歴書による書類審査の後、事務所の担当者との一度の面接で採用が決まることも珍しくありません。対策は怠らないようにしましょう。

志望動機と業務内容について

採用面接を対策する際、重要なのが志望動機です。

自分の言葉で志望動機を伝えるためにも、自身が希望する業務について考えておかなければなりません。

ここまでにも何度か触れましたが、司法書士事務所によって主要な業務が異なります

採用面接を受ける際は、ホームページなどで事務所が得意とする分野を調べ、志望する事務所を決めましょう。

志望する事務所を決めた後、その事務所を選んだ理由を整理します。採用面接で志望動機を聞かれた場合は、事務所の業務内容や特徴に即して話すようにしましょう

事務所を選んだ理由と希望の業務を結び付けておくことで、この点に答えやすくなります。

独立について

司法書士は独立開業系の資格であるため、採用面接でも「将来的に独立する意思があるかどうか」についてよく質問されます。

独立を支援する制度を設けている事務所もあるため、「独立するつもりはない」などと嘘をつく必要はありません

ただ、将来的に独立を考えている方は、そのためのプランを用意しておく必要があります。面接で聞かれた場合に答えられるようにしておきましょう。

この時に意識したいのが、長期的で具体的なプランを描くことです。

たとえ独立を支援している事務所であっても、1年や2年などでの早期独立には良い印象を持たれないのが一般的です。

採用する側としても少なくとも3年くらいの期間は働いて欲しいと考える方が多いことは知っておきましょう。

また、1年後や2年後にどのような力を身につけていたいかなど、成長のビジョンを描くことで具体的なプランを描くことができます。

コミュニケーション能力について

司法書士に求められるスキルのひとつに、コミュニケーション能力があります。

司法書士は顧客の相談内容を的確に把握し、解決方法を顧客にわかりやすく伝える必要があるためです。

業務でも必要な力であるため、採用面接でも問われるのは当然だといえるでしょう。

特に、小規模な事務所では人柄が重視される傾向があります。

そのため、採用面接では、チームワークや協調性、コミュニケーション能力を積極的にアピールすると良いでしょう。

採用面接でコミュニケーション能力をアピールするには、「言いたいことを明確に伝えること」や「表現豊かに話すこと」を意識するのも有効な手段だとされています。

面接担当者の質問の意図を正しく汲み取って返答することも大切です。採用面接のコツなどをWebで調べると多くの情報が手に入りますので、うまく活用して効果的なアピールをしましょう。

また、コミュニケーション能力は独立後の営業にも役立ちます。逆に、自身のコミュニケーション能力に不安がある方は、早いうちから意識して高める必要があるといえそうです。

自分に合った就職先で司法書士の資格を活かして活躍しよう!

司法書士の就職まとめ

  • 司法書士の就職先は司法書士会HPや予備校の合同説明会、転職エージェントを利用して探す
  • 勤務司法書士は年収が低い傾向にあるが、実務が学べる上に安定している
  • 事務所によっては扱う業務に偏りがあったり待遇が酷い場合があるので注意する
  • 採用面接で独立の意向などについて嘘をつく必要はない

司法書士として就職する方法や採用されるポイントについて説明しました。

司法書士の主な就職先は、司法書士事務所や法律事務所、一般企業などです。上で説明したように、就職先や事務所の規模、業務内容によってメリットやデメリットがあります。

事前によく調べ、自分の描くキャリアプランに合った就職先を見つけましょう。